レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Edition の実機レビュー

更新日:
CPU Core i7-1260P
メモリ 32GB LPDDR5
ストレージ 512GB SSD
液晶サイズ 14インチ
液晶種類 2.8K 有機EL
質量 約1.15kg
バッテリー 最大 約21.7時間
WWAN 5G対応
価格[税込] 30万円台~
1000台限定の特別仕様モバイルノート

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionは、ThinkPad生誕30周年を記念して作られた、1000台限定の特別仕様モデルです。

ロゴが懐かしのRGBカラーになっており、ヒンジ部分にはシリアルナンバーも刻印され、自分だけの特別なThinkPadを所有することができます。

製品自体は、モバイルノートとしての性能が高く、人気も高い製品です。

なお、このPCを単品で購入するよりも、ディスプレイとマウスの3点セットのモデルのほうが安いので、そちらを購入したほうがお得でしょう。

公式サイトはこちら

※レビュー機は、メーカーからの貸出機です。

 

期間限定クーポンコード

2023年5月7日(日)までの期間限定で、一部の対象製品が、5,500円オフになるクーポンコードが公開されています。対象製品についてはこちらをご覧ください。

クーポンコード

NEWLIFE2023

 

the比較限定クーポン

レノボから対象パソコンが「1%~2%OFF」で購入できるEクーポンを、メーカーから頂きました。対象のパソコンは週によって変わるので、詳しくは下のページをご覧下さい。

レノボ Eクーポン

 

目次

お忙しい方は、「ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionの特徴」のみお読みください。

 

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionの特徴

懐かしいRGBロゴ

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionは、ThinkPadの生誕30周年を記念して、10月に1000台限定で発売されたモデルです。

特徴的なのは、懐かしいRGBロゴが入っている点で、今現在のThinkPad X1 Carbonとは異なる特別感のある製品です。ThinkPadファンにはたまらない製品でしょう。

また、天板はカーボンファイバーを採用しており、織り目が見えるところが、かっこいいです。

 

また、パームレスト部分には、「30th Anniversary Edition」のプリントが入っいます。

 

シリアルナンバーが刻印

さらに、ヒンジ部分には日本独自のJから始まるシリアルナンバーが刻印されています。もちろん同じ番号はなく、世界に1つしかないため、とても限定感があり、所有欲を満たします。

 

RGB色のトラックポイントキャップも付属

RGBカラーのトラックポイントキャップが付属している点も嬉しいです。通常の赤ではなく、緑や青のトラックポイントにしてみるのもいいのではないでしょうか?

 

非光沢の2.8K有機EL搭載

ディスプレイには2.8K有機ELディスプレイを搭載しています。有機ELディスプレイとしては珍しく非光沢なので、作業もしやすいです。また、100% DCI-P3クラスの広色域ディスプレイなので、画像編集などの用途にも使えるでしょう。

 

32Gの大容量メモリ

本製品は、32GBもの大容量メモリを搭載しています。ThinkPad X1 Carbonは、オンボードメモリとなっており交換することができないので、32GBものメモリを搭載しているのは嬉しいです。重いソフトを複数搭載するような方でも、メモリ不足になることは少ないでしょう。

 

5G対応でどこでもインターネット通信

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionは、5Gモジュールも搭載しており、SIMカードを挿入すれば、どこでもインターネット通信をすることができます。外出先でPCを使うことが多い方に最適でしょう。LTEだけではなく5Gにも対応しているので、場所が良ければ、かなり速い通信速度が出ます。

 

その他の特徴

ThinkPad X1 Carbonのその他の特徴は、以下のリンク先をご覧ください。

ThinkPad X1 Carbonのレビュー

 

ディスプレイのチェック

前述しましたが、ディスプレイには、2.8K有機ELを搭載しています。

フリッカーがある点が少しきになりますが、色域は広く、非光沢で映り込みも低減されており、まずまずの見やすさではないかと思います。

最大輝度は381cd/m2です。その他の特性については下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は非常に広いです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 97%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、多少のズレはありますが、そこまで補正されているわけではないので、比較的自然な発色になっています。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。ギラつきがややありますが、そこまでひどくはないので、気にならない方が多いでしょう。

画面への映り込み

有機ELディスプレイであるため、フリッカーがあります。周波数も低めなので、体質によっては目が疲れやすいかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionのキーボードは、他のThinkPadシリーズと同様に、キートップが大きく湾曲しており打ちやすいです。「@」や「*」などの一部のキーが小さくなっていますが、そこまで気にはならないでしょう。

トラックポイントも搭載し、手をホームポジションにおいたまま、カーソルの操作ができるので便利です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます

 

