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レノボ IdeaPad Slim 350 (14)の実機レビュー
CPU | Ryzen 7 4700U Ryzen 5 4500U Ryzen 3 4300U A4-3020E |
---|---|
メモリ | 4GB / 8GB |
ストレージ | SSD |
液晶サイズ | 14インチ |
液晶種類 | FHD TN 非光沢 HD TN 非光沢 |
質量 | 約1.5kg |
バッテリー | 最大 約9時間 |
価格[税込] | 3万円台~ |
IdeaPad Slim 350(14)は、Ryzen 4000プロセッサーを搭載した処理性能の高いノートPCです。
性能が高いのにも関わらず価格が安い点が大きな特徴です。価格重視の方には非常におすすめです。
また、質量が約1.5kgと、ちょっとした部屋の移動や、引き出しへの収納に便利な重さです。
ただし、液晶の視野角が悪いです。また、安いなりの細かいデメリットもあるので、詳しくは記事をご覧いただければと思います。
なお、インテルCPUを搭載したIdePad Slim 350i (14)という製品もあります。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 4500U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「IdeaPad Slim 350 (14)の特徴」のみお読みください。
IdeaPad Slim 350 (14)の特徴
AMDモデルとインテルモデルあり
まずIdeaPad Slim 350シリーズには、AMD Ryzenプロセッサーを搭載したIdeaPad Slim 350 (14)という機種と、インテル Coreプロセッサーを搭載したIdeaPad Slim 350i (14)という機種があります。
下表の通り、AMD Ryzenプロセッサーのほうが処理性能が高く、またPC本体価格も安いので、Ryzenプロセッサーモデルのほうが個人的にはおすすめです。
※ピンクの背景は、インテル Coreプロセッサー
CPU性能が高い割に価格が安い
IdeaPad Slim 350 (14)は、3万円台から購入できる安さが魅力のノートパソコンです。ただし、執筆時点で38,610円の最小構成モデルは、AMD A4-3020E APUに、HD(1366x768)のパネルを搭載しスペックがあまりよくありません。それよりも、3,000円ほどアップした41,745円のRyzen 3搭載モデルのほうがおすすめです。一般ユーザーであれば十分な処理性能でこの価格はかなりコスパが高いと思います。さらに言えば、Ryzen 3モデルはメモリが4GBしかないので、アプリやブラウザのタブなどを多く起動する方は、Ryzen 5モデルが最もおすすめです。
Webカメラを隠せる
IdeaPad Slim 350 (14)のWebカメラは、シャッターが付いており、レバーをスライドさせることで、物理的にカメラを隠すことが出来ます。
残念なポイント
IdeaPad Slim 350 (14)の最も残念なポイントは、液晶の視野角が狭い点です。下図の通り、斜めから見たときに画面が見にくくなります。正面から見ても、少しでも画面の角度が合わないと白っぽく見えたりします。筆者はこの液晶で長時間作業すると眼が疲れてしまいます。
また、人によってはそれほど重要なポイントではありませんが、顔認証および指紋認証装置がありません。会社で離席時にロックをかけたい場合などは、パスワードでログインする必要があるので、やや面倒かもしれません。
さらに、USB Type-Cポートも無く、Wi-Fi 6にも対応していません(Wi-Fi 5(11ac)対応)。このあたりが、上位機種に比べて、見劣りする部分になります。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
○ | 処理性能は十分高いですが、ディスプレイがあまり見やすくありません。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | CPUなどのスペックは十分ですが、画面はそれほど見やすくはありません。スピーカー音もそこまで良くありません。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | CPU性能は高いですが、液晶の色域が狭く、画像編集向きのPCではありません。 |
動画編集 | △ | FHD動画の簡易的な編集ならできると思いますが、動画編集向きのディスプレイではありません。 |
ゲーム | △ | 内蔵グラフィックスにしては高い性能なので、軽いゲームならできるものもあります。ただ、ゲームをするなら外部グラフィックスを搭載したノートPCがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
IdeaPad Slim 350 (14)のディスプレイのチェックです。
本製品は、HD液晶と、FHD液晶がありますが、ここではFHD液晶の特性について紹介します。
視野角が狭く品質の良いディスプレイではありません。短時間作業をするだけならいいですが、1日に数時間も使うような方は別機種がいいと思います。最大輝度は、当サイトの計測では260cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
IdeaPad Slim 350 (14)のキーボードのチェックです。
キーピッチ、キーストロークともに普通で、タイピングのしやすさも標準的です。
パフォーマンスのチェック
IdeaPad Slim 350 (14)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
下表の緑色のバーが、IdeaPad 350 (14)または350i (14)で選択できるプロセッサーのベンチマークスコアです。なお、A4-3020Eはベンチマークを計測したことがないので掲載していません。Ryzen 7 4700UなどのRyzen 4000シリーズは非常に高い性能です。
~ CPU性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないCPUは、他のPCで計測した代表値です
メモリ
IdeaPad Slim 350 (14)のメモリはデュアルチャネルですが、DDR4-3200ではなく、DDR4-2666です。
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しています。PCIe SSDとしてはそこまで速くありませんが、十分な速度はあります。一般的な用途であれば体感速度は十分速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないストレージは、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
IdeaPad Slim 350 (14)は、フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。ただし、アクセス速度はそれほど速くありません。
