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レノボ ThinkPad X1 Yoga の実機レビュー
入出力装置が高性能
ThinkPad X1 Yogaは、液晶が360度回転してタブレット形状にもなる2 in 1 パソコンです。
定評のあるキーボード、トラックポイントに加え、タッチパネル、ワコム製のペンを搭載しています。入力装置がたくさんあり、いずれも高性能です。
液晶も、モバイルノートパソコンにしては14型と大きく、IPSパネルを搭載し視野角も良く、ギラつきもほとんど感じず、見やすいです。
その他、「インテリジェント・クーリング」や、「ThinkPad WiGig」や「OneLink+ドック」など様々な機能・オプションに対応しています。
※レビュー機は当サイトでの購入品です
※ 2016/5/31 追記:ペンについて記載ミスがありましたので訂正しました
目次
ThinkPad X1 Yogaの基本スペック
ThinkPad X1 Yogaの基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2016年3月29日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU Uシリーズの第6世代インテルCPUを選択可能です。本機はCore i5-6200Uです。 |
グラフィックカード インテルHDグラフィックス 520(CPU内蔵)です。 |
液晶ディスプレイ 14.0型ワイド、IPS、タッチ液晶です。 FHD、WQHDから選択可。本機はWQHDです。 |
メモリ LPDDR3のメモリで、最大16GBです。本機は8GBです。 |
SSD SATA SSDとPCIe-NVMe SSDを選択できます。本機は256GB PCIe-NVMe SSDです。 |
光学ドライブ 内蔵していません。 |
バッテリー駆動時間 メーカー公表値で最大約9.8時間(JEITA2.0)です。 |
その他 薄さは15.3-16.8mm、重量は約1.36kgです。 |
特徴1 - タブレットへも変形可能な 2 in 1 PC
ThinkPad X1 Yogaは、液晶が360度回転し、タブレットへもスタイルを変える2 in 1 パソコンです。
タブレットだけでなく、下図のようなモードで使用することも可能です。
2 in 1 パソコン
タブレットモード時の横から見た画像です。液晶が分離するタイプとは異なり、液晶が360度回転するタイプの2 in 1 パソコンは、どうしても間に隙間ができて、見た目は悪いです。
タブレットモード時に横から見た図
特徴2 - Lift'n' Lock(リフトンロック)キーボード
液晶を360度回転させるタイプの2 in 1 パソコンは、タブレットモードにしたときに、キーボードが剥き出しになってしまいます。手で持ったときにキーが沈み込むので持ちにくいですし、ずっと押されてキーが故障しないか心配になります。
これらの問題を解消するため、ThinkPad Yoga X1 は、他のThinkPad Yogaシリーズと同様に、Lift'n' Lock(リフトンロック)という機能を採用しています。タブレットモードにしたときに、キーフレームが上に持ちあがり、キーがロックされて沈み込まなくなります。
ただ、14型の大きな本製品を、手で持って使うことはあまりなく、デスクに置いて使うことがほとんどですので、そこまで活躍する機能ではないと思います。
Lift'n' Lock(リフトンロック)キーボード
特徴3 - ワコム製ペン搭載
ThinkPad X1 Yogaは、「静電結合方式」のワコム製のペンが標準で搭載されています。
なお、同社で発売されてきたペンの中でも「電磁誘導式」のペンは、本製品では使用できないためご注意下さい。「電磁誘導式」のペンは、ThinkPad Yoga 12のデジタイザーペン対応モデルで使用されたペン「4X80F22110」や、ThinkPad Helix (2015年モデル) のデジタイザーペン対応モデルで使用されたペン「4X80F22107」などが該当します。
ペンは本体内部に収納することが可能です。ペンは本体に収納可能
ペンの全体図
ペン先の拡大図
ペンはワコム製で、2,048段階もの筆圧検知に対応しています。
ペンはワコム製
ペンは充電式ですが、PCへ収納することで自動的に充電されます。また、ポップアップで表示された画面には「挿入してから15秒以内に容量の80%まで、5分以内にフル容量まで充電できます」と書かれています。
充電情報
下図の「ThinkPad Pen Low Battery Notifier」のソフトを利用すると、ペンのバッテリー残量を確認することが可能です。電池切れの場合、通知することも可能です。
電池状況と通知設定
実際にペンで線を描いてみましたが、追従性が良く、視差も少なく、液晶表面に適度な抵抗感もあり描きやすかったです。
ThinkPad X1 Yoga のペンの追従性
特徴4 - 入/出力装置に優れ、作業が快適
ThinkPad X1 Yogaは、入/出力装置に優れ、作業をするのが快適なモバイルノートです。
入力装置には、キーボード、トラックポイント、タッチパッド、タッチパネル、ペンが用意され、いずれも高性能で操作しやすいです。
出力装置の液晶ディスプレイは、14型ワイドと、モバイルノートパソコンにしては大きな画面で、視野角の広いIPSパネルが搭載されており、ギラツキも感じません。さらに、しばらく先になりますが、色鮮やかでかなり表示が綺麗な有機ELを選択することもできるようになります(時期は未定)。
作業を快適に行える
特徴5 - NVMe SSDを選択できストレージも高速
本製品は、PCIe - NVMe接続のSSDを選択することも可能です。
今回、256GBのPCIe - NVMe SSDを搭載しており、非常に高速なアクセス速度でした。アクセス速度については「パフォーマンスのチェック」の項目をご覧ください。
PCIe - NVMe接続のSSDを搭載可能
特徴6 - 膝の上に置いても熱くなりにくい
本製品は、「インテリジェント・クーリング」という機能を搭載し、ユーザーの使用環境を検知し、最適な熱制御を行えます。詳細は「ThinkPad X1 Carbon (2016) のレビュー - インテリジェント・クーリング」に記載しているので、こちらをご覧ください。
例えば、膝上検知モードで、PC底面の発熱を抑える
特徴7 - ThinkPad WiGigやOneLink+ドック対応
本製品は、ケーブル1本接続するだけで、周辺機器を拡張したり、給電したりすることができる「OneLink+ドック」や、ワイヤレスで周辺機器を拡張できる「ThinkPad WiGig」に対応しています。
詳細は、「ThinkPad X1 Carbon (2016) のレビュー - ドック対応」に記載してあるので、こちらをご覧ください。
ThinkPad OneLink+ドックなら、ケーブルを1つ繋ぐだけで、瞬時に周辺機器と接続可能
