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レノボ YOGA 920の実機レビュー
デザイン性に優れた2 in 1 PC
YOGA 920は、YOGAシリーズの中でも最上位に位置するフラグシップモデルの2 in 1 モバイルノートPCです。
デザインが非常によく、まるでアクセサリーの一部に見えます。
第8世代インテルCoreプロセッサーに、PCIe-NVMe SSDを搭載しスペックも十分です。
4096段階の筆圧検知に対応したアクティブペンも付属しています。
デメリットは、質量が約1.37kgと、最新の高価格帯モバイルノートPCの中では、それほど軽くない点です。
CPU | Core i7-8550U Core i5-8250U |
メモリ | 8 / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.9型 |
液晶種類 | UHD(4K) IPS 光沢 FHD IPS 光沢 |
質量 | 約1.37kg |
バッテリー | 約 10.3時間(i7,UHD) 約 14.6時間(i5,FHD) |
サイズ | 323[幅]x223.5[奥行] x13.95[高さ]mm |
LTE | 非対応 |
価格 | 約15万円~ |
レビュー機は、1台が購入品、1台がメーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
- Core i5-8250U、8GBメモリ、256GB M.2 PCIe-NVMe SSD、FHD液晶
- Core i7-8550U、16GBメモリ、512GB M.2 PCIe-NVMe SSD、UHD(4K)液晶 NEW!
目次
お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。
1 YOGA 920の特徴 | |
2 液晶ディスプレイのチェック | 3 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
4 パフォーマンスのチェック | 5 USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト |
6 質量のチェック | 7 バッテリー駆動時間のチェック |
8 静音性のチェック | 9 パーツの温度のチェック |
10 表面温度のチェック | 11 消費電力のチェック |
12 外観のチェック | 13 まとめ |
YOGA 920の特徴
YOGA 920は、デザイン性が高く、高いスペックを持ったハイエンドクラスのモバイルノートPCです。その上、変形もできる2 in 1 PCで、アクティブペンにも対応しています。"何でも出来ちゃうモバイルPCが欲しい!"といった方に適していると思います。
薄型で精巧なデザインの 2 in 1 PC
2 in 1 PCとよばれるパソコンはいくつも存在しますが、その中でもYOGA 920は、"デザイン重視"の製品だと思います。まず、その薄さに目を見張ります。13.95mmの厚さしかなく、スタイリッシュです。
わずか13.95mmの厚さ
ボディはアルミで出来ており、ウォッチバンドヒンジは高級時計のようで、パソコンと言うよりは、アクセサリーの一つに近いです。
ウォッチバンドヒンジ
もちろん、流行りの狭額縁液晶を採用しており、とてもエレガントです。YOGA 920は、液晶サイズが13.9型と、モバイルノートPCとしてはやや大きめですが、狭額縁液晶を搭載することで、ボディは小さめに抑えられています。
狭額縁の液晶でスッキリ
この薄さで、タブレットにも変形可能で、様々な形状で使用することが可能です。こんな綺麗なPCが変形もできると、周りの注目を集めることでしょう。
様々な形状で使用することが可能
4096段階の筆圧ペン(Bluetooth Active Pen)添付
YOGA 920は、Bluetooth Active Penが付属しており、画面に手書きで文字や図を入力することができます。筆圧検知は4096段階と非常に高いです。ただし、傾き検知には対応していないようです。お絵かきが目的なら、Surface Proのほうが書きやすいと思います。
アクティブペンが付属
電池式(Bluetooth用に小さい電池が2つ必要)
Bluetoothに対応しているため、ペンのショートカットボタンが使えます。
Blutoothに対応しているとショートカットなどが使える
4K液晶も選択できるが・・・
本製品は4K液晶を選択できる点もウリの1つですが、筆者はあまりおすすめしません。4K液晶を搭載した場合、高解像度の写真や動画は綺麗に表示できますが、フルHDと大きく違うわけではありません。
しかも、4K液晶を搭載すると消費電力が高くなり、バッテリー駆動時間が大きく減ります。本製品は、持ち運んで使うことも多いと思うため、筆者はフルHD液晶のモデルをおすすめします。
フルHD液晶のモデルの場合、Core i7-8550Uではなく、Core i5-8250Uになってしまいますが、この2つのCPUの性能はそれほど大きくありません。Core i5-8250Uで十分だと思います。
4K液晶も選択可能
デメリットは質量
YOGA 920のデメリットは、質量です。約1.37kgと数年前なら重くはないのですが、最近のモバイルノート、特に高価格帯の製品としてはやや重い部類に入ると思います。
これは、4K液晶が搭載されたことを考えて、バッテリーをたくさん積んでいるためだと思います。メーカーサイトには書いていませんが、当サイトで確認したところ、約70Whものバッテリーを搭載していました。他社のモバイルノートPCは40Wh台が多いため、YOGA 920のバッテリー容量は多めであることが分かると思います。
フルHD液晶搭載時のバッテリー駆動時間は長め
上で、70Whものバッテリー容量を搭載していると記載しました。UHD(4K)液晶を搭載すると、このバッテリー容量でもそれほど駆動時間は長くないですが、フルHD液晶を選択した場合のバッテリー駆動時間は長めになります。
実際に計測してみましたが、他のモバイルノートPCよりもバッテリー駆動時間は長かったです。詳細は「バッテリー駆動時間のチェック」をご覧ください。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
フルHD液晶
まずは、フルHD液晶のチェックです。
最大輝度は、当サイトによる計測では247 cd/m2でした。普通の明るさです。
視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや青色と緑色が強調されています。一般のユーザーであれば気にはならないと思いますが、写真家など色を気にする方は、キャリブレーションなどしたほうが良いと思います。
色域は、ノートパソコンとしてはやや広いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
光沢液晶ですので、画面への映り込みはあります。
画面への映り込み
画面の拡大図です。ギラつきは感じません。斜めに線が見えると思いますが、おそらくタッチパネルの電極です。かなり近くで見ると少し気になりますが、普通の距離で画面を見ている分には気になりません。
