ドスパラ raytrek R5-TA5の実機レビュー

更新日:
CPU Core i7-11800H
GPU GeForce RTX 3050
メモリ 16GB / 32GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 15.6インチ
液晶種類 FHD 60Hz 非光沢
質量 約2.0kg
バッテリー 約6.3時間
価格[税込] 14万円台~
YouTuberにピッタリ!

raytrek R5-TA5は、Core i7-11800HにGeForce RTX 3050を搭載したクリエイターノートPCです。どちらも最新世代のパーツです。

CPU性能は高めで、グラフィック性能はやや高めといった構成になっています。YouTube用の動画編集にちょうどいいスペックではないかと思います。

価格は、同等構成の他社製品と比較すると安く、コストパフォーマンスも高いです。

2つのモデルがありますが、どちらも構成が固定されており、パーツのカスタマイズはできません。

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-11800H、32GBメモリ、GeForce RTX 3050、1TB NVMe SSD

 

目次

お忙しい方は、「raytrek R5-TA5の特徴」のみお読みください。

 

raytrek R5-TA5の特徴

GPUはエントリー性能、CPUは高めの性能

ドスパラのクリエイター向けブランドとして展開されているraytrekシリーズは、10月執筆時点では以下のようなモデルがラインナップされています。

この中でraytrek R5-TA5のグラフィック性能は、RTX 30シリーズの中では、エントリーモデルに位置づけられる性能です。ただし、GTX 16シリーズと比べると高い性能です。

CPUに関しては性能が高く、Core i5-11400Hなどではなく、8コアのCore i7-11800Hを搭載しています。クリエイターソフトは、GPUよりもCPU性能が重要なケースも多いので、そういった場合に本製品は最適でしょう。

10月執筆時点でのraytrekのラインナップ

 

3DMarkのベンチマークスコアは次の通りです。最大グラフィックスパワーは95Wと高めで、エントリー向けのグラフィックスとしては高めの性能が出ていると思います。

3DMark Time Spy(DX12) - Graphics score
ハイエンド RTX 3080 16GB 165W 12077
RTX 3080 16GB 140W 11552
RTX 3080 16GB 130W 11361
RTX 3080 8GB 105W 10258
ミドルレンジ RTX 3070 140W 9537 (raytrek R7)
RTX 3070 95W 9220
RTX 3070 85W 8838
RTX 3060 130W 8297 (raytrek R5-TA6)
RTX 3060 95W 7519
RTX 3060 65W 6450
エントリー RTX 3050Ti 60W 5292
RTX 3050 95W 4750 (raytrek R5-TA5)
RTX 3050Ti 40W 4560
RTX 3050 40W 3980
GTX 1650Ti   3711 (raytrek G5-R)
GTX 1650   3494
 :レビュー機で計測したスコア
W(ワット)は最大グラフィックスパワー

 

ライバル機種と比較しても安い

raytrek R5-TA5は、似たようなスペックの「マウスコンピューター DAIV 5P」と比較すると、軽さやバッテリー駆動時間は劣るものの、セール中のDAIV 5Pの価格よりも安くなっています。コストパフォーマンスは非常に高いと思います。

同モデル帯の他社製品との比較
  [本機器]
raytrek R5-TA5
マウス DAIV 5P
画像
CPU Core i7-11800H
グラフィックス GeForce RTX 3050
最大グラフィックスパワー 95W
ストレージ 512GB SSD (最大1TB) 512B SSD (最大2TB)
メモリ 16GB(最大32GB) 16GB(最大64GB)
液晶種類 15.6型 FHD ノングレア
SDカードスロット フルサイズSD microSD
質量 約2.0kg 約1.73kg
バッテリー 最大約6.3時間 最大約9.0時間
価格[税込] 149,980円 179,800円
159,800円

 

質量は比較的軽い

上の表のように、raytrek R5-TA5はDAIV 5Pより重いですが、実際に質量を計測してみると、1.895kgと仕様値よりも大分軽く、実測値ではそこまで大きな差はありません。クリエイターノートPCとしては軽い部類に入ると思います。出先で撮影をし、そのままカフェやホテルなどで動画編集をしたいといったような方にもいいでしょう。

軽いので持ち運びに便利

 

