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デル XPS 14 (9440) の実機レビュー

更新日:
CPU Core Ultra 7 155H
GPU Intel Arc(CPU内蔵)
GeForce RTX 4050
メモリ 16GB / 32GB / 64GB
ストレージ 512GB ~ 4TB SSD
画面サイズ 14.5インチ 16:10
画面種類 1920x1200 液晶 非タッチ
3200x2000 OLED タッチ
質量 約1.69kg~
バッテリー 69.5Wh
価格[税込] 27万円台~
デザイン重視の方におすすめ

XPS 14 (9440)は、美しいデザインが特徴のノートPCです。

アルミの削り出しボディに、4辺狭額フレームのディスプレイに、見えないタッチパッドを搭載し、エレガントな見た目です。

CPUにはCore Ultra 7、グラフィックスには最大GeForce RTX 4050、ディスプレイには最大3.2K OLEDを搭載し、全体的なスペックも高めです。

外部GPUが無いモデルの場合、モバイルノートPCとしては重いです。ただし、RTX 4050搭載モデルの場合、外部GPU搭載モデルとしては軽いほうだと思います。

公式サイト(販売先)はこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core Ultra 7 155H、16GBメモリ、1920x1200液晶

Core Ultra 7 155H、16GBメモリ、RTX 40503200x200 OLED  NEW!

 

 

目次

お忙しい方は、「XPS 14 (9440)の特徴」のみお読みください。

 

XPS 14 (9440)の特徴

デザイン重視の方におすすめ

「ノートPCはデザイン重視」と言う方におすすめなのが、XPS 14 (9440)です。

タッチパッドとパームレストの境目がないシームレスなデザインに、4辺狭額縁デザインのディスプレイで、CNC加工の削り出しアルミニウムボディを採用し、非常に美しい見た目のノートPCです。

隙間が少ないタイルを並べたようなキーボードは、芸術的で、普通のノートPCとは一線を画すデザインです。

美しいデザイン

 

3.2Kディスプレイも選択可能

XPS 14 (9440)は、1920x1200ドットの標準的なディスプレイの他に、3200x2000ドットのOLEDディスプレイを選択することも可能です。こちらの場合、高い解像度であると共に、100% DCI-P3と広色域です。また、どちらのディスプレイも120Hzに対応しているのも特徴です。

選べるディスプレイ
OLEDディスプレイ

 

GeForce RTX 4050も搭載可能

XPS 14 (9440)は、オプションでGeForce RTX 4050を選択することもできます。

動画編集などのクリエイティブワークをする方は、こちらを選択するといいでしょう。ディスプレイのリフレッシュレートが120Hzに対応しているので、ゲームも比較的快適です。

ただし、ボディがそこまで大きくないため、発熱が多くなり、パーツの温度やボディの表面の温度は高めです。

GeForce RTX 4050を搭載可能

 

XPS 13との違い

先日、13.4型のXPS 13 9340をレビューしましたが、本製品はこれよりも一回り画面サイズが大きいので、作業がしやすいです。

また、XPS 13よりは、XPS 14のほうがボディが大きいため、放熱面でも有利です。高負荷時のCPU電力は、XPS 13は約18Wで推移していたのに対し、XPS 14は約30Wで推移しており、高いパフォーマンスが出ていました。また、前述したようにGeForce RTX 4050を選択することもでき、グラフィック性能も高いです。

また、XPS 14は、XPS 13には無かったmicro SDカードスロットとヘッドセット端子も搭載されています。

その代わり、XPS 13は「1.17kg~」と軽いですが、XPS 14は「1.69kg~」と重くなります。

microSDカードスロットとヘッドセット端子を搭載

 

やや残念な点

XPS 14 (9440)のやや残念な点としては、デザイン重視の製品であることもあり、キーとキーの隙間が狭く、ややタイピングミスしやすいことです。また、ファンクションキーがタッチ式になっているため、物理キーと比べるとやや押しにくいです。

タッチパッドの場所が分かりにくいのも人によっては欠点ですが、筆者はそこまで気になりませんでした。

ポート類が少なめです。XPS 13と比べてポートが増えているとは言え、フルサイズUSBポートやHDMIポートがありません。

また、価格が25万円台からと高いです。一般的なユーザーには、なかなか手が出せない価格です。

 

