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レノボ Yoga Slim 770i ProX 14.5型(第12世代インテル)の実機レビュー
CPU | Core i5-12500H Core i7-12700H |
---|---|
GPU | CPU内蔵 GeForce GTX 1650 Max-Q GeForce RTX 3050 Max-Q |
メモリ | 16GB / 32GB LPDDR5-6000 |
ストレージ | 最大 1TB PCIe Gen4 SSD |
液晶サイズ | 14.5インチ |
液晶種類 | 3K IPS 非光沢 120Hz 3K IPS 光沢 120Hz 3K IPS 光沢 タッチ 120Hz |
質量 | 約1.45kg |
バッテリー | 約18時間 |
価格[税込] | 16万円台~ |
Yoga Slim 770i ProX 14.5型 は、約1.45kgと持ち運びやすく上質なデザインのボディに、高性能パーツを搭載したノートPCです。
最大でCore i7-12700H + GeForce RTX 3050 Max-Qという、エントリーゲーミングノートPCのようなスペックを搭載することができます。
また、液晶には、画面比16:10、3K解像度、120Hz駆動、100% sRGBクラスの14.5型液晶を搭載し、作業がしやすく、クリエイティブな用途にも適しています。
持ち運びやすさ、性能、デザインのどれも妥協したくない方、外で作業を行うことが多いクリエイターなどに適した製品です。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-12700H、16GBメモリ、1TB PCIe SSD、3K 非光沢液晶
セール情報
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目次
お忙しい方は、「Yoga Slim 770i ProX 14.5型 の特徴」のみお読みください。
Yoga Slim 770i ProX 14.5型の特徴
高性能を容易に持ち運べる14.5型ノートPC
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、高い性能を、容易に持ち運ぶことができる特徴的な機種です。
約1.45kgのスリムな14インチクラスのノートPCですが、最大でCore i7-12700H + GeForce RTX 3050 Max-Qという、エントリークラスのゲーミングノートPCのようなスペック構成を選択することができます。
持ち運びやすさと、高い性能のどちらもあきらめたくない、外で作業をすることが多いクリエイターなどに適した機種となっています。
CPUには第12世代Core (H)を搭載
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、ゲーミングノートPCや、本格的なクリエイター向けノートPCに搭載されるような、PBP(プロセッサーベースパワー)が45Wと高い、第12世代Core (H)プロセッサーを搭載しています。
ただ、スリムなボディで、ゲーミングノートPCのようなしっかりした排気口もないので、第12世代Core (H)でどの程度のパフォーマンスを発揮することができるのか、気になると思います。
今回、Core i7-12700H搭載モデルをチェックしましたが、ベンチマークでは下のグラフのような結果になりました。さすがに、ゲーミングノートPCで計測した代表的なスコアまでは出ませんでしたが、まずまずのパフォーマンスは出ていると思います。Core i7-1280Pを超えるスコアが出ており、第12世代Core (H)を搭載する意味があると思います。
外部GPUが選択可能
Yoga Slim 770i ProX 14.5型では、下図のように搭載するグラフィックカードを選択することができます。
このボディで、最大GeForce RTX 3050 Max-Qを搭載できる機種はなかなかありません。動画編集などグラフィックスに負荷がかかる作業を行う方は、外部GPUを選択するといいと思います。
ただ、やはり放熱面が心配です。第12世代Core (H)に高い負荷をかけた時点で、温度が高くなっていたので、外部GPUを搭載して、果たしてどの程度のパフォーマンスを発揮できるのか、気になります。
なお、今回は内蔵グラフィックスのモデルをチェックしたので、外部GPUを搭載した時に、どの程度パフォーマンスが出て、温度が問題ないのかは不明です。
画面比16:10の3K液晶を搭載
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、画面比16:10の3K(3072x1920)液晶を搭載しています。
解像度が高く、写真などを精細に表示することができます。また、当サイト計測で、sRGBカバー率96.6%と広めの色域なので、外出先でウェブ素材用の写真編集や、YouTube投稿用の動画編集などのクリエイティブな作業を行うのに適しています。
持ち出しやすいノートPCとしては、やや大きめの14.5型なので、出先での作業がしやすいです。
