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HP ENVY 15 x360(AMD)の実機レビュー
【PR】【貸出機材提供:株式会社日本HP】
CPU | Ryzen 5 2500U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | 256GB PCIe SSD + 1TB HDD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IPS 光沢 タッチ |
質量 | 約2.11kg |
バッテリー | 10時間 |
価格 | 9万円台(税別)~ |
ENVY 15 x360(AMD)は、15.6型液晶に、Ryzenプロセッサーを搭載したコンバーチブル型の2 in 1 PCです。
一般ユーザーには十分なスペックで、価格も9万円台とお買い得です。
「ダークアッシュブラック」のアルミボディもかっこよく、とても9万円台のPCには見えません。
アクティブペンにも対応しており、タッチパネル搭載の2 in 1 PCということで、色々な使い方ができる製品です。
クリエイター向けのPCのようにも見えますが、個人的にはクリエイターにはあまり適さないと思います。一般ユーザーが使うならおすすめです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 2500U、16GBメモリ、256GB PCIe SSD + 1TB HDD
目次
お忙しい方は、「ENVY 15 x360(AMD)の特徴」のみお読みください。
ENVY 15 x360(AMD)の特徴
Ryzen搭載で9万円台からと高コスパ
ENVY 15 x360(AMD)は、Ryzenプロセッサーを搭載することで、9万円台(税別)という価格に抑えられた高コスパのノートパソコンです。一般ユーザーなら十分な性能で遅く感じることはないでしょう。ただし、詳細は後述しますが、クリエイターにはあまりおすすめしません。
上質で落ち着きのあるデザイン
ENVY 15 x360(AMD)は、「ダークアッシュブラック」というやや灰色がかった、光の加減によっては濃いブラウンにも見える、上質で落ち着きのあるデザインのPCです。
ボディには、樹脂ではなく、高級素材のアルミニウムを用いており、9万円台で購入できるノートPCとは思えない高級感のある質感です。
大きめのコンバーチブル型PC
15.6型サイズのノートPCは、クラムシェルタイプの製品が多いですが、ENVY 15 x360(AMD)は液晶がくるっと360度回転するコンバーチブル型の2 in 1 PCとなっています。
基本的にはノートブックモードで使うことが多いと思いますが、タッチ操作をするときは画面が揺れないテントモードにしたり、ペンを使うときはタブレットモードにしたりと、用途に合わせて形状を変えることができます。
ただ、スタンドモードにすると、スピーカーが隠れてしまい音がこもってしまうので注意が必要です。
アクティブペンを同梱
ENVY 15 x360(AMD)は、アクティブペンにも対応しています。ただし、ペンは別売りです。
今回の貸出機にペンは同梱されていませんでしたが、MPP(Microsoft Pen Protocol)対応のペンであれば使用することができました。筆圧検知の段階数などは掲載されていませんが、それほど高い性能ではなさそうです。
インテルモデルとの比較
ENVY 15 x360には、今回レビューしているAMDモデルの他に、インテルのCPUを搭載したインテルモデルもラインナップされています。
大きな違いは、搭載しているCPUになりますが、大きな性能差は無く、やれることは変わらないと思っていいでしょう。Ryzen 5 2500Uのほうが、ベンチマークは高いスコアが出ることが多いですが、実際のソフトでの処理時間は遅くなることが多いです。
グラフィック性能については、AMDモデルのほうが2倍くらい性能が高く、一見クリエイター向きかと思われますが、AMD APU内蔵のグラフィックスに対応していないソフトも多く、そもそも液晶の色域が狭いので、クリエイター向けソフトには適していません。
また、インテルモデルはペンが標準で同梱されていますが、AMDモデルはされていないのでご注意下さい。
HP x360 15 (AMD) |
HP x360 15 (インテル) |
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画像 | ||
CPU | Ryzen 5 2500U | Core i7-8550U Core i5-8250U |
グラフィックス | Radeon Vega 8 | Intel UHD 620 |
メモリ | 8GB / 16GB | |
ストレージ | 256GB SSD + 1TB HDD | 1TB HDD + Optane 256GB SSD + 1TB HDD |
ペン | なし | 同梱 |
価格面では、AMDモデルのほうが安くコスパは高いです。ただし、Core i5-8250Uの性能でも十分という方であれば、ペンが同梱されているインテルモデルも安いと思います。
HP x360 15 (AMD) |
HP x360 15 (インテル) |
||
画像 | |||
CPU | Ryzen 5 2500U | Core i5-8250U | Core i7-8550U |
メモリ | 8GB | ||
ストレージ | 256GB SSD + 1TB HDD | ||
ペン | なし | 同梱 | |
価格[税別] | 94,800円 | 103,800円 | 116,800円 |
液晶ディスプレイのチェック
ENVY 15 x360(AMD)の液晶ディスプレイのチェックです。
最大輝度は、219cd/m2とそれほど高くはありませんが、室内の日差しがそれほど眩しくない部屋で使うには問題ないと思います。
視野角は広いです。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。これを見ると、やや中間部が暗い傾向があることが分かりますが、それほど気にはならないです。
色域はやや狭いです。メーカーサイトには、グラフィックス性能に優れたRyzenプロセッサーを搭載しているので、クリエイター向けソフトも快適と書かれていますが、個人的にはもっと色域の広いPCのほうがいいと思います。
画素形状です。斜めに見える線はタッチパネルの電極と思われます。近くからみるとやや気になる方もいるかもしれませんが、一般的なユーザーは気にならず問題なく使えると思います。
光沢液晶ですので、周囲の物が映り込みます。
少し輝度を下げて(正確には覚えておらず申し訳ないですが輝度設定60%くらい)撮影した限りでは、フリッカーはありませんでした。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
メーカーサイトを確認すると、キーピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.5mmと十分な数値です。ややストロークが浅く感じますが、底付きの衝撃も少なく、たわみもほとんど無く、割と押しやすいです。普通にタイピングできると思います。
キーボードバックライトも搭載しています。
タッチパッドの操作性は普通です。タッチパッドの面積は大きいです。やや左寄りにあるのも良いです。クリックボタンは、ややクリック音が大きめですが、普通に押せると思います。