各用途の快適度

XPS 14 (9440) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
Web閲覧しやすいですし、Officeも使いやすいです。
動画鑑賞 ディスプレイの発色が綺麗で、スピーカー音も良く、動画鑑賞が快適です。
RAW現像
画像編集
○~ FHD+液晶はsRGB 100%、3.2K OLEDはDCI-P3 100%クラスの色域で、RAW現像などにも使えます。RTX 4050を搭載したモデルであれば、GPU支援が使える処理も高速です。
動画編集 ○~ RTX 4050を搭載したモデルなら、動画編集も快適です。インテル Arc グラフィックスのモデルでも、FHDの簡単な編集ならできるでしょう。
ゲーム △~○ RTX 4050を搭載したモデルなら、ゲームも比較的快適でしょう。ディスプレイも120Hzの高リフレッシュレートに対応しています。インテル Arc グラフィックスのモデルでも、軽いゲームならできます。

 

ディスプレイのチェック

デル XPS 14 (9440) の画面サイズは14.5型で、以下の2種類のディスプレイを選択することができます。

選択できるディスプレイ

(1) 1920x1200, 非タッチ, 非光沢, 100% sRGB, 120Hz

(2) 3200x2000, タッチ, 光沢(反射防止), 100% DCI-P3, 120Hz, OLED

 

(1)のディスプレイは、100% sRGBの色域で、リフレッシュレートも120Hzに対応しており、使いやすいディスプレイです。多くの一般的なユーザーは、このディスプレイで十分だと思います。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトで計測した色域は、下表の通りで広めです。なお、最大輝度は、当サイトの計測では487cd/m2と高かったです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 78%
Adobe RGBカバー率 75%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も比較的揃っており、1:1の直線に近く、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角が広く、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

フィルムのようなものが貼られて非光沢になっており、映り込みは低減されています。ギラつきもそれほど感じませんでした。

画面への映り込み

フリッカーはありませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

(2)のディスプレイは、解像度が3200x2000と高く、色域もDCI-P3 1000%と広く、画像や4K映像などを綺麗に表示することが可能です。タッチパネルにも対応しています。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトで計測した色域は、下表の通りで、広い色域です。なお、最大輝度は、当サイトの計測では376cd/m2とやや高めです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 88%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も揃っており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角が広く、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢ですが、反射は抑えられています。ただし、タッチパネルに対応しているため、背景が白いと電極線がややギラついて見えます。

画面への映り込み

フリッカーはあります。体質に寄っては眼が疲れやすいかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

XPS 14 (9440)のキーボードおよびタッチパッドは、前述したようにとても見た目が良く、かっこいいです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.1mmでした。

キーピッチは十分ありますが、キーとキーの間が狭いので、キーを打つときに誤って隣のキーも押してしまう確率が高くなってしまいます。ただ、慣れてくれば、そこまでタイプミスなく打てます。極端に打ちにくいわけではありません。

また、ファンクションキーがタッチ式になっており、押している感覚がないので、やや違和感があります。特に「delete」キーを多用する方は使いにくかもしれません。

タッチパッドは、一見どこにあるのか分かりませんが、ほぼ真ん中の思った通りの場所にあるので、そこまで違和感なく使えます。

クリックボタンは、MacBookの様な触覚フィードバック式です。連続で使うとやや指が痛くなりますが、そこまで押しにくくはありません。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

fnキーを押すことで、メディアキーとファンクションキーを切替可能です。

タッチ式のファンクションキー

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

続いて、XPS 14 (9440)のパフォーマンスのチェックを行います。

下図のように「MyDell」アプリの「温度管理」の項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、「超高パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを掲載します。


温度管理

 

CPU

XPS 14 (9440)のCPUは、インテルのCore Ultra 7 155Hです。PBP(プロセッサーベースパワー)は28Wで、低消費電力Eコアや、NPUを搭載しています。