下図のように100%スケールで表示すると、さすがに文字が小さすぎて見にくいですが、150%程度なら十分使えると思います。
ディスプレイには、下図のように、タッチ対応の有無と、光沢/非光沢の違いがある3種類のディスプレイを選択することができます。個人的には、光沢なし、マルチタッチ非対応のディスプレイが作業しやすいと思います。
なお、すべて120Hz駆動に対応しているので、外部GPUを搭載していれば、ライトなゲームなどを少し高めのフレームレートでプレイできるかもしれません(スリムボディなので、ゲームメインではあまりおすすめしませんが)。
スタイリッシュなデザイン
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、上記のように高いスペック構成を選択できますが、Yoga Slimシリーズにふさわしく、スリムでスタイリッシュなボディです。
ボディ素材には、プレミアムアルミニウム合金を使用し、質感が高く、かっこいいです。いかにも「ハイスペックです」というようなゴツゴツした外見のノートPCには抵抗がある方にも使いやすいです。
ライバル機種との比較
Yoga Slim 770i ProX 14.5型のライバルとなりそうな、高めの性能で、持ち運びがしやすい機種として、MSI Prestige 14 A12Uとの簡単な比較を行いました。
MSI Prestige 14 A12Uは、画面比16:9の14型液晶なので、サイズがコンパクトで、質量もより軽いです。持ち運びやすさは少し上です。
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、CPU性能が高く、液晶も3Kと解像度が高いです。作業のしやすさを重視する場合、この液晶は有利です。また、CPU、GPUを選択できるので、用途に合ったスペック構成を選びやすいのもメリットです。
レノボ Yoga Slim 770i ProX 14.5型 |
MSI Prestige 14 A12U |
|
画像 | ||
CPU | Core i7-12700H | Core i7-1280P |
GPU | RTX 3050 Max-Q | RTX 3050 |
メモリ | 32GB | |
ストレージ | 512GB SSD | |
液晶 | 14.5型 3K 非光沢 120Hz |
14.0型 FHD 非光沢 |
質量 | 約1.45kg | 約1.29kg |
価格[税込] | 246,708円 | 206,800円 |
レビュー | ― | レビュー |
※他の構成も選ぶことができます
その他
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、外出時や移動先でのクリエイティブな作業に適した機種ですが、SDカードリーダーがありません。カメラから写真や動画を取り込む場合は、別途SDカードリーダーを用意しておく必要があります。
購入時の注意点になりますが、Yoga Slim 770i ProX 14.5型をカスタマイズして購入する場合、選択しているパーツによって、その他の選択肢が変化します。
例えば、CPUにCore i7-12700Hを選択すると、メモリで32GBメモリを選択できるようになります。ここで、32GBメモリを選択すると、グラフィックカードは自動的にGeForce RTX 3050 Max-Qになり、他のグラフィックカードは選択できなくなります。
このように、組み合わせによって、選択肢が変化するので、カスタマイズする場合は、最後に全体の構成を確認して注文した方がいいです。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 高い性能の第12世代Core (H)と、画面比16:10の3K液晶を搭載しており、快適に作業することができます。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | 1080pのFHDカメラを搭載し、スピーカー音もまずまずです。オンライン会議も快適です。 |
動画鑑賞 | ◎ | 色鮮やかな表示ができる3K液晶で動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 第12世代Core (H)と、当サイト計測でsRGBカバー率96.6%と色域広めの3K液晶により、この用途にも快適に使用できます。ただし、Adobe RGBほどの広色域ではないので、DTP用途にはあまり向いていません。 |
動画編集 | ○ | CPU内蔵グラフィックスのモデルでも、FHD動画の簡単な編集ならできると思います。外部GPUを搭載したモデルなら、さらに動画編集が快適に動くようになるでしょう。ただし、薄型ボディのこのPCでどのくらいのGPU性能が出るかは今回試していないので分かりません。 |
ゲーム | ○ | 最大でRTX 3050 Max-Qを搭載し、液晶も120Hz駆動に対応しています。軽いゲームなら、高めのフレームレートでプレイできるかもしれませんが、スリムボディなので、長時間連続して高い負荷がかかるゲームにはあまりおすすめしません。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
