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ASUS ROG Zephyrus G14 GA403WR(2025)の実機レビュー

更新日:
ROG Zephyrus G14 GA403の写真
CPU Ryzen AI 9 HX 370
GPU RTX 5070 Ti Laptop
メモリ 32GB LPDDR5X-8000
ストレージ 1TB SSD
画面サイズ 14.0型 16:10
画面種類 2880x1800 OLED 120Hz
質量 約1.57kg
バッテリー 73Wh
価格 グレー:45万円台~
ホワイト:41万円台~
持ち運べるRTX 5070 Ti搭載ノート

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズは、最新世代のGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを搭載しながらも、約1.57kgと軽い、14.0型のゲーミングノートPCです。

薄型で軽量ながら、モンハンワイルズなどの重量級のゲームも快適にプレイできる性能です。

ディスプレイには120 Hzに対応した有機ELパネルを採用し、DCI-P3 100%の色域で、解像度も2880x1800と高いです。

外出先へPCを持って行き、ゲームをしたり、クリエイティブワークをしたりする方におすすめの製品です。

販売サイト

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen AI 9 HX 370、GeForce RTX 5070 Ti Laptop、32GBメモリ

 

目次

お忙しい方は、「ROG Zephyrus G14 GA403シリーズの特徴」のみお読みください。

 

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズの特徴

薄型で軽いのにハイパフォーマンス

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズは、外部グラフィックスに最新世代のGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを搭載しながらも、最薄部15.9mm、重さ約1.57kgと薄型・軽量で、持ち運びやすい製品です。

長期出張先でゲームをしたい方、出先で動画編集をしたい方などにおすすめです。

薄型のボディ
持ち運びに便利

 

GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを搭載

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズは、外部グラフィックスに最新世代のGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを搭載しています。薄型のノートPCとしては非常にパワフルで、人気ゲームのモンハンワイルズも、フレーム生成を有効にすることでウルトラ設定でも快適にプレイできる性能です。

ほとんどのタイトルが高い画質設定で快適にゲームができ、さらにクリエイティブワークも快適です。

モンハンワイルズもウルトラ設定で快適に動作(フレーム生成有効)
GPU性能(3DMark Steel Nomad)
RTX 5090 Laptop 5898
RTX 4090 Laptop 4919
RTX 5080 Laptop 4754
RTX 5070 Ti Laptop 3525
RTX 4060 Laptop 2339
RTX 4050 Laptop 1879

 

DCI-P3 100%のディスプレイを搭載

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズは、DCI-P3 100%クラスの色域のディスプレイを搭載しており、ゲームでは非常に色鮮やかな映像で楽しむことができます。リフレッシュレートは120HzとゲーミングノートPCとしてはそこまで高いわけではありませんが、残像感が少なかったので、動きの速いFPS/TPSゲームなどもやりやすいです。また、色域が広いため、画像編集や動画編集などのクリエイティブ作業にも適しています。

DCI-P3 100%のOLEDディスプレイ
画像編集や動画編集などにも最適なディスプレイ

 

14.0型とは思えない臨場感のあるサウンド

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズは、サウンドも良いです。キーボード左右、背面の左右に0.8W x2、1W x4の計6つのスピーカーを内蔵しており、14インチの小型PCのスピーカーにしては、非常にクリアで重厚感のあるサウンドです。

モンハンワイルズをプレイしたところ、環境音が立体的に聞こえてきて、その臨場感に驚きました。音量も大きいので、冷却ファンの動作音もそれほど気になりません。クリアなサウンドなので、音楽や映画を楽しむのにも良いと思います。

クリアで重厚感のあるサウンド
6つのスピーカーを内蔵

 

スラッシュイルミネーション

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズの天板には、斜めの鏡面の模様が入っています。

この模様は、アニメーションで光らせることができます。CNC加工されたアルミニウムボディと相まって、かっこいいデザインです。

背面のライティング
ライティング設定

 

各用途の快適度

ROG Zephyrus G14 GA403の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
大きな画面で、スペックも高く、快適に作業可能です。
動画鑑賞 大きく、色鮮やかなディスプレイで、スピーカー音もいいので、動画鑑賞も快適です。
RAW現像
画像編集
色域の広いディスプレイで、スペックも高いので、画像編集系の作業も快適です。
動画編集 CPU、GPUともに性能が高く、ディスプレイもDCI-P3カバー率100%と広色域なので、動画編集にも適しています。
ゲーム 非常に高いグラフィック性能で、CPU性能も高く、高リフレッシュレートに対応し、ゲームも快適です。

