※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

ASUS Zenbook DUO UX8406MAの実機レビュー

更新日:
CPU Core Ultra 9 185H
メモリ 32GB LPDDR5x
ストレージ 1TB SSD
液晶サイズ 14型 16:10
液晶種類 2880x1800 OLED x2
質量 本体:約1.35kg
キーボード込:約1.65kg
バッテリー 最大 約16.6時間 (75Wh)
価格[税込] 34万円台~
これが本当のデュアルディスプレイノートPC

Zenbook DUO UX8406MAは、2.8K有機ELディスプレイを2つ備えた、画期的なノートPCです。

高解像度、広色域の14型有機ELを2つ搭載した広いワークスペースで、移動先でも生産性の高い環境で作業ができます。

CPUには、Core Ultra 9 185Hを搭載し、マルチタスクも、軽めのクリエイティブな作業も快適にこなすことができます。

インパクトのある見た目ですが、際物ではなく、非常に実用的な製品です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core Ultra 9 185H、32GBメモリ、1TB SSD

 

目次

お忙しい方は、「 Zenbook DUO UX8406MAの特徴」のみお読みください。

 

Zenbook DUO UX8406MAの特徴

デュアルディスプレイによる生産性の高い作業環境

Zenbook DUO UX8406MAは、14型の2.8K有機ELディスプレイを2つ搭載した新しいタイプのノートPCです。

ZenBook DUOシリーズでは、これまでも2つのディスプレイを搭載していましたが、メインディスプレイ+サイズの小さいサブディスプレイという構成でした。一方、最新モデルでは同じ14型ディスプレイを2つ搭載し、キーボードはBluetoothキーボードとすることで、本当の意味でのデュアルディスプレイを実現しています。

本当のデュアルディスプレイ

 

デュアルディスプレイの最大の利点は、外出先や出張先でも、最大19.8型の広いワークスペースで作業を行うことができる点です。効率よく作業を行うことができるので、生産性が上がります。

1画面をメイン作業用にし、もう一方の画面には参考情報や、フォルダを表示して、マルチウィンドウで作業を行うことができます。ウィンドウ表示を切り替える必要がなく、移動先で、手軽にデュアルディスプレイで作業できるのは便利です。

キックスタンドは、無段階で角度を調整することができます。思った以上に安定感があり、下側のディスプレイをタッチで操作しても揺れるようなことはありませんでした。

縦方向のデュアルディスプレイ
背面からの様子

 

横に2つのディスプレイを並べたスタイルにすることもできます。ウェブページのような縦長のコンテンツを、並べて表示することができます。ネットで情報を調べながら、Wordで資料をまとめていく、といった作業を快適に行うことができます。

なお、このスタイルでは、画面の角度を調整することはできません。

横方向のデュアルディスプレイ
背面からの様子

 

デュアルディスプレイなら、モバイルノートPC+モバイルモニターでもいいと思うかもしれませんが、縦方向に2つのディスプレイを並べるためには、別途スタンドなども持ち運ぶ必要があります。また、横方向に2つのディスプレイを並べるというスタイルで使うのは厳しいです。また、モバイルモニター側も充電しておく必要があったり、ケーブルでつなぐ必要があったりと、手間がかかります。

Zenbook DUO UX8406MAであれば、移動先ですぐにデュアルディスプレイで作業をすることができ、非常に手軽です。個人的にも、かなり使いやすいと感じました。質量は約1.65kg(Bluetoothキーボード込み)と、モバイルノートPCと比べると重いですが、デュアルディスプレイであることを考えると軽いです。

価格は安くないものの、生産性をあげたいユーザーにとっては、検討する価値が十分あるでしょう。

 

ラップトップ形状など自由なスタイルで使える

Zenbook DUO UX8406MAは、デュアルディスプレイのスタイルで使用するときに特徴を一番生かすことができます。それでも、シングルディスプレイで十分という場面もあります。そのような時は、一般的なラップトップPCスタイルで使用することができます。

ラップトップPCスタイル

 

下側のディスプレイの上にBluetoothキーボードを重ねると、ラップトップPCスタイルになります。この時、Bluetoothキーボードはコネクターで本体と接続され、充電も行われます。