Yoga Slim 770i ProX 14.5型では、下記の3種類の液晶を搭載したモデルがあります。
Yoga Slim 770i ProX 14.5型で選択できる液晶
3K (3072x1920), IPS, 非光沢, 100% sRGB, 400nit, 120Hz
3K (3072x1920), IPS, 光沢, 100% sRGB, 400nit, 120Hz
3K (3072x1920), IPS, 光沢, タッチ対応, 100% sRGB, 400nit, 120Hz
今回は、一番上の非光沢液晶をチェックしています。
画面比16:10の3K液晶(3072x1920)で、120Hz駆動にも対応しています。当サイト計測で、sRGBカバー率96.6%と広めの色域なので、ウェブ素材の作成など、ライトなクリエイティブ作業にも使えます。個人的には非光沢の方が映り込みが少なく、見やすいように感じますが、好みで光沢液晶を選ぶこともできます。最大輝度は、当サイトの計測では418cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Yoga Slim 770i ProX 14.5型のキーボードのチェックです。
実測値で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.3mmです。
配置に目立ったクセがなく、主要なキーのサイズもほぼ揃っています。「Backspace」キーや、「Enter」キーなど、同じ枠に2つのキーが配置されている所では、キーのサイズが少し小さい場合もありますが、打ちにくい程ではありませんでした。総合的にみても、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。
タッチパッドの使いやすさも普通です。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Yoga Slim 770i ProX 14.5型のパフォーマンスをチェックします。
本製品は、Lenovo Vantageというプリインストールされているアプリの「電源およびパフォーマンス」の項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測します。
CPU
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、スリムタイプのノートPCですが、PBP(プロセッサーベースパワー):45Wと一般ノートPCよりもパフォーマンスが高い、インテル第12世代Core (H)プロセッサーを搭載しています。Core i5-12500Hと、Core i7-12700Hを搭載したモデルがあります。
今回は、Core i7-12700Hを搭載しており、ベンチマークの結果は以下のとおりです。
マルチコアでは、ゲーミングノートPCに搭載されたCore i7-12700Hほどのスコアは出ませんでしたが、スリムタイプのノートPCとしては十分高いスコアがでていました。シングルコアのスコアも高めです。しっかりとパフォーマンスを引き出すことができており、RAW現像などのクリエイティブな作業も快適に行えると思います。
なお、動作モードを「エクストリーム・パフォーマンス」モードにすることで、処理性能が一段と上がっています。通常は「インテリジェント・クーリング」モードで十分ですが、高負荷作業を行う場合は、「エクストリーム・パフォーマンス」モードにすることで、処理にかかる時間を少し短縮できそうです。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはLPDDR5-6000で、メモリ帯域は非常に広いです。オンボードなので、メモリの増設・換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスのチェックです。
Yoga Slim 770i ProX 14.5型では、下の3種類のグラフィックスを選択できます。スリムボディですが、最大でGeForce RTX 3050 Max-Qを搭載できます。
Yoga Slim 770i ProX 14.5型で選択できるグラフィックス
Intel Iris Xe(CPU内蔵グラフィックス)
GeForce GTX 1650 Max-Q 4GB GDDR6
GeForce RTX 3050 Max-Q 4GB GDDR6