XPS 13はやや低めのスコアでしたが、XPS 14はCore Ultra 7 155Hとして十分なスコアが出ていました。多くの作業が快適に行えます。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core Ultra 7 155H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i7-14700HX 21893
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Ryzen 7 8845HS 16387
Ryzen 7 7735HS 14068
Core Ultra 7 155H 14073
13686 [超高パフォーマンス]
12778 [最適化]
Ryzen 7 8840HS 13668
Ryzen 7 8840U 12575
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core Ultra 5 125U 9553
Ryzen 5 8540U 9378
Core 5 120U 9317
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i5-1335U 8249
Ryzen 3 7330U 5141
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i7-14700HX 2113
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1879
Core i7-13700HX 1868
Core i7-1360P 1826
Ryzen 7 7840HS 1764
Ryzen 7 8840U 1763
Core Ultra 7 155H 1810
1743 [最適化]
1728 [超高パフォーマンス]
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Ryzen 5 8540U 1701
Ryzen 7 8840HS 1686
Ryzen 7 8845HS 1682
Core Ultra 5 125H 1712
Core Ultra 5 125U 1581
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Core Ultra 7 155H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Core i7-14700HX 1313
Ryzen 9 8945HS 919
Ryzen 7 8845HS 919
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
802 [超高パフォーマンス]
727 [最適化]
Ryzen 7 8840HS 785
Core i5-13500H 778
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1360P 664
Ryzen 7 8840U 618
Core i5-1340P 599
Ryzen 7 7730U 575
Core Ultra 5 125U 572
Core 5 120U 558
Ryzen 5 8540U 500
Ryzen 5 7530U 477
Core i5-1335U 435
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i7-14700HX 126
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Core 5 120U 110
Core i5-1335U 109
Ryzen 9 8945HS 106
Core i5-13500H 105
Ryzen 7 8840U 104
Core Ultra 7 155H 103
101 [超高パフォーマンス]
100 [最適化]
Core Ultra 5 125H 101
Ryzen 7 8845HS 101
Ryzen 5 8540U 100
Ryzen 7 7730U 99
Core i7-1360P 99
Core i5-1340P 99
Ryzen 7 8840HS 98
Core Ultra 5 125U 94
Ryzen 5 7530U 84

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリは、RTX 4050搭載モデルがLPDDR5x-7467、それ以外のモデルがLPDDR5x-6400です。なお、オンボードメモリなので、換装・増設はできません。

 

グラフィックス

グラフィックスは、CPUに内蔵されたインテル Arc グラフィックスまたは、GeForce RTX 4050 Laptop GPUを選択です。下に、3DMark Time Spyのグラフィックススコアを掲載します。

インテル Arc グラフィックスの場合は、CPU内蔵のグラフィックスとしては高めのスコアです。ただし、GeForce RTXシリーズと比較すると、やはりまだ見劣りはします。

GeForce RTX 4050の場合は、インテル Arc グラフィックスの約1.6倍のスコアが出ていました。ただし、最大グラフィックスパワーが40Wと低めであったため、RTX 4050としてはそこまで高いスコアではありませんでした。

動画編集をしたりゲームをしたりしたいのであれば、GeForce RTX 4050を選択するといいでしょう。ただし、外部GPUを搭載するにはボディが小さいので、パームレストなどの温度が熱くなりやすいです。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
Intel Arc [Core Ultra 7 155H]
GeForce RTX 4050
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 4090 175W 21897
RTX 4080 175W 18822
RTX 4070 140W 12254
RTX 4060 140W 10665
RTX 4060 65W 8829
RTX 4050 105W 8469
RTX 4050 55W 6969
RTX 3050 Ti 95W 6063
RTX 3050Ti 60W 5292
RTX 4050 40W 5070 [超高パフォーマンス]
40W 5063 [最適化]
RTX 3050 75W 5102
RTX 3050 65W 4560
Intel Arc Graphics
(Core Ultra 7 155H)
  3600
  3438 [超高パフォーマンス]
  3409 [最適化]
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

