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HP ENVY 15 x360の実機レビュー
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CPU | Core i7-8550U Core i5-8250U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | Optanaメモリ+HDD PCIeSSD+HDD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IPS 光沢 タッチ |
質量 | 約2.11kg |
バッテリー | 10時間 / 11時間 |
価格 | 10万円台(税別)~ |
ENVY 15 x360は、360度回転するヒンジを備え、好みのスタイルで使用可能なコンバーチブル型PCです。コンバーチブル型のPCで、15型という大きめのサイズのものは珍しいです。
スペックも十分で、特にストレージは、1TBのHDDに加え、OptaneメモリまたはPCIe SSDを搭載しており、十分な容量かつ高速です。ただし、HDDは耐振動性に劣るため、注意が必要です。
アクティブペンも同梱されており、メモやスケッチなどにすぐに使用することができます。
普段は宅内モバイルとして使用し、必要であれば外にも持ち出せる万能なPCです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-8250U、8GBメモリ、16GB Optane メモリ+1TB HDD
目次
お忙しい方は、「ENVY 15 x360の特徴」のみお読みください。
ENVY 15 x360の特徴
清潔感と品のあるデザイン
ENVY 15 x360は、アルミニウムボディでクールなデザインのPCです。色はナチュラルシルバーで清潔感があり、背面のダマスカス鋼調の模様がシンプルな外観にアクセントを与えています。表面には梨地処理が施されており、持ちやすく、指紋も目立ちにくく、手に馴染む仕上げとなっています。また、ナローベゼルを採用しており、見た目もすっきりしています。派手さはありませんが、品のあるPCだと思います。
大きめのコンバーチブル型PC
ENVY 15 x360は、15型と大きめのサイズなのに、コンバーチブル型になっています。大きめの画面が良く、しかもいろんなスタイルで使いたいという、欲張りな要望に応えてくれます。
大画面であるため、スタンドモードでは臨場感ある画面で動画視聴でき、テントモードでは複数人でタッチ操作をでき、タブレットモードでは大きな領域にペンで図を書いたりすることができます。
このように、小型のコンバーチブル型PCとは一味違った使い心地がありそうです。
ストレージ構成
ENVY 15 x360のストレージ構成は、2種類あります。16GB Optaneメモリ+1TB HDDと、256GB SSD+1TB HDDです。
Optaneメモリとは、HDDを高速化するためのキャッシュメモリです。SSDを搭載するよりも、価格を抑えつつ、アクセス速度をかなり向上させることができます。PCやアプリの起動など、頻繁に行う処理が高速になりますし、データの読み込みも速くなります。ただし、シーケンシャルの書き込みは、SSDほど速くありません。
一方、256GB SSD+1TB HDDの構成では、SSDに保存されているOSやデータについては、読み込みも書き込みも高速ですが、HDDに保存されているデータのアクセスは遅いです。
どちらも一長一短の部分があります。また、どちらにしてもHDDを搭載しているので、耐衝撃性には劣ります。頻繁に持ち運ぶ、使用しながらPCをよく移動させる、といった使い方の場合は、SSDのみを搭載した機種の方が安心です。
アクティブペンを同梱
ENVY 15 x360は、アクティブペンに対応しており、ペンが同梱されています。
アクティブペンの性能は、1024段階の筆圧感知、傾き検出なしです。ペン自体の性能は特別優れているわけではないため、簡単な描画や、メモ書き程度の使用に適しているでしょう。また、HP Pen Controlソフトウェアを使用して、アクティブペンのボタンの動作を設定できます。よく使う機能を割り当てることで、通常の仕様においてもアクティブペンを便利に使うことができそうです。
液晶ディスプレイのチェック
ENVY 15 x360の液晶ディスプレイのチェックです。
視野角は広いです。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。全体的にやや暗めの表示ですが、わずかですのでほぼ気になりません。比較的自然な発色だと思います。
色域はやや狭いです。
画素形状です。斜めに見える線はタッチパネルの電極と思われます。近くからみるとやや気になる方もいるかもしれませんが、一般的なユーザーは気にならず問題なく使えると思います。
光沢液晶ですので、周囲の物が映り込みます。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.5mmと十分な数値です。ややストロークが浅く感じますが、底付きの衝撃も少なく、たわみもほとんど無く、割と押しやすいです。普通にタイピングできると思います。
キーボードバックライトも搭載しています。
タッチパッドの操作性は普通です。クリックボタンは、ややクリック音が大きめですが、普通に押せると思います。
パフォーマンスのチェック
ENVY 15 x360のパフォーマンスのチェックです。
CPU
最近のノートPCとしては、スタンダードな第8世代Coreプロセッサー(Uシリーズ)を搭載しており、一般的ユーザーが行う作業なら困ることはないと思います。
レビュー機で計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。
Core i5-8250U | |
x265でエンコード (※1) | 29分57秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 3分50秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
質量のチェック
ENVY 15 x360の質量のチェックです。
15.6型のノートとしては、やや軽めだと思います。
質量 | |
PC本体 | 2.105kg |
ACアダプター | 285g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
ENVY 15 x360は、約52Whのバッテリーを搭載しており、普通~やや多めの容量です。
バッテリー駆動時間も普通です。
駆動時間 | |
PCMark 8 Home テスト ※1 | ― |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 4時間40分 |
動画再生時 ※3 | 7時間09分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でも、やや動作音がします。他の状態は普通の動作音かなと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
全体としては低めですが、パームレスト部分が、他のノートPCと比べてやや熱く、体感でも少し暖かく感じます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
低消費電力のUシリーズのCoreプロセッサーを搭載しているため、やや低めの消費電力です。
外観のチェック
ENVY 15 x360の外観写真を掲載します。
天板です。
ENVY 15 x360は、BANG & OLUFSENのスピーカーを配置し、比較的音は良いですが、サ行が刺さるのが気になりました。勝手に点数をつけると、10点満点で6点といったところです(音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
液晶が360度開くため、もちろん次のような状態で使用することも可能です。
液晶を開くときに、指が天板をつかみやすいように、タッチパネルの下側が削れています。
右側面には、HDMI、USB 3.1、USB Type-C、指紋センサーを備えています。指紋センサーを使用すると、素早く、かつセキュアにWindows にログインできるため便利です。USB Type-Cは、Power Deliveryと映像出力に対応しているのは確認できました。
左側面には、USB 3.1、SDカードリーダーなどを備えています。フルサイズのSDカードがそのまま使用できるので、デジカメなどからの写真や動画の取り込みに便利です。
底面はネジが少なく見た目がいいです。
ACアダプターです。
まとめ
以上が、ENVY 15 x360のレビューです。
ツヤのないシルバーのアルミニウムボディは品が良く、指紋が目立たず実用性も高い点が、印象的でした。
タッチパネルを搭載することで、スマホ世代の若者にはウケがいいのかなと思う反面、光沢液晶であるため周囲のものが映りこむのがやや残念です。光沢液晶の場合、色が鮮やかに見えるというメリットはありますが、そもそも色域の狭い製品なので、このメリットも活かしきれていません。もう少し色域の広い液晶であればよかったと感じます。
スペック面では十分で、一般ユーザーは困ることはないでしょう。
変形できるコンバーチブル型で、アクティブペンにも対応しており、1台で何でもやりたいという方には、良いPCでしょう。
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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パソコンに必須のセキュリティソフトの比較ページ。セキュリティソフトの選び方や、比較一覧表、用途ごとのおすすめ製品などを掲載。