今回は、CPU内蔵グラフィックスのモデルをチェックしています。LPDDR5-6000のメモリを搭載し、メモリ帯域が広いので、第12世代CoreのCPU内蔵グラフィックスとしては、かなり高いスコアが出ていました。FHD動画のライトな編集程度であれば、CPU内蔵グラフィックスでも対応できそうです。ただし、GeForce GTX 1650などには、遠く及びません。4K動画の編集や、ゲームもプレイしたいというような場合は、外部グラフィックスを搭載した方がいいでしょう。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、非常に高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットは搭載されていません。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。なお、いずれも、他に重いソフトは起動しないでテストしています。複数のクリエイターソフトを起動した場合は、メインメモリや、グラフィックスのVRAMが足りなくなる可能性があるので注意が必要です。
外部グラフィックスを搭載していないモデルとしては速い書き出し時間です。色を変えたり、変形したりといった作業も快適に行えました。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
処理が重いニューラルフィルターを実行しました。外部GPUを搭載していないので、少し長めの時間がかかる処理もありますが、Core i7-1260Pよりも処理時間が大分速いです。
また、このような特殊な処理ではなく、マスクをして色などを変えたりするような一般的な作業であれば、ストレスなく使うことが出来ます。
本製品 | 参考 Core i7-1260P |
|
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約2秒 | 約3秒 |
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) | 約3分8秒 | 約4分28秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約2分9秒 | 約2分48秒 |
CPU内蔵グラフィックスとしては高めの性能を備えており、Premiere ProでのFHD動画の書き出し時間は速かったです。FHDの1トラック動画の簡単な編集なら、特にストレスなく作業できました。ただ、複数の動画をトラックに配置した編集や、4K動画の編集であれば、外部グラフィックスを搭載したモデルのほうがいいと思います。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
Yoga Slim 770i ProX 14.5型は、PowerDelivery、DisplayPort出力に対応した、Thunderbolt4のポートを2つ搭載しています。
今回試した全ての機器を使用できましたが、USB-Cアダプターに関しては、65W未満の出力だと、警告が表示されました。パソコンを使用しながら充電したい場合は、65W以上の出力のものを使った方がいいようです。動画編集など負荷の高い作業を行うなら、100Wの充電器がいいでしょう。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― |
61W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | △ ※3 | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、8ビット、RGB、60Hzで出力できていました。
質量のチェック
Yoga Slim 770i ProX 14.5型の質量は、メーカーの仕様表では「約1.45kg」となっています。当サイトの計測値もほぼ同じでした。
14インチクラスのノートPCとしては、普通の質量ですが、HシリーズCoreや、外部グラフィックスを搭載できる機種としては軽いです。高めのパフォーマンスを備えたノートPCを、容易に持ち出すことができます。
質量 | |
PC本体 | 1.426kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 371g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は70Whでした。14インチクラスのノートPCとしては、大きい容量です。
バッテリー駆動時間は、下表のとおりです。
高性能CPUを搭載していますが、バッテリー容量が大きいこともあり、動画再生のような軽めの負荷であれば、割と長い時間のバッテリー駆動が可能です。
下表の(3)のような少し負荷のかかる作業をすると、駆動時間は短くなります。3K液晶 + Core i7-12700Hの構成を考えると、やや長めの時間で、外でも使いやすいです。なお、この負荷は、Wi-Fiに接続し、メールの自動チェックをしつつ、ウェブページをを割と頻繁にスクロールしながら、Officeソフトを操作するといった負荷を想定しています。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約18時間 |
(2) 動画再生時 | 13時間12分 |
(3) CPU 9%、GPU 7%の負荷 | 4時間33分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、電子式のプライバシーシャッターが付いており、右側面のカメラスイッチでカメラのON/OFFができます。IRカメラも搭載しているので、Windows Helloの顔認証も使用できます。
