レノボ Yoga 770(14型 AMD) の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 7 6800U
メモリ 16GB LPDDR5-6400
ストレージ 1TB PCIe NVMe SSD
液晶サイズ 14.0インチ
液晶種類 2.8K 有機EL 90Hz 光沢
質量 約1.42kg
バッテリー 約17時間
価格[税込] 16万円台~
最新Ryzen 7 6800U搭載の2 in 1 PC

Yoga 770(14型 AMD) は、最新世代のRyzen 7 6800Uを搭載した 2 in 1 PCです。

新しいプロセッサーは、CPU性能はもちろん、内蔵GPUの性能が大きく向上し、普段使いはもちろん、クリエイティブワークも快適になりました。

また、美しい2.8K有機ELディスプレイも目を引きます。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 7 6800U、16GBメモリ、1TB PCIe Gen4 SSD

 

セール情報

以下のページでレノボのパソコンのセールを実施中です。

 

目次

お忙しい方は、「Yoga 770(14型 AMD) の特徴」のみお読みください。

 

Yoga 770(14型 AMD)の特徴

Ryzen 7 6800Uを搭載

まだ搭載している機種が少ない中、Yoga 770(14型 AMD)は、Ryzen 7 6800Uをいち早く搭載した製品です。Ryzen 7 6800Uは、以下のような特徴があります。

処理性能は少しアップ

Ryzen 7 6800Uは、Zen 3+アーキテクチャーを採用した、AMDの最新プロセッサーです。CPUの処理性能を測るベンチマークの結果では、インテルの第12世代Core -i7-1280Pを少し下回るものの、一世代前のRyzen 7 5825Uを超えるマルチコアスコアでした。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 7 5825U 10040

 

内蔵グラフィックスのパフォーマンスが高い

プロセッサーの性能向上は、たいしたことがないように感じるかもしれませんが、注目したいのはグラフィックス性能です。Ryzen 7 6800Uの内蔵グラフィックスであるAMD Radeon 680Mは、ベンチマークで下のグラフのような結果が出ました。Ryzen 7 5825Uや、Core i7-1280Pを大きく超え、外部グラフィックスのGeForce MX450とほぼ同じスコアが出ており、内蔵グラフィックスとしてはとても高い性能を備えています。

3DMark Night Raid(Graphics score)
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
LPDDR5-6400
30319
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728

 

クリエイター向けソフトなどの処理速度がアップ

この最新プロセッサーを搭載することで、これまでRyzenだとやや長めの時間がかかっていた、Adobe Lightroom Classic CCでのRAW現像や、Adobe Premiere Pro CCによるFHD動画の書き出しの速度も随分速くなり、これらAdobe系のクリエイター向けソフトも使いやすくなっています。

 

軽いゲームなら高めのフレームレート

軽めのゲームであれば、画質を下げることで、ある程度快適にプレイすることも可能でした(ただし、光沢液晶なので映り込みがあるのがちょっと気になります)。

クリエイター向けソフトの処理時間やゲームに関しての詳細は、こちらもご確認ください。

 

AMD Radeon 680Mに割り当てられたメモリは2GB

AMD Radeon 680Mは、メインメモリを利用しますが、内蔵グラフィックス専用に割り当てられていたメモリは2GBでした。使えるメインメモリは、13.7GBと目減りするのでご注意下さい。

タスクマネージャーのGPU画面

 

画面比16:10の2.8K有機EL搭載

Yoga 770(14型 AMD)は美しい表示が可能な有機ELディスプレイを搭載している点も特徴です。

有機ELディスプレイ搭載

 

画面比16:10で、2.8K(2880x1800)と高解像度。最大10.74億色の10bit表示が可能で、当サイトの計測では、DCI-P3カバー率100%、Adobe RGBカバー率98.1%と色域が非常に広かったです。有機ELなので、黒の表現力が高く、上の画像のような黒をベースとした表示に特に優れており、一般の液晶よりもワンランク上の表示ができます。

4スピーカーを搭載し、音質もいいことから、映画や動画などのエンターテイメントを楽しむときの満足度が高いです。また、色鮮やかな表示ができるビューワーとしてや、画像・動画の簡単な編集など、にもおすすめです。

リフレッシュレートも90Hzとやや高めなので、軽めのゲームであれば一般的なノートPCよりも滑らかな映像でゲームをプレイすることができます。ただし、光沢表面なので、映り込みがあるのがやや気になります。

有機ELディスプレイの詳細

 

