Ryzen 7 6800Uのベンチマーク
更新日:2022年7月8日
ここでは、ノートPC向けのAMD Ryzen 7 6800Uの各種ベンチマークスコアを掲載します。
以前、ゲーミングノートPCやクリエイター向けPCに採用される「Hシリーズ」のRyzen 7 6800H をレビューしましたが、今回は、一般向けノートPCやモバイルノートPCに採用される「Uシリーズ」のRyzen 7 6800Uのレビューとなります。
プロセッサーの仕様
CPUアーキテクチャは、7nmプロセスの「Zen 2」から6nmプロセスの「Zen 3+」へ更新、GPUアーキテクチャはVegaからRDNA 2へ更新、メモリはDDR5/LPDDR5に対応しており、CPU性能に関しては最大1.3倍、GPU性能に関しては最大2倍向上すると、AMDはアナウンスしています。
Ryzen 7 6800Uと従来のRyzen 7 5825Uとの比較
Ryzen 7 6800U
Ryzen 7 5825U
CPUアーキテクチャ
Zen 3+
Zen 3
製造プロセス
6nm
7nm
コア / スレッド
8 / 16
8 / 16
基本クロック
2.7GHz
2.0GHz
最大ブーストクロック
4.7GHz
4.5GHz
L3キャッシュ
16MB
16MB
TDP (cTDP)
15-28W
15W
グラフィックス・モデル
Radeon 680M
Radeon Graphics
GPUコア数
12
8
グラフィックス周波数
2200MHz
2000 MHz
メモリ
DDR5-4800
LPDDR5-6400
DDR4-3200
LPDDR4x-4267
ベンチマークの計測に利用したノートPC
今回、ベンチマークに使用したノートPCは、レノボのYoga 770です。
Yoga 770
Ryzen 7 6800Uを搭載した2 in 1 PC。2.8K OLEDディスプレイを搭載し、クリエイティブワークも可能。ペンも付属。後日レビュー記事も公開します。
このノートPCに、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力の推移は次の図の通りです。
処理開始直後は45W、その後は34Wへとブーストされており、安定稼働状態に入ると24Wで推移しています。標準的なCPU電力の推移ではないかと思いますが、もっと高いCPU電力で推移するノートPCであれば、もう少し高いスコアが出る可能性があり、またその逆もあるためご注意ください。
高負荷時のRyzen 7 6800UのCPU電力の推移
ベンチマークスコア
以下、各種ベンチマークソフトのスコアおよび他のプロセッサーと比較したグラフを掲載します。
グラフは、Ryzen 7 6800Uのスコアを緑色にしています。
また、今回、特に比較したい次の3つのCPUのスコアは、オレンジ色にしています。
・旧世代のRyzen 7 5825U
・競合となるインテル第12世代のCore i7-1280P / Core i7-1260P
CINEBENCH R23
まずは、CPUレンダリングを行いCPU性能を評価するベンチマークソフト、CINEBENCH R23のスコアを掲載します。
マルチコア性能に関して、Ryzen 7 6800Uは、従来のRyzen 7 5825Uと比較すると約8%スコアがアップしている一方で、Core i7-1280Pよりは低いスコアになっています。ただ、Core i7-1260Pと比較すると、約20%も高いスコアです。
シングルコア性能に関して、Ryzen 7 6800Uは、従来よりはややスコアが高くなっているものの、Core i7-1280Pと比較すると約20%も低いスコアで、Core i7-1260Pよりも劣る性能です。シングルコア性能については、インテル第12世代Coreのほうが高そうです。
CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 7 6800U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900H
19223
Core i7-12700H
14546
Ryzen 7 6800H
13999
Ryzen 9 5900HX
13382
Ryzen 7 5800H
12604
Apple M1 Max/Pro 10コアCPU
12359
Core i7-11800H
11893
Core i7-1280P
11801
Ryzen 7 6800U
10830
Ryzen 7 5825U
10040
Ryzen 7 5800U
9429
Ryzen 7 5700U
9288
Ryzen 5 5600H
9255
Core i7-1260P
9032
Core i5-11400H
8514
Ryzen 5 5600U
8491
Core i5-1240P
8409
Core i7-1255U
8300
Ryzen 5 5625U
8107
Core i5-1235U
7589
Core i7-1195G7
6594
Ryzen 5 5500U
6250
Core i7-1185G7
6229
Core i7-1165G7
4720
Core i5-1135G7
4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H
1920
Core i7-12700H
1823
Core i7-1260P
1802
Core i7-1255U
1776
Core i7-1280P
1751
Core i5-1235U
1675
Core i7-1195G7
1634
Apple M1 Max/Pro 10コアCPU
1531
Ryzen 7 6800H
1522
Core i7-1185G7
1517
Core i7-11800H
1511
Ryzen 7 6800U
1504
Core i5-1240P
1483
Ryzen 9 5900HX
1463
Ryzen 7 5825U
1460
Core i7-1165G7
1447
Core i5-11400H
1442
Ryzen 7 5800H
1435
Ryzen 7 5800U
1429