 

ディスプレイのチェック

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズのディスプレイのチェックです。

前述の通り、広色域で120Hzの有機EL(OLED)ディスプレイを搭載し、ゲームにもクリエイティブワークにも使える品質です。2880x1800ドットと解像度も高いです。

その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトで計測した色域は、下表の通りで広いです。最大輝度は、当サイトの計測では373cd/m2と高めです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 96.7%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も揃って1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

仕様はグレアパネルですが、ハーフグレアのような表面で、色に艶感がありつつも、映り込みはある程度低減されています。

画面への映り込み

後日掲載予定

 

残像

「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、120Hzのディスプレイで1フレーム前くらいまでの残像がありました。普通のノートPCの液晶は60Hzで、2~3フレーム前くらいまで残像があります。このことから、一般的なノートPCの液晶よりも、残像感が少ないことが分かります。

「UFO Test」のサイトのGhosting Testを実行( 画面のリフレッシュレートに合わせてUFOが左から右へ移動)し、速いシャッタースピード(1/2000)で撮影したときの画像。

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.4mmでした。普通の数値です。キーサイズは、「半角/全角」、「Backspace」、「\」のキーがやや小さいです。キートップは若干湾曲しています。実際にタイピングしてみた感覚としては、普通の打ち心地です。

テンキーは搭載されていません。

タッチパッドの使いやすさは、普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトが搭載されています。

キーボードバックライト
ライティング設定

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

本製品では、下図のように動作モードを変更することができます。

ここでは、「パフォーマンス」モードと、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」モードで計測したベンチマークの結果を掲載します。

動作モード

 

CPU

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズは、Ryzen AI 9 HX 370のCPUを搭載しています。

CINEBENCH 2024の結果は以下の通りで、マルチコア性能も、シングルコア性能も高めです。ゲームもクリエイターソフトも快適に動作する性能です。なお、「Turbo」モードにするとスコアがアップします。

CINEBENCH 2024
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen AI 9 HX 370
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core Ultra 9 275HX 2202
Core i9-14900HX 1748
Ryzen AI Max+ 395 1565
Core i7-14700HX 1313
Ryzen AI 9 HX 370 1267 [Turbo]
1196 [パフォーマンス]
Snapdragon X Elite X1E-78-100 1104
Ryzen 9 8945HS 919
Ryzen 7 8845HS 919
Core i5-13450HX 886
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 255H 834
Core Ultra 7 155H 825
Ryzen 7 8840HS 785
Core Ultra 5 125H 669
Ryzen 7 8840U 618
Core Ultra 7 258V 603
Core Ultra 5 125U 572
Core 5 120U 558
Ryzen 5 8540U 500
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core Ultra 9 275HX 137
Core i9-14900HX 128
Core i7-14700HX 126
Core Ultra 7 255H 126
Core Ultra 7 258V 121
Ryzen AI 9 HX 370 118 [Turbo]
118 [パフォーマンス]
Ryzen AI Max+ 395 116
Core i7-13700H 114
Core 5 120U 110
Snapdragon X Elite X1E-78-100 107
Ryzen 9 8945HS 106
Ryzen 7 8840U 104
Core Ultra 7 155H 103
Core i5-13450HX 101
Ryzen 7 8845HS 101
Core Ultra 5 125H 101
Ryzen 5 8540U 100
Ryzen 7 8840HS 98
Core Ultra 5 125U 94
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

グラフィックス

グラフィックスには、最新世代のRTX 5070 Ti Laptopを搭載しています。

NVIDIAのシステム情報で確認した最大グラフィックスパワー

 

