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デル Inspiron 16 (5630) の実機レビュー

更新日:
CPU Core i5-1335U
Core i7-1360P
メモリ 16GB
ストレージ 1TB PCIe SSD
液晶サイズ 16インチ 16:10
液晶種類 FHD+ 広視野角 非光沢
質量 約1.85kg~
バッテリー 54Wh
価格[税込] 11万円台~
第13世代Core搭載の16型ノートPC

Inspiron 16 (5630)は、画面比16:10の16型を搭載したノートPCです。サイズが大きめで画面が見やすいです。

また、最新のインテル第13世代Coreを搭載し、申し分のない処理性能で、快適に動作します。

キーボードも比較的打ちやすいので、タイピングすることが多い方にもおすすめです。

ただし、従来モデルと比べて、メモリの増設・換装ができなくなった点は、やや残念です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1360P、16GBメモリ、1TB PCIe SSD

 

 

目次

お忙しい方は、「Inspiron 16 (5630)の特徴」のみお読みください。

 

Inspiron 16 (5630)の特徴

画面比16:10の16型液晶で作業がしやすい

Inspiron 16 (5630)は、大きめの16型サイズ、画面比16:10のディスプレイを搭載した機種です。

この液晶により、これまでノートPCの主流だった15.6型のFHD液晶を搭載した機種よりも、作業のしやすさが少しアップしています。

16型、画面比16:10のディスプレイ

 

画面比16:10(1920x1200)の16型液晶を搭載したInspiron 16と、画面比16:9(1920x1080)の15.6型液晶を搭載したInspiron 15を比較すると、下の画像のようになります。縦方向に少し広くなり、一度に表示できる情報量が増えているのが分かります。ブラウザでは下の方まで表示でき、スクロールする頻度が下がるので、効率よくWeb閲覧ができます。また、Officeソフトでの作業など、ホームノートPCで行う一般的な作業もしやすいです。

画面比16:10の16型液晶と、画面比16:9の15.6型液晶の比較

 

次に、画面比16:10(1920x1200)の16型液晶と、画面比16:10(1920x1200)の14型液晶を比べてみます。どちらも表示できる情報量は同じですが、16型の方が画面が大きい分、文字が大きくなり、見やすいです。最近小さな文字が見えにくくなってきたと感じる方は、16型液晶の方がおすすめです。

一方、ボディサイズは、14型の方が二回りほど小さいです。扱いやすさを重視する場合や、時々外にも持ち出すのであれば、14型の方が適しています。

16型液晶と、14型液晶のサイズ比較

 

最新の第13世代Core搭載

Inspiron 16 (5630)は、最新のインテル第13世代Coreプロセッサーを搭載しています。

現時点では、Core i7-1360P搭載モデルのみが販売されていますが、仕様を確認すると、Core i5-1340Pに加えて、Core i7-1355U、Core i5-1335U、Core i3-1315UのUシリーズプロセッサーもサポートしているようです。国内で販売されるモデルでも、CPUの選択肢が増える可能性があります。

最新の第13世代Core搭載 

 

今回チェックしたCore i7-1360搭載モデルのベンチマークの結果は、以下のとおりです。一世代前のCore i7-1260Pの代表的なスコアを超える結果が出ました。

また、第12世代Coreを搭載した旧モデルとなるInspiron 16 (5620)では、Core i7-1255U搭載モデルが最上位だったので、確実にパフォーマンスが向上しているようです。

CINEBENCH R23 マルチコア
Core i7-1360P 9720 [本機器で計測]
Core i7-1260P 9032 [代表的なスコア]
Core i7-1255U 8300 [代表的なスコア]
Core i5-1235U 7589 [Inspiron 16 (5620)で計測]

 

比較的打ちやすいキーボード

Inspiron 16 (5630)は、下の画像のようなキーボードを搭載しています。

16型と大型ですが、テンキーはありません。その分、サイズの小さいキーがありませんし、「半角/全角」キーや、「enter」キーなども大きく、全体的にゆとりがあります。また、テンキーがない分、タイピング時に画面の中心と体の中心が揃うため、自然な姿勢でタイピングできます。そのため、比較的タイピングがしやすいです。