Webカメラは、1080pのFHDカメラです。ノートPCのWebカメラとしては解像度が高めです。
スピーカー
スピーカーは、キーボードの両端に2.0W x2のスピーカーを搭載しています。音質はやや良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。今回、「インテリジェント・クーリング」モードと「エクストリーム・パフォーマンス」モードの2つで計測しています。
CPU温度に関しては、「インテリジェント・クーリング」モードのときは問題ありませんが、「エクストリーム・パフォーマンス」モードにすると95℃前後まで上昇します。普段は「インテリジェント・クーリング」モードで使用したほうがいいと思います。
CPU電力に関しては、「インテリジェント・クーリング」モードのときは35W前後で推移していました。PBP:45Wのプロセッサーなのでやや抑えられたCPU電力です。薄型ノートPCの場合、Core i7-12700Hを搭載していてもこのくらいのCPU電力で動くことが多いです。「エクストリーム・パフォーマンス」モードのときは60W前後と高いCPU電力になり、パフォーマンスが上がります。
- インテリジェント・クーリング時
- エクストリーム・パフォーマンス時
静音性のチェック
Yoga Slim 770i ProX 14.5型の動作音(静音性)のチェック結果です。なお、こちらは「インテリジェント・クーリング」モードでの結果です。
アイドル時はほぼ無音です。負荷のかかる作業をすると騒音値が上がりますが、同等他機種と同じぐらいの騒音値です。
ちなみに、「エクストリーム・パフォーマンス」モードでエンコードのような高い負荷をかけると、約48dBともう少し騒音値が上がります。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷のかかる作業をすると、キーボード部の温度が少し上がります。エンコード時は、パームレストの温度も少し上昇し、左のてのひらがやや暖かく感じ、多少不快感があります。
底面の温度も確認しましたが、少し負荷がかかると底面の温度が上がります。特に、高負荷時は底面全体が熱くなります。ひざ置きではあまり使わないほうがいいでしょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
パフォーマンスの高いHシリーズCoreプロセッサーを搭載しているので、一般ノートPCよりは少し高めの消費電力です。
外観のチェック
Yoga Slim 770i ProX 14.5型 の外観のチェックです。
狭額縁ベゼルで、精細な表示の3K液晶が印象的です。
ボディ素材には、プレミアムアルミニウム合金を使用し、質感や剛性が高く、持ち出す場合でも安心です。
ボディカラーは、アルティメットグレーで、シルバーに近い明るい色です。
天板には、「YOGA」と「Lenovo」のロゴが入っています。
液晶を閉じたときは約15.9mm(最薄部)となっており、スリムです。
側面には、USB3.2、Thunderbolt4(Power Delivery、DisplayPort対応)x2、HDMI出力を備えています。スリムボディですが、フルサイズのUSBや、HDMI出力があるので、使いやすいと思います。
液晶面はほぼフラットになります。
底面もすっきりしています。
ACアダプターは100Wです。出力の割に、コンパクトなサイズですが、ケーブルまで合わせるとややかさばります。外出時は、USB-Cアダプターの方が持ち運びしやすいかもしれません。
まとめ
以上が、Yoga Slim 770i ProX 14.5型のレビューです。
最大で、Core i7-12700H + GeForce RTX 3050 Max-Qという高めのスペック構成を、約1.45kg、約15.9mmの軽くてスリムなボディに詰め込んだ、14.5型のクリエイター向けノートPCです。高い性能を容易に持ち運ぶことができるので、外で作業することが多いクリエイターに適しています。
一般ノートPCと同じようなスリムボディなので、高性能パーツのパフォーマンスをちゃんと引き出すことができるのか疑問でしたが、今回試したCore i7-12700H(外部GPUなし)搭載モデルでは、まずまずのパフォーマンスが出ていました。
ただし、今回は外部GPUを搭載していないモデルでテストしましたが、外部GPUを搭載した場合、CPUおよびGPU温度が高くなりすぎないか不安な面はあります。
液晶には、画面比16:10、3K解像度、120Hz駆動の14.5型液晶を搭載しています。外でも作業がしやすいですし、色域が広めなので、ウェブコンテンツ用の画像・動画編集などにも使用できます。
クリエイティブな作業にも使える高めの性能と、持ち運びやすさ、スタイリッシュなデザインを兼ね備えた他ではあまりないノートPCです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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