3Dmarkのスコアはご覧の通りです。従来のGeForce RTX 4070よりも、約20%高いスコアが出ていました。薄型・小型ボディの製品ですが、性能は非常に高いです。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 5090 Laptop 175W 24493
RTX 4090 Laptop 175W 21897
RTX 5080 Laptop 175W 20825
RTX 4080 Laptop 175W 18822
RTX 5070 Ti Laptop 120W 15341 [Turbo]
14280 [パフォーマンス]
RTX 4070 Laptop 140W 12545
RTX 4060 Laptop 140W 10665
RTX 4060 Laptop 65W 8829
RTX 4050 Laptop 105W 8469
RTX 3050 Ti Laptop 95W 6063
RTX 3050 Laptop 75W 5102
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
3DMark Steel Nomad
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU
他のグラフィックスとの比較
RTX 5090 Laptop 175W 5898
RTX 4090 Laptop 175W 4919
RTX 5080 Laptop 175W 4754
RTX 5070 Ti Laptop 120W 3525 [Turbo]
3138 [パフォーマンス]
RTX 4060 Laptop 140W 2714
RTX 4060 Laptop 140W 2339
RTX 4050 Laptop 140W 1879
RTX 4050 Laptop 50W 1466
RTX 3050 Laptop 95W 1178
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

続いてDLSSの機能を3DMarkのソフトを使ってテストします。DLSSをオフにしたときと、DLSS(超解像技術およびフレーム生成)をオンにしたときのフレームレートを掲載します。

GeForce RTX 5070 Ti Laptopは、マルチフレーム生成(4x)に対応しているので、従来のRTX 4090 Laptopのフレーム生成(2x)よりも、フレームレートを伸ばすことができます。

3DMark NVIDIA DLSS feature test
~ DLSSの機能テスト ~
他のグラフィックスとの比較
RTX 5090 Laptop 235 fps [DLSS4 FG 4x]
138 fps [DLSS4 FG 2x]
35 fps [DLSS OFF]
RTX 5080 Laptop 199 fps [DLSS4 FG 4x]
115 fps [DLSS4 FG 2x]
29 fps [DLSS OFF]
RTX 5070 Ti Laptop 144 fps [DLSS4 FG 4x]
85 fps [DLSS4 FG 2x]
21 fps [DLSS OFF]
RTX 4090 116 fps [DLSS3 FG 2x]
30 fps [DLSS OFF]
※DLSS有効時のDLSS Super Resolutionは「Performance」に設定
※ FG:Frame Genaration

 

GPU-Zで確認した情報は次の通りです。「Turbo」モードにすることで、GPUクロック数が上がっています。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージには、1TBのSSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
6585
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

micro SDカードスロットの速度も高速です。カードを挿入した際の出っ張りはありませんが、その代わり、抜き差しがしにくいです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

本製品は、GPUモードを変更することができます。「スタンダード」にすると、iGPUとdGPUを切り替える"Optimus"と、常にdGPUから出力する"NVIDIA GPU"を、状況に応じて切り替えます。「Ultimate」にすると、常に"NVIDIA GPU"(いわゆるディスクリートモード)が有効になります。

普段なら「Ultimate」で計測するところですが、タイトルによってはうまくパフォーマンスが出ない場合があったので、ここでは「スタンダード」で計測しています。

GPUモード

 

いくつかのゲームで計測した平均フレームレートを掲載します。ここでは、解像度は基本的に1920x1200と2880x1800で計測しています。なお、2880x1800に対応していないタイトルでは2560x1600で計測しています。

1920x1200解像度であれば、重いゲームでも高い設定で快適にプレイすることができます。モンハンワイルズだと、ベンチマークソフトではフレーム生成がオフでも平均60 fps以上出ていますが、実際にプレイした感じでは、フレーム生成を有効にした方がいいでしょう。そうすれば、負荷が重い「緋の森」でも、ウルトラ設定で快適にプレイ可能です。

2560x1600や2880x1800解像度になると、重いゲームでは60 fpsを下回るタイトルが多いですが、こちらもフレーム生成を有効にすることで、高いフレームレートで動作するようになります。