なお、テンキーがないので、家計簿をつけたり、経理作業を行うなど、数字を入力する機会が多い場合は、外付けのテンキーを用意するといいでしょう。

テンキーなしキーボード

 

メモリの換装、SSDの増設はできない

Inspiron 16 (5630)の内部を確認すると、メモリはオンボードメモリでした。そのため、メモリの増設や換装はできません。

従来モデルとなるInspiron 16 (5620)や、AMD Ryzen搭載モデルのInspiron 16 (5625)では、スロットメモリだったので、メモリの換装・増設ができました。Inspiron 16 (5630)では、購入後にメモリのセルフカスタマイズができなくなったので、ここは残念な部分です。

また、空きのM.2スロットもないので、ストレージの増設もできません。

ただし「自分でカスタマイズはしない」という多くのユーザーにとっては、気にしなくていい部分です。

メモリ換装・SSD増設はできない

 

今後のラインナップの拡充に期待

現時点では、Core i7-1360P、16GBメモリ、1TB SSDで14万円台~のモデルのみが販売されています。

一見高く見えるかもしれませんが、旧モデルのInspiron 16(5620)でも、最上位のCore i7-1255U, 16GBメモリ, 1TB SSDの構成だと13万円台後半の価格なので、Inspiron 16(5630)が特に高いわけではありません。下位のCPUを搭載したモデルや、ストレージ容量が少ないモデルが出ると、もっと購入しやすい価格になるのではないかと思います。今後のラインナップの拡充に期待したいです。

 

やや残念なポイント

Inspiron 16 (5630)は、当サイト計測でsRGBカバー率59.1%と色域が狭いため、色鮮やかさに欠けていました。sRGBカバー率100%に近い液晶であれば、Webページの写真や、ネット動画などを色鮮やかな表示で見ることができたはずです。また、高めの性能を生かして、写真のRAW現像や、FHD動画の簡単な編集などの、趣味にも使いやすかったと思います。

 

各用途の快適度

Inspiron 16 (5630) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比16:10の16型液晶を搭載し、Webページの閲覧や、Officeソフトを使った作業がしやすいです。
動画鑑賞 液晶はやや色鮮やかさに欠けますが、スピーカー音は比較的いいです。問題なく動画視聴できます。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議を行えます。
RAW現像
画像編集
液晶の色域が狭いので、この用途にはあまり向いていません。ただし、色域が広めの外部ディスプレイを接続すれば、使用できるでしょう。
動画編集 △~○ FHD動画の簡単な編集なら出来ます。ただ、本格的に動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。
ゲーム 軽めのゲームであれば、画質を落とすことでプレイできるものもあります。ただし、ゲームが主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Inspiron 16 (5630)のディスプレイのチェックです。

搭載していたパネルは、「JFDKM-NV16WUM」でした。

最近のトレンドになっている画面比16:10の液晶です。解像度は1920x1200で、FHD液晶よりも縦の表示面積が少し広くなっています。16型と大きめのサイズなので、文字も見やすいですし、フリッカーも発生しておらず、作業がしやすい液晶です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では257d/m2と普通です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測では、sRGBカバー率59.1%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、ややずれはあるものの、3色ともほぼ1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いので見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

どの輝度にしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Inspiron 16 (5630)のキーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。

テンキーがない分、キーサイズにゆとりがありますし、タイピング時に体の中心がノートPCの中心にくるので、自然な姿勢でタイピングすることができます。主要なキーにサイズが小さいものはありませんし、「半角/全角」キーなどのサイズも大きく、押しやすいです。「delete」キーの位置が、「backspace」キーの真上ではありませんが、慣れれば問題ないと思います。総合的にみて、比較的打ちやすいキーボードです。

