最強モバイルノートPC、FMV WU1-K1(FMV Note U)の実機レビュー

CPU | Core Ultra 7 256V Core Ultra 7 258V |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 約256GB ~ 約2TB |
液晶サイズ | 14型 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 約868g |
バッテリー | 64Wh |
価格 | 19万円台~ ※ |
※クーポン利用時の価格
人気の富士通のモバイルノートPCのシリーズが、ついにインテル Core Ultra 200Vプロセッサーを搭載してきました。
このプロセッサーを搭載したことで、バッテリー駆動時間が大きく伸びています。そこまで高い負荷でなければ、朝から晩までノートパソコンを使っても、バッテリーがもつでしょう。
グラフィックス性能も高めです。原神クラスの軽いゲームなら、息抜きに行うことができます。
今回は以下の構成でレビューをしています。レビュー機は、メーカーからの貸出機です。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 258V、32GBメモリ、512GB SSD
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目次
お忙しい方は、「FMV WU1-K1の特徴」のみお読みください。
製品の特徴
非常に長いバッテリー駆動時間
ついに、富士通の人気モバイルノートPCが、インテル Core Ultra シリーズ2(200V)に対応しました。このプロセッサーを搭載することよる最も大きなメリットは、バッテリー駆動時間がかなり長くなる点です。インテル Core Ultra シリーズ1を搭載した旧モデルと比較すると、下のグラフのようにバッテリー駆動時間が大きく伸びています。
下のグラフは、やや高めの負荷をかけたときのバッテリー駆動時間ですが、それでも12時間程度バッテリーがもちます。丸一日、出張でノートPCを使いたい場合でも、バッテリーが切れることなく使えるでしょう。
他のノートPCと比べても、トップクラスのバッテリー駆動時間です。
※ Core Ultra 5 125U:Core Ultra シリーズ1
※ Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき。画面輝度は約120cd/m2
ここまでバッテリー駆動時間が長いのは、インテル Core Ultra シリーズ2を搭載していることの他に、大容量バッテリーを搭載している点と、ディスプレイ解像度が高すぎないという点もあります。
ディスプレイの解像度については、4Kや2.8Kだと消費電力が高くなり、バッテリー駆動時間が短くなりますが、本製品は1920x1200ドットと一般的な解像度なので、バッテリー駆動時間が短くなっていません。
14型の画面サイズであれば、1920x1200ドットもあれば十分ですし、色域も広めで、見やすい部類のディスプレイです。

1kgを大きく切る軽さ
本製品は、非常に軽い点も大きな特徴です。約868gしかありません。14型のモバイルノートとしては大きめの画面に、64Whの大容量バッテリーを搭載して、約868gというのはかなり軽いです。
こちらも、他のノートPCと比較して、トップクラスの軽さです。
頻繁にノートPCを持ち出す方におすすめです。

打ちやすいキーボード
FMV WU1-K1は、かなり打ちやすいキーボードを搭載しています。こちらも、ノートPCの中では、トップクラスのタイピングのしやすさです。
会社関係の資料を作成したり、大学のレポートや卒論を書いたり、ライターが記事を執筆したりなど、タイピングすることが多い方にとてもおすすめです。

豊富なポート構成
ポートの種類が多い点も、本製品のメリットです。
Thunderbolt4のポートが2つあり、他社製のUSB PD充電器やドックが使えます。HDMIポートがあるのでプロジェクターに接続することができますし、LANポートがあるので無線LAN環境のない会社でも、有線LANでネットワークに接続できます。ビジネスシーンでも、大学生活でも困ることはないでしょう。


5G/LTEには非対応
この富士通のノートPCのシリーズは、今まで5G/LTE対応モデルが用意されていましたが、この機種には5G/LTE対応モデルがありません。ここはデメリットです。
もし、5G/LTE対応モデルが良ければ、インテル Core Ultra シリーズ1を搭載した兄弟機種のLIFEBOOK WU2/J3がいいでしょう。こちらなら5Gモジュールを搭載したモデルが販売されています。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 見やすいディスプレイで、スペックも十分なので、Web閲覧やOffice作業は快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイの色域が広めなので、綺麗な映像です。スピーカー音は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | ディスプレイの色域が広めで、性能もそこそこなので、画像編集も行えます。 |
動画編集 | ○ | FHD動画の簡単な編集ならできます。ただ、頻繁に行うなら独立GPUを搭載したPCのほうがおすすめです。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームであればできます。ただし、モンハンワイルズのようなゲームは無理です。 |
ディスプレイのチェック
FMV WU1-K1のディスプレイは、色域が広めで、視野角も広く、非光沢なので映り込みも少なく、フリッカーもなく、見やすいです。画面サイズは14型で、モバイルノートPCとしては大きめです。
詳細については、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は比較的広めです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は99%でした。最大輝度は、当サイトの計測では333 cd/m2とやや高めです。

ガンマ補正曲線を確認すると、明部になるにつれ、赤および緑色が強く表示されていることが分かります。ただし、別のパネルが搭載される可能性もあります。画像編集などをする場合は、キャリブレーションツールで色補正してもいいと思います。