以下のゲームのフレームレートについて
平均フレームレートを掲載しています
W(ワット):最大グラフィックスパワー
 :レビュー機で計測したスコア
重い部類のゲーム
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
解像度 品質 フレーム生成OFF フレーム生成ON
1920x1200 最低 78 fps 153 fps
77 fps 147 fps
ウルトラ 71 fps 121 fps
2560x1600 最低 77 fps 142 fps
75 fps 126 fps
ウルトラ 63 fps 96 fps
他のGPUとの比較(2560×1600、ウルトラ、フレーム生成ON)
RTX 5090 Laptop 175W 148 fps
RTX 5080 Laptop 175W 138 fps
RTX 4090 Laptop 175W 129 fps
RTX 5070 Ti Laptop 120W 96 fps
重い部類のゲーム
モンハンワイルズ -緋の森「タマミツネ戦」- (実際にプレイ)
解像度 品質 フレーム生成ON
1920x1200 最低 113 fps
103 fps
ウルトラ 74 fps
2560x1600 最低 106 fps
88 fps
ウルトラ 64 fps
パルワールドアイコン
重い部類のゲーム
黒神話:悟空 ベンチマーク
解像度 品質 フレーム生成OFF フレーム生成ON
1920x1200 168 fps 202 fps
102 fps 136 fps
最高 51 fps 80 fps
2880x1800 133 fps 153 fps
75 fps 101 fps
最高 39 fps 60 fps
※DLSS SR:低→40(パフォーマンス)、高→55(バランス)、最高→65(クオリティ)
パルワールドアイコン
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー16
解像度 品質 フレーム生成OFF フレーム生成ON
1920x1200 101 fps 170 fps
81 fps 137 fps
ウルトラ 69 fps 121 fps
2880x1800 74 fps 116 fps
57 fps 93 fps
ウルトラ 46 fps 80 fps
※DLSS SR:低→パフォーマンス、高→バランス、最高→クオリティ
パルワールドアイコン
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー7 リバース
解像度 品質  
1920x1200 115 fps
100 fps
85 fps
2880x1800 71 fps
63 fps
55 fps
アイコン
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 平均fps
1920x1080 軽量品質 183 fps
高品質 131 fps
2560x1440 軽量品質 165 fps
高品質 99 fps
他のGPUとの比較(2560×1600、高品質)
RTX 5090 Laptop 175W 161 fps
RTX 4090 Laptop 175W 153 fps
RTX 5080 Laptop 175W 143 fps
RTX 5070 Ti Laptop 120W 99 fps
アイコン
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
解像度 品質 平均fps
1920x1200 標準(ノート) 147 fps
最高品質 128 fps
2880x1800 標準(ノート) 114 fps
最高品質 82 fps
アイコン
軽い部類のゲーム
Apex Legends
解像度 品質 平均fps
1920x1200 低設定 298 fps
高設定 230 fps
2880x1800 低設定 230 fps
高設定 143 fps
※トレーニングモードで計測

 

DLSS4対応ゲームを試す

GeForce RTX 5070 Ti は、DLSS4 マルチフレーム生成に対応しているのも強みです。

下表は、DLSS4に対応したサイバーパンク2077の平均フレームレートです。マルチフレーム生成「4x」を有効にしたときのフレームレートも掲載します。「4x」にすることで、1つのフレームから3つのフレームが追加で生成されます。フレーム生成をOFFにしたときと比べるとかなりフレームレートが上昇しているのが分かります。

GeForce RTX 4090 Laptopは「2x」まで(1フレームにつき1枚のフレームの追加)しかフレームを生成できないので、RTX 5070 Ti で「4x」のマルチフレーム生成なら、RTX 4090に迫るスコアを出すことができます。

アイコン
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
解像度 品質 フレーム生成
OFF
フレーム生成
2x
フレーム生成
4x
1920x1200 ウルトラ 112 fps 187 fps 312 fps
レイトレ:オーバードライブ 45 fps 78 fps 144 fps
2560x1600 ウルトラ 81 fps 126 fps 205 fps
レイトレ:オーバードライブ 28 fps 53 fps 95 fps
他のGPUとの比較(2560×1600、レイトレ:オーバードライブ)
RTX 5090 Laptop 175W 172 fps [フレーム生成 4x] 97 fps [フレーム生成 2x] 55 fps [フレーム生成 OFF]
RTX 4090 Laptop 175W 97 fps [フレーム生成 ON] 54 fps [フレーム生成 OFF]
RTX 5080 Laptop 175W 158 fps [フレーム生成 4x] 88 fps [フレーム生成 2x] 48 fps [フレーム生成 OFF]
RTX 5070 Ti Laptop 120W 95 fps [フレーム生成 4x] 53 fps [フレーム生成 2x] 28 fps [フレーム生成 OFF]

 