タッチパッドの操作性は普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しており、薄暗い場所でもタイピングがしやすいです。


バックライト

 

パフォーマンスのチェック

続いて、パフォーマンスのチェックを行います。

Inspiron 16 (5630)では、下図のように「MyDell」アプリの「温度管理」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」のモードで、ベンチマークスコアを確認します。


温度管理

 

CPU

Inspiron 16 (5630)は、最新のインテル第13世代Coreプロセッサーを搭載しています。現時点では、Core i7-1360P(Pコア:4、Eコア:8)を搭載するモデルのみが販売されています。ベンチマークの結果は以下のとおりです。

マルチコアでは、1世代前のCore i7-1260Pの代表的な数値を少し上回るスコアが出ていました。ただし、コア数の多いCore i7-1280P(Pコア:6、Eコア:8)には及びませんでした。

シングルコアでも高いスコアが出ています。

高い処理性能を備えており、一般的な用途に快適に使用できるでしょう。

なお、動作モードを「超高パフォーマンス」にすることで、マルチコアスコアがアップしています。通常は「最適化」モードでも十分な処理性能だと思いますが、高めの負荷がかかる作業を行う場合は、「超高パフォーマンス」モードに変更して使うといいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1360P
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-12950HX 21617
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12800HX 17492
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Core i7-12650H 12674
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 7 5825U 10040
Core i7-1360P 9720 [超高パフォーマンス]
8292 [最適化]
Core i5-1340P 9688
Core i7-1260P 9032
Core i5-1240P 8409
Core i5-1335U 8404
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-12950HX 1981
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HX 1916
Core i7-1360P 1826 [超高パフォーマンス]
1815 [最適化]
Core i7-12700H 1823
Core i7-12650H 1808
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-12800HX 1760
Core i7-1280P 1751
Core i5-12500H 1727
Core i5-1340P 1722
Core i5-1335U 1685
Core i5-1235U 1675
Core i5-1240P 1666
Core i3-1215U 1592
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 5 5625U 1383
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリには、LPDDR5-4800を搭載しています。メモリ帯域も広めでした。オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
55.46GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
49.48GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスです。メモリ帯域が広めなこともあり、CPU内蔵グラフィックスとしては高めのスコアでした。軽めのゲームを画質を落としてプレイしたり、FHD動画の簡単な編集・書き出しにもある程度使えそうです。

なお、動作モードを「超高パフォーマンス」にすると、グラフィックス性能もアップしていました。ゲームや動画の編集など、グラフィックス性能が求められる作業を行う場合は、「超高パフォーマンス」モードで使用した方がいいと思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-1360P
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Core i7-1280P
メモリLPDDR5-5600
23333
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897 [超高パフォーマンス]
19500 [最適化]
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
21836
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-4800
16524
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
15826
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、読み書き速度は高速でした。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe-NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
4985
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

思ったほどではありませんでしたが、実用的な時間でRAW現像処理を行えました。趣味でRAW現像を行うのには、十分だと思います。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX 47秒
Core i7-12800HX
RTX 3070 Ti (150W)
52秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i5-12500H
RTX 3060 (140W)
58秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050 (65W)
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Core i7-1280P 64秒
Core i5-12500H 69秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i7-1360P 91秒
Core i7-1255U 112秒
Ryzen 5 7530U 115秒
Ryzen 7 5825U 117秒
Ryzen 5 5625U 120秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

処理に時間のかかるニューラルフィルターを実行しました。処理にかかる時間は、Core i7-1260Pの場合よりも少し短くなっていました。

  本製品 参考
Core i7-1260P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約2秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約4分0秒 約4分28秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約2分37秒 約2分48秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

CPU内蔵グラフィックスとしては高めの性能なので、FHD動画の書き出し速度も速かったです。4K動画の編集には適していませんが、FHD動画のライトな編集であれば、ある程度快適に行えると思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分49秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
3分00秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分01秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分06秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 5825U
Radeon Graphics
4分42秒
Ryzen 5 5625U
Radeon Graphics
4分48秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分05秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間
ソフトウェアエンコード