SSDのカスタマイズはできない

ただし、残念なことに、raytrek R5-TA5では、SSDの容量を増やしたり、追加したりなどのカスタマイズをすることができません。メモリ16GBモデルでは512GBのSSDが搭載され、メモリ32GBモデルでは1TBのSSDが搭載されます。

メモリ容量とSSD容量のカスタマイズはできない

 

もっと容量を増やしたい場合は、自己責任となりますが、底面カバーを外し、自分で換装・増設する必要があります。ストレージについては、空きスロットが1つあるので、増設することが可能です。底面カバーは外れやすいので、換装や増設は比較的やりやすい方だと思います。

空きのM.2スロットが1つある

 

Windows 11へもアップグレード可能

この記事を執筆時点では、raytrek R5-TA5に搭載されているOSはWindows 10ですが、PC正常性チェックツールで確認した限りでは、Windows 11 へのアップグレードもOKであるようでした。しばらくWindows 10で様子を見て、各種不具合が解消されたころにWindows 11にアップグレードする、という使い方も出来ます。

Windows 11へもアップグレード可能

 

各用途の快適度

raytrek R5-TA5の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
Webページの閲覧や、Officeの作業といった比較的軽めの作業は、このスペックのPCであれば快適にできます。
動画鑑賞 ディスプレイは比較的色鮮やかで、スピーカー音は普通で、問題なく動画鑑賞できます。
オンライン会議 オンライン会議も問題ありません。
RAW現像
画像編集
CPU性能が高いので、各種処理は速いです。外部GPUも搭載しているので、AIを使うような処理も速いです。色域もsRGB 100%クラスの液晶でウェブに掲載するための画像編集に適しています。ただし、Adobe RGBを100%カバーする色域はないため、印刷用には向いていません。
動画編集 動画編集もそこそこ快適にできるスペックです。プロの映像クリエイターが使うにはやや物足りなさを感じるかもしれませんが、YouTube掲載用なら十分なスペックでしょう。
ゲーム GeForce RTX 3050を搭載し、軽いゲームから中程度のゲームなら快適にプレイできますが、重めのゲームは、グラフィック設定を落とす必要があるでしょう。また、ゲーミングPCではないので、高リフレッシュレートディスプレイではありません。

 

ディスプレイのチェック

raytrek R5-TA5のディスプレイの詳細なチェックです。

公式ではsRGBカバー率約99% (sRGB比約100%) となっており、当サイト計測でもほぼ同様の数値でした。最大輝度は、当サイトの計測では280cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの計測結果は、以下の通りです。色域は広いです。

  カバー率
sRGBカバー率 99.5%
DCI-P3カバー率 76.6%
Adobe RGBカバー率 74.9%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ揃って直線的で(どの色も目標値に近く、ほとんど補正されておらず)、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いので、少し斜めから見ても、色合いが変わることはありません。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもそれほど感じません。

画面への映り込み

フリッカーは発生していませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

実測でキーピッチは約19x19mmで、十分な広さです。「/」などの一部のキーを除けば、どのキーもほぼ同じ大きさであるため、ブラインドタッチ時に、キーがずれてしまうようなことも少ないです。キーストロークは約1.6mmで、比較的押しやすいですが、キートップがほぼフラットなのはやや残念です。総合的に考えて、普通の打ち心地だと思います。

テンキーは、4列ではなく3列なので、「+」や「-」の位置が普通とは異なり、慣れないと使いづらいです。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

タッチパッドは動かしやすいです。クリックボタンも普通に押せます。


タッチパッド

 

キーボードにはLEDバックライトが搭載されています。

キーボードバックライト

 

キーボードバックライトは、色や発光パターンを変えることができますが、キー毎またはゾーン毎に色を変えることは出来ず、単色のみです。


RGBキーボードバックライトの設定

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

このPCは、「エンターテイメント」「ゲームモード」の2つのモードが用意されており、「ゲームモード」のほうが最もパフォーマンスが高くなる設定となっています。デフォルトは「ゲームモード」です。

ただし、raytrek R5-TA6にはあった「ターボモード」のチェックボックスはありませんでした(ターボモードというボタンはありますが、これはファンを高速化する別のものです。raytrek R5-TA6にもあるボタンです)。

コントロールセンター

 