Lenovoデジタルペンが付属

Yoga 770(14型 AMD)には、Lenovoデジタルペンが付属しており、ペンでの操作や、手書き入力が可能です。

ペンは、ワコム AES方式で、4096段階の筆圧検知に対応しています。ペンのホルダーも同梱されており、下の画像のように、ペンとホルダーを右側面のUSBに挿しておくと、使用しない時でも紛失しにくいです。

Lenovoデジタルペンが付属

 

ただ、実際にイラストを描いてみましたが、ペン先と画面との摩擦が強すぎるのと、ジッターが割とあってゆっくり描くと線が波打つので、あまり描きやすくはありませんでした。イラスト制作向きではありません。文字もそこまで書きやすくはありませんでした。

なお、ワコム AES対応のペンであれば、他のペンも使用できると思います。ペン先が固いものであれば、もう少し書きやすくなるかもしれません。

付属のデジタルペンで描いてみました

 

高質感で持ち出しもできるコンバーチブル型PC

Yoga 770(14型 AMD)は、360度回転するヒンジを備えた、コンバーチブル型ノートPCです。

下の画像のように、自在に変形できるので、色々な場所で多目的に使用しやすいです。

コンバーチブル型

 

CNC加工されたアルミニウムを使用したユニボディなので、剛性が高く、ボディが歪みにくいので、変形させるときも安心です。また、下の画像のように、ボディのコーナーや、エッジ部分は丸みを帯びたラウンドエッジになっており、どこを持っても、手にしっくりきます。質感もいいです。

ラウンドエッジで質感のいいボディ

 

なお、Yoga 770(14型 AMD)の質量は、約1.42kgです。14型ノートPCとしては軽くはありませんが、ある程度の強度が必要で、重くなりがちなコンバーチブル型の割りには、比較的扱いやすい質量です。しかも71Whと大容量のバッテリーを搭載し、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できるので、綺麗な表示ができる機種を、外へ持ち出して使いたい方にもいいと思います。

約1.42kgと扱いやすい質量

 

USB4を搭載

 Yoga 770(14型 AMD)は、Ryzen 6000シリーズになったことで、最大40Gpbsの高速データ転送に対応したUSB4ポートが搭載されています。

今回チェックしたところ、Thunderboltドックも使用できました。USB4とThunderboltは完全に同義というわけではありませんが、Ryzen搭載のノートPCで、高速データ転送や、Thunderboltドックを使うことができるのは、結構嬉しいです。

USB4のUSB-Cポートを搭載(右側)

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
高いパフォーマンスと、画面比16:10のディスプレイを備えており、快適に使用できます。ただし、光沢液晶でフリッカーもあるので、この用途がメインであれば、通常の非光沢液晶を搭載した機種の方がいいと思います。
オンライン会議 ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、オンライン会議も問題なくできます。
動画鑑賞 DCI-P3カバー率100%の有機ELを搭載し、スピーカー音もいいので、とても快適に動画鑑賞できます。
RAW現像
画像編集
有機ELディスプレイは、当サイト計測でsRGBカバー率100%、Adobe RGBカバー率98.1%と広色域です。Ryzen搭載ですが、RAW現像にかかる時間もかなり短くなっていました。RAW現像や、画像編集にも使用できます。
動画編集 AMD Radeon 680Mは、CPU内蔵グラフィックスとしてはとてもグラフィックス性能が高く、FHD動画の書き出しも短めの時間で行えました。有機ELの色域もDCI-P3 100%クラスと広いです。ただし、4K動画の編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載したノートPCの方がいいです。
ゲーム △~○  外部グラフィックスは搭載していませんが、CPU内蔵グラフィックスの性能が高いため、軽いゲームであれば、比較的快適にプレイできます。ディスプレイも90Hz駆動に対応しています。ただし、光沢ディスプレイなので映り込みがやや気になります。本格的にゲームをプレイしたい方は、ゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Yoga 770(14型 AMD)のディスプレイのチェックです。

パネルは「LEN8A98」でした。

画面比16:10で、2.8K(2880x1800)と解像度も高めの14型有機ELディスプレイです。10bit表示にも対応しており、色鮮やかな映像を映し出すことができます。また、リフレッシュレートも90Hzと高めです。ただし、映り込みや、フリッカーも発生しているので、長時間文字を見るような作業にはあまり向いていないように感じます。