Ryzen 5 5625U
1383
Ryzen 5 5600U
1369
Ryzen 5 5600H
1354
Core i5-1135G7
1294
Ryzen 7 5700U
1268
Ryzen 5 5500U
1185
Geekbench 5
続いて、拡張現実や機械学習などの最先端の処理を取り入れているクロスプラットフォームのベンチマークソフト、Geekbench 5のスコアを掲載します。
マルチコア性能に関しては、Ryzen 7 6800Uは、Core i7-1280Pよりも約30%も低いスコアです。また、Core i7-1260Pよりもスコアが低くなっています。
シングルコア性能に関しても、Ryzen 7 6800Uは、Core i7-1280PやCore i7-1260Pよりも低いスコアです。
Geekbenchについては、インテルの競合となるCPUより低いスコアとなっていました。
Geekbench 5
Ryzen 7 6800U
他CPUとの比較(Multi-Core)
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12758
Core i7-12700H
11027
Core i7-1280P
11023
Ryzen 7 6800H
9735
Core i7-1260P
9383
Core i5-1240P
9246
Ryzen 7 6800U
8546
Core i9-11900H
7831
Ryzen 9 5900HX
7306
Core i7-11800H
7215
Core i5-1235U
7190
Core i7-1255U
6911
Ryzen 7 5825U
6907
Ryzen 7 5800U
6642
Ryzen 7 5700U
6097
Core i7-1165G7
5491
Core i5-1135G7
5335
他CPUとの比較(Single-Core)
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1784
Core i7-12700H
1763
Core i7-1260P
1757
Core i7-1255U
1704
Core i7-1280P
1652
Core i5-1235U
1632
Core i9-11900H
1576
Ryzen 7 6800H
1575
Core i7-1165G7
1573
Core i7-11800H
1547
Ryzen 7 6800U
1520
Ryzen 9 5900HX
1496
Ryzen 7 5825U
1477
Core i5-1240P
1463
Ryzen 7 5800U
1415
Core i5-1135G7
1358
Ryzen 7 5700U
1165
PassMark Performance Test 10.0
続いて、圧縮、暗号化、物理シミュレーションなどを含む数学的計算を行うPassMark Performance Test 10.0のスコアを掲載します。
Passmarkの場合は、Ryzen 7 6800UはCore i7-1280Pとほぼ同じスコアで、高めの性能でした。
PassMark Performance Test 10.0(CPU MARK)
Ryzen 7 6800U
他CPUとの比較(CPU MARK)
Core i7-12700H
26616
Ryzen 7 6800H
25298
Ryzen 9 5900HX
24642
Ryzen 7 6800U
23076
Core i7-1280P
23073
Core i7-11900H
21979
Core i7-11800H
21328
Ryzen 7 5800U
19611
Ryzen 7 4800H
19080
Core i7-1260P
18561
Core i5-1240P
17582
Core i5-1235U
17412
Ryzen 7 5700U
17071
Core i7-1255U
16946
Core i7-1165G7
12552
Core i5-1135G7
12148
グラフィックス関連のベンチマークスコア
次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。
3DMark Night Raid
3DMark Night Raidのスコアは以下の通りです。「グラフィックスのスコア」の部分が、グラフィック性能を評価する指標となります。
Ryzen 7 6800UのRadeon 680Mは、CPU内蔵グラフィクスとしてはかなり高い性能で、Core i7-1280Pより約40%も高いスコアでした。また、CPU内蔵グラフィックスではなく、外部グラフィックスのGeForce MX450と、ほぼ同じスコアが出ていました。
3DMark Night Raid
Ryzen 7 6800U(Radeon 680M)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650
45149
GeForce MX450
30425
Ryzen 7 6800U
LPDDR5-6400
30319
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-12700H
メモリDDR4-3200
20177
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-4800
16398
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
16272
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
15893
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
ファイナルファンタジー 14 暁月の終焉
次に、「ファイナルファンタジー 14 暁月の終焉」のベンチマークのスコアを掲載します。なお、1920x1080、標準品質(ノートPC)で計測しています。