動作モードを変更するには、上図の「コントロールセンター」から「パフォーマンス」を選択します。キーボード上部のショートカットキーからも変更が可能です。

ワンボタンで動作モードの切り替えが可能

 

CPU

「エンターテイメントモード」と「ゲームモード」の2つの動作モードでのCINEBENCH R23のスコアを掲載します。

今回、「ターボモード」がないため、raytrek R5-TA6と比べると、最も高かったスコアは劣ります。ただ、「ターボモード」があっても、CPU温度が上がりすぎるので、安定した動作を重視するなら「ゲームモード」で十分だと思います。

また、「エンターテイメントモード」だとかなりスコアが落ちてしまうので、基本的にはデフォルトの「ゲームモード」のままでいいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-11800H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
raytrek R5-TA6
【Core i7-11800H】
11585 [ターボモード]
8957 [ゲームモード]
Ryzen 7 4800H 10836
Core i7-10875H 10579
Core i7-10870H 10139
Core i9-11980HK 10083
Core i5-11400H 8514
Ryzen 7 5700U 8445
raytrek R5-TA5
【Core i7-11800H】
8199 [ゲームモード]
4495 [エンターテイメント]
Ryzen 7 5800U 8086
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Core i5-10500H 6805
Core i7-1195G7 6332
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-11900H 1570
Core i7-1195G7 1555
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1516 [ゲームモード]
1258 [エンターテイメント]
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i9-11980HK 1450
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1382
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Ryzen 7 5700U 1264
Ryzen 7 4800H 1254
Core i3-1115G4 1217
Core i7-10870H 1212
Ryzen 5 5500U 1185
Core i5-10500H 1162
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

グラフィックス

グラフィックスには最大グラフィックスパワーが95WのRTX 3050 Laptopを搭載しています。3DMark Time Spyのスコアは以下の通りで、エントリークラスの性能です。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce RTX 3050 Laptop
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 3080
  17064
デスクトップ用
RTX 3070
  13393
RTX 3080 16GB 140W 11552
RTX 3080 16GB 130W 11361
RTX 3080 8GB 135W 11229
RTX 3070 130W 10327
RTX 3080 8GB 105W 10258
RTX 3070 95W 9220
RTX 3060 130W 8297
RTX 3060 95W 7519
RTX 3060 75W 7047
RTX 3050Ti 60W 5292
RTX 3050Ti 95W 5104
RTX 3050 95W 4750 「ゲームモード」
4484 「エンターテイメント」
RTX 3050Ti 40W 4560
RTX 3050 65W 4560
RTX 3050 40W 3980
GTX 1650Ti   3700
GTX 1650   3494
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

GPU-Zで確認したGeForce RTX 3050 Laptop GPUの情報は次の通りです。また、どの動作モードもGPUクロックは同じでした。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

「16GBメモリモデル」の場合は512GB PCIe SSD、「32GBメモリモデル」の場合は1TB PCIe SSDに固定されています。カスタマイズはできません。1TB PCIe SSDの速度はご覧の通りで高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
3164
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しているのは嬉しいです。カメラで撮影した動画や画像の取り込みが簡単にできます。ただし、読み書きの速度が遅いのが残念です。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「ゲームモード」で計測した結果のみ掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Lightroomの現像時間は速かったです。現像処理自体もスムーズです。

Core i9-11900H
16GBメモリ
44秒
Core i9-11980HK
64GBメモリ
46秒
Core i7-11800H
32GBメモリ
47秒 (raytrek R5-TA6)
Core i7-11800H
32GBメモリ
55秒
Apple M1
16GBメモリ
66秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i7-11370H
16GBメモリ
72秒
Core i7-1185G7
16GBメモリ
74秒
Ryzen 9 5900HX
32GBメモリ
76秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-1195G7
16GBメモリ
78秒
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 5800H
16GBメモリ
93秒
Ryzen 7 5800U
16GBメモリ
95秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

GeForce RTX 3050を搭載することで、Photoshopのニューラルフィルターなどの処理も速いです。

  処理時間
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約5秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約1分25秒
ニューラルフィルター(スタイルの適用) 約6秒
スーパー解像度 約6秒
コンテンツに応じた塗りつぶし 約2秒
被写体を選択 約5秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Core i7-11800HにRTX 3060を搭載したraytrek R5-TA6と比較するとやや遅いですが、それでも4K動画を編集できるスペックを備えています。価格も手ごろなので、YouTuberなどに、ちょうどいいスペックではないかと思います。