CPUのみで実行するx265エンコードですが、Core i7-1260Pよりも少し短い処理時間でした。

Core i7-12700H 7分50秒
Core i9-11900H 8分20秒
Ryzen 9 5900HX 8分26秒
Ryzen 7 6800H 8分42秒
Ryzen 7 6800U 10分47秒
Core i7-1280P 10分59秒
Ryzen 7 5825U 11分15秒
Core i7-1360P 12分05秒
Core i7-1260P 12分43秒
Ryzen 5 7530U 12分54秒
Core i7-1255U 13分31秒
Ryzen 5 5625U 13分59秒
Core i5-1240P 14分19秒
Ryzen 7 5800U 14分35秒
Ryzen 7 5700U 15分05秒
Core i5-1235U 15分23秒
Core i7-1195G7 16分14秒
Core i7-1185G7 16分37秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Core i5-1135G7 26分03秒
ハードウェアエンコード

ハードウェアエンコードも比較的速いです。

Ryzen 7 6800U 45秒 (AMD Media SDK)
Ryzen 7 5825U 54秒 (AMD Media SDK)
Ryzen 5 7530U 55秒 (AMD Media SDK)
Ryzen 5 5625U 55秒 (AMD Media SDK)
Core i7-1280P
RTX 3060
1分05秒 (NVENC)
Ryzen 7 5825U 1分07秒 (AMD Media SDK)
Core i7-1260P 1分28秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i7-1360P 1分29秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i7-1280P 1分34秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i7-1255U 1分39秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i5-1240P 1分42秒 (Intel Media SDK Hardware)
Core i5-1235U 1分47秒 (Intel Media SDK Hardware)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

USB-Cポートは、Thunderbolt 4、DisplayPort、電源供給に対応しており、以下のような結果となりました。今回チェックした機器は全て使用できました。

ただし、USB-Cアダプターによる給電では、低出力のものでも充電できていましたが、45W以下だと警告が表示されます。USB-Cアダプターで給電しながらノートPCを使う場合は、61W以上の出力があるUSB-Cアダプターを使用した方がいいでしょう。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
65W Lenovo GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで表示出来ていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

追記:仕様ではHDMI1.4となっており、本来であれば、4K/30Hz/YCbCr4:4:4(RGB)か、4K/60Hz/YCbCr4:2:0でしか出力できません。しかし、今回確認した限りでは、4K/60Hz/RGBで出力できていました。こちらの画像で色がぼやけないことを確認し、こちらのサイトで、60Hzで表示されていることも確認できました。ロットによってはHDMI2.0なのか、筆者の確認方法が悪いのかは、不明です。申し訳ございません。この件について、何か情報をお持ちの方は、こちらまでご連絡いただけると幸いです。

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「最小重量:1.85kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、最小重量とほぼ同じでした。16型のノートPCとしては、そこまで重くありません。宅内での移動や、使うときだけ取り出すといった使い方もしやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.808kg
ACアダプター 309g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Inspiron 16 (5630)のバッテリー容量は54Whです。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。動画再生のような負荷の軽い作業であれば、やや長めのバッテリー駆動が可能でした。通常の使用であれば、もっと短い時間になると思いますが、別の部屋に移動して使うといった場合は、バッテリー駆動でもある程度使用できそうです。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) 動画再生時 13時間16分
(3) CPU10%、GPU5%の負荷 5時間3分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、物理的にレンズを覆うシャッターが付いてます。IRカメラは搭載していないので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラは、FHDカメラです。解像度が高めなので、細部まで比較的きれいに写っています。色味は、やや暖色が強いようにも感じますが、それほど違和感はありません。広角気味なので、オンラインミーティング時に映り込みが気になる場合は、バーチャル背景などの機能を使用するといいです。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、2W x2のスピーカーをキーボードの両脇に搭載しています。音質はややよく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。