パフォーマンスのチェック
ENVY 15 x360(AMD)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
本製品のCPUにはRyzen 5 2500Uが搭載されており、一般ユーザーにはちょうど良い性能です。
Ryzen 5 2500Uは、CINEBENCH R15のスコアを見ると、Core i7-8565Uとほぼ同じスコアです。ただ、AMDの製品はベンチマークだけはいいケースがあるので注意が必要です。実際のソフトウェアを使った処理時間を比較すると、Ryzen 5 2500Uより第8世代のCore i7やCore i5のほうが速いです(後述)。使うソフトによって変わってきますが、Ryzen 5 2500Uは第8世代のCore i7やCore i5と比べて同等以下の性能と考えたほうがいいと思います。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
APU内蔵のAMD Radeon Vega 8は、インテルのCPUに内蔵されたIntel UHD 620よりも性能は高いです。ただ、AMD APU内蔵のグラフィックスで処理が高速化するクリエイター向けソフトウェアは少なく、活用できるシーンは限られてくるかなと思います。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDおよびHDDを搭載しています。十分な構成です。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
レビュー機で計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
現像にはCPUパワーを使いますが、Ryzen 5 2500Uは、Core i7-8565Uよりだいぶ遅かったです。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Premiere ProはAMD APU内蔵グラフィックスに対応しておらず、GPUアクセラレーションが使えないため、書き出し時間は遅かったです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
エンコード時間も、Ryzen 5 2500Uは、Core i7-8565UやCore i5-8265Uより遅いです。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 35分47秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
VCEでエンコード (※3) | 1分54秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
質量のチェック
ENVY 15 x360(AMD)の質量のチェックです。
15.6型のノートとしては、やや軽めだと思います。
質量 | |
PC本体 | 2.081kg |
ACアダプター | 286g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
ENVY 15 x360(AMD)のバッテリー容量は、当サイトで確認したところ、約50Wh(ソフトで計測しているので若干の誤差があります)でした。15型クラスのノートPCとしては普通、もしくはやや多めの容量です。
バッテリー駆動時間は、PCMark 8 Workを実行したときは普通の駆動時間です。負荷が低めの動画再生時は、やや短い駆動時間です。これはインテルCPUよりも動画再生時の消費電力が高いためです。
駆動時間 | |
PCMark 8 Work テスト ※1 | 4時間57分 |
動画再生時 ※2 | 5時間50分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でも、やや動作音がします。他の状態は普通の動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
エンコード時のCPU温度が90℃を超えており高めです。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
エンコード時、左パームレストの温度が他のPCより高めになり、タイピングしているとやや不快感があります。低めの負荷なら問題ありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
インテルのCPUに比べると、アイドル時はほぼ変わりませんが、何か負荷をかけると高めの消費電力になります。
外観のチェック
ENVY 15 x360(AMD)の外観写真を掲載します。
ダークアッシュブラックの落ち着いたカラーです。デザインはいいと思います。
天板です。
ENVY 15 x360(AMD)は、BANG & OLUFSENのスピーカーを配置し、比較的音は良いですが、サ行が刺さるのが気になりました。勝手に点数をつけると、10点満点で6点といったところです(音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
ボディは薄型です。液晶を開くときに、指が天板をつかみやすいように、タッチパネルの下側が削れています。
液晶は360度開きます。
側面のインターフェースです。USB Type-CやHDMI、SDカードスロットなど、主要なポートは揃っています。USB Type-CはPower Deliveryに対応していますが、Thunderbolt 3には対応していません。USB Type-Cのドックは使用できましたし、映像出力も可能でした。
2 in 1 PCであるため、電源ボタンは側面にあり、やや押しにくいです。
底面はネジが少なく見た目がいいです。
ACアダプターは65Wと大きめの容量ですが、割と小型で持ち運びしやすいです。ただし、電源ケーブルはやや太めです。
まとめ
以上が、ENVY 15 x360(AMD)のレビューです。
アルミニウムを用いた「ダークアッシュブラック」の薄型ボディがかっこよく、この点だけでも購入する価値のある製品です。
タッチパネルに対応しており、スマホ世代の若者や、キーボード操作が不慣れなご年配の方も、操作しやすいと思います。
Ryzen 5 2500Uを搭載しており、一般的なユーザーであれば十分な性能です。
グラフィックス性能はやや高めですが、クリエイターソフトが、AMD APUの内蔵グラフィックスに対応していないケースがあることや、液晶の色域が狭いことから、クリエイター向けソフトの使用にはおすすめしません。
ペンにも対応していますが、製品にペンは同梱していないため、別途注文する必要があります。もしペンが必要なら個人的には、ペンが同梱したHP ENVY 15 x360のCore i5モデルもおすすめです。
当サイト向け特別クーポンで安く購入可能
当サイト向けの特別クーポンを利用することで、日本HPパソコンを、通常よりも安く購入することが可能です(132,000円以上の製品が対象)。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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