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レノボ ThinkPad Yoga 260の実機レビュー
軽量化したThinkPad Yoga
ThinkPad Yoga 260は、液晶が360度回転し、タブレットにもなる2 in 1 ノートパソコンです。
Lift'n' Lock(リフトンロック)キーボードを採用しており、タブレットモード時にキーのフレームが浮き上がり、キーもロックされる仕組みになっています。これによりキーの破損や、持った時の違和感を軽減してくれます。
従来のThinkPad Yoga 12よりも軽くなり、ThinkPad X260と同等程度の重量になっています。
第6世代インテルCPU、フルHD IPS液晶、PCIe-NVMe SSDを選択可能で、モバイルノートパソコンとしては十分なスペックです。
ワコム製のペンも内蔵しています。
2016.4.27 追記:Core i7、PCI-NVMe SSDモデルの情報も追記しました。
公式サイト:レノボ 公式サイト
※レビュー機は、1台が当サイトでの購入品、1台がメーカーからの借用品です
※ 2016/4/27 追記:Core i7、PCI-NVMe SSDモデルの情報も追記しました
※ 2016/5/31 追記:ペンについての記載を追記・修正しました
目次
ThinkPad Yoga 260の基本スペック
ThinkPad Yoga 260の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2016年1月22日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU Uシリーズの第6世代インテルCPUを選択可能です。 |
グラフィックカード インテルHDグラフィックス 520(CPU内蔵)です。 |
液晶ディスプレイ 12.5型ワイド、IPS、タッチパネル液晶。HD(1366x768)とFHD(1920x1080)の解像度が選べます。 |
メモリ PC4-17000 DDR4のメモリを搭載しており、4~16GBまで選択できます。 |
ハードディスク/SSD SATA SSDとPCIe-NVMe SSDを選択できます。 |
光学ドライブ 内蔵していません。 |
バッテリー駆動時間 メーカー公表値で最大 約9.6時間(JEITA2.0)。ページによっては約10時間と記載。 |
その他 薄さ17.8mm、重量約1.36kgです。 |
今回は、以下の構成の製品でレビューしています。
- Core i5-6200U, 8GB メモリ, 128GB SATA SSD, FHDタッチ液晶
- Core i7-6500U, 8GB メモリ, 256GB PCIe-NVMe SSD, FHDタッチ液晶 NEW!
特徴1 - タブレットへも変形可能な 2 in 1 PC
本製品は、ノートパソコンとしてもタブレットとしても使用できる 2 in 1 パソコンです。
ヒンジを中心に液晶が360度回転するタイプの製品で、タブレットモードだけでなく、下図のようにテントモードにしたり、スタンドモードにしたりすることも可能です。
2 in 1 パソコン
タブレットモードにしたときに横からみると、やや隙間があり、完全に重なり合うことはありません。
タブレットモード時に横から見た図
特徴2 - Lift'n' Lock(リフトンロック)キーボード
液晶を360度回転させるタイプの2 in 1 パソコンは、タブレットモードにしたときに、キーボードが剥き出しになる欠点があります。持ちあげたときにキーが押されて独特の違和感がありますし、キーを破損させたり、傷つけたりする可能性もあります。
しかし、ThinkPad Yoga 260は、Lift'n' Lock(リフトンロック)キーボードを採用し、タブレットモードにしたときに、キーのフレームが浮き上がり、キーもロックされる仕組みになっています。これにより、キーが固定されて持ちやすく、また突起していないため破損などしにくくなります。
Lift'n' Lock(リフトンロック)キーボード
タブレットモード時のキーボード全体図
特徴3 - ワコム製ペン選択可能
本製品は、2,048段階もの筆圧検知に対応した「静電容量式」のワコム製のペンも選択することができます。
なお、同社で発売されてきたペンの中でも「電磁誘導式」のペンは、本製品では使用できないためご注意下さい。「電磁誘導式」のペンは、ThinkPad Yoga 12のデジタイザーペン対応モデルで使用されたペン「4X80F22110」や、ThinkPad Helix (2015年モデル) のデジタイザーペン対応モデルで使用されたペン「4X80F22107」などが該当します。
ペンは本体に収納することも可能です。ペンは充電式となっていますが、本体に収納することで自動で充電することが可能であるため、充電を意識して行う必要はありません。
ペンは本体に収納可能
ペンの全体図
ペン先の拡大図
実際にペンで線を描いてみましたが、追従性が良く、視差も少なく、液晶表面に適度な抵抗感もあり描きやすかったです。下は、追従性を確認するために、ペンで線を引いたときの動画です。参考にして下さい。
ThinkPad Yoga 260 のペンの追従性
指紋センサー搭載
指紋センサーも搭載しています。Windows 10 のOSを選択していれば、Windows Helloを利用し指紋認証でOSやアプリにログインすることが可能です。
Windows Hello で指紋認証ログイン
同じ12.5型のThinkPadとの比較
ThinkPad Yoga 260は12.5型ワイドの液晶を搭載していますが、同サイズの液晶を搭載したThinkPadシリーズには、ThinkPad X260があります。この2機種の仕様を比較したのが下表です。
