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レノボ Yoga 770(14型 AMD) の実機レビュー
CPU | Ryzen 5 6600U Ryzen 7 6800U |
---|---|
メモリ | 16GB LPDDR5-6400 |
ストレージ | 1TB PCIe NVMe SSD |
液晶サイズ | 14.0インチ |
液晶種類 | 2.8K 有機EL 90Hz 光沢 |
質量 | 約1.42kg |
バッテリー | 約17時間 |
価格[税込] | 16万円台~ |
Yoga 770(14型 AMD) は、最新世代のRyzen 6000 Uシリーズを搭載した 2 in 1 PCです。
新しいプロセッサーは、CPU性能はもちろん、内蔵GPUの性能が大きく向上し、普段使いはもちろん、クリエイティブワークも快適になりました。
また、美しい2.8K有機ELディスプレイも目を引きます。
ハイパフォーマンスの2 in 1 PCが欲しい方におすすめです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 6800U、16GBメモリ、1TB PCIe Gen4 SSD
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「Yoga 770(14型 AMD) の特徴」のみお読みください。
Yoga 770(14型 AMD)の特徴
Ryzen 7 6800Uを搭載
まだ搭載している機種が少ない中、Yoga 770(14型 AMD)は、Ryzen 7 6800Uをいち早く搭載した製品です。Ryzen 7 6800Uは、以下のような特徴があります。
※追記:現在は、Ryzen 5 6600Uも選択することが可能です。
処理性能は少しアップ
Ryzen 7 6800Uは、Zen 3+アーキテクチャーを採用した、AMDの最新プロセッサーです。CPUの処理性能を測るベンチマークの結果では、インテルの第12世代Core -i7-1280Pを少し下回るものの、一世代前のRyzen 7 5825Uを超えるマルチコアスコアでした。
内蔵グラフィックスのパフォーマンスが高い
プロセッサーの性能向上は、たいしたことがないように感じるかもしれませんが、注目したいのはグラフィックス性能です。Ryzen 7 6800Uの内蔵グラフィックスであるAMD Radeon 680Mは、ベンチマークで下のグラフのような結果が出ました。Ryzen 7 5825Uや、Core i7-1280Pを大きく超え、外部グラフィックスのGeForce MX450とほぼ同じスコアが出ており、内蔵グラフィックスとしてはとても高い性能を備えています。
クリエイター向けソフトなどの処理速度がアップ
この最新プロセッサーを搭載することで、これまでRyzenだとやや長めの時間がかかっていた、Adobe Lightroom Classic CCでのRAW現像や、Adobe Premiere Pro CCによるFHD動画の書き出しの速度も随分速くなり、これらAdobe系のクリエイター向けソフトも使いやすくなっています。
軽いゲームなら高めのフレームレート
軽めのゲームであれば、画質を下げることで、ある程度快適にプレイすることも可能でした(ただし、光沢液晶なので映り込みがあるのがちょっと気になります)。
クリエイター向けソフトの処理時間やゲームに関しての詳細は、こちらもご確認ください。
AMD Radeon 680Mに割り当てられたメモリは2GB
AMD Radeon 680Mは、メインメモリを利用しますが、内蔵グラフィックス専用に割り当てられていたメモリは2GBでした。使えるメインメモリは、13.7GBと目減りするのでご注意下さい。なお、BIOSから変更可能です。
画面比16:10の2.8K有機EL搭載
Yoga 770(14型 AMD)は美しい表示が可能な有機ELディスプレイを搭載している点も特徴です。
画面比16:10で、2.8K(2880x1800)と高解像度。最大10.74億色の10bit表示が可能で、当サイトの計測では、DCI-P3カバー率100%、Adobe RGBカバー率98.1%と色域が非常に広かったです。有機ELなので、黒の表現力が高く、上の画像のような黒をベースとした表示に特に優れており、一般の液晶よりもワンランク上の表示ができます。
4スピーカーを搭載し、音質もいいことから、映画や動画などのエンターテイメントを楽しむときの満足度が高いです。また、色鮮やかな表示ができるビューワーとしてや、画像・動画の簡単な編集など、にもおすすめです。
リフレッシュレートも90Hzとやや高めなので、軽めのゲームであれば一般的なノートPCよりも滑らかな映像でゲームをプレイすることができます。ただし、光沢表面なので、映り込みがあるのがやや気になります。
Lenovoデジタルペンが付属
Yoga 770(14型 AMD)には、Lenovoデジタルペンが付属しており、ペンでの操作や、手書き入力が可能です。
ペンは、ワコム AES方式で、4096段階の筆圧検知に対応しています。ペンのホルダーも同梱されており、下の画像のように、ペンとホルダーを右側面のUSBに挿しておくと、使用しない時でも紛失しにくいです。
ただ、実際にイラストを描いてみましたが、ペン先と画面との摩擦が強すぎるのと、ジッターが割とあってゆっくり描くと線が波打つので、あまり描きやすくはありませんでした。イラスト制作向きではありません。文字もそこまで書きやすくはありませんでした。
なお、ワコム AES対応のペンであれば、他のペンも使用できると思います。ペン先が固いものであれば、もう少し書きやすくなるかもしれません。
高質感で持ち出しもできるコンバーチブル型PC
Yoga 770(14型 AMD)は、360度回転するヒンジを備えた、コンバーチブル型ノートPCです。
下の画像のように、自在に変形できるので、色々な場所で多目的に使用しやすいです。