3DMark Night Raidのグラフィックスコアは下の通りです。こちらは、Core Ultra 7 155Hの内蔵GPUのスコアのみ掲載します。

Core Ultra 7 155Hの内蔵GPUであれば、35000くらいのスコアが出てもおかしくありませんが、本製品は何か制限でもかかっているのか、ちょうど25000までしかスコアが出ませんでした。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Intel Arc [Core Ultra 7 155H]
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Ryzen 7 8840HS
Radeon 780M(LPDDR5X)
35847
GeForce MX550 35717
Core Ultra 7 155H
Intel Arc(LPDDR5X)
35608
25000 [超高パフォーマンス]
25000 [最適化]
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M(LPDDR5X)
35241
Core Ultra 5 125H
Intel Arc(LPDDR5X)
35271
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 8840U
Radeon 780M(DDR5)
29410
Core i7-1360P
Intel Xe(LPDDR5)
21897
Core Ultra 5 125U
Intel Graphics(DDR5)
21525
Ryzen 5 8540U
Radeon 740M(DDR5)
20053
Core 5 120U
Intel Graphics(LPDDR5X)
18333
Core i5-1340P
Intel Xe(LPDDR5)
17774
Ryzen 7 7730U
Radeon Graphcis(LPDDR4X)
17524
Core i5-1335U
Intel Xe(DDR4)
16835
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphcis(LPDDR4X)
16389
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様

 

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、速度はまずまずです。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
4908
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットの速度は高速です。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

その他のベンチマーク

Core Ultra 7 155Hのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。他のノートPCでの計測値となりますが、おおよそ同じくらいのスコアがでると思われます。各ゲームの平均フレームレートなども掲載しています。

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、クリエイター向けソフトで計測した各種処理時間を下に掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

比較的速いRAW現像時間です。現像処理も割とストレスなく使えます。

Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-14700HX 47秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 68秒
Core Ultra 7 155H 69秒
Core Ultra 5 125H 75秒
Ryzen 7 8845HS 77秒
Ryzen 7 8840HS 81秒
Core i7-1360P 88秒
Core i5-1340P 93秒
Core Ultra 5 125U 103秒
Core 5 120U 106秒
Ryzen 7 7735U 108秒
Ryzen 7 7730U 115秒
Core i5-1335U 128秒
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

外部GPUが無いモデルは、FHD動画の書き出し速度はまずまずです。FHD動画の簡単な編集であればCPU内蔵グラフィックスでもなんとかできます。

RTX4050を搭載したモデルであれば、約半分の時間で処理が終わっています。

FHD動画の書き出し
Core Ultra 7 155H
RTX 4050
1分19秒
Core i7-12650H
GeForce MX550
2分01秒
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
2分29秒
Core Ultra 5 125H
Intel Arc
2分29秒
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
2分34秒
Ryzen 7 8840HS
Radeon 780M
2分34秒
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
2分39秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分49秒
Core 5 120U
Intel Graphics
3分02秒
Core i5-1340P
Intel Iris Xe
3分03秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core Ultra 5 125U
Intel Graphics
3分15秒
Core i5-1335U
Intel Iris Xe
3分17秒
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M
3分51秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

GeForce RTX 4050搭載モデルで計測した各ゲームの平均フレームレートを掲載します。

最大グラフィックスパワーが40Wと低めだったので、RTX 4050としては低めのフレームレートであるものの、解像度やグラフィック品質を低めに設定することにより、60 fpsを超えるフレームレートが出ています。

ただ、原因は分かりませんが、一部のゲームはフレームレートが120 fpsまでしか出ないように制限がかかっていました。ゲームの設定画面から垂直同期や最大フレームレートはオフにし、NVIDIAコントロールパネルも制限がかかっていないことを確認しましたが、なぜか120 fpsで制限されていました。

