デル Inspiron 15 (3521)の実機レビュー

更新日:
CPU Celeron N4020
メモリ 4GB
ストレージ PCIe NVMe SSD
液晶サイズ 15.6インチ
液晶種類 FHD 120Hz 広視野角
質量 1.61kg~
バッテリー 41Wh
価格[税込] 5万円台~
5万円台でも見やすい液晶を搭載

Inspiron 15 (3521)は、5万円台から購入できる、エントリークラスの15.6型ホームノートPCです。

安い機種ですが、視野角が広くて、比較的見やすいFHD液晶を搭載しています。

ただし、Celeron N4020 + 4GBメモリと、スペックは低めなので、ある程度用途を限定して使用した方がいいです。

「スペックは低くても構わないが、眼が悪くならないように液晶の品質だけは高めがいい」という方に適していると思います。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Celeron N4020、4GBメモリ (4GB x1)、256GB PCIe SSD

 

 

目次

お忙しい方は、「Inspiron 15 (3521)の特徴」のみお読みください。

 

製品の特徴

視野角の広いFHD液晶を搭載して5万円台~

Inspiron 15 (3521)は、5万円台から購入可能なエントリー向けノートPCです。

低価格帯のノートPCですが、標準的な解像度のFHD液晶を搭載しています。自然な発色で、視野角も広く、フリッカーも発生していないので、比較的見やすいです。

また、スペックが低いため恩恵を得る場面は少ないですが、1秒間に120回画面を書き換える、120Hz駆動液晶なので、マウスやスクロールの動きなどが少し滑らかになるのも、面白い特徴です。

個人的には子供用のPCに適していると思います。子供にはスペックが低いPCでも十分だと思いますが、眼が悪くならないように、ある程度高い品質の液晶を搭載したPCを使わせてあげたいものです。その点、本製品なら、日常用途なら十分な品質の液晶だと思います。

比較的見やすいFHD液晶を搭載し5万円台~
120Hz対応

 

用途を限定しての使用をおすすめ

Inspiron 15 (3521)の搭載するCPUは、Celeron N4020です。

ベンチマークのスコアを見ると、Core i3-1115G4と比べても23%程度のスコアしかでておらず、かなり低い処理性能であることが分かります。

CPUはCeleron N4020
CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i3-1115G4 3149
Celeron N4020 711
CINEBENCH R23(シングルコア)
Core i3-1115G4 1217
Celeron N4020 417

 

そのため、起動や、ソフトの立ち上がりなど、全体的にやや動きがもっさりしています。例えば、ブラウザで新しいページを開くといったライトな動作でも、毎回CPU使用率が100%になっていました。

ウェブ閲覧程度であれば、耐えられないほど遅いわけではありませんが、過度な期待をせずに、用途をある程度限定して使用する方がいいと思います。

Web閲覧時

 

メモリは4GBのワンスロット

処理性能が低いことに加えて、Inspiron 15 (3521)のメモリは、メモリスロットが1つのシングルチャネル構成で、容量も4GBと少なめです。そのため、ウェブ閲覧用途に限定していても、タブブラウザでたくさんのタブを同時に開くと、メモリ不足になると思います。

なお、メモリが足りない場合は、自己責任でのメモリの換装はできそうです。

メモリスロット

 

2.5インチドライブを増設可能

Inspiron 15 (3521)には、メインストレージ用のM.2 SSDとは別に、2.5インチドライブ用のスペースがありました。マウンターやコネクターも付属しているので、2.5インチのHDDやSSDを増設することができそうです。256GB SSDではストレージ容量が足りない場合は、ストレージの増設を試してみるといいと思います。なお、ストレージの増設は自己責任となります。

2.5インチドライブ用のスペースあり

 

低価格のために抑えられている部分が多い

Inspiron 15 (3521)は、5万円台~という低価格のために、CPUやメモリの構成だけでなく、それ以外の部分でも抑えられています。

例えば、バックライトなしのキーボード、USB-Cポートがない、無線規格はWi-Fi 5、指紋・顔認証に非対応といった部分です。

この辺りが気にならないか、チェックしておくことをおすすめします。

 