CNC加工されたアルミニウムを使用したユニボディなので、剛性が高く、ボディが歪みにくいので、変形させるときも安心です。また、下の画像のように、ボディのコーナーや、エッジ部分は丸みを帯びたラウンドエッジになっており、どこを持っても、手にしっくりきます。質感もいいです。
なお、Yoga 770(14型 AMD)の質量は、約1.42kgです。14型ノートPCとしては軽くはありませんが、ある程度の強度が必要で、重くなりがちなコンバーチブル型の割りには、比較的扱いやすい質量です。しかも71Whと大容量のバッテリーを搭載し、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できるので、綺麗な表示ができる機種を、外へ持ち出して使いたい方にもいいと思います。
USB4を搭載
Yoga 770(14型 AMD)は、Ryzen 6000シリーズになったことで、最大40Gpbsの高速データ転送に対応したUSB4ポートが搭載されています。
今回チェックしたところ、Thunderboltドックも使用できました。USB4とThunderboltは完全に同義というわけではありませんが、Ryzen搭載のノートPCで、高速データ転送や、Thunderboltドックを使うことができるのは、結構嬉しいです。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 高いパフォーマンスと、画面比16:10のディスプレイを備えており、快適に使用できます。ただし、光沢液晶でフリッカーもあるので、この用途がメインであれば、通常の非光沢液晶を搭載した機種の方がいいと思います。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、オンライン会議も問題なくできます。 |
動画鑑賞 | ◎ | DCI-P3カバー率100%の有機ELを搭載し、スピーカー音もいいので、とても快適に動画鑑賞できます。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 有機ELディスプレイは、当サイト計測でsRGBカバー率100%、Adobe RGBカバー率98.1%と広色域です。Ryzen搭載ですが、RAW現像にかかる時間もかなり短くなっていました。RAW現像や、画像編集にも使用できます。 |
動画編集 | ○ | AMD Radeon 680Mは、CPU内蔵グラフィックスとしてはとてもグラフィックス性能が高く、FHD動画の書き出しも短めの時間で行えました。有機ELの色域もDCI-P3 100%クラスと広いです。ただし、4K動画の編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載したノートPCの方がいいです。 |
ゲーム | △~○ | 外部グラフィックスは搭載していませんが、CPU内蔵グラフィックスの性能が高いため、軽いゲームであれば、比較的快適にプレイできます。ディスプレイも90Hz駆動に対応しています。ただし、光沢ディスプレイなので映り込みがやや気になります。本格的にゲームをプレイしたい方は、ゲーミングノートPCの方がおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
Yoga 770(14型 AMD)のディスプレイのチェックです。
パネルは「LEN8A98」でした。
画面比16:10で、2.8K(2880x1800)と解像度も高めの14型有機ELディスプレイです。10bit表示にも対応しており、色鮮やかな映像を映し出すことができます。また、リフレッシュレートも90Hzと高めです。ただし、映り込みや、フリッカーも発生しているので、長時間文字を見るような作業にはあまり向いていないように感じます。
最大輝度は、当サイトの計測では356cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの計測結果は以下のとおりで、広色域でした。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 98.1% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Yoga 770(14型 AMD)のキーボードのチェックです。
実測値で、キーピッチは縦:約18mm、横:約19mm、キーストロークは約1.4mmです。
キー配置に目立ったクセがなく、文字入力に使用する主要なキーのサイズもほぼ揃っているので、普通にタイプできるキーボードです。
タッチパッドの使い心地も普通ですが、クリックボタンを押したときのクリック音がやや大きめでした。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Yoga 770(14型 AMD)のパフォーマンスのチェックです。
この製品は、Lenovo Vantageの「電源およびパフォーマンス」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを紹介します。
CPU
Yoga 770(14型 AMD)は、Zen 3+アーキテクチャーを採用した、AMDの最新プロセッサー「Ryzen 7 6800U」を搭載しています。
ベンチマークは以下のような結果となりました。
マルチコアでは、一世代前のRyzen 7 5825Uを少し上回るスコアが出ています。インテルCPUと比べると、Core i7-1260Pよりも高いスコアですが、Core i7-1280Pには及びませんでした。
シングルコアでは、Ryzenプロセッサーの中では高いスコアですが、インテルの第12世代Coreよりもスコアは低めです。
なお、動作モードを「エクストリーム・パフォーマンス」モードにしても、実際のパフォーマンスは大してアップしていませんでした。基本的に、「インテリジェント・クーリング」モードで使用していいと思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはLPDDR5-6400ですが、メモリ帯域は思ったほど広くありませんでした。なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスは、Ryzen 7 6800Uの内蔵グラフィックス、AMD Radeon 680Mです。ベンチマークの結果は以下の通りです。