スコアは8677(快適)、平均フレームレートは62 fpsでした。Core i7-1280Pと比較して、3DMark Night Raidほど差はありませんが、それでも大分高いスコアでした。このくらいのスコアがあれば、ややカクつくときもあると思いますが、まずまず快適にプレイできるのではないかと思います。
Ryzen 7 6800U(Radeon 680M)
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、標準(ノート))
GeForce GTX 1650
115 fps
GeForce MX450
85 fps
Ryzen 7 6800U
LPDDR5-6400
62fps
GeForce MX330
61 fps
GeForce MX250
60 fps
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
50 fps
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
49 fps
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
49 fps
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
49 fps
Core i5-1135G7
メモリLDDR4-3733
47 fps
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-4800
45 fps
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
33 fps
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
33 fps
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
32 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
30 fps
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
30 fps
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
29 fps
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
29 fps
フォートナイト
次に、フォートナイトの平均フレームレートについて掲載します。グラフィック設定については、パフォーマンスが出やすいようにレンダリングモードを「パフォーマンス(ベータ)」にしています。また、テストしたノートPCが画面比16:10の2880x1800のディスプレイで、1920x1080でテストすることができなかったため、1920x1200と2880x1800の解像度 でテストしました。
バトルラボにてリスポーン降下からマップを移動し、平均フレームレートを計測したところ、1920x1200では124 fpsという高い平均フレームレートがでました。2880x1800 でも100 fpsを超える平均フレームレートでした。
実際に「ソロ」でゲームをしてみましたが、このグラフィック設定だと画面の粗さがやや気になるものの、バトルラボと同じくらいのフレームレートが出て、カクつきはほぼ感じずプレイすることができました。
解像度
レンダリングモード
平均fps
1920x1200
パフォーマンス
(ベータ)
124 fps
2880x1800
パフォーマンス
(ベータ)
106 fps
※バトルラボで計測
テスト時のグラフィック設定
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイター向けソフトで計測した各種処理時間を掲載します。
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Adobe Lightroom Classicで、100枚のRAW画像について、プロファイル補正を適用して書き出した時の時間は下表の通りです。
従来のRyzen 7 5825Uはそこまで速くありませんでしたが、Ryzen 7 6800Uは、Ryzen 7 5825Uの3分の2程度の時間で処理が終わっていました。Core i7-1280Pよりは遅いものの、Core i7-1260Pよりは速く、とても使いやすくなったと思います。
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Core i9-12900H
37秒
Core i7-12700H
40秒
Core i7-1260P
46秒
Core i7-12700H
46秒
Core i7-1280P
47秒
Ryzen 7 6800U
51秒
Core i7-1260P
56秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
56秒 (MacBook Pro 16)
Ryzen 7 6800H
57秒
Core i5-1240P
72秒
Core i7-1185G7
74秒
Ryzen 7 5825U
88秒
Core i7-1165G7
89秒
Ryzen 7 5800H
93秒
Ryzen 7 5800U
95秒
Ryzen 7 5700U
100秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測s
続いて、露光量、シャドウ、自然な彩度、ノイズ低減のパラメータを調整し、書き出した時の時間を掲載します。こちらについては、Core i7-1280PおよびCore i7-1260Pよりは時間がかかっているものの、Ryzen 7 5825Uよりはかなり速くなっています。
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間(2)
Core i7-12700H
RTX 3060
