GeForce RTX 2070 SUPER Max-Q のベンチマークとゲームフレームレート

更新日:2020年4月15日

2020年4月にNVIDIAから発表されたハイクラス性能のノートPC用グラフィックス「GeForce RTX 2070 SUPER Max-Q」のベンチマークやゲームのフレームレートを計測しました。

 

結果概要

お忙しい方のために、3DMark Time SpyのGraphics scoreから先に掲載します。

GeForce RTX 2070
SUPER Max-Qは、無印のRTX 2070と、RTX 2070 Max-Qの間くらいのスコアです。ノートPCグラフィックスとしては高めの性能で、FHD解像度であれば、多くのゲームで高いフレームレートが出せると思います。高リフレッシュレートの液晶が搭載されていれば、滑らかな映像でゲームができることでしょう。

多くのハイクラスのゲーミングノートPC、クリエイター向けノートPCで採用されていくと思います。

3DMark Time Spy(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 2070 SUPER
9583
RTX 2070 7778
RTX 2070 SUPER
Max-Q
7425
RTX 2070
Max-Q
7216

 

GeForce RTX 2070 SUPER Max-Q の仕様

GeForce RTX 2070 SUPER Max-Qの仕様は下表のようになっています。なお、ベースクロックやブーストクロックなどの仕様は、〇MHz~〇MHzなどと幅がありますが、実際のノートPCによく搭載されている数値を掲載しています。ただし、RTX 2070 SUPERのみはまだ検証したことがないため、ベースクロックなどはNVIDIAのページに掲載されている最大値を参照しています。

RTX 2070 SUPER Max-Qは、RTX 2070 SUPERと比べるとベースクロックやブーストクロックはやや抑えられていますが、CUDAコア数です。高い性能でありつつも発熱は抑えられることが期待できます。

ノートPC用グラフィックカードの仕様
  RTX 2070 SUPER RTX 2070 SUPER
Max-Q
RTX 2070 RTX 2070
Max-Q
アーキテクチャ Turing Turing Turing Turing
CUDAコア 2560 基 2560 基 2304 基 2304 基
ベースクロック ~1140 MHz 930 MHz 1215 MHz 885 MHz
ブーストクロック ~1380 MHz 1155 MHz 1440 MHz 1500 MHz
メモリ容量 8GB 8GB 8GB 8GB
メモリタイプ GDDR6 GDDR6 GDDR6 GDDR6
メモリ帯域幅 ~448 GB/s 352 GB/s 448 GB/s 384 GB/s
確認元のPC AERO 15 OLED MSI GE65 HP OMEN 15
RTX 2070 SUPERは実機を確認したことがないので、一般的な仕様を掲載

 

また、今回、Max-Q対応となっており、電圧効率が最も良くなるポイントでパフォーマンスを抑えて動作します。なお、GeForce RTX 2070 SUPERでは New Max-Q テクノロジーとなっており、「4gamer.netの記事」を参照すると、次のように改善されているようです。

New Max-Q Technology

Dynamic Boost CPUとGPUにおいて、負荷の高いほうに電力をより割り当てる技術。

Advanced Optimus G-SYNCや、4Kかつ120Hz駆動に対応。

Low Voltage GDDR6 1.35Vより低い電圧で駆動し、消費電力と発熱を下げる。

Next Gen Regulator Efficiency 消費電力と発熱が低いレギュレーターを活用。

DLSS 低解像度のグラフィックスを超解像処理とアップスケール処理し、GPUの負荷を抑える。これによりバッテリー駆動時間が20%向上。

 

テストに使用したノートPC

今回ベンチマークを計測するにあたり使用したノートPCは、ギガバイト社からお借りしたAERO 15 OLEDとなります。

 

3D Markのスコア

3DMarkのスコアを掲載します。前述した通り、無印のRTX 2070と、RTX 2070 Max-Qの間くらいのスコアです。ノートPC用グラフィックスの中では比較的高めの性能で、ゲームに、クリエイティブ作業にと、多くの用途に使える性能です。