ライバル機種との比較

最後に、Inspiron 15 (3521)のライバルとなりそうな、低価格帯で購入できる15.6型ノートPCとの簡単な比較を行います。

比較するのは、コスパが高く人気のあるレノボのIdeaPad Slim 550 15.6型と、3万円台~と非常に安いHPのHP15s-eqです。

IdeaPad Slim 550は、最安構成だとInspiron 15 (3521)とほぼ同じ5万円台で購入できますが、Ryzen 3、8GBメモリを搭載しており、処理性能が高いです。しかも、FHD IPS液晶を搭載しているので、画面も見やすいです。安くても快適に使用できる機種として、非常におすすめです。ただし、人気が高く納期が2か月以上と長い場合があります。

HP 15s-eqは、見やすいFHD IPS液晶を搭載しながら、3万円台と非常に価格が安いのが魅力です。ただし、処理性能は低いですし、ストレージも128GBしかありません。また、OSもWindows 11 Sモードとなっています(Sモードは無料で解除可能)。できるだけ安い機種がよければ、こちらも検討してみるといいと思います。

一方、Inspiron 15 (3521)は、これらの2機種と比べると、処理性能も価格もやや中途半端な感じがします。ただ、ファンレスなのでほぼ無音で動作できるのは魅力の一つです。また、ここで紹介した機種の中で唯一2.5インチドライブの増設ができます。液晶が120Hz駆動なのも面白い特徴です。

このように低価格帯の15.6型ノートPCにも色々な選択肢があります。重視する部分や、納期、メーカーの好みなども考慮に入れて比較検討するといいと思います。

ライバル機種との比較
  [本機器]
デル
Inspiron 15 (3521)
[ライバル機種]
レノボ
IdeaPad Slim 550
[ライバル機種]
HP
HP 15s-eq
画像
CPU Celeron N4020 Ryzen 3 5300U
Ryzen 5 5500U
Ryzen 7 5700U
AMD 3020e
Ryzen 3 5300U
Ryzen 5 5500U
メモリ 4GB 8GB / 16GB 4GB / 8GB
ストレージ PCIe SSD SATA SSD / PCIe SSD
液晶 15.6型
FHD WVA 120Hz 非光沢
15.6型
FHD IPS 非光沢
15.6型
FHD IPS 非光沢
重量 約1.61kg~ 約1.66kg 約1.6kg
バッテリー 41Wh 45Wh 41.04Wh
価格[税込] 5万円台~ 5万円台~ 3万円台~
※WVA : 広視野角
最安構成での価格比較
  [本機器]
デル
Inspiron 15 (3521)
[ライバル機種]
レノボ
IdeaPad Slim 550
[ライバル機種]
HP
HP 15s-eq
CPU Celeron N4020 Ryzen 3 5300U AMD 3020e
メモリ 4GB 8GB 4GB
ストレージ 256GB PCIe SSD 128GB SATA SSD
液晶種類 FHD WVA 120Hz 非光沢 FHD IPS 非光沢 FHD IPS 非光沢
価格[税込] 55,593円 56,056円 37,800円
※2022年4月28日現在の価格

 

各用途の快適度

Inspiron 15 (3521) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
スペックは高くありません。全体的にややもっさりした動作ですが、Web閲覧程度であれば、耐えられないほどではありません。用途を限定するなど、工夫して使った方がいいです。
動画鑑賞 色域が狭いので、色鮮やかさに欠けますが、普通に動画鑑賞を行えます。サウンドも悪くありません。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えています。ただし、カメラの画像では、下部の隅が暗くなっていました(個体差があるかもしれません)。また、スペックが低いので、バーチャル背景なども使用できません。
RAW現像
画像編集
スペックが低く、メモリも4GBしかないので、この用途には適していません。
動画編集 CPU内蔵のグラフィックス性能も低く、動画編集には適していません。
ゲーム FHD液晶は120Hz駆動に対応していますが、低スペックなのでゲームには適していません。

 