バッテリー駆動時間については、ThinkPad X260の方がやや長いため、やや大きな容量のバッテリーを搭載しているのだと思います。他にも細かい点で相違はありますが、極端に重さが違うとか、処理性能が違うとか、そういった大きな違いはありません。
ThinkPad Yoga 260 | ThinkPad X260 | |
---|---|---|
プロセッサー | 第6世代インテルCore i プロセッサー | |
液晶サイズ | 12.5型ワイド | |
液晶解像度 | FHD(1920x1080)IPS HD(1366x768)IPS |
FHD(1920x1080)IPS HD+(1600x900) |
メモリ | 最大16GB | 最大16GB |
ストレージ | 最大 PCIe NVMe SSD | 最大 PCIe NVMe SSD |
バッテリー駆動時間 | 最大 約 9.6時間(JEITA2.0) | 最大 約11時間(JEITA2.0) |
重量 | 約1.36kg~ | 約1.34kg~ |
横幅 x 奥行きサイズ | 309.9 x 220 mm | 305.5 x 208.5 mm |
薄さ | 17.8mm | 20.3mm |
ポート | HDMI Mini DisplayPort USB3.0x2 |
HDMI Mini DisplayPort USB3.0x3 LAN |
メーカーHP | レノボ 公式サイト | レノボ 公式サイト |
同じThinkPad Yogaシリーズとの比較 Update!
同じThinkPad Yogaシリーズである「ThinkPad X1 Yoga」と比較をします。
スペックの違いは下表の通りです。ThinkPad X1 Yogaのほうが、解像度の高い液晶を選択でき、有機ELも数か月後には選択可能になります。ただし、ThinkPad Yoga 260のほうが価格は安いです。
バッテリー駆動時間は、当サイトの計測では、FHD液晶を搭載したThinkPad Yoga 260と、WQHD液晶を搭載したThinkPad X1 Yogaがほぼ変わらない駆動時間でした。FHD液晶を搭載したThinkPad X1 Yogaの場合は、ThinkPad Yoga 260より駆動時間が長くなると思います。
ThinkPad Yoga 260 | ThinkPad X1 Yoga | |
---|---|---|
プロセッサー | 第6世代インテルCore i プロセッサー | |
液晶サイズ | 12.5型ワイド | 14型ワイド |
液晶解像度 | FHD(1920x1080)IPS HD(1366x768)IPS |
WQHD(2560x1440)IPS
FHD(1920x1080)IPS (後日、有機EL選択可) |
メモリ | 最大16GB | 最大16GB |
ストレージ | 最大 PCIe-NVMe SSD | 最大 PCIe-NVMe SSD |
バッテリー駆動時間 | 最大 約9.6時間(JEITA2.0) | 最大 約9.8時間(JEITA2.0) |
重量 | 約1.36kg~ | 約1.36kg~ ※1 |
薄さ | 17.8mm | 16.8mm |
ペン | 対応 | 対応 |
価格 | 約110,000~ | 約170,000円~ |
メーカーHP | レノボ 公式サイト | レノボ 公式サイト |
通常の液晶は1.36kgで、有機ELの場合は1.27kgなのかもしれません。
次に、ThinkPad Yoga 260とThinkPad X1 Yogaの外観を比較します。
下図のように、ThinkPad Yoga 260のほうがサイズが小さいです。ThinkPad X1 Yogaでは小さいカバンだと入らない可能性もあるので、サイズはよく確認しましょう。
サイズの比較
ThinkPad X1 Yogaは、小さいカバンだと入らない可能性も
液晶画面は、ThinkPad X1 Yogaのほうがサイズが大きいのはもちろん、(パネルによりますが)色域も広いです。下図の両パソコンは、両方ともフルHD液晶を搭載しており、同じ色を表示していますが、ThinkPad X1 Yogaのほうが元の色を忠実に再現しています。ThinkPad Yoga 260は色が再現しきれていません。
色再現性の比較
両機種とも、ペンを利用可能です。ThinkPad Yoga 260は「ThinkPad Pen Pro-2」、ThinkPad X1 Yogaは「ThinkPad Pen Pro-3」という名前が付いています。どちらもワコム製で2,048段階の筆圧検知に対応しています。Pro-2とPro-3の違いはよく分かりませんが、恐らく後ろの形状が違うだけだと思います。ペンは充電式になっており、本体に収納することで自動で充電されます。どちらも非常に良い書き心地です。
ペンの長さは、ThinkPad X1 Yogaのペンのほうが若干長いです。収納場所は、ThinkPad X1 Yogaのペンのほうが手前にあり手探りで探しやすいですが、指をひっかけるところはThinkPad Yoga 260のほうが出っ張っており引き出しやすいです。
ペンの比較
ペンの収納箇所
ペン先端の指を引っ掛ける部分
キーボードは両方とも打ちやすいですが、ThinkPad Yoga 260のほうがキーピッチがわずかに狭いです。また、ThinkPad Yoga 260は、下図のようにさらにキーピッチの狭いキーがいくつかあります。
キーボードの比較
タッチパッドについては、ThinkPad X1 Yoga のほうがやや広く、より操作しやすくなっています。
タッチパッドの比較
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
HD液晶とフルHD液晶を選択できますが、今回はフルHD液晶の特性についてチェックします。
2台のPCで計測しましたが、搭載されていたパネルはどちらも「N125HCE-GN1」でした。
当サイトで計測した最大輝度は、1台が288cd/m2で1台が328cd/m2と、やや個体差が大きかったです。