その他のベンチマーク
その他のRyzen 4000シリーズのベンチマークスコアについては下のリンク先をご覧ください。
Ryzen 7 4700Uのベンチマークスコアを掲載。インテルのメインのUシリーズ Core プロセッサーよりもかなり高いスコア。
Ryzen 5 4500Uのベンチマークスコアを掲載。インテルの6コアのCore i7-10710Uと同じくらいの高い性能で、価格も安くコストパフォーマンスは抜群に良い。
Ryzen 3 4300Uのベンチマークスコア。インテルのプロセッサーと比較した場合、第10世代のCore i7とほぼ同等。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。Lightroom、Premiere Proのおおよその書き出し時間については上のリンク先をご覧ください。
15W TDPクラスのプロセッサーにしては高速です。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 19分06秒 |
VCEでエンコード (※2) | 1分18秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
USB Type-C / HDMIの動作テスト
IdeaPad Slim 350 (14)には、USB Type-Cポートはありません。
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときのテストをしました。4096 x 2160もしくは3840x2160の4Kで表示は出来ていました。ただし、YCbCr444/30Hzか、YCbCr420/60Hzの表示となります。
質量のチェック
IdeaPad Slim 350 (14)の質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.50kg」と記載されています。当サイトの計測値は下表の通りです。外へ持ち運ぶには重いですが、自宅の中だけで使うなら取り扱いやすい(収納や移動がしやすい)質量だと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.450kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 217g |
バッテリー駆動時間のチェック
IdeaPad Slim 350 (14)のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は35Whとなっており、やや少なめです。
バッテリー駆動時間は下の通りで、バッテリー駆動時間はそこまで長くはありません。
なお、バッテリー時に画面がかなり暗くなりますが、「AMD Radeon Settings Lite」を起動し、「Vari-Bright」をオフにすれば、通常の輝度に戻ります。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 最大 約9.0時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | 5時間50分 |
(4) PCMark 8 Work | 5時間47分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。普通です。
カメラ・マイク・スピーカーのチェック
Webカメラ
一般的なノートパソコンのWebカメラの解像度は1280x720ですが、本製品の解像度は640x480しかありません。1万円台の少しいいWebカメラと比較すると、画質は大分落ちます。
マイク性能
IdeaPad Slim 350 (14)のマイク性能は普通だと思います。
スピーカー
IdeaPad Slim 350 (14)のスピーカーはキーボードの上側に配置されています。音質は普通で、10点満点で4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。あまり良くはありません。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
全体的に低めの動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
70℃台で推移しており、問題ない温度です。
表面温度のチェック
IdeaPad Slim 350 (14)の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
全体的に低めの温度です。手が熱くなることなく作業できると思います。
消費電力のチェック
IdeaPad Slim 350 (14)の消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDP 15Wのプロセッサーなので、低めの消費電力です。
外観のチェック
IdeaPad Slim 350(14)の外観のチェックです。
パームレストおよび天板はメタリック風で、それほど安っぽくは感じません。
ボディにはヘアライン加工が施されています。
天板の画像です。
ボディは薄いです。
側面のポート類です。SDカードスロットが多い点はメリットですが、USB-Cポートが無いのは残念です。
液晶が開く最大の角度は次の通りで、比較的開きます。
底面はプラスチック感があります。
底面カバーは割と外しやすいです。
メモリは、4GBがオンボードです。他にスロットが1つあります。
搭載されていたType 2242のM.2 SSDですが、Type 2280のSSDも搭載できそうです。
2.5インチベイもありますが、ケーブルや固定器具は搭載されていません。
ACアダプターは、ケーブル一体型で、プラグ部分は収納できません。容量は65Wです。
まとめ
以上が、IdeaPad Slim 350(14)のレビューです。
Ryzen 4000Uシリーズプロセッサーを搭載し、高い処理性能でありながら、非常に価格が安いノートPCです。
液晶の品質が悪い点がデメリットですが、「液晶にはあまりこだわらない」、「長時間作業しないので問題ない」といった方にはおすすめの製品です。
ただし、安い分、指紋・顔認証に対応していない、USB Type-Cポートが無い、Wi-Fi 6に対応していないなどのデメリットもあります。これらが必要ないかどうかも確認しておきましょう。
なお、液晶の視野角の良い上位機種として、IdeaPad Slim 550 (14)があります。Slim 350ほどではありませんが、こちらも価格はかなり安いので、1日に何時間も使うならこちらのほうがおすすめです。
CPU性能が高いのに安い
IdeaPad Slim 350 (14)
特徴
- 価格がかなり安い
- Ryzen 4000 Uシリーズ搭載で高性能
- 液晶の視野角が悪い
こんなあなたに
- 液晶が多少見づらくても気にしない方
- 価格3万円台~[税込]
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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