視野角は広いです。

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。ギラつきは、ほとんど感じません。

PWM調光によるフリッカーはありませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
FMV WU1-K1のキーボードは打ちやすいです。
小さいアルファベットキーがなく、「Backspace」や「半角/全角」などのよく使うキーが逆に大きくなっており、狙ったキーを押しやすいです。
キーピッチは、横:約19mm(仕様)、縦:約18mm(実測)、キーストロークは約1.5mm(仕様)と十分な数値です。
キートップもやや湾曲しており、指がフィットしやすく、隣のキーを誤って押しにくいです。
さらに、「Fライン」と呼ばれている矢印キーが少し下がっている部分も秀逸で、矢印キーを見なくても探しやすいです。
タッチパッドは小さめですが、クリックボタンが独立しており押しやすいです。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
FMV WU1-K1のパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUには、インテル Core Ultra 200Vのプロセッサーを搭載しています。
CINEBENCH 2024のスコアを見ると、マルチコア性能はそこまで高くありませんが、シングルコア性能は高いです。シングルコア性能が高いことで、普段使いでの作業が快適です。
また、他のノートPCで計測したときよりも、マルチコアのスコアは若干低めでしたが、薄型・軽量のボディなので、このくらいの性能になってしまうと思います。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックスは、先日レビューしたRyzen AI Max+ 395ほどの性能はありませんが、CPU内蔵のグラフィックスとしては、非常に高い性能です。軽いゲームや、簡単な動画編集などもできる性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPU性能は最大47 TOPSと比較的高く、Copilot+ PCに準拠しています。ただ、今のところ、NPUを有効に活用するソフトはほとんどありません。今後に期待です。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージは比較的速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。

RAWデータの書き出しは割と速いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

Phtoshopの時間のかかるニューラルフィルター処理もまずまずの速さです。

FHD動画の書き出し速度もまずまずです。ただ、タイムラインのインジケータを動かすと、若干ラグを感じます。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
FMV WU1-K1の質量は、前述の通り、非常に軽いです。
仕様では約868gでしたが、当サイトによる実測値はさらに軽かったです。
質量 | |
PC本体 | 820g |
ACアダプター+電源ケーブル | 240g |
バッテリー駆動時間のチェック
FMV WU1-K1のバッテリー駆動時間のチェックです。
省電力のCore Ultra 200Vプロセッサーに、約64Whの大容量バッテリーを搭載しており、バッテリー駆動時間は非常に長いです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約36.0時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約15.5時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 12時間19分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
なお、今回は、Core Ultra 258Vを搭載しており、プロセッサー・ベース・パワー(PBP)は、17Wとなっています。
初動を除いたCPU電力は、デフォルトの「バランス」モードのときは17W前後で推移しており、PBP通りの数値でした。「最適なパフォーマンス」モードのときは25~30Wで推移しており、PBPよりも高めのCPU電力で推移していました。
CPU温度は、「バランス」モードのときは70℃台で推移しているので問題ありませんが、「最適なパフォーマンス」モードのときは100℃まで達しています。「最適なパフォーマンス」モードで、長時間負荷のかかる処理はしないほうがいいと思われます。


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
どの処理をしているときも、全体的に低い騒音値です。図書館などの静かな場所でも、周りの人に迷惑をかけることなく、PCを使うことができるでしょう。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約20dB | 約20dB | 約23dB | 約39dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
中央上部以外は低めの温度なので、不快感なく作業をすることができます。

※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
消費電力は低めです。アイドル時や低負荷時はとても低い消費電力です。それ以外も低めです。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
4W | 5W | 14W | 30W |
※PCの状態は「表面温度のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
FMV WU1-K1の外観のチェックです。
「ピクトブラック」の無難なカラーで、誰でも悪目立ちせず使えます。

ロゴが小さいので、すっきりとしています。

ボディの高さは15.8~17.3mmとなっており、薄いです。


スピーカーの位置は正面側にあります。音質は、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

フルHD画質のWebカメラを搭載しており、映りはまずまずです。オンライン会議や授業などにも問題なく使えます。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
ポート類はご覧の通りです。Thunderbolt4のポートは2つあり、いずれもPower DeliveryおよびDisplayPort Alt Modeに対応しています。また、HDMIポートは4K/60Hz/RGBで表示可能です。


ヒンジは最大 約180度まで開きます。

底面はご覧の通りです。

内部はご覧のようになっており、CPU冷却ファンは2つあります。

M.2 SSDは換装することが可能です。

付属のACアダプターは65Wです。

まとめ
以上が、FMV WU1-K1のレビューでした。
インテル Core Ultra 200Vを搭載したことで、従来モデルより、さらにバッテリー駆動時間が伸びました。他のノートPCと比べても、トップレベルでバッテリー駆動時間が長いです。
さらに、800g台と、ノートPCの中でトップクラスの軽さです。営業や大学生など、PCをよく持ち出すことが多い方におすすめです。
キーボードも、ノートPCの中ではトップクラスで打ちやすいですし、ディスプレイも見やすいです。資料やレポートを作成することが多い方にもおすすめです。
モバイルノートPCとしての性能が高く、作業もしやすく、最強のモバイルノートPCといってもいいでしょう。
ただし、5G/LTEには対応していません。5G/LTE対応モデルが良ければ、兄弟機種のLIFEBOOK WU2/J3がいいでしょう。
価格は、クーポンを利用することで、19万円台から購入可能です。
最強モバイルノートPC
FMV WU1-K1

特徴
- 非常に長いバッテリー駆動時間
- 非常に軽い質量
- 非常にタイピングしやすい
こんなあなたに
- 外でノートPCを使うことが多い方
[お得]富士通パソコンで使えるクーポン
学生向けクーポン
学生であれば、こちらの富士通の学割サイトから購入するのがお得です。
一般向けクーポン
一般ユーザーの場合は、当サイト向けのクーポンを利用することで、通常よりも安く購入することが可能です。

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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