以下のゲームのフレームレートについて
平均フレームレートを掲載しています
グラフは、ノート用グラフィックスのみ掲載しています
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
重い部類のゲーム
パルワールド
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 66 fps(77 fps)
最高 32 fps(43 fps)
3200x2000 36 fps(56 fps)
※括弧内は、DLSS:パフォーマンスの時
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 軽量品質 83 fps
高品質 53 fps
2560x1440 軽量品質 65 fps
高品質 38 fps
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 145 fps
最高 63 fps
3200x2000 83 fps
最高 26 fps
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 最低 139 fps
ウルトラ 61 fps
3200x2000 最低 87 fps
ウルトラ 25 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 標準(ノート) 97 fps
最高品質 64 fps
3200x2000 標準(ノート) 44 fps
最高品質 24 fps
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター5 シーズン3]
DirectX 12
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 102 fps
中設定 85 fps
最高設定 48 fps
3200x2000 低設定 43 fps
※アンチエイリアス&スーパー解像度:TSR低
※テンポラルスーパー解像度:ネイティブ
※バトルロワイヤル ソロで計測
パフォーマンス - 低グラフィック忠実度
解像度 その他設定 平均 fps
1920x1080 3D解像度:100%
メッシュ:高
描画距離:最高
120 fps ※1
3200x2000 120 fps ※1
※バトルロワイヤル ソロで計測
※1 今回、特にfps制限はしていないが、120fpsで制限されていた
軽い部類のゲーム
Apex Legends
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 138 fps
高設定 107 fps
3200x2000 低設定 72 fps
高設定 63 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
VALORANT
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 高設定 120 fps ※1
2560x1440 高設定 117 fps ※1
※プラクティスモードで計測
※1 今回、特にfps制限はしていないが、120fpsで制限されていた

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

XPS 14 (9440)は、Thunderbolt 4ポートを3つも搭載しており、PowerDeliveryやDisplayPort出力にも対応し、多くのUSB-C周辺機器が使えます。

動作テストの結果はご覧の通りで、すべての機器が使用できました。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
140W アドテック PD3.1充電器
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速の充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

HDMI出力端子はありません。

 

質量のチェック

XPS 14 (9440)の質量は、メーカーサイトには「重量(最小):1.69 kg、重量(最大構成時):1.80 kg」と書かれています。当サイトで計測した重さは次の表の通りです。

XPS 13が「1.17kg~」だったので、XPS 14の外部GPU無しモデルは、もう少し軽く、1.4kgくらいであれば良かったなと思います。

RTX 4050搭載モデルは、外部GPUを搭載している割には軽いと思います。

なお、外部GPU無しモデルのACアダプターは60Wですが、RTX 4050搭載モデルのそれは100Wとなるため、少し重くなります。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  外部GPU無しモデル RTX 4050搭載モデル
PC本体 1.719kg 1.785kg
ACアダプター 251g 345g

 

バッテリー駆動時間のチェック

XPS 14 (9440)のバッテリー容量は、69.5Whとなっています。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。

外部GPU無しモデルは、(2)の動画再生のような低い負荷だと、かなりの時間、バッテリー状態で駆動することができます。(4)のようにやや負荷がかかった状態でも、割ともちます。

RTX 4050搭載モデルは、外部GPUを搭載しているため、バッテリー駆動時間はかなり減ります。

バッテリー駆動時間
  外部GPU無しモデル RTX 4050搭載モデル
(1) JEITA3.0
(2) 480pのローカル動画再生時 24時間01分  
(3) 1080pのYouTube動画再生時   6時間53分
(4) 動画編集ソフトでプレビュー再生 6時間39分 2時間48分
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生。画面輝度は約120cd/m2
(3) YouTubeの動画(1080p / 30fps) をリピート再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
(4) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

XPS 14 (9440)のWebカメラは、1080pのFHDカメラです。ノートPCのWebカメラとしてはやや高めの解像度で、画質も悪くないです。

IRカメラを搭載しているので、顔認証によるログインも可能です。ただし、カメラを隠すシャッターなどは付いていません。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、合計8W(ツイータースピーカー2W x2、ウーハースピーカー2W x2)と高出力です。音質はよく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。なお、こちらは外部GPU無しのモデルで計測した結果です。

「最適化」モードの場合は、PBP値の28Wよりもやや高い、32W前後で推移しています。このときのCPU温度は80℃前後で問題ない範囲です。

「超高パフォーマンス」モードにすると、CPU電力が40W前後まで上がりますが、CPU温度も95℃前後まで上がります。高めのCPU温度なので、基本的には「最適化」モードで使ったほうがいいと思います。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時

 