特徴8 - 指紋センサー選択可能
指紋センサーも搭載することが可能です。Windows 10 のOSを選択していれば、Windows Helloを利用し指紋認証でOSやアプリにログインすることが可能です。
Windows Hello で指紋認証ログイン
他機種(X1 Carbon、Yoga 260)との比較
ThinkPad X1 Carbonとの比較
詳細は、「ThinkPad X1 Carbon (2016) のレビュー - X1 Yogaとの比較」をご覧ください。
ThinkPad Yoga 260との比較
詳細は、「ThinkPad Yoga 260のレビュー - ThinkPad Yogaシリーズの比較」をご覧ください。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
本製品は、以下の液晶を選択できます。
(1)14.0型WQHD IPS液晶 (2560x1440) 、マルチタッチパネル
(2)14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)、マルチタッチパネル
(1)は高精細な画面ですが、バッテリー駆動時間はやや短くなり、「高DPI液晶の特徴」のようなデメリットがあります。(2)は画面の精細さは劣りますが、バッテリー駆動時間は長くなり、液晶のスケーリングの問題も起きにくいです。
今回は(1)の液晶の特性についてチェックします。
まず、搭載されていたパネルはLG製の「LP140QH1-SPE1」という型番でした。なお、ThinkPadは複数メーカーから部品を調達しており、必ず同じパネルが搭載されるとは限りません。
最大輝度は、当サイトによる計測では235cd/m2でした。やや低めです。
視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。若干緑色が強調されていることが分かりますが、それほど強くなく、比較的自然な発色です。
色域は、ノートパソコンとしてはやや広めです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状です。ギラつきはほぼ感じません。
ハーフグレアのような映り込みです。
画面への映り込み
数ヵ月後に選択できるようになる有機ELの画像です(イベント会場で撮影)。
有機ELの画面
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーピッチが広く、キーストロークも十分あり、キートップも指にフィットし、他のThinkPadシリーズと同様に打ちやすいキーボードです。なお、ThinkPad X1 Carbon (2016)と同じキーボードでした。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
バックライトキーボードも搭載しています。
バックライトキーボード搭載
もちろんトラックポイントも搭載しています。タッチパッドも操作しやすいです。
トラックポイント&タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
モバイルノートパソコンとして、標準的な処理性能です。
Core i5-6200U、8GBメモリ、256GB PCIe- NVMe SSDの構成でのベンチマーク結果は下の通りです。
PassMark Performance Test 8.0
3DMark
※ FIRE STRIKE:高性能GPU向け、SKY DIVER:ミドルレンジGPU向け、
CLOUD GATE:一般ノート向け、ICE STORM:タブレットやスマホ等のモバイル向け
PCMark 8 - Home accelerated
動画のエンコード時間
Core i5-6200U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 42分28秒 |
x264でエンコード (※2) | 20分36秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
QSVでエンコード (※4) | 10分09秒 |
※1 4Kや8Kにも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが、出力ファイル容量は従来の約半分
※2 H.264エンコーダーの中で、現在人気の高いエンコーダー。ほどほどの速度で高画質
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載される最新ハードウェアエンコーダー。従来のCUDAより速度、画質とも向上
※4 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー。エンコードが高速
ストレージのベンチマーク
256GB PCIe - NVMe SSD
重量のチェック
重量のチェックです。
メーカー公表値では約1.36kgとなっています。ページによっては約1.27kg~と書かれています(通常の液晶が約1.36kgで、有機ELが約1.27kgなのかもしれません)。
当サイトによる計測結果は下図の通りです。PC本体は1.357kgと、2 in 1 パソコンとして普通の軽さです。ACアダプターはやや軽いです。
重量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
本製品のバッテリー容量は52Whです。メーカー公表値のバッテリー駆動時間は、最大 約9.8時間(JEITA2.0)です。
当サイトによるバッテリー駆動時間の計測値は下表のとおりです。モバイルノートパソコンとして、普通の駆動時間です。今回はWQHD液晶を搭載していますが、FHD液晶にすればもう少し駆動時間は長くなると思います。
WQHD(2560x1440)液晶 Core i5-6200U |
|
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動画再生時 ※1 | 7時間46分 |
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※2 | 4時間29分 |
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※3 | 5時間38分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
micro SDカードのみ対応しています。スロットは、背面のカバーを開けたところにあり、またmicro SDカードを挿入するときは、液晶を閉じないと入れづらいため、頻繁にカードを着脱する方は面倒に感じると思います。
micro SDカードスロット挿入後の画像
速度は普通です。
SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)