3DMark Time Spy
RTX 2070 SUPER Max-Q
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用 RTX 2080Ti 12388
デスクトップ用 RTX 2080 SUPER 10674
デスクトップ用 RTX 2070 SUPER 9583
RTX 2080 9456
RTX 2080
Max-Q
8068
RTX 2070 7778
RTX 2070
SUPER Max-Q
7425
RTX 2070
Max-Q
7216
RTX 2060 5686
GTX 1660Ti 5667
GTX 1650 3494
GTX 1050Ti 2201
GTX 1050 1689
※「デスクトップ用」と書かれていないグラフィックスはノートPC用パーツです
その他の3DMark のスコア

 

ゲームベンチマーク

次にゲームのベンチマークスコアおよびフレームレートを下表に掲載します。目安として、普通のディスプレイの場合はおおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。144Hz駆動などの高リフレッシュレートディスプレイの場合は、100 fps以上の高いフレームレートが出ていることが望ましいです。

重い部類のゲームでも、1920x1080解像度なら、最高品質のグラフィック設定でも60fpsを超えます。中程度の重さに分類したゲームなら、1920x1080、中程度のグラフィック設定でも100fpsを超えており、高リフレッシュレートディスプレイを使っていれば、滑らかな映像が期待できます。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 127 fps
標準品質 103 fps
高品質 80 fps
3840x2160 軽量品質 54 fps
標準品質 39 fps
高品質 34 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 2080 Max-Q 83 fps
RTX 2070 81 fps
RTX 2070 SUPER Max-Q 80 fps [レビュー機で計測]
RTX 2070 Max-Q 70 fps
RTX 2060 65 fps
GTX1660Ti 63 fps
GTX1060 41 fps
GTX 1650 40 fps
GTX1050Ti 26 fps
※ノート用グラフィックスでの比較
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
1920x1080 最低 98 fps
90 fps
最高 84 fps
3840x2160 最低 65 fps
43 fps
最高 34 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高)
RTX 2080 Max-Q 90 fps
RTX 2070 88 fps
RTX 2070 SUPER Max-Q 84 fps [レビュー機で計測]
RTX 2070 Max-Q 79 fps
RTX 2060 72 fps
GTX 1660Ti 69 fps
GTX 1060 46 fps
GTX 1650 46 fps
GTX 1050Ti 30 fps
※ノート用グラフィックスでの比較
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3
1920x1080 116 fps
75 fps
ウルトラ 62 fps
3840x2160 53 fps
27 fps
ウルトラ 24 fps
重い部類のゲーム
モンスターハンターワールド:アイスボーン
1920x1080 110 fps
83 fps(106 fps)
最高 64 fps(83 fps)
※括弧内は「FidelityFX CAS + Upscaling」有効時
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高)
RTX 2070 SUPER Max-Q 64 fps(83 fps) [レビュー機で計測]
RTX 2060 51 fps(68 fps)
GTX 1660Ti 46 fps(62 fps)
GTX 1650 32 fps(42 fps)
※ノート用グラフィックスのみで比較
重い部類のゲーム
レッド・デッド・リデンプション2
1920x1080 パフォーマンス 101 fps
バランス 72 fps
最大 49 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高)
RTX 2070 55 fps
RTX 2070 SUPER Max-Q 49 fps [レビュー機で計測]
GTX 1660Ti 46 fps
※ノート用グラフィックスのみで比較
中程度の重さのゲーム
バトルフィールドV
1920x1080
DXR 無効
163 fps
115 fps
最高 105 fps
1920x1080
DXR 有効
98 fps
60 fps(80 fps)
最高 53 fps(74 fps)
※ノート用グラフィックスでの比較※括弧内は「DLSS」有効時
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 132 fps
RTX 2080 Max-Q 108 fps
RTX 2070 107 fps
RTX 2070 SUPER Max-Q 105 fps [レビュー機で計測]
RTX 2070 Max-Q 91 fps
RTX 2060 88 fps
GTX 1660Ti 84 fps
GTX 1650 49 fps
※ノート用グラフィックスでの比較
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 162 fps
高(ノート) 142 fps
最高品質 115 fps
3840x2160 標準(ノート) 87 fps
高(ノート) 63 fps
最高品質 43 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2080 Max-Q 117 fps
RTX 2070 SUPER Max-Q 115 fps [レビュー機で計測]
RTX 2070 110 fps
RTX 2070 Max-Q 98 fps
RTX 2060 98 fps
GTX 1660Ti 95 fps
GTX1650 64 fps
※ノート用グラフィックスでの比較
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
1920x1080 低品質 114 fps
高品質 102 fps
最高品質 94 fps
3840x2160 低品質 53 fps
高品質 46 fps
最高品質 44 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 2070 SUPER Max-Q 94 fps [レビュー機で計測]
RTX 2080 Max-Q 91 fps
RTX 2070 84 fps
RTX 2070 Max-Q 83 fps
RTX 2060 79 fps
GTX 1660Ti 73 fps
GTX 1650 56 fps
※ノート用グラフィックスでの比較
中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
1920x1080 低い 178 fps
高い 176 fps
ウルトラ 145 fps
3840x2160 低い 76 fps
高い 63 fps
ウルトラ 48 fps
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、ウルトラ)
RTX 2080 160 fps
RTX 2080 Max-Q 145 fps
RTX 2070 SUPER Max-Q 145 fps [レビュー機で計測]
RTX 2070 134 fps
RTX 2060 116 fps
GTX 1660Ti 110 fps
RTX 2070 Max-Q 107 fps
GTX 1650 69 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends
1920x1080 高設定 136 fps
3840x2160 高設定 52 fps
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、高設定)
RTX 2080 190 fps
RTX 2080 Max-Q 148 fps
RTX 2070 138 fps
RTX 2070 SUPER Max-Q 136 fps [レビュー機で計測]
RTX 2070 Max-Q 120 fps
RTX 2060 116 fps
GTX 1660Ti 113 fps
GTX 1650 70 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 21483(すごく快適)
※約5500で60fps