パフォーマンスのチェック

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionのパフォーマンスをチェックします。

「電源モード」を変えても、ベンチマークスコアにほぼ差がなかったため、ここでは、デフォルトの設定で計測したスコアのみを掲載します。

CPU

CPUには、Core i7-1260Pを搭載しています。他の機種で計測したときよりも、やや低めのスコアでしたが、モバイルノートパソコンで行う多くの作業は快適でしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1260P
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 16389
Ryzen 7 6800H 13999
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Core i7-1260P 9032
7907
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Ryzen 7 5700U 8445
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
1573
Core i7-1255U 1776
Core i5-1235U 1675
Core i7-1280P 1664
Core i7-1195G7 1634
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Core i5-1240P 1483
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1264
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー(一部のみ掲載)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリは32GBも搭載しています。LPDDR5-5200のメモリで帯域も広いです。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
32GB(16GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
54.27GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

外部グラフィックスを搭載していないノートパソコンとしては、高めのグラフィック性能です。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i5-1240P
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-5200
20441
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-5200
17581
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4のSSDを搭載しており高速です。容量も512GBあります。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe Gen4 SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6629
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーの仕様表では、「約 1.15kg」となっています。通常のThinkPad X1 Carbonの最低質量よりもやや重くなっていますが、これは5Gモジュールを搭載しているためかと思います。

当サイトによる計測値は次の通りで、仕様値とほぼ一緒です。十分持ち運びできる軽さです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.152kg
ACアダプター+電源ケーブル 256g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

今回、2.8Kの高解像度液晶を搭載していることもあり、そこまで長いバッテリー駆動時間ではありませんが、軽い負荷ではあれば、7~8時間程度ならバッテリー駆動できるでしょう。ただ、Officeソフトを使いながら、ブラウザで次々色々なページを見たりなど、やや負荷をかけると、4時間くらいしかバッテリーがもたないのではないかと思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 最大 約21.7時間
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時 7時間46分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

1080pの高解像度のWebカメラを搭載しており、画質も比較的綺麗です。また、IRおよび人感センサーにも対応しています。

1080p Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

ウーファーとツイーターを搭載しており、音質は比較的良いです。ノートPC基準で、10点満点で採点すると6~7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

最初は28W前後のCPU電力で推移しますが、CPU温度が100℃前後と高くなっています。そのため、28Wを維持することができず、18W前後までCPU電力が落ち、それに伴ってパフォーマンスも落ちます。そのため、CINEBENCH R23の結果の通り、Core i7-1260PのCPUにしてはそこまで高いベンチマークスコアではありません。

CPU電力が下がった後のCPU温度は、80℃台なので問題ありません。

CPU電力&CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)については、比較的静かだと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度は、ファンと排気口周りが熱くなりますが、パームレスト部分はそれほど熱くならないため、快適に使えると思います。底面は温度が高くなる箇所あるので、膝の上にPCをおいて作業をするときは、底面火傷に気をつけましょう。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

Core i7/2.8Kディスプレイのモデルなので、アイドル時の消費電力はやや高めです。エンコード時の消費電力は、CPU使用率が100%から70%まで落ちたときを計測しているので、そこまで高くありません。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Edition の外観のチェックです。

前述の通り、ロゴがRGBカラーなのが特徴的です。

 

天板はカーボンファイバーの繊維が見えるようになっています。

 

高さは15.36mmとなっており、薄型です。

 

側面には、 Thunderbolt4が2つ、USB3.2 Gen1が2つ、HDMI、マイク/ヘッドホン端子、SIMカードスロットがあります。SDカードスロットが無いのは残念です。

 

電源ボタンには指紋センサーが統合されています。

 

ヒンジは180度開くことができます。

 

底面の給気口は小さめです。

 

ACアダプターは65Wです。薄型で角が丸くなっているので持ちやすいです。電源ケーブルも細くて持ち運びしやすいです。

 

まとめ

以上が、ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Editionのレビューでした。

ロゴがRGBカラーで、シリアルナンバーまで付いている限定モデルです。ThinkPadファンで、特別感のあるPCが欲しい方におすすめです。

ディスプレイが見やすく、タイピングもしやすく、性能も十分で、持ち運びもしやすいです。5Gにも対応し、どこにいてもインターネットに接続することができます。

そこまで放熱性が高いわけではなく、パフォーマンスについては思ったほど高くありませんでしたが、モバイルノートで行うような一般的な作業であれば、十分な性能だと思います。

 

1000台限定の特別仕様モバイルノート

ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Edition

特徴

  • RGBカラーのロゴ
  • シリアルナンバーが刻印
  • 人気のモバイルノートの特別仕様モデル

こんなあなたに

  • 特別感のあるモバイルノートが欲しい方
  • 長年のThinkPadファン
  • 価格33万円台
公式サイトはこちら

 

 

関連ページ