外部グラフィックスのGeForce MX450と同程度のスコアが出ています。CPU内蔵グラフィックスとしてはかなり高い性能です。なお、動作モードを変更しても、グラフィックスのスコアはそれほどアップしませんでした。ゲームや動画の書き出しなど、グラフィックス性能が求められる作業でも、「インテリジェント・クーリング」モードで使用してよさそうです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe NVMe SSDを搭載しており、十分な速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通でした。
その他のベンチマーク
Ryzen 7 6800Uのその他のベンチマークスコアについては、下のリンク先にまとめています。ご興味があれば、こちらのリンク先もご覧ください。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
これまで、Ryzenプロセッサー搭載のノートPCでは処理に時間がかかっていた、Lightroom Classic CCでのRAW現像や、Premiere ProでのFHD動画の書き出しなども、かなり高速になり、クリエイティブな作業にも使いやすくなっています。
Ryzenプロセッサーは、Lightroom Classic CCでのRAW現像にやや時間がかかるイメージがありましたが、Ryzen 7 6800Uでは処理スピードが速くなっています。RAW現像にも快適に使用できます。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
続いて、現像項目を追加し、少し負荷を高めにしたときの書き出し時間を掲載します。こちらも、Ryzen 7 5825Uよりも随分速くなりました。また、2022年6月から、書き出し時GPUも使用できるようになったので、その設定を有効にすると、もう少し速くなります。第12世代Core (P)には及ばないものの、RAW現像にも使いやすくなりました。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
スーパーズームの処理は、GPUも使用しているので、内蔵GPUの性能が高いRyzen 7 6800Uは、Core i7-1260Pよりも高速でした。
Ryzen 7 6800U | 参考: Core i7-1260P |
|
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約3秒 | 約3秒 |
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) | 約1分29秒 | 約4分28秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約2分34秒 | 約2分48秒 |
Premiere Proの書き出し時間は、Core i7-1280Pと同程度で、CPU内蔵グラフィックスのモデルとしては速かったです。GeForce MX450ほどではありませんでしたが、FHD動画の編集・書き出しであれば十分対応できる性能だと思います。ただし、VRAMを多く使う作業を行う場合は、外部グラフィックスを搭載したノートPCのほうがいいと思います。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPUのみで実行するx265エンコードですが、Core i7-1280Pを上回る速度でした。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
Yoga 770(14型 AMD)は、2つのUSB-Cポートを備えており、それぞれ下表のような結果となりました。
どちらのポートも、Power Delivery、DisplayPortに対応しています。手前側のUSB-CポートはUSB4 Type-Cで、Thunderboltドックも使用できました。
なお、USB-Cアダプターでの給電に関しては、低出力のものでも給電できていましたが、「低速ケーブル」の警告が表示されます。USB-Cアダプターを使う場合は、45W以上の出力のものを用意するといいと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、8ビット、60Hz、YCbCr444で表示できています。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーの仕様表では、質量が「約1.42kg」となっています。当サイトによる計測値は次の通りで、仕様値とほぼ同じでした。14型ノートPCとしては、軽い部類ではありませんが、扱いやすく、持ち運びも可能な質量です。
質量 | |
PC本体 | 1.418kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 177g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は71Whです。14型ノートPCとしては、大きめの容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りです。大容量バッテリーを搭載しているので、バッテリー駆動時間も長めでした。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約17時間 |
(2) 動画再生時 | 14時間7分 |
(3) FF14ベンチ | ー |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は普通です。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラにはプライバシーシャッターが付いています。IRカメラも搭載しており、Windows Helloの顔認証を使用できます。