「最適化」モードでは、CPU電力は20W前後で落ち着き、そのまま推移しています。CPU温度は、少し時間が経つと60℃台後半になり、そのまま低めの温度をキープしています。

「超高パフォーマンス」では、CPU電力が少しアップし、28W前後で推移しています。CPU電力の上昇に伴い、CPU温度も上がりますが、それでも80℃に達しないぐらいの温度で落ち着いています。

どちらのモードでも、CPU温度を心配することなく使用できそうです。通常時は「最適化」モードで使用し、高めの負荷がかかる作業を行う場合には、「超高パフォーマンス」モードに変更して使用するといいでしょう。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。今回、「最適化」モードで計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が上がりますが、似た構成の他の機種と比べても同じぐらいの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷がかかると、キーボード面の温度が少し上がりますが、パームレスト部の温度はほとんど変化しておらず、低い温度に保たれています。タイピング時も不快感はありませんでした。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

ノートPC向けのプロセッサーを搭載しているので、消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Inspiron 16 (5630)の外観のチェックです。

狭額縁ベゼルを採用した画面比16:10の16型液晶を搭載し、スマートなイメージです。

今回は、オーソドックスなプラチナシルバーのボディですが、ダークリバーブルーのボディも選択することができます。

 

天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。

 

背面には、液晶を開いたときに机と接するゴム製の足が配置されています。

 

液晶を開いていくと、角度によって接地する部分が変わります。安定感には特に問題ありませんでした。

 

側面のポート類はご覧の通りです。USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB-C(Thunderbolt 4、DisplayPort、電源供給に対応)、HDMI、SDカードリーダーを備えています。有線LANポートはありませんが、一般用途には不足のない構成だと思います。

 

液晶の開く角度です。フラットにはなりませんが、テーブルの上に置いて作業をするのには問題ないと思います。

 

指紋認証リーダー付きの場合は、電源ボタンに指紋センサーが統合されています。

 

底面です。

 

内部の画像はご覧の通りです。冷却ファン1つと、1本のヒートパイプで冷却しています。

メモリはオンボードなので、増設・換装はできません。また、ストレージの増設ができる空きスロットなどもありませんでした。

 

ストレージには、Type 2230のM.2 SSDを搭載していました。スペーサを外せば、Type 2280 M.2 SSDへの換装もできそうです。

 

ACアダプターは65Wです。

 

まとめ

以上が、Inspiron 16 (5630)のレビューです。

画面比16:10の16型液晶を搭載した作業がしやすいホームノートPCです。

画面が大きいだけでなく、一般的なFHD液晶よりも少し縦に長いので、Webページの閲覧や、Officeソフトを使った作業などが行いやすいです。

CPUには、最新のインテル第13世代Coreを搭載しています。今回は、Core i7-1360P搭載モデルをチェックしましたが、旧モデルを超えるパフォーマンスを備えていました。多くの作業に快適に使用できるでしょう。

テンキーなしのキーボードですが、ゆとりのあるキーサイズで、タイピングも比較的しやすかったです。

なお、今回のモデルでは、メモリがオンボードメモリになりました。また、空きのM.2スロットなどもありません。メモリの増設・換装や、ストレージの増設ができないので、自分でカスタマイズしたい方にとっては、ここが残念な部分です。

また、パフォーマンス的にはライトな画像編集やFHD動画編集などにも使用できそうなだけに、液晶の色域が狭いのも残念でした。

このような部分が気にならなければ、一般的なホームノートPCとしておすすめの機種です。在宅ワークなどの仕事用としても使いやすいです。

 

最新の第13世代Coreを搭載した16型ノートPC

Inspiron 16 (5630)

特徴

  • 作業がしやすい、画面比16:10の16型液晶
  • 最新の第13世代Coreを搭載
  • 比較的タイピングしやすいキーボード

こんなあなたに

  • Web閲覧やOfficeソフトの使用などの日常使いに
  • 在宅ワークなどの仕事用として
  • 価格11万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

 

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