ゲーム時のCPU、GPU温度の詳細

ファイナルファンタジー15のゲームベンチマークを実行したときのCPU/GPU温度を計測した結果は下図の通りです。なお、こちらはRTX 4050搭載モデルでの計測結果です。

「最適化」モードの場合は問題ない温度ですが、「超高パフォーマンス」モードだとCPU温度が高いです。薄型&小型のノートPCなので、フレームレートは下がっても、「最適化」モードでプレイしたほうが安心です。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU温度&GPU温度
CPU温度&GPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、「最適化」モードで計測しています。

大きな負荷をかけなければ静かです。動作音を気にせず作業ができるでしょう。大ききな負荷をかけた場合は、それなりに動作音は大きくなります。

騒音値
外部GPUが無いモデル
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時1
[動画書き出し]
高負荷時2
[エンコード]
約20dB 約20dB 約24dB 約45dB
RTX4050搭載モデル
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時1
[動画書き出し]
高負荷時2
[エンコード]
約20dB 約22dB 約27dB 約44dB 約44dB
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
【PCの状態】
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:Premiere Proで、1080pの動画を書き出した時
高負荷時2:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

外部GPUが無いモデルは、高い負荷をかけても、表面温度は低めだったので、快適に使用することができると思います。

RTX 4050搭載モデルの場合は、高い負荷をかけると表面温度が高めです。

PC本体の表面温度
外部GPUが無いモデル
RTX 4050搭載モデル
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご覧下さい。

消費電力は低めです。ただ、RTX 4050および3200x2000ドットのディスプレイを搭載したモデルは、やや高くなります。

消費電力
外部GPUが無いモデル
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時1
[動画書き出し]
高負荷時
[エンコード]
4W  11W 15W 43W
RTX 4050搭載モデル
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時1
[動画書き出し]
高負荷時
[エンコード]
7W  14W 25W 80W 52W
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

XPS 14 (9440)の外観のチェックです。

CNC加工が施された削り出しアルミボディに、見えないタッチパッド、綺麗に並べられたタイルのようなキーボードを搭載し、美しい外観です。

 

天板は剛性が高く、高級感があります。

 

ボディは最も厚い部分でも19mmしかありません。外部GPUを搭載することができるモデルとしては薄型です。

 

側面にはThunderbolt 4ポートが3つもあります。また、XPS 13には無かったmicroSDカードスロットとヘッドセット端子が搭載されています。

 

電源ボタンには指紋センサーが統合されています。

 

液晶は、下図の角度まで開きます。180度は開きません。

 

底面の中央には吸気口がなく、側面の通気グリルから吸気しているようです。冷却ファンは2つで背面から排気しています。

 

ACアダプターは60Wで小型ですが、コンセント側のケーブルが太いです。なお、RTX 4050搭載モデルにすると、ACアダプターは100Wとなります。

 

まとめ

以上が、XPS 14 (9440)のレビューです。

美しいデザインが特徴のノートPCです。削り出しの剛性の高いアルミボディに、4辺狭額縁ディスプレイを搭載し、タッチパッド部分が見えず、キーボードもタイルを並べたようなデザインで、高級感のある見た目です。デザイン重視の方におすすめのノートPCです。

見えないタッチパッドの使い勝手が気になると思いますが、最初はどこまでがタッチパッドなのか分かりにくいですが、慣れればそこまで使いにくくはありません。

質量は、外部GPUが無いモデルとしては重いですが、RTX 4050を搭載したモデルとしては軽いです。

ディスプレイは最大で3.2KのOLEDを選択することができ、グラフィックスは最大でGeForce RTX 4050が選択可能で、高いスペックです。

RTX 4050を搭載したモデルは表面温度がやや高くなりますし、RTX 4050としてはそこまで高いベンチマークスコアではありませんでしたが、動画編集などを行うなら、RTX 4050搭載モデルがいいでしょう。

 

デザイン重視の方におすすめ

XPS 14 (9440)

特徴

  • 美しいデザイン
  • 3.2KのOLEDディスプレイを選択可能
  • GeForce RTX 4050が選択可能

こんなあなたに

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  • 外部GPUを搭載したPCを持ち出したい方
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