クリエイターソフトの処理時間

次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Lightroomのイメージ画像

SSDの速度が速いこともあり、現像時間は速いです。現像処理自体も、特にストレスなく行うことができます。

Core Ultra 9 275HX
RTX 5090(175W)
17秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core Ultra 9 275HX
RTX 5080(175W)
19秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-14900HX
RTX 4090(175W)
26秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen AI Max+ 395 26秒
Ryzen AI 9 HX 370
RTX 5070 Ti (120W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-14900HX 39秒
Ryzen AI 9 HX 375 49秒
Ryzen AI 9 HX 370 57秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Apple M3 69秒
Core Ultra 7 155H 72秒
Core Ultra 7 258V 73秒
Core Ultra 5 125H 75秒
Ryzen 7 8845HS 77秒
Ryzen 7 8840HS 81秒
Ryzen 7 8840U 87秒
Ryzen 5 8540U 102秒
Core Ultra 5 125U 103秒
Core i5-1335U 128秒
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Proによる書き出し時間
Premiere Proのイメージ画像

Premiere Proでの4K動画の書き出し速度も速いです。動画編集自体も快適に行えます。

4K動画の書き出し
Core Ultra 9 275HX
RTX 5090(175W)
2分26秒
 Core Ultra 9 275HX
RTX 5080(175W)
2分54秒
Ryzen AI 9 HX 370
RTX 5070 Ti (120W)
2分54秒
Core i9-14900HX
RTX 4090 (175W)
3分34秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 8 によるx265エンコード時間
TMPGEncのイメージ画像
ソフトウェアエンコード(x264)

CPUのみで実行するx264エンコードもそこそこ速い書き出し速度です。

Core Ultra 9 275HX 1分37秒
Core i9-14900HX 2分28秒
Ryzen AI 9 HX 370 2分53秒
ハードウェアエンコード

NVENCを使ったハードウェアエンコードについては、従来のGeForce RTX 4090 Laptopより速い書き出し時間です。

Core Ultra 9 275HX
RTX 5090(175W)
1分08秒 (NVENC)
Core Ultra 9 275HX
RTX 5080(175W)
1分08秒 (NVENC)
Ryzen AI 9 HX 370
RTX 5070 Ti (120W)
1分18秒 (NVENC)
Core i9-14900HX
RTX 4090 (175W)
1分22秒 (NVENC)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Blender Benchmarkによるレンダリング時間
GeForce RTX 5070 Ti Laptopで実行
Blender Benchmark Score
RTX 5090 Laptop 175W 8408
RTX 4090 Laptop 150W 8067
RTX 5080 Laptop 175W 6708
RTX 4080 Laptop 175W 6072
RTX 5070 Ti Laptop 120W 4592
RTX 4070 Laptop 110W 3908
RTX 4060 Laptop 100W 3636
RTX 4050 Laptop 105W 2775
RTX 3050 Laptop 95W 1151

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.57kg」と記載されており、実測値もほぼ同じです。外部GPUを搭載しているノートPCとしては非常に軽いです。ACアダプターを含めても約2.1kgです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.575kg
ACアダプター 570g

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

 

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときの、CPUの温度を確認しました。

デフォルトTDPが28WのCPUを搭載していますが、「パフォーマンス」モードでは、67Wから徐々に下がっていき、46W~48Wの高めのCPU電力が出ています。CPU温度は94℃と高いです。

「Turbo」モードでは、74Wから徐々に下がっていき、58W辺りで推移し、高いCPU電力です。こちらもCPU温度は95℃とかなり高く、ちょっと心配になる温度です。ただ、100℃までは達していないので、長時間このような負荷をかけなければ大丈夫でしょう。

  • パフォーマンス時
  • Turbo時
CPU電力&CPU温度
CPU電力&CPU温度

 

ゲーム時のCPU温度、GPU温度

ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中の大まかなCPU温度と、GPU温度の推移を下に示します。

「パフォーマンス」モードでは、CPU温度は80℃台前半から90℃台前半を上下し、おおよそ94℃辺りと高い温度です。GPU温度は85℃で推移しており、こちらもやや高めです。

「Turbo」モードでは、CPU温度はこちらも80℃台前半から90℃台前半を上下し、おおよそ95℃辺りと高い温度です。GPU温度は85℃で推移しており、こちらもやや高めです。

どちらのモードでもCPU温度、GPU温度ともに高めの温度です。長時間ゲームをプレイしてみたところ、発熱による急激なパフォーマンスの低下は見られませんでしたが、数年使った場合に故障しないか、ちょっと心配です。

