※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
Dell 16(DC16255、DC16256)の実機レビュー - 16型の大きめの画面で作業ができる

CPU | Ryzen 5 220 Ryzen 7 250 Ryzen AI 7 350 |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB / 1TB |
画面サイズ | 16型 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 2.14 kg~ |
バッテリー | 41Wh / 64Wh |
価格 | 9万円台~ |
Dell 16(DC16255、DC16256)は、16型の大きめの画面を搭載したノートパソコンです。
小さい文字が苦手な方にいいでしょう。また、現在15.6型のノートPCを使っている方などの買い替えにも適しています。
なお、2つのモデルがあり、プラスチックシャーシのモデルと、アルミニウムシャーシのモデルがあります。この2つは、やや仕様が異なるためご注意下さい。詳細は後述します。
メーカー直販サイト
レビュー機は、メーカーからの貸し出し機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen AI 7 350、32GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「Dell 16(DC16255、DC16256)の特徴」のみお読みください。
Dell 16(DC16255、DC16256)の特徴
製品の位置づけ
今回レビューするDell 16は、下図の赤くなっている部分に位置づけられ、個人ユーザー向けのエントリー向け製品となっています。

また、プラスチックシャーシとアルミニウムシャーシのモデルがあり、それぞれモデル名(DC~)が変わります。この2つのモデルは、細かい仕様が以下のように変わるので、特にプラスチックシャーシのモデルを検討されている方は、必要な機能があるかご確認しておくといいでしょう。
DC16255 | DC16256 | |
プラスチックシャーシ | アルミニウムシャーシ | |
カラー | プラチナシルバー カーボンブラック |
プラチナシルバー ミッドナイトブルー |
CPU | Ryzen 5 220 Ryzen 7 250 |
Ryzen AI 7 350 |
メモリ | 16GB | 32GB |
SSD | 512GB | 1TB |
ディスプレイ | 16型 16:10 1920x1200 非光沢 | |
Webカメラ | HD | FHD |
カメラシャッター | 無し | 有り |
指紋認証 | 無し | 有り |
バックライト キーボード |
無し | 有り |
バッテリー | 41Wh | 64Wh |
質量 | 2.14 kg | |
価格 | 9万円台~ | 16万円台~ |
なお、Ryzen 5 220とRyzen 7 250は、Ryzen 8000シリーズのリネーム版となります。新しそうなCPU名ですが、新しいCPUではありません。
Ryzen 5 8540U | → | Ryzen 5 220 |
Ryzen 7 8840U | → | Ryzen 7 250 |
16型の大きめの画面を搭載
Dell 16は、16型の大きめのディスプレイを搭載している点が特徴です。文字が大きいので作業がしやすいです。
16:10の画面比が増えたことで、最近は15.6型ではなく16型のノートPCが増えています。そのため、15.6型の大きさで慣れている方が、PCを買い換えるときは、このサイズのディスプレイがいいでしょう。
ただ、画面が大きい代わりに、14型のDell 14よりも、価格は20,000円前後高くなっています。

メモリは1枚挿しだが、自分で追加は可能
どのモデルも、メモリは1枚挿しです。シングルチャネルの動作となるので、メモリ帯域が狭くなります。処理が遅くなるケースもあるでしょう。
なお、メモリはスロット式なので、交換・増設が可能です。2つあるスロットうち、1つが空いているので、底面カバーを外せる方なら、もう1枚メモリを増設してもいいでしょう。負荷の高い作業をするのであれば、メモリは2枚にしたほうがいいです。
なお、底面カバーは割と外しやすい機種ですが、パーツの増設は自己責任でお願いします。

ディスプレイの色域は狭い
いずれのモデルも、ディスプレイの色の表示できる範囲を示す色域は、45% NTSCと狭いです。 画像などの色がややくすんで見えます。

もし、色域が広めのディスプレイがよければ、上位モデルのDell 16 Plusの"2.5K"ディスプレイモデルがいいでしょう。こちらなら、100% sRGBとなっています。なお、2Kディスプレイのモデルは色域が狭いのでご注意下さい。
テンキーがあるが、Enterなどが小さい
Dell 16は、テンキーが搭載されている点はメリットですが、その代わり、EnterキーやBackspaceキーなどが小さくなっています。
兄弟機種のDell 14は、テンキーがない代わりに、こられのキーが大きくなっていました。数字をあまり入力しない方は、Dell 14のほうがタイピングはしやすいと思います。数字を入力することが多い場合、本製品のほうがいいでしょう。


各用途の快適度
Dell 16(DC16255、DC16256)の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | Web閲覧やOffice作業は、快適にできるスペックです。画面も大きくて見やすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | 色域が狭いので、映像の色がややくすんで見えますが、画面が大きく、動作も問題なくできます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域が狭いので、画像編集向きのPCではありません。 |
動画編集 | △~○ | Ryzen AI 7 350やRyzen 7 250であれば、そこそこ快適に動作します。ただ、メモリは追加してデュアルチャネルにしたほうがいいと思います。色域は狭いので、色調整までするなら、外部モニターにつなげたほうがいいです。 |
ゲーム | △~○ | Ryzen AI 7 350やRyzen 7 250であれば、負荷が軽めのゲームであればプレイできます。本格的にやるならゲーミングPCを買いましょう。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイの見やすさは普通です。
色域(色の表示できる範囲)が狭いので、画像や映像を綺麗に見たい方には適しませんが、文書作成などをする程度なら、問題ありません。
サイズは16型、解像度は1920x1200となっています。
その他の詳細は、以下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトで計測した色域は、sRGBカバー率62%と狭いです。