最大輝度は、当サイトの計測では356cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの計測結果は以下のとおりで、広色域でした。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 98.1%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ揃って1:1の直線となっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、映り込みがあります。また、タッチ対応なので、背景を白にすると電極線が目立ち、この電極線がギラついて見えます。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認です。どの輝度でもフリッカーが検出されました。目が敏感な方だと、目の疲れや頭痛などを感じるかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Yoga 770(14型 AMD)のキーボードのチェックです。

実測値で、キーピッチは縦:約18mm、横:約19mm、キーストロークは約1.4mmです。

キー配置に目立ったクセがなく、文字入力に使用する主要なキーのサイズもほぼ揃っているので、普通にタイプできるキーボードです。

タッチパッドの使い心地も普通ですが、クリックボタンを押したときのクリック音がやや大きめでした。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Yoga 770(14型 AMD)のパフォーマンスのチェックです。

この製品は、Lenovo Vantageの「電源およびパフォーマンス」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを紹介します。

「電源およびパフォーマンス」

 

CPU

Yoga 770(14型 AMD)は、Zen 3+アーキテクチャーを採用した、AMDの最新プロセッサー「Ryzen 7 6800U」を搭載しています。

ベンチマークは以下のような結果となりました。

マルチコアでは、一世代前のRyzen 7 5825Uを少し上回るスコアが出ています。インテルCPUと比べると、Core i7-1260Pよりも高いスコアですが、Core i7-1280Pには及びませんでした。

シングルコアでは、Ryzenプロセッサーの中では高いスコアですが、インテルの第12世代Coreよりもスコアは低めです。

なお、動作モードを「エクストリーム・パフォーマンス」モードにしても、実際のパフォーマンスは大してアップしていませんでした。基本的に、「インテリジェント・クーリング」モードで使用していいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 7 6800U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900H 19223
Core i9-12900HK 17767
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-11800H 11893
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 6800U 10830 [エクストリーム・パフォーマンス]
10543 [インテリジェント・クーリング]
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 7 5700U 9288
Ryzen 5 5600H 9255
Core i7-1260P 9032
Core i5-1240P 8409
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HK 1918
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-1235U 1675
Core i7-1195G7 1634
Core i9-11900H 1570
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1511
Ryzen 7 6800U 1504 [エクストリーム・パフォーマンス]
1493 [インテリジェント・クーリング]
Core i5-1240P 1483
Ryzen 9 5900HX 1463
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Ryzen 5 5600H 1354
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1268
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリはLPDDR5-6400ですが、メモリ帯域は思ったほど広くありませんでした。なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2021
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6400
デュアルチャネル
38.32GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックスは、Ryzen 7 6800Uの内蔵グラフィックス、AMD Radeon 680Mです。ベンチマークの結果は以下の通りです。

外部グラフィックスのGeForce MX450と同程度のスコアが出ています。CPU内蔵グラフィックスとしてはかなり高い性能です。なお、動作モードを変更しても、グラフィックスのスコアはそれほどアップしませんでした。ゲームや動画の書き出しなど、グラフィックス性能が求められる作業でも、「インテリジェント・クーリング」モードで使用してよさそうです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
AMD Radeon 680M
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
メモリLPDDR5-6400
30319 [エクストリーム・パフォーマンス]
29819 [インテリジェント・クーリング]
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-4800
16398
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe NVMe SSDを搭載しており、十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
3327
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通でした。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

その他のベンチマーク

Ryzen 7 6800Uのその他のベンチマークスコアについては、下のリンク先にまとめています。ご興味があれば、こちらのリンク先もご覧ください。

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

これまで、Ryzenプロセッサー搭載のノートPCでは処理に時間がかかっていた、Lightroom Classic CCでのRAW現像や、Premiere ProでのFHD動画の書き出しなども、かなり高速になり、クリエイティブな作業にも使いやすくなっています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Ryzenプロセッサーは、Lightroom Classic CCでのRAW現像にやや時間がかかるイメージがありましたが、Ryzen 7 6800Uでは処理スピードが速くなっています。RAW現像にも快適に使用できます。

Core i9-12900H 37秒
Core i7-12700H 40秒
Core i7-1260P 46秒
Core i7-12700H 46秒
Core i7-1280P 47秒
Ryzen 7 6800U 51秒
Core i7-1260P 56秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
56秒 (MacBook Pro 16)
Ryzen 7 6800H 57秒
Core i5-1240P 72秒
Core i7-1185G7 74秒
Ryzen 7 5825U 88秒
Core i7-1165G7 89秒
Ryzen 7 5800H 93秒
Ryzen 7 5800U 95秒
Ryzen 7 5700U 100秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
新計測法

