※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ YOGA 720の実機レビュー
コスパの高い 2 in 1 エントリーPC
YOGA 720は、性能十分ながら、約8万円(税込)で購入可能な、2 in 1 モバイルノートパソコンです。
Core i3、SSD、IPS FHD液晶というスペックでありながら、約8万円、税抜き表示にすると約7万5000円と、コストパフォーマンスが高いです。
この価格で、アクティブペンも付属しています。
ペン対応2 in 1 PCのエントリーモデルとしては、非常におすすめです。
デメリットは、ややバッテリー駆動時間が短い点です。ただ、そこまで大きく短いわけでもありません。
※レビュー機は、当サイトでの購入品です
YOGA 720の基本スペック
YOGA 720の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2017年10月7日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU Uシリーズの第7世代インテルCPUを選択可能です。 |
グラフィックカード インテルHDグラフィックス 620(CPU内蔵)です。 |
液晶ディスプレイ 12.5型ワイド、FHD、IPS、光沢液晶です。 |
メモリ オンボードのDDR4のメモリを搭載しています。換装はできません。 |
M.2 SSD SATA接続のSSDを搭載しています。 |
光学ドライブ 内蔵していません。 |
バッテリー駆動時間 メーカー公表値で最大約8.4/8.6時間(JEITA 2.0測定法)です。 |
その他 質量は約1.18kg、薄さは15.75mmとなっています。 |
今回は次の構成でレビューをしています。
- Core i3-7100U、4GBメモリ、128GB M.2 SATA SSD
目次
お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。
1 YOGA 720の特徴 | |
2 液晶ディスプレイのチェック | 3 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
4 パフォーマンスのチェック | 5 USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト |
6 質量のチェック | 7 バッテリー駆動時間のチェック |
8 静音性のチェック | 9 パーツの温度のチェック |
10 表面温度のチェック | 11 消費電力のチェック |
12 外観のチェック | 13 まとめ |
YOGA 720の特徴
YOGA 720は、十分なスペックで、ペンにも対応し、タブレットにも変形できるにも関わらず、約8万円(税込)から購入できるという安さが魅力の製品です。性能はミドルクラスでも、価格はエントリークラスと、コスパの高いモバイルノートPCになっています。
液晶が360度回転する2 in 1 PC
YOGA 720は、液晶が360度回転しタブレットにもなる2 in 1 PCです。2 in 1 と呼ばれる製品ですが、実際には2つの形状だけではなく、下図のように、様々な形状で使用することが可能です。
△のような形状にすれば、「タッチしても液晶が揺れにくい」、「柔らかい物の上に置ける」、というメリットがありますし、L字のような形状にすれば、「画面が手前にくるため動画などが観やすい」、「子供やペットにキーボードを触られない」というメリットが生まれます。
ノートパソコンの形状でしか、使わない予定の方でも、液晶がテーブルと水平になるまで傾けられるため、寝ころんで使うときや、床に置いてしゃがんで使うときなど、色々な体勢で使うことができます。
様々な形状で使用することが可能
Core i3、SSD、FHD IPS液晶で約8万円と安い
YOGA 720は、税込みで約8万円から購入することが可能です。他のメーカーは税抜きで表示されていることが多いため、それに合わせて税抜き表示にすると、約7万5000円です。
この安い価格でありながら、Core i3-7100U、4GBメモリ、128GB SSD、FHD IPS液晶というスペックですから、コストパフォーマンスは非常に高いと思います。
約8万円から購入可能
この安さでアクティブペンにも対応
YOGA 720は、この安さで、さらにアクティブペンが付属しています。Surfaceなどは、ペンが1万円程度で別売りになっているケースもありますが、本製品はPC本体に付属しています。
実際に使ってみて、筆圧検知に対応しているようでしたが、何段階に対応しているのかは不明です。ただ、文字や簡単な図を書く程度なら、問題なく使用できると思います。
アクティブペンが付属
USBポートを使って、ペンを立てて置くことも可能
メモリはオンボードで換装はできないため注意
できるだけ安くするために、最も安いモデルを購入して、メモリやストレージを自分で交換しようと考える方もいると思います。YOGA 720は、ストレージは換装できそうですが、メモリはオンボードですので換装・増設することができません。もし、仕事や勉強で、アプリをたくさん起動したり、ブラウザのタブをたくさん起動する可能性があるならば、メモリは多めに積んでおいたほうが良いと思います。YOGA 720は、4GBメモリのモデルと8GBメモリのモデルがありますが、このような場合は、8GBメモリのモデルをおすすめします。使用頻度が低く、ライトな使い方をするのであれば、4GBでもいいと思います。
メモリの換装は不可
アクティブペンを使わないなら、YOGA 710もあり
アクティブペンを使わないなら、YOGA 710もありだと思います。YOGA 710は、YOGA 720に比べて、ペンには非対応でCPU性能も劣りますが、質量は軽く、バッテリー駆動時間も長くなっています。YOGA 720と710の比較は下のページをご覧ください。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