ディスプレイのチェック

Inspiron 15 (3521)のディスプレイのチェックです。

パネルは、「VHK65-156WFJ」でした。

標準的な解像度であるFHD液晶です。視野角が広く、フリッカーも発生していないので、日常的な使用にちょうどいい液晶だと思います。120Hz駆動対応なので、マウスや画面スクロールの動きが少し滑らかな気がします。ただし、色域は狭いです。また、その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。最大輝度は、当サイトの計測では246d/m2と普通です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は64.3%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、3色ともほぼ1:1の直線となっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いので、少し斜めから見ても、色の変化が少なく、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Inspiron 15 (3521)のキーボードとタッチパッドのチェックです。

当サイトの計測では、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.5mmでした。十分なサイズだと思います。「enter」キーがややスリムですが、その他の主要なキーは大体サイズも揃っています。キーの配列も標準的で、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。標準的な4列テンキーも付いているので、数字の入力もしやすいです。ただし、バックライトは付いていません。

タッチパッドは、操作時に少し揺れがありました。そのため、クリックボタンがやや押しにくく感じます。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

Inspiron 15 (3521)のパフォーマンスをチェックします。

 

CPU

ベンチマークの結果は以下のとおりです。

低電力で動作するエントリークラスのCPUなので、マルチコア、シングルコアともに、かなり低めのスコアです。

ウェブ閲覧程度であれば、耐えられないほど遅いわけではないので、用途を限定して使用するといいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Celeron N4020
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HK 17767
Core i7-12700H 16389
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-11800H 11893
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 5 5600H 9255
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Ryzen 7 5700U 8445
Ryzen 5 5625U 8107
Core i7-11370H 7123
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 3 5300U 5492
Ryzen 3 5425U 5496
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
Celeron N4020 711
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900HK 1918
Core i7-12700H 1823
Core i7-1195G7 1634
Core i9-11900H 1570
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1511
Ryzen 9 5900HX 1463
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Ryzen 5 5600H 1354
Ryzen 3 5425U 1308
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1264
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 5 5500U 1185
Ryzen 3 5300U 1123
Celeron N4020 417
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリは、DDR4-2400を搭載しています。4GB x1のシングルチャネル構成なので、容量が少ないですし、帯域も狭いです。なお、メモリスロットが1つなので、換装はできますが、メモリを増設してデュアルチャネル構成にすることはできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~

今回、Sandraでの計測ができませんでしたので、他のPCで計測した時の結果を下に掲載します。

他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
DDR4-3200
シングルチャネル
13.33GB/s
DDR4-2400
シングルチャネル
11.71GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

続いて、グラフィック性能を測る3DMark Night Raidのベンチマーク結果を下に掲載します。

CPU内蔵グラフィックスの中でも、かなり低めのスコアでした。ゲームや写真の編集など、グラフィックスパワーを使用する作業には適していません。ただ、通常のウェブ閲覧などであれば支障はないでしょう。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Celeron N4020(4GBx1)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
15826
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
14905
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
※メモリ8GBx1
8103
Ryzen 3 5425U
メモリDDR4-3200
※メモリ8GBx1
7279
Celeron N4020
メモリDDR4-2400
※メモリ4GBx1
1756
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen3 SSDを搭載しています。読み書き速度は、PCIe Gen3 SSDの割にはそこまで速くありませんが、このスペック構成においては十分な速度だと思います。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe-NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
1807
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。カードをスロットに入れると半分くらい出っ張ります。なお、アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB-Cポートはありません。

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、8ビット、60Hz、RGBでの表示が出来ていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

Inspiron 15 (3521)の質量は、「重量(最小):1.61 kg」とメーカーサイトに記載されています。当サイトでの計測でも、仕様値とほぼ同じ質量でした。15型ノートPCとしては、比較的扱いやすい質量だと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.62kg
ACアダプター 322g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Inspiron 15 (3521)のバッテリー容量は41Whとなっています。15インチクラスのノートPCとしては、普通もしくはやや少なめのバッテリー容量です。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は、下の表の通りです。バッテリー容量はそこまで多くありませんが、低スペックのCPUなので、意外と長めの駆動が可能でした。バッテリー駆動でもそこそこ使用できそうなので、宅内のいろいろな場所で使いやすいです。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) PCMark 10 Modern Office 9時間42分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度はやや遅めです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
49%(約20Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、物理的なカバーは付いていません。また、IRカメラも搭載していないので、Windows Helloの顔認証には対応していません。