  • パフォーマンス時
  • Turbo時
CPU温度&GPU温度
CPU温度&GPU温度

 

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時は、ファンが動作していないと、ほぼ無音です。ゲーム時はそれなりにうるさいです。ヘッドホンをすればそこまで気にはなりません。

騒音値
アイドル時 FF15ベンチ時
(パフォーマンス)
FF15ベンチ時
(Turbo)
約30dB 約52dB 約54dB
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
【PCの状態】
アイドル時:アイドル時
FF15ベンチ時:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

ゲームなど、高い負荷のかかる作業をすると、キーボード中央辺りは熱く感じます。WASDキーの温度はそれほど上がりませんが、パームレスト部分はやや熱を感じます。ただ、14型の薄型ノートPCとしては、まだマシなほうです。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

高性能なパーツを搭載しているので高い消費電力です。

消費電力
アイドル時 FF15ベンチ時
(パフォーマンス)
FF15ベンチ時
(Turbo)
約30W 約180W 約189W
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ROG Zephyrus G14 GA403シリーズの外観のチェックです。

エクリプスグレーとプラチナホワイトの2つのカラーがあり、今回はプラチナホワイトのカラーです。

スマートな見た目で高級感があります。

 

天板には斜めの鏡面のラインが入っており、洗練されたデザインです。前述したように、アニメーションパターンで点灯させることも可能です。

 

高さは15.9~18.3mmとなっており、ゲーミングノートPCとしては非常に薄いです。

 

約207万画素のFHDカメラを搭載しています。IRカメラも搭載し、顔認証でログインすることも可能です。

 

側面のポート類は下図の通りです。USB-C、フルサイズUSB、microSDカード、HDMIなどがあります。USB-Cは、USB4とUSB3.2 Gen2です。LANポートは非搭載です。

 

ヒンジが開く角度はご覧の通りです。テーブルの上にPCを置いてゲームをする分には十分な角度です。

 

底面には通気口が多く設けられています。

 

底面カバーを開けたときの画像は下の通りです。なお、今回は貸出機ですので、一部部材は量産品と違う可能性があります。

2024年モデルでは3基の冷却ファンが搭載されていましたが、最新モデルでは2基の冷却ファンと、4本のヒートパイプになりました。

メモリはオンボードで換装することはできません。

 

M.2 SSDは、Type 2280です。空きのM.2スロットは見当たりませんでした。

 

ACアダプターの容量は200Wで、薄型なので持ち運びしやすいと思います。

 

まとめ

以上が、ROG Zephyrus G14 GA403シリーズのレビューです。

Ryzen AI 9 HX 370に最新世代のGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを搭載し、薄型・軽量ながらも非常に高いパフォーマンスのゲーミングノートPCです。

1920x1200解像度であれば、重いゲームでも高い設定で快適にプレイすることができます。フレーム生成を有効にすることで、2560x1600や2880x1800解像度でも快適にプレイできるでしょう。また、サイバーパンク2077などの対応するタイトルであれば、マルチフレーム生成を活用することで、飛躍的にフレームレートを伸ばすこともできます。

ディスプレイには、2880x1800ドットの有機ELディスプレイを搭載し、高精細で色鮮やかな映像でゲームやクリエイティブワークをすることが可能です。

出張先でゲームをしたい方、外出先で動画編集など負荷のかかる作業をしたい方などに適しています。

また、内蔵するスピーカーも、14.0型にしてはクリアで重厚感のあるサウンドです。

デザインもアルミニウム+CNCユニボディで高級感があり、天板のスラッシュイルミネーションも個性的です。

ただし、薄型のボディに高性能パーツを詰め込んでいるため、高負荷時のCPUおよびGPU温度は高めです。また、表面温度も高めですが、14型の高性能ゲーミングノートPCとしては、抑えられているほうだと思います。

 

持ち運べる高性能ゲーミングノートPC

ASUS ROG Zephyrus G14 GA403WR(2025)

特徴

  • GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU搭載
  • 高いスペックで重さ1.57kg、最薄部15.9mm
  • DCI-P3 100%のディスプレイ
  • クリアで重厚感のあるサウンド

こんなあなたに

  • 外出先でもゲームをしたい方
  • 外出先でもクリエイティブワークをしたい方
  • エクリプスグレー45万円台~
  • プラチナホワイト41万円台~

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