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レノボ YOGA 920の実機レビュー

更新日:2018年1月19日

デザイン性に優れた2 in 1 PC

YOGA 920は、YOGAシリーズの中でも最上位に位置するフラグシップモデルの2 in 1 モバイルノートPCです。

デザインが非常によく、まるでアクセサリーの一部に見えます。

第8世代インテルCoreプロセッサーに、PCIe-NVMe SSDを搭載しスペックも十分です。

4096段階の筆圧検知に対応したアクティブペンも付属しています。

デメリットは、質量が約1.37kgと、最新の高価格帯モバイルノートPCの中では、それほど軽くない点です。

CPU Core i7-8550U
Core i5-8250U
メモリ 8 / 16GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 13.9型
液晶種類 UHD(4K) IPS 光沢
FHD IPS 光沢
質量 約1.37kg
バッテリー 約 10.3時間(i7,UHD)
約 14.6時間(i5,FHD)
サイズ 323[幅]x223.5[奥行]
x13.95[高さ]mm
LTE 非対応
価格 約15万円~

 

 

レビュー機は、1台が購入品、1台がメーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

  • Core i5-8250U、8GBメモリ、256GB M.2 PCIe-NVMe SSD、FHD液晶
  • Core i7-8550U、16GBメモリ、512GB M.2 PCIe-NVMe SSD、UHD(4K)液晶 NEW!

目次

お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。

YOGA 920の特徴

YOGA 920は、デザイン性が高く、高いスペックを持ったハイエンドクラスのモバイルノートPCです。その上、変形もできる2 in 1 PCで、アクティブペンにも対応しています。"何でも出来ちゃうモバイルPCが欲しい!"といった方に適していると思います。

薄型で精巧なデザインの 2 in 1 PC

2 in 1 PCとよばれるパソコンはいくつも存在しますが、その中でもYOGA 920は、"デザイン重視"の製品だと思います。まず、その薄さに目を見張ります。13.95mmの厚さしかなく、スタイリッシュです。


わずか13.95mmの厚さ

 

ボディはアルミで出来ており、ウォッチバンドヒンジは高級時計のようで、パソコンと言うよりは、アクセサリーの一つに近いです。



ウォッチバンドヒンジ

 

もちろん、流行りの狭額縁液晶を採用しており、とてもエレガントです。YOGA 920は、液晶サイズが13.9型と、モバイルノートPCとしてはやや大きめですが、狭額縁液晶を搭載することで、ボディは小さめに抑えられています。


狭額縁の液晶でスッキリ

 

この薄さで、タブレットにも変形可能で、様々な形状で使用することが可能です。こんな綺麗なPCが変形もできると、周りの注目を集めることでしょう。


様々な形状で使用することが可能

4096段階の筆圧ペン(Bluetooth Active Pen)添付

YOGA 920は、Bluetooth Active Penが付属しており、画面に手書きで文字や図を入力することができます。筆圧検知は4096段階と非常に高いです。ただし、傾き検知には対応していないようです。お絵かきが目的なら、Surface Proのほうが書きやすいと思います。


アクティブペンが付属


電池式(Bluetooth用に小さい電池が2つ必要)

 

Bluetoothに対応しているため、ペンのショートカットボタンが使えます。


Blutoothに対応しているとショートカットなどが使える

4K液晶も選択できるが・・・

本製品は4K液晶を選択できる点もウリの1つですが、筆者はあまりおすすめしません。4K液晶を搭載した場合、高解像度の写真や動画は綺麗に表示できますが、フルHDと大きく違うわけではありません。

しかも、4K液晶を搭載すると消費電力が高くなり、バッテリー駆動時間が大きく減ります。本製品は、持ち運んで使うことも多いと思うため、筆者はフルHD液晶のモデルをおすすめします。

フルHD液晶のモデルの場合、Core i7-8550Uではなく、Core i5-8250Uになってしまいますが、この2つのCPUの性能はそれほど大きくありません。Core i5-8250Uで十分だと思います。


4K液晶も選択可能

デメリットは質量

YOGA 920のデメリットは、質量です。約1.37kgと数年前なら重くはないのですが、最近のモバイルノート、特に高価格帯の製品としてはやや重い部類に入ると思います。

これは、4K液晶が搭載されたことを考えて、バッテリーをたくさん積んでいるためだと思います。メーカーサイトには書いていませんが、当サイトで確認したところ、約70Whものバッテリーを搭載していました。他社のモバイルノートPCは40Wh台が多いため、YOGA 920のバッテリー容量は多めであることが分かると思います。

フルHD液晶搭載時のバッテリー駆動時間は長め

上で、70Whものバッテリー容量を搭載していると記載しました。UHD(4K)液晶を搭載すると、このバッテリー容量でもそれほど駆動時間は長くないですが、フルHD液晶を選択した場合のバッテリー駆動時間は長めになります。

実際に計測してみましたが、他のモバイルノートPCよりもバッテリー駆動時間は長かったです。詳細は「バッテリー駆動時間のチェック」をご覧ください。

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

フルHD液晶

まずは、フルHD液晶のチェックです。

最大輝度は、当サイトによる計測では247 cd/m2でした。普通の明るさです。

視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや青色と緑色が強調されています。一般のユーザーであれば気にはならないと思いますが、写真家など色を気にする方は、キャリブレーションなどしたほうが良いと思います。