Webカメラ

 

カメラは、720pのHDカメラでした。広角気味で、暖色系がやや強めの画像でした。画質はノートパソコンのWebカメラとして普通の性能だと思います。ただし、カメラとフレームの間に隙間があるのか、カメラの位置がやや下に寄っているためか分かりませんが、映像の下方の隅が暗くなっていました。個体差があるのかもしれませんが、Webカメラを使用する場合は気になってしまうので、残念です。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

1万円以上する外付けのLogicool StreamCam C980のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ

 

スピーカー

スピーカーは、2Wx2のステレオスピーカーが底面の左右に搭載されています。音質について、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。

CPU電力は概ね7~6Wの間で推移しています。ファンレス構造ですが、CPU温度は大体84℃以下に収まっています。

高負荷作業ではなくても、すぐにCPU使用率が100%になりますが、それでもCPU温度を心配せずに使用できると思います。

CPU電力&CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

ファンレス構造なので、アイドル時だけでなく、CPUに負荷がかかる場合でも、ほぼ無音です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

高い負荷がかかると、キーボード部分の温度が上がっていますが、パームレストの温度はほとんど変化していません。タイピング時でも、手に不快感を感じることはありませんでした。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご覧下さい。

低電力で動作するCeleron搭載なので、消費電力はかなり低いです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Inspiron 15 (3521)の外観のチェックです。

狭額縁ベゼルの液晶を搭載しており、今どきのオーソドックスなノートPCという感じのデザインです。ただし、高級感はありません。

今回は、プラチナシルバーのボディですが、カーボンブラックのボディもあります。

 

天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。

 

ポート類としては、USB3.2 x2、USB2.0、HDMI、SDカードスロットを備えています。USB-Cポートは搭載していません。

 

液晶の開く角度です。リフトヒンジなので、液晶を開くと、ヒンジ部分が本体を持ち上げ、キーボード面に少し角度が付きます。

 

底面には再生プラスチックが使用されています。

 

ボトムカバーを取り外すとご覧のようになっています。ファンレス構造です。

 

メモリスロットは1つです。メモリの換装は可能だと思います。

 

ストレージには、Type 2230 M.2 SSDを搭載していました。エクステンダーを外せば、Type2280 M.2 SSDへの換装もできると思います。

 

また、2.5インチドライブ用のスペースもあり、マウンターとコネクターも付いていました。2.5インチSSDやHDDの増設もできそうです。

 

ACアダプターは65Wです。

 

まとめ

以上が、Inspiron 15 (3521)のレビューです。

5万円台と安く購入できる15.6型のホーム用エントリーノートPCです。

安い機種ですが、視野角の広いFHD液晶を搭載しているのは嬉しいです。色域は狭いですが、映り込みの少ない非光沢で、フリッカーも発生していなかったので、見やすく、日常用途にちょうどいい液晶です。

ただし、CPUはCeleron N4020で、メモリも4GBしかありません。処理性能が高くないので、全体的にもっさりとした動作です。新しいウェブページを開くようなライトな処理でも、すぐにCPU使用率が100%になってしまいます。ただし、軽めの用途であれば、耐えられないほど遅いわけでもありません。そのため、割り切って、用途を限定して使用すれば、それなりに使えると思います。

処理性能が低い分、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できます。また、ファンレス構造なので、動作音がほとんどしません。近くで子供が寝ているような場所でも、静かにネットを見たりすることができます。

低価格を実現するために、抑えられている部分も多々あるので、気にならないか事前にチェックしておくことをおすすめします。

スペックが低いことを承知の上で、気軽に使えるホームノートPCが欲しい方に適した機種だと思います。

 

5万円台でも見やすい液晶を搭載

Inspiron 15 (3521)

特徴

  • 広視野角のFHD液晶を搭載し5万円台
  • ファンレスなので、動作音が静か
  • スペックは低い

こんなあなたに

  • 低スペックでも液晶だけはこだわりたい方
  • 子供用のPCが欲しい方
  • 価格5万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

 

関連ページ