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
60秒
Core i7-1280P
64秒
Core i7-1260P
81秒
Ryzen 7 6800U
81秒 [書き出しにGPUを使用をON]
89秒
Ryzen 7 5825U
151秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Adobe Premiere Proで、FHD/30pの動画を簡単に編集して書き出した時の時間は下表の通りです。
従来のRyzen 7 5825Uと比べると、Ryzen 7 6800Uは、動画の書き出しがかなり速くなっています。Core i7-1280Pと同等レベルの書き出し時間です。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
3分00秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分01秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分06秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 5825U
Radeon Graphics
4分52秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分05秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、書き出したときの時間
TMPGEnc によるエンコード時間
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるソフトウェアエンコードは非常に速く、Ryzen 7 6800Uは、Core i7-1280Pよりも高速でした。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
(ソフトウェアエンコード)
Core i7-12700H
7分50秒
Core i9-11900H
8分20秒
Ryzen 9 5900HX
8分26秒
Ryzen 7 6800H
8分42秒
Ryzen 7 6800U
10分47秒
Core i7-1280P
10分59秒
Ryzen 7 5825U
11分15秒
Core i7-1260P
12分43秒
Core i7-1255U
13分31秒
Core i5-1240P
14分19秒
Ryzen 7 5800U
14分35秒
Ryzen 7 5700U
15分05秒
Core i5-1235U
15分23秒
Core i7-1195G7
16分14秒
Core i7-1185G7
16分37秒
Core i7-1165G7
24分17秒
Core i5-1135G7
26分03秒
※XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
次に、ハードウェアエンコードの処理時間を掲載します。今回のテストでは、Ryzen 7 6800Uは、GeForce RTX 3060のNVENCを使ったエンコードよりも速かったです。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
(ハードウェアエンコード)
Ryzen 7 6800U
45秒 (AMD Media SDK)
Core i7-1280P
RTX 3060
1分05秒 (NVENC)
Ryzen 7 5825U
1分07秒 (AMD Media SDK)
Core i7-1260P
1分28秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i7-1280P
1分34秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i7-1255U
1分39秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i5-1240P
1分42秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i5-1235U
1分47秒 (Intel Media SDK Hardware)
※XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
まとめ
今回、Ryzen 7 6800Uのベンチマークスコアを掲載しました。
まず、大きく性能がアップしたのがグラフィック性能で、Zen 3の従来のCPUよりも、約1.4倍性能がアップしていました。動画編集やゲームをするときは、基本的に外部グラフィックスを搭載した機種がおすすめですが、「たまに動画編集をしたい」、「外出時に簡単な動画編集のみしたい」、「仕事の空き時間に軽くゲームをしたい」といったような方には、内蔵グラフィックス性能が大きく向上したRyzen 7 6800Uは、とても魅力的なプロセッサーなのではないかと思われます。
CPU性能は、わずかに向上した程度です。ただ、従来はAdobe系のソフトの処理が遅いときがありましたが、Ryzen 7 6800Uについては、インテルCPUと比較してそれほど遅いとは感じず、十分速い処理速度が出ていたと思います。汎用的に、どんなアプリでも使えるプロセッサーになったなという印象を持ちました。
残念なのは、搭載機種が現時点では非常に少ないことと、いずれも価格が高めの機種である点です。もう少し普及帯のノートPCに搭載されることを期待します。
なお、ノートPCの冷却性能、メモリやSSDのパーツなどによってパフォーマンスは変わってきます。ノートPCによっては、同じプロセッサーでも、今回の結果よりも、良くなったり、悪くなったりするのでご了承ください。
著者
櫻庭 尚良 (the比較 管理人)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。 毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