 

色域は、ノートパソコンとしてはやや広いです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

光沢液晶ですので、画面への映り込みはあります。


画面への映り込み

 

画面の拡大図です。ギラつきは感じません。斜めに線が見えると思いますが、おそらくタッチパネルの電極です。かなり近くで見ると少し気になりますが、普通の距離で画面を見ている分には気になりません。


画面拡大

UHD(4K)液晶

続いて、UHD(4K)液晶の特性を掲載します。なお、視野角と映り込みの画像は省略します。

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや赤色と緑色が強調されています。ただ、それほど強く強調されているわけではないので、比較的自然な発色だと思います。


 

色域は、ノートパソコンとしてはやや広いです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画面の拡大図です。ギラつきは感じません。こちらも斜めに線が見えると思いますが、おそらくタッチパネルの電極です。普通の距離で画面を見ている分には気になりません。


画面拡大
(左と右はややピントをずらしています)

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

同時期に発売されたYOGAシリーズやideapad シリーズと共通のキーボードを搭載しています。YOGA 920はハイエンドな製品であるため、他のPCとは違う高級感のあるキーボードを搭載して欲しかったです。

実測で、キーピッチは、横:19mm、縦:18.5mmと十分あります。キーストロークは約1.2mmとやや浅めです。キーの押しはじめは適度な抵抗感があり、底付きの衝撃も少なく、普通にタイピングできると思います。キー配列も、特に変なところはありません。ただ、「Enter」キーと、その隣のキーが隣接しているところは、高級モデルの割には格好悪いです。


キーボード全体図


キーの拡大図1


キーの拡大図2


キーの拡大図3


キーの拡大図4

 

バックライトキーボードも搭載しています。


バックライトキーボード搭載

 

タッチパッドは普通の操作性です。クリックボタンは比較的軽い力で押すことができるため、押しやすいです。


トラックポイント&タッチパッド

パフォーマンスのチェック

YOGA 920のパフォーマンスのチェックです。

CPU

第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載しており、高性能です。Core i7-8550UまたはCore i5-8250Uから選択できますが、どちらも性能はほぼ変わらないため、Core i5-8250Uで十分だと思います。


CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ストレージ

ストレージは、非常に高速なPCIe-NVMe SSDを搭載しています。


ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

YOGA 920で計測したベンチマーク

以下、レビュー機で計測したベンチマークスコアです。

なお、Core i7モデルのベンチマークは一部省略しています。

CINEBENCH R15
(CPU性能の評価)

Core i5-8250U


Core i7-8550U
PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

Core i5-8250U


Core i7-8550U
3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  Core i5-8250U
x265でエンコード (※1) 28分15秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 3分38秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

256GB PCIe-NVMe SSD


512GB PCIe-NVMe SSD

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

YOGA 920のUSB Type-Cポートに、別の充電器やドックを接続して、動作するかをチェックします。

まず、仕様を確認すると、YOGA 920のUSB Type-Cポートは、DisplayPort出力、USB Power Delivery 3.0、Thunderbolt 3にも対応しています。

次に、サードパーティー製の充電器やドックが使えるかを確認した結果が下表の通りです。今回試したデバイスについてはいずれも動作OKでした。ただし、ごく簡単にしかテストしていないため、故障しないか等はチェックしていません。ご了承下さい。

USB Type-C/Thunderbolt充電器またはドックとの互換性
  充電できるか? 外部ディスプレイ、
LANの拡張
ThinkPad USB Type-C ドック OK OK
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック OK OK
Helper 充電器(60W) OK
ZHOULX 充電器(65W) OK

質量のチェック

YOGA 920の軽さのチェックです。

メーカー仕様表を確認すると、「約1.37kg」となっています。

当サイトによる計測値は下図の通りです。ほぼメーカー仕様値通りです。2、3年前なら軽い部類ですが、最近は1kgを切るような製品も増えているため、それほど軽くありません。高価格帯のモバイルPCとしては重い部類に入ると思います。

また、ACアダプターもやや重いです。モバイルノートPCのACアダプターは250g前後ですが、YOGA 920のACアダプターは325gありました。


質量の実測結果

バッテリー駆動時間のチェック

YOGA 920のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、当サイトで確認したところ約70Whもありました。非常に多いバッテリー容量です。バッテリー駆動時間のメーカー仕様値は、FHD液晶で約14.6時間、UHD液晶で約10.3時間となっています(JEITA2.0測定法)。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下表の通りです。

FHD液晶モデルの場合はやや長めの駆動時間です。YOGA 920は液晶サイズが大きいため、他のモバイルノートPCよりも消費電力がやや高めです。しかし、大容量バッテリーを搭載しているおかげで、他のPCよりもやや長めのバッテリー駆動時間です。

UHD液晶モデルは、他のモバイルノートPCよりも短めの駆動時間です。また、なぜか負荷の高いPCMark 8 「Home」のほうが「Work」のテストよりも駆動時間が長かったです。

バッテリー駆動時間(当サイトによる計測値)
  FHD、Core i5 UHD、Core i7
PCMark 8 Home のテスト ※1 5時間36分 3時間57分
PCMark 8 Work のテスト ※2 6時間54分 3時間20分
動画再生時 ※3 8時間18分 7時間28分
※画面輝度を約120cd/m2に調整して計測
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行

※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 


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