続いて、現像項目を追加し、少し負荷を高めにしたときの書き出し時間を掲載します。こちらも、Ryzen 7 5825Uよりも随分速くなりました。また、2022年6月から、書き出し時GPUも使用できるようになったので、その設定を有効にすると、もう少し速くなります。第12世代Core (P)には及ばないものの、RAW現像にも使いやすくなりました。

Core i7-12700H
RTX 3060
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Core i7-1280P 64秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 81秒 [書き出しにGPUを使用をON]
89秒
Ryzen 7 5825U 151秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

スーパーズームの処理は、GPUも使用しているので、内蔵GPUの性能が高いRyzen 7 6800Uは、Core i7-1260Pよりも高速でした。

  Ryzen 7 6800U 参考:
Core i7-1260P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約1分29秒 約4分28秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約2分34秒 約2分48秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Premiere Proの書き出し時間は、Core i7-1280Pと同程度で、CPU内蔵グラフィックスのモデルとしては速かったです。GeForce MX450ほどではありませんでしたが、FHD動画の編集・書き出しであれば十分対応できる性能だと思います。ただし、VRAMを多く使う作業を行う場合は、外部グラフィックスを搭載したノートPCのほうがいいと思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
3分00秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分01秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分06秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 5825U
Radeon Graphics
4分52秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分05秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間

CPUのみで実行するx265エンコードですが、Core i7-1280Pを上回る速度でした。

Core i7-12700H 7分50秒
Core i9-11900H 8分20秒
Ryzen 9 5900HX 8分26秒
Ryzen 7 6800H 8分42秒
Ryzen 7 6800U 10分47秒
Core i7-1280P 10分59秒
Ryzen 7 5825U 11分15秒
Core i7-1260P 12分43秒
Core i7-1255U 13分31秒
Core i5-1240P 14分19秒
Ryzen 7 5800U 14分35秒
Ryzen 7 5700U 15分05秒
Core i5-1235U 15分23秒
Core i7-1195G7 16分14秒
Core i7-1185G7 16分37秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Core i5-1135G7 26分03秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

Yoga 770(14型 AMD)は、2つのUSB-Cポートを備えており、それぞれ下表のような結果となりました。

どちらのポートも、Power Delivery、DisplayPortに対応しています。手前側のUSB-CポートはUSB4 Type-Cで、Thunderboltドックも使用できました。

なお、USB-Cアダプターでの給電に関しては、低出力のものでも給電できていましたが、「低速ケーブル」の警告が表示されます。USB-Cアダプターを使う場合は、45W以上の出力のものを用意するといいと思います。

USB 3.2 Gen2 Type-C (奥側)
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 △ ※3
18W cheero充電器 △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
USB4 Type-C (手前側)
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 △ ※3
18W cheero充電器 △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、8ビット、60Hz、YCbCr444で表示できています。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーの仕様表では、質量が「約1.42kg」となっています。当サイトによる計測値は次の通りで、仕様値とほぼ同じでした。14型ノートPCとしては、軽い部類ではありませんが、扱いやすく、持ち運びも可能な質量です。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.418kg
ACアダプター+電源ケーブル 177g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は71Whです。14型ノートPCとしては、大きめの容量です。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。大容量バッテリーを搭載しているので、バッテリー駆動時間も長めでした。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約17時間
(2) 動画再生時 14時間7分
(3) FF14ベンチ
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
50%(約35Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラにはプライバシーシャッターが付いています。IRカメラも搭載しており、Windows Helloの顔認証を使用できます。

Webカメラは、FHD 1080p カメラです。広角ぎみで、比較的自然な色味の画像でした。FHDカメラなので、一般的なHDカメラよりも精細です。オンラインミーティングにも普通に使用できます。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、キーボード面と、底面の左右に、2W x2のツイーターと、2W x2のウーファーの4スピーカーを搭載しています。音質もよく、ノートPC基準で10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「インテリジェント・クーリング」モードでは、CPU電力は、ブースト時に約25W、その後徐々に下がり、16W前後で落ち着いています。CPU温度は、ブースト時は75℃ぐらいまで上がりますが、CPU電力の降下とともに温度も下がり、約60℃と低めをキープしています。

「エクストリーム・パフォーマンス」モードでは、CPU電力はブースト時に約34Wで、その後約24Wまで下がり、そのまま推移しています。CPU温度は、ブースト時は80℃を超えるやや高めの温度ですが、その後70℃を切るぐらいまで下がっており、こちらも心配のない温度です。