視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや緑と青が強調された画面になっていることが分かります。
※以前掲載していた画像は、線が波打っており上手く計測できていませんでしたが、今回上手く計測できたため、画像を挿し変えました。
色域は、やや狭いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状です。ギラつきはほぼ感じません。
ハーフグレアに近い映り込みです。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
Lift'n' Lock(リフトンロック)の仕組みを採用していますが、他のThinkPadシリーズと同様に打ちやすいキーボードです。
キーピッチの実測値は、横:約18.5mm、縦:約18mmです。キーストロークは約2mmあります。他のThinkPadシリーズのキーボードよりも若干キーピッチが狭いですが、打ち心地はそれほど変わりません。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
バックライトキーボードも搭載しています。
画面への映り込み
タッチパッドやトラックポイントも、他のThinkPadシリーズと変わらない操作感で、使いやすいです。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
UシリーズのCore i プロセッサーを搭載しており、CPUの処理性能は標準的です。ストレージは、PCIe-NVMe接続の高速なSSDを搭載することが可能です。
ベンチマークスコアは次の通りです。Core i5-6200UとCore i7-6500Uは、そこまで大きな差はありません。体感での違いはあまり感じないでしょう。ただ、エンコードのようなCPUパワーを使う処理は、Core i7-6500Uのほうがやや短時間で終わります。
SATA SSDとPCIe-NVMe SSDは、ベンチマークスコアに大きな差があります。ただし、ほとんどの作業について、体感では大きな差を感じません。予算がなければSATA SSDで十分だと思います。
PassMark Performance Test 8.0
Core i5-6200U、8GBメモリ、128GB SATA SSDの構成
Core i7-6500U、8GB メモリ、256GB PCIe-NVMe SSDの構成
3DMark
Core i5-6200U、8GBメモリ、128GB SATA SSDの構成
Core i7-6500U、8GB メモリ、256GB PCIe-NVMe SSDの構成
PCMark 8 - Home accelerated
Core i5-6200U、8GBメモリ、128GB SATA SSDの構成
Core i7-6500U、8GB メモリ、256GB PCIe-NVMe SSDの構成
動画のエンコード時間
注意:2015年10月24日より、エンコードのテスト内容を変更しました。
Core i5-6200U | Core i7-6500U | |
---|---|---|
x265でエンコード (※1) | 51分01秒 | 42分08秒 |
x264でエンコード (※2) | 20分32秒 | 19分45秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― | ― |
QSVでエンコード (※4) | 10分14秒 | 9分49秒 |
※1 4Kや8Kにも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが、出力ファイル容量は従来の約半分
※2 H.264エンコーダーの中で、現在人気の高いエンコーダー。ほどほどの速度で高画質
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載される最新ハードウェアエンコーダー。従来のCUDAより速度、画質とも向上
※4 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー。エンコードが高速
ストレージのベンチマーク
128GB SATA SSD | 256GB PCIe-NVMe SSD |
重量のチェック
重量のチェックです。
PC本体の重量は1.323kgでした。従来モデルのThinkPad Yoga 12は1.5kg以上あったので、かなり軽量化されたと思います。他のモバイルノートパソコンと比較した場合は普通の重量です。
ACアダプターは3種類選択可能ですが、そのうちの2種類を下図に掲載しています。軽い重量です。
重量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は44Whです。
当サイトの計測によるバッテリー駆動時間は下表の通りです。モバイルノートパソコンとして一般的な駆動時間だと思います。
Core i7を搭載した場合は、バッテリー駆動時間がやや短くなるため、ご注意ください。
Core i5-6200U | Core i7-6500U | |
---|---|---|
動画再生時 ※1 | 7時間28分 | 7時間12分 |
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※2 | 4時間18分 | 3時間48分 |
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※3 | 5時間11分 | 4時間48分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
カード挿入後の出っ張りはややありますが、引っかかることはそれほど無いと思います。
micro SDカードスロット挿入後の画像
速度は次の通りです。
SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)