ガンマ補正曲線を確認すると、赤色と青色がやや強めに発色していることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢なので、反射はやや低減されています。ギラつきもほぼ感じません。

当サイトの計測では、フリッカーはありませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードの打ちやすさは普通です。
テンキーがあるのは嬉しいですが、よく使う「半角/全角」キーや「Enter」キー、「Backspace」キーが小さくなっています。キートップもほぼフラットです。打鍵感は悪くありません。

※画像をクリックすると拡大できます

アルミニウムシャーシのモデルは、キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も性能が出る「ウルトラパフォーマンス」のモードで計測したスコアのみ掲載します。

CPU
CINEBENCH 2024のスコアは下の通りです。今回、Ryzen AI 7 350を搭載していますが、このCPUにしては、思ったほどスコアは伸びませんでした。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
メモリがシングルチャネル(1枚挿し)ということもあり、CPU内蔵のグラフィックス性能も思ったほど伸びませんでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリの枚数が書かれていないものは、メモリは2枚
なお、メモリを増設して2枚にしてみましたが、下表のように、グラフィックス性能が上がりました。動画編集などのGPUに負荷のかかる作業をするなら、メモリを増設したほうがいいです。なお、メモリはDDR5-5600です。
NPU
NPU性能は下の通りです。Ryzen AI 7 350のNPU性能は高いです。なお、Ryzen 5 220にはNPUはありません。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
SSDの速度は比較的速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~

SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。
~ SDカードスロット性能 ~

質量のチェック
仕様では、2.14 kgとなっていましたが、実測値は、以下の通りそれよりも大分軽かったです。ACアダプターは普通の重さです。
質量 | |
PC本体 | 1.890kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 333g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は、41Whまたは64Whで、今回は後者です。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は下表の通りで、やや長めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) YouTube動画再生時 | 13時間19分 |
(2) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 6時間32分 |
(2) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。なお、Ryzen AI 7 350のデフォルトTDPは28Wです。
動作安定時のCPU電力は、「最適化」モードも「ウルトラパフォーマンス」モードも、デフォルトTDPの28Wを下回っています。それほど高いパフォーマンスは出ていません。
このときのCPU温度は低めなので、問題ありません。


静音性のチェック
普通の騒音値です。
アイドル時は無音です。低負荷時や中負荷時も低めの騒音値です。ゲーム時はそれなりにうるさいです。
騒音値 | |
アイドル時 | 約21dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約21dB |
中負荷時 [動画編集] | 約30dB |
高負荷時 [ゲーム] | 約43dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
ゲームをすると若干左手が暖かく感じてきますが、そこまでの負荷をかけなければ、気になることはありません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
消費電力 | |
アイドル時 | 6W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 14W |
中負荷時 [動画編集] | 25W |
高負荷時 [ゲーム] | 32W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
今回のモデルのボディはアルミ製なので、質感は良かったです。

天板には、薄くDELLのロゴが入っています。

ボディの高さは低いです。


スピーカーは、2W x 2です。音質は普通またはやや良いといった感じで、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5~6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

Webカメラは、プラスチックシャーシのモデルが720p、アルミシャーシのモデルが1080pとなっています。アルミシャーシのモデルのみカメラを隠すシャッターが付いています。どちらのモデルも、IRカメラは搭載されていません。

アルミシャーシのモデルのみ指紋認証装置が電源ボタンに内蔵されています。

アルミニウムシャーシのモデルの側面のポート類です。フルサイズのSDカードスロットが搭載されているのはいいと思います。USB-Cは10Gbpsで、Power DeliveryおよびDisplayPort 1.4に対応しています。HDMIは1.4なので、4K/60Hzには対応していません。


プラスチックシャーシのモデルについては、SDカードが搭載されていません。他のポートの仕様は同じです。

ヒンジはご覧の角度まで開きます。

底面はシンプルです。

冷却ファンは1つ、ヒートパイプも1つです。

メモリは1枚のみ搭載されています。空きスロットがあるのでメモリの増設はできますが、自己責任でお願いします。

SSDは、Type 2242でしたが、Type 2280のものへ換装することもできると思います。なお、空いているM.2スロットはありません。

ACアダプターは65Wです。サイズは大きめです。電源ケーブルは太いです。

まとめ
以上が、Dell 16(DC16255、DC16256)のレビューです。
16型の大きめの画面で作業することができます。
「DC16255」のモデルはプラスチックシャーシで、価格が比較的安くなっています。キーボードバックライトが無かったり、指紋認証装置が無かったりするので、問題ないか確認しておきましょう。詳細は記事の上のほうで表にしています。
「DC16256」のモデルはアルミニウムシャーシで、Ryzen AI 7 350を搭載し、Copilot+ PCに対応しています。
ただ、ディスプレイの色域が狭いので、画像がややくすんで見えます。
また、メモリが1枚のみのシングルチャネルなので、ややパフォーマンスが落ちます。性能にこだわるなら、自分でメモリをもう1枚追加して、デュアルチャネルにするといいでしょう。メモリが交換できる点はメリットだと思います。
キーボードは、テンキーが付いているのは良かったですが、一部のキーが小さくなっているのは、個人的には残念です。
16型の大きめの画面で作業ができる
Dell 16(DC16255、DC16256)

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