Core i9-11900H
RTX 3080(140W)
3分36秒
Core i9-11980HK
RTX 3080 (165W)
3分45秒
Core i7-11800H
RTX 3060 (130W)
3分48秒 (raytrek R5-TA6)
Core i7-10870H
RTX 3070 (130W)
4分36秒
Ryzen 9 5900HX
RTX 3080 (130W)
4分55秒
Core i7-11800H
RTX 3050 (95W)
4分56秒
Core i7-10870H
RTX 3060 (130W)
5分04秒
Core i7-11800H
RTX 3050Ti (60W)
5分08秒
Core i5-10300H
GTX 1650Ti
5分18秒
Core i5-11400H
RTX 3050 (65W)
5分59秒
Core i7-10750H
GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7 14分12秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間

TMPGEncのCPUのみで処理するソフトウェアエンコードについては、Ryzen Hシリーズプロセッサーのほうが高速ですが、Core i7-11800Hでも十分速いと思います。

Ryzen 9 5900HX 8分26秒
Ryzen 9 5900HS 8分59秒
Ryzen 7 5800H 9分07秒
Ryzen 7 4800H 10分17秒
Core i7-11800H 10分42秒
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Core i7-10875H 11分54秒
Core i7-11800H 12分19秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分49秒
Core i7-1165G7 24分17秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Blender Benchmarkによるレンダリング時間

Blenderについてもまずまずのレンダリング時間でした。

OptiXでの実行したときのランキング
他のスペックとの比較
Core i7-10870H
RTX 3080 8GB (105W)
6分40秒
Core i7-10870H
RTX 3070 (130W)
6分45秒
Core i7-10875H
RTX 3070 (140W)
7分00秒
Core i7-10870H
RTX 3070 (95W)
7分15秒
Core i7-11800H
RTX 3060(130W)
9分04秒
Ryzen 9 5900HS
RTX 3080(100W)
9分28秒
Core i7-10750H
RTX 3060 (75W)
10分06秒
Core i7-10875H
RTX 3060 (130W)
10分40秒
Xeon W-10885M
RTX 2080 Max-Q
10分56秒
Ryzen 7 5800H
RTX 3060(95W)
12分53秒
Core i7-10875H
Quadro RTX 3000
15分38秒
Core i7-10875H
RTX 2060
15分53秒
Core i7-11800H
RTX 3050(95W)
16分58秒
Core i7-1195G7
RTX 3050 (40W)
25分17秒
Core i7-10750H
GTX 1660Ti
27分11秒

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

raytrek R5-TA5はゲーミングPCでありませんが、ゲームのフレームレートも計測してみました。

GeForce RTX 3050はエントリークラスのグラフィックスですが、本製品の最大グラフィックスパワーは95Wと高めなので、中程度の重さのゲームなら最高設定でも60 fps以上で快適に動作します。負荷の重いゲームも設定を落とせば動作するでしょう。