最大輝度は、当サイトによる計測では271 cd/m2でした。普通の明るさです。
視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや緑色が強調されている画面ですが、ほとんど気にはなりません。
色域は、ノートパソコンとしてはやや広いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
光沢液晶ですので、画面への映り込みはあります。
画面への映り込み
画面の拡大図です。ギラつきは感じません。
画面拡大
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは、横:19mm、縦:18.5mmです。キーストロークは約1.2mmです。キートップはわずかですが湾曲しており、指のフィット感はまあまあです。キーの押しはじめは適度な抵抗感があり、底付きの衝撃も少なく、普通にタイピングできると思います。キー配列も、特に変なところはありません。
ただ、「Enter」キーと、その隣のキーが隣接しているところは格好悪いです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーの拡大図3
キーの拡大図4
バックライトキーボードも搭載しています。
バックライトキーボード搭載
タッチパッドは普通の操作性です。クリックボタンは比較的軽い力で押すことができるため、押しやすいです。
トラックポイント&タッチパッド
パフォーマンスのチェック
YOGA 720のパフォーマンスのチェックです。
CPU
「Uシリーズ」のCoreプロセッサーを搭載しており、モバイルノートPCとしては標準的な性能です。使用頻度が高いならCore i5-7200Uのほうが良いと思います。たまにしか使わないのであれば、Core i3-7100Uでも良いと思います。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは、SATA SSDを搭載可能です。PCIe-NVMe SSDは選択できませんが、体感速度はSATA SSDとそれほど変わりません。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
YOGA 720で計測したベンチマーク
以下、Core i3-7100U、4GBメモリ、128GB M.2 SATA SSDの構成でのベンチマークスコアです。
(CPU性能の評価)
Core i3-7100U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i3-7100U、インテル HD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i3-7100U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 54分35秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 5分44秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
128GB SATA SSD
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
YOGA 720のUSB Type-Cポートで、付属品以外の充電器やドックが動作するかチェックします。
まず、仕様を確認すると、YOGA 720のUSB Type-Cポートは、DisplayPort出力には対応していますが、USB Power Delivery 3.0およびThunderbolt 3には対応していません。
次に、サードパーティー製の充電器やドックが使えるかを確認した結果が下表の通りです。ThinkPad USB Type-Cドックで外部ディスプレイとLANの拡張ができた以外は全てNGでした。
充電できるか? | 外部ディスプレイ、 LANの拡張 |
|
---|---|---|
ThinkPad USB Type-C ドック | NG | OK |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | NG | NG |
Helper 充電器(60W) | NG | ― |
ZHOULX 充電器(65W) | NG | ― |
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカー仕様表を確認すると、「約1.18kg」となっています。
当サイトによる計測値は下図の通りです。ほぼメーカー仕様値通りで、やや軽めだと思います。
ACアダプターは軽量です。
質量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は36Whと、モバイルノートパソコンとしてはやや少なめです。メーカー仕様値は、JEITA2.0測定法で、約8.4/8.6時間となっており、短めのバッテリー駆動時間です。
バッテリーの仕様
バッテリー容量は少なめでしたが、液晶が一般的なモバイルノートPCよりも小さいことと、今回はCPUがCore i3と低めの性能であったこともあり、やや負荷の高いPCMark Home および Workのテストによるバッテリー駆動時間は、普通でした。ただし、Core i5を搭載した場合は、他のモバイルノートPCよりも短めになると思います。
※Core i3とCore i5の消費電力は、低負荷時はそれほど変わりませんが、高負荷時はCore i5のほうが高くなります。
バッテリー駆動時間 | |
---|---|
PCMark 8 Home のテスト ※1 | 4時間14分 |
PCMark 8 Work のテスト ※2 | 5時間04分 |
動画再生時 ※3 | 6時間07分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生