Webカメラは、FHD 1080p カメラです。広角ぎみで、比較的自然な色味の画像でした。FHDカメラなので、一般的なHDカメラよりも精細です。オンラインミーティングにも普通に使用できます。
スピーカー
スピーカーは、キーボード面と、底面の左右に、2W x2のツイーターと、2W x2のウーファーの4スピーカーを搭載しています。音質もよく、ノートPC基準で10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「インテリジェント・クーリング」モードでは、CPU電力は、ブースト時に約25W、その後徐々に下がり、16W前後で落ち着いています。CPU温度は、ブースト時は75℃ぐらいまで上がりますが、CPU電力の降下とともに温度も下がり、約60℃と低めをキープしています。
「エクストリーム・パフォーマンス」モードでは、CPU電力はブースト時に約34Wで、その後約24Wまで下がり、そのまま推移しています。CPU温度は、ブースト時は80℃を超えるやや高めの温度ですが、その後70℃を切るぐらいまで下がっており、こちらも心配のない温度です。
どちらのモードでも、CPU温度は心配なく使用できそうです。
静音性のチェック
Yoga 770(14型 AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。なお、こちらは「インテリジェント・クーリング」モードでの結果です。
アイドル時はほぼ無音です。負荷のかかる作業をすると、騒音値が上がりはしますが、他の機種と比べても低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷のかかる作業をすると、キーボードの温度が少し上がりますが、パームレスト部の温度は低く保たれています。高負荷作業を行いながらタイピングする場合でも、それほど不快感はありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
今回、消費電力が高めの2.8Kの高解像度ディスプレイを搭載していますが、Ryzen 6000シリーズの消費電力が低いのか、PC全体の消費電力は低めでした。
外観のチェック
Yoga 770(14型 AMD) の外観のチェックです。
オーソドックスなデザインですが、アルミ素材のユニボディなので、剛性が高く、質感も上々です。コーナーやエッジ部分に丸みのあるラウンドエッジになっており、手で持つときの触感もいいです。
ボディカラーは、ストーンブルーです。落ち着きのある、さわやかな色です。
天板です。「YOGA」と「Lenovo」のロゴが小さく入っています。
液晶を閉じた状態の画像です。約17.35mmとスリムです。
側面には、 USB3.2、USB-C x2、HDMI、microSDカードリーダーを備えています。USB-CポートはどちらもPower Delivery、DisplayPortに対応していますし、右側のポートはUSB4となっています。
コンバーチブル型のマルチモード 2 in 1 PCなので、下の画像のように変形することができます。ラップトップモード、スタンドモード、テントモード、タブレットモードなど、使用する場所や用途に合わせて変形できるので、活用できる機会が多いです。
タブレット形状にしたときです。液晶を閉じた状態よりも、少し厚みがありますが、隙間に指がかかるので、持ち上げたりもしやすいです。
底面です。
底面カバーを開けたときの画像はこちらです。大きめのファン1つと、2本のヒートパイプで冷却しています。
メモリはオンボードとなっています。
ストレージには、Type 2242 M.2 SSDを搭載していました。スペーサーを外せば、Type 2280 M.2 SSDへの換装もできそうです。
標準で付属しているACアダプターは65Wです。コンパクトなサイズで、ケーブルもかさばらないので、一緒に持ち運びしやすいです。
まとめ
以上が、Yoga 770(14型 AMD)のレビューです。
CPUに、最新のRyzen 7 6800Uを搭載している点が特徴です。特に、内蔵グラフィックスのAMD Radeon 680Mの性能が高かったです。これまで、Ryzen搭載ノートPCだと長めの時間がかかっていた、Adobe Lightroom Classic CCでのRAW現像や、Adobe Premiere ProによるFHD動画の書き出しなども、かなり処理が速くなっており、Adobe系のクリエイター向けソフトでの作業性もアップしています。広色域のディスプレイを備えて、気軽にクリエイティブな作業ができる機種が欲しい方にもおすすめです。
また、ディスプレイは、画面比16:10、2880x1800の高解像度、10bit表示に対応し、DCI-P3 100%クラスの広色域、90Hzの高めのリフレッシュレートと特徴満載で、非常に美しい表示が可能です。4スピーカーで、音もいいので、美しい映像と合わせ、映画などのエンターテイメントを高いレベルで楽しむことができそうです。
また、USB4 Type-Cポートを備えているのもポイントが高いです。
ウェブやOfficeソフトの使用がメインの一般ユーザーというよりも、美しい画面と処理性能にこだわるアーティスティックなユーザーにおすすめの機種です。
ただし、ディスプレイに関して、光沢なので自分の顔や周囲の物が映り込む点、フリッカーがある点、タッチパネルの電極線が目立つ点がやや気になりました。また、ペンの描き心地があまり良くなかったので、イラストを書いたり、ペンで文字入力したりする方には適していません。
さらに、筆者はこのPCを13万円台で購入しましたが、円安の影響か16万円台にまで価格が上がってしまいました。しばらくこのままの価格でいくのかもしれませんが、もう少し価格は下がって欲しいです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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