以下のゲームのフレームレートについて
グラフは、ノート用グラフィックスのみ掲載しています。
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー(max TGP)
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 105 fps
51 fps
ウルトラ 41 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、ウルトラ)
RTX 3080 16GB
※ディスクリートモード
165W 101 fps
RTX 3080 16GB 130W 99 fps
RTX 3080 16GB 165W 96 fps
RTX 3080 16GB 140W 92 fps
RTX 3070 130W 88 fps
RTX 3080 8GB 105W 84 fps
RTX 3070 95W 78 fps
RTX 3060 130W 74 fps
RTX 3060 95W 70 fps
RTX 3060 75W 62 fps
RTX 3050Ti 60W 45 fps
RTX 3050Ti 95W 44 fps
RTX 3050 95W 41 fps
RTX 3050Ti 40W 35 fps
GTX 1650Ti   29 fps
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 軽量品質 92 fps
標準品質 70 fps
高品質 50 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、高品質)
RTX 3080 16GB
※ディスクリートモード
165W 116 fps
RTX 3080 16GB 140W 108 fps
RTX 3080 16GB 165W 107 fps
RTX 3080 16GB 130W 102 fps
RTX 3070 130W 99 fps
RTX 3080 8GB 105W 95 fps
RTX 3070 95W 87 fps
RTX 3060 130W 83 fps
RTX 3060 95W 77 fps
RTX 3060 75W 73 fps
RTX 3050Ti 95W 55 fps
RTX 3050Ti 60W 55 fps
RTX 3050 95W 50 fps
RTX 3050Ti 40W 47 fps
GTX 1650Ti   43 fps
GTX 1650   40 fps
重い部類のゲーム
ファンタシースターオンライン ニュージェネシス
解像度 品質 平均fps
1920x1080 135 fps
73 fps
ウルトラ 60 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、ウルトラ)
RTX 3080 16GB
※ディスクリートモード
165W 127 fps
RTX 3080 16GB 140W 114 fps
RTX 3080 16GB 165W 109 fps
RTX 3060 130W 97 fps
RTX 3070 100W 91 fps
RTX 3050Ti 95W 65 fps
RTX 3050 95W 60 fps
RTX 3050Ti 40W 48 fps
GTX 1650Ti   46 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 最低 119 fps
79 fps
最高 63 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、最高)
RTX 3080 16GB
※ディスクリートモード
165W 130 fps
RTX 3080 16GB 165W 121 fps
RTX 3070 130W 119 fps
RTX 3080 8GB 105W 115 fps
RTX 3080 16GB 130W 108 fps
RTX 3070 95W 108 fps
RTX 3060 130W 102 fps
RTX 3060 75W 92 fps
RTX 3080 16GB 140W 91 fps
RTX 3060 95W 91 fps
RTX 3050Ti 60W 69 fps
RTX 3050Ti 95W 68 fps
RTX 3050 95W 63 fps
RTX 3050Ti 40W 54 fps
GTX 1650Ti   50 fps
GTX 1650   46 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 標準(ノート) 18188 / 144 fps
高(ノート) 16220 / 117 fps
最高品質 13293 / 90 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 3080 16GB
※ディスクリートモード
165W 153 fps
RTX 3080 16GB 140W 144 fps
RTX 3080 16GB 165W 140 fps
RTX 3070 130W 138 fps
RTX 3080 8GB 105W 137 fps
RTX 3080 16GB 130W 135 fps
RTX 3070 95W 129 fps
RTX 3060 130W 120 fps
RTX 3060 95W 111 fps
RTX 3060 75W 108 fps
RTX 3050Ti 60W 96 fps
RTX 3050Ti 95W 92 fps
RTX 3050 95W 90 fps
RTX 3050Ti 40W 78 fps
GTX 1650Ti   73 fps
GTX 1650   64 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 標準(ノート) 19659 / 145 fps
高(ノート) 16273 / 115 fps
最高品質 13155 / 91 fps
他のGPUとの比較(1920×1080、最高品質)
RTX 3080 8GB
※ディスクリートモード
135W 153 fps
RTX 3080 8GB 135W 146 fps
RTX 3080 16GB 165W 134 fps
RTX 3060 130W 122 fps
RTX 3050Ti 95W 92 fps
RTX 3050 95W 91 fps
RTX 3050 65W 73 fps
GTX 1650Ti   68 fps
GTX 1650   63 fps
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
解像度 品質 平均fps
1920x1080 最高品質 24425(すごく快適)
※約5500で60fps

 

その他のゲーム

上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートは、映像出力には対応していますが、Power Deliveryには対応していません。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック ×
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器 ×
45W Lenovoウルトラポータブル ×
30W RAVPower GaN充電器 ×
18W cheero充電器 ×
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740 ×
Philips 258B6QUEB/11 ×
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで表示されています。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「約2.0kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、公表値よりもやや軽い結果となりました。高性能の割には比較的軽いクリエイターノートPCです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.895kg
ACアダプター 564g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

本機のバッテリー容量は46.74Whです。クリエイターノートPCとしては少なめの容量です。

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。ウェブ閲覧などの負荷の軽い作業なら5時間くらいもちますが、動画編集などの負荷がかかる作業だと、2時間程度しかもたないと思います。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0測定方法 約6.3時間
(2) PCMark 10 Modern Office 5時間22分
(3) 動画再生時
(4) PCMark 10 Gaming 1時間36分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラにシャッターはありません。なお、IRカメラも搭載しており、Windows Helloの顔認証が使用できます。