どちらのモードでも、CPU温度は心配なく使用できそうです。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

Yoga 770(14型 AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。なお、こちらは「インテリジェント・クーリング」モードでの結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷のかかる作業をすると、騒音値が上がりはしますが、他の機種と比べても低めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷のかかる作業をすると、キーボードの温度が少し上がりますが、パームレスト部の温度は低く保たれています。高負荷作業を行いながらタイピングする場合でも、それほど不快感はありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

今回、消費電力が高めの2.8Kの高解像度ディスプレイを搭載していますが、Ryzen 6000シリーズの消費電力が低いのか、PC全体の消費電力は低めでした。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Yoga 770(14型 AMD) の外観のチェックです。

オーソドックスなデザインですが、アルミ素材のユニボディなので、剛性が高く、質感も上々です。コーナーやエッジ部分に丸みのあるラウンドエッジになっており、手で持つときの触感もいいです。

ボディカラーは、ストーンブルーです。落ち着きのある、さわやかな色です。

 

天板です。「YOGA」と「Lenovo」のロゴが小さく入っています。

 

液晶を閉じた状態の画像です。約17.35mmとスリムです。

 

側面には、 USB3.2、USB-C x2、HDMI、microSDカードリーダーを備えています。USB-CポートはどちらもPower Delivery、DisplayPortに対応していますし、右側のポートはUSB4となっています。

 

コンバーチブル型のマルチモード 2 in 1 PCなので、下の画像のように変形することができます。ラップトップモード、スタンドモード、テントモード、タブレットモードなど、使用する場所や用途に合わせて変形できるので、活用できる機会が多いです。

 

タブレット形状にしたときです。液晶を閉じた状態よりも、少し厚みがありますが、隙間に指がかかるので、持ち上げたりもしやすいです。

 

底面です。

 

底面カバーを開けたときの画像はこちらです。大きめのファン1つと、2本のヒートパイプで冷却しています。

メモリはオンボードとなっています。

 

ストレージには、Type 2242 M.2 SSDを搭載していました。スペーサーを外せば、Type 2280 M.2 SSDへの換装もできそうです。

 

標準で付属しているACアダプターは65Wです。コンパクトなサイズで、ケーブルもかさばらないので、一緒に持ち運びしやすいです。

 

まとめ

以上が、Yoga 770(14型 AMD)のレビューです。

CPUに、最新のRyzen 7 6800Uを搭載している点が特徴です。特に、内蔵グラフィックスのAMD Radeon 680Mの性能が高かったです。これまで、Ryzen搭載ノートPCだと長めの時間がかかっていた、Adobe Lightroom Classic CCでのRAW現像や、Adobe Premiere ProによるFHD動画の書き出しなども、かなり処理が速くなっており、Adobe系のクリエイター向けソフトでの作業性もアップしています。広色域のディスプレイを備えて、気軽にクリエイティブな作業ができる機種が欲しい方にもおすすめです。

また、ディスプレイは、画面比16:10、2880x1800の高解像度、10bit表示に対応し、DCI-P3 100%クラスの広色域、90Hzの高めのリフレッシュレートと特徴満載で、非常に美しい表示が可能です。4スピーカーで、音もいいので、美しい映像と合わせ、映画などのエンターテイメントを高いレベルで楽しむことができそうです。

また、USB4 Type-Cポートを備えているのもポイントが高いです。

ウェブやOfficeソフトの使用がメインの一般ユーザーというよりも、美しい画面と処理性能にこだわるアーティスティックなユーザーにおすすめの機種です。

ただし、ディスプレイに関して、光沢なので自分の顔や周囲の物が映り込む点、フリッカーがある点、タッチパネルの電極線が目立つ点がやや気になりました。また、ペンの描き心地があまり良くなかったので、イラストを書いたり、ペンで文字入力したりする方には適していません。

さらに、筆者はこのPCを13万円台で購入しましたが、円安の影響か16万円台にまで価格が上がってしまいました。しばらくこのままの価格でいくのかもしれませんが、もう少し価格は下がって欲しいです。

 

最新Ryzen 7 6800U搭載の2 in 1 PC

Yoga 770 (14型 AMD)

特徴

  • 最新のRyzen 7 6800Uをいち早く搭載
  • 画面比16:10、広色域の14型有機ELディスプレイ
  • Lenovoデジタルペンが付属

こんなあなたに

  • 綺麗な画面でエンターテイメントを楽しみたい方
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