キーボードのコネクター

 

Bluetoothキーボードを載せたラップトップPCの形状のまま閉じて、持ち運ぶことができます。

Bluetoothキーボードを挟んだまま閉じることができる

 

その他に、フラットにして対面する相手に画面をシェアすることもできますし、Bluetoothキーボードを外していても、仮想キーボードで疑似的なラップトップPCとして使うこともできます。

フラットスタイル
仮想キーボードでのラップトップPCスタイル

 

なお、Bluetoothキーボードなしで閉じると隙間ができますが、ディスプレイ側が割と頑丈に作られているので、加圧しても壊れそうな感じはしません。また、本体だけであれば、約1.35kgと軽くなります。ただし、Bluetoothキーボードがあった方が、デュアルディスプレイのメリットがより発揮されるので、基本的にBluetoothキーボードも一緒に持ち運ぶ方がいいと思います。

Bluetoothキーボードなしでも閉じることができる

 

高解像度・広色域の有機ELディスプレイ

デュアルディスプレイという、ディスプレイの数に注目が行きがちな機種ですが、それぞれのディスプレイの質の高さも特徴的です。

ディスプレイは2つとも同じもので、画面比16:10、2.8K、120Hzの有機ELディスプレイです。解像度が高いことに加えて、色域も非常に広く、有機ELらしく黒の表現力も高いです。色鮮やかで、非常に美しい表示が可能なので、画像・映像の表示や、編集作業などにも適しています。

高解像度・広色域の有機ELディスプレイ

 

Core Ultra 9 185H搭載

Zenbook DUO UX8406MAは、インテルの最新CPUである「Core Ultra Hシリーズ」の中でも最上位に位置する、Core Ultra 9 185H(PBP:45W、最小保証電力:35W)を搭載しています。

CPUの処理性能を測るベンチマークの結果は、下のグラフの通りです。

本機器では、最小保証電力とほぼ同じ約35WのCPU電力でCore Ultra 9 185Hを動作させていました。そのため、Core Ultra 7 155Hよりベンチマークスコアが低く、Core Ultra 9 185Hとしてはやや控えめなパフォーマンスです。それでも、Core i5-12500Hを超えるスコアが出ていたので、普通のノートPCよりは高い処理性能を備えています。複数のウィンドウを表示して作業する場合でも、快適に動作するでしょう。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i7-13700H 17622
Core Ultra 7 155H 14073
Core Ultra 9 185H 13479
Core i5-12500H 13213
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 7 7735U 10122
Core i7-1360P 9720

 

グラフィックスはCPU内蔵です。ベンチマークテストでは、GeForce MX550を超えるスコアが出ており、CPU内蔵グラフィックスとしてはトップクラスの高い性能を備えていました。

このぐらいの性能があれば、複雑な処理をするのでなければ、FHD動画の編集などにも十分対応できると思います。

3DMark Night Raid(グラフィックススコア)
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 9 185H
Intel Arc GPU
36583
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
GeForce MX550 35717
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M
28714
Core i7-1360P
Intel Xe GPU
21897

 

また、Core Ultra Hシリーズでは、NPUを搭載し、AI性能も向上しています。アプリ側の対応が進めば、AIを活用した機能の速度向上も期待できると思います。

 

ペンでのイラスト制作がしやすい

Zenbook DUO UX8406MAには、ASUS Pen 2.0が付属しており、ペンを使った手書きメモや、スケッチなどが可能です。

ペンの性能は、最大4,096段階の筆圧感知レベルに対応しており、USB-Cで充電することができます。

付属のASUS Pen 2.0
USB-Cで充電が可能

 

実際に、ASUS Pen 2.0を使ってイラストを描いてみましたが、やや滑るタイプのペン先で、まずまずの描き心地でした。また、デュアルディスプレイの特徴を生かし、上のディスプレイには全体像を表示し、下のディスプレイには拡大図を表示して作業を行うことができるので、便利です。

なお、ASUS Pen 2.0は、MPP2.0対応のペンなので、同じ規格であれば他社製のペンも使用することができると思います。

デュアルディスプレイでイラスト制作がしやすい

 

概要動画

概要を説明した動画