 

下のページには、モンスターハンターワールド:アイスボーン、レッド・デッド・リデンプション2、バトルフィールドVをプレイしているときのフレームレートを掲載しています。合わせてご覧ください。

ゲーム時のフレームレート

 

クリエイターソフトの処理時間

最後に実際のクリエイター向けソフトで計測した各種処理時間を掲載します。なお、処理時間は、グラフィックス性能だけでなく、CPU性能にも大きく左右される点はご注意下さい。

いずれもノートパソコンとしては、トップレベルの処理の速さです。

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Core i7-10875H/16GB
RTX 2070 Super Max-Q
42秒 [レビュー機で計測]
Core i7-9750H/16GB
RTX 2070 Max-Q
42秒
Core i7-9750H/16GB
GTX 1660Ti
47秒
Core i7-10710U/16GB
GTX 1650 Max-Q
84秒
Core i5-9300H/8GB
GTX 1650
103秒
Core i7-10510U/16GB
GeForce MX330
146秒
Core i7-10510U/16GB
GeForce MX250
161秒
Core i7-1065G7/16GB
Intel Iris Plus
265秒
Core i7-10510U/16GB
Intel UHD
416秒
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
(ハードウェアエンコード)
Core i9-9880H/32GB
RTX 2080
58秒
Core i7-10875H/16GB
RTX 2070 Super Max-Q
59秒
Core i7-9750H/16GB
RTX 2060
59秒
Core i7-9750H/16GB
GTX 1660Ti
1分00秒
Core i7-9750H/8GB
GTX 1650
1分03秒
Core i5-9300H/8GB
GTX 1050
1分21秒
Core i7-10875H/16GB
Intel UHD グラフィックス
2分59秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)を、NVENCで、H.265/HEVCへ変換したときの時間

 

まとめ

上記の通り、GeForce RTX 2070 SUPER Max-Qは、無印のRTX 2070と、RTX 2070 Max-Qの間くらいのスコアで、非常に高い性能です。

また、Max-Qデザインなので、消費電力および発熱が抑えられており、薄型・軽量のゲーミングノートPCに最適なグラフィックスです。外出先に持ち出して、ゲームをしたり、動画編集をしたりしたい方におすすめです。

なお、ノートPC用のグラフィックスは、同じ名前でもデスクトップ用グラフィックスより、処理性能が劣るためご注意下さい。

また、今回は1台のPCのみ計測した結果となります。他のPCでは少し違った結果が出る可能性もあるため、ご了承下さい。

 

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