Webカメラ

 

Webカメラは、望遠よりで周囲の人や物を広く映します。HD画質で、ノートパソコンに搭載されるそれとしては、一般的な性能かと思います。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows 10標準のカメラアプリで撮影

 

1万円以上する外付けのLogicool StreamCam C980のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ

 

スピーカー

スピーカーは、2Wx2のステレオスピーカーを搭載しています。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で採点すると、5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。

「エンターテイメントモード」だと、パフォーマンスがかなり下がってしまうので、今回、「ゲームモード」のみ、計測した結果を掲載します。

「ゲームモード」だとCPU電力は45Wで推移しており、標準的なCPU電力です。CPU温度は80℃前後で推移しており、問題ない温度です。基本的には、常時ゲームモードで動かしてもいいと思います。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

ここでも、ゲームモードで計測した結果のみ掲載します。

アイドル時は、ほとんど無音です。編集中の動画をプレビューするくらいの低めの負荷であれば、そこまでうるさいとは感じません。ただし、動画の書き出しのような高めの負荷をかけるとうるさく感じます。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時
左から2番目:Adobe Premiere Proによる4K動画のプレビュー
左から3番目:Adobe Premiere Proによる4K動画の書き出し時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

グラフィックス性能がそこまで高くないため、全体的に低めの表面温度です。実際に触ってみても、右手側が若干暖かく感じるくらいで、気になる程ではありませんでした。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

アイドル時は外部GPUが動作しないので、消費電力は低いです。動画編集などを行うと、それなりに消費電力は高くなります。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

raytrek R5-TA5の外観の写真を掲載します。

天板およびパームレスト面のカラーはシルバーで、ベゼルや底面はブラックになっています。

 

天板には「raytrek」というロゴが印字されています。

 

液晶を閉じた時の画像です。クリエイターノートにしては薄い方だと思います。

 

側面のポートです。上位モデルのraytrek R5-TA6との違いとして、背面にThunderbolt 4ポートがなく、USB Type-Cポートが搭載されています。そのほかフルサイズのSDカードスロットなど、主要なポートは揃っています。

 

液晶が開く最大の角度はご覧のようになっています。

 

底面は通気口がたくさん設けられています。

 

底面カバーは、爪の引っ掛かりが少ないため開けやすいです。冷却ファンは2つ、ヒートパイプは5本あり、背面および左右の側面の4方向から排気しています。

 

M.2スロットは2つあります。後から自分で1台増設することもできるでしょう。ただし、パーツの増設などに関しては、自己責任でお願いします。

 

メモリスロットは2つあり、交換することも可能です。

 

ACアダプターは薄型です。

 

電源コネクタは背面に配置されており、排熱口を避けて接続することができます。

 

ACアダプターは120Wです。

 

まとめ

以上が、raytrek R5-TA5のレビューです。

CPUに性能の高いCore i7-11800Hを搭載しているので、快適に使えるクリエイターソフトが多いでしょう。

GPU性能はエントリークラスではあるものの、最新世代のGeForce RTX 30シリーズを搭載しており、動画編集なども比較的快適です。YouTuberなどにも適したスペックではないかと思います。画像編集ソフトのAIを使ったエフェクトなどの機能も高速です。

価格もそこまで高いわけではありませんし、コストパフォーマンスも高いと思います。

ただし、raytrek R5-TA5は、モデルが2種類ありますが、どちらもメモリやストレージカスタマイズができません。ちょうどいい構成がない場合は、自分で増設・換装するなどする必要があります。

また、細かい点を挙げると、上位モデルのraytrek R5-TA6とは異なり、Thunderboltに対応していない点や、SDカードリーダーの読み込み速度がやや遅い点がやや残念です。

 

コスパの高い動画編集用ノートPC

ドスパラ raytrek R5-TA5

特徴

  • 性能の高いCore i7-11800Hを搭載
  • AI機能が強化されたRTX 3050を搭載
  • sRGBカバー率99%の色域

こんなあなたに

  • Web用の動画編集や画像編集をする方
  • 外へPCを持ち運ぶこともある方
  • 価格14万円台[税込]~
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