画面拡大
UHD(4K)液晶
続いて、UHD(4K)液晶の特性を掲載します。なお、視野角と映り込みの画像は省略します。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや赤色と緑色が強調されています。ただ、それほど強く強調されているわけではないので、比較的自然な発色だと思います。
色域は、ノートパソコンとしてはやや広いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画面の拡大図です。ギラつきは感じません。こちらも斜めに線が見えると思いますが、おそらくタッチパネルの電極です。普通の距離で画面を見ている分には気になりません。
画面拡大
(左と右はややピントをずらしています)
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
同時期に発売されたYOGAシリーズやideapad シリーズと共通のキーボードを搭載しています。YOGA 920はハイエンドな製品であるため、他のPCとは違う高級感のあるキーボードを搭載して欲しかったです。
実測で、キーピッチは、横:19mm、縦:18.5mmと十分あります。キーストロークは約1.2mmとやや浅めです。キーの押しはじめは適度な抵抗感があり、底付きの衝撃も少なく、普通にタイピングできると思います。キー配列も、特に変なところはありません。ただ、「Enter」キーと、その隣のキーが隣接しているところは、高級モデルの割には格好悪いです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーの拡大図3
キーの拡大図4
バックライトキーボードも搭載しています。
バックライトキーボード搭載
タッチパッドは普通の操作性です。クリックボタンは比較的軽い力で押すことができるため、押しやすいです。
トラックポイント&タッチパッド
パフォーマンスのチェック
YOGA 920のパフォーマンスのチェックです。
CPU
第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載しており、高性能です。Core i7-8550UまたはCore i5-8250Uから選択できますが、どちらも性能はほぼ変わらないため、Core i5-8250Uで十分だと思います。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは、非常に高速なPCIe-NVMe SSDを搭載しています。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
YOGA 920で計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマークスコアです。
なお、Core i7モデルのベンチマークは一部省略しています。
(CPU性能の評価)
Core i5-8250U
Core i7-8550U
(CPU性能の評価)
Core i5-8250U
Core i7-8550U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-8250U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 28分15秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 3分38秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
256GB PCIe-NVMe SSD
512GB PCIe-NVMe SSD
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
YOGA 920のUSB Type-Cポートに、別の充電器やドックを接続して、動作するかをチェックします。
まず、仕様を確認すると、YOGA 920のUSB Type-Cポートは、DisplayPort出力、USB Power Delivery 3.0、Thunderbolt 3にも対応しています。
次に、サードパーティー製の充電器やドックが使えるかを確認した結果が下表の通りです。今回試したデバイスについてはいずれも動作OKでした。ただし、ごく簡単にしかテストしていないため、故障しないか等はチェックしていません。ご了承下さい。
充電できるか? | 外部ディスプレイ、 LANの拡張 |
|
---|---|---|
ThinkPad USB Type-C ドック | OK | OK |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | OK | OK |
Helper 充電器(60W) | OK | ― |
ZHOULX 充電器(65W) | OK | ― |
質量のチェック
YOGA 920の軽さのチェックです。
メーカー仕様表を確認すると、「約1.37kg」となっています。
当サイトによる計測値は下図の通りです。ほぼメーカー仕様値通りです。2、3年前なら軽い部類ですが、最近は1kgを切るような製品も増えているため、それほど軽くありません。高価格帯のモバイルPCとしては重い部類に入ると思います。
また、ACアダプターもやや重いです。モバイルノートPCのACアダプターは250g前後ですが、YOGA 920のACアダプターは325gありました。
質量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
YOGA 920のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、当サイトで確認したところ約70Whもありました。非常に多いバッテリー容量です。バッテリー駆動時間のメーカー仕様値は、FHD液晶で約14.6時間、UHD液晶で約10.3時間となっています(JEITA2.0測定法)。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、下表の通りです。
FHD液晶モデルの場合はやや長めの駆動時間です。YOGA 920は液晶サイズが大きいため、他のモバイルノートPCよりも消費電力がやや高めです。しかし、大容量バッテリーを搭載しているおかげで、他のPCよりもやや長めのバッテリー駆動時間です。
UHD液晶モデルは、他のモバイルノートPCよりも短めの駆動時間です。また、なぜか負荷の高いPCMark 8 「Home」のほうが「Work」のテストよりも駆動時間が長かったです。
FHD、Core i5 | UHD、Core i7 | |
---|---|---|
PCMark 8 Home のテスト ※1 | 5時間36分 | 3時間57分 |
PCMark 8 Work のテスト ※2 | 6時間54分 | 3時間20分 |
動画再生時 ※3 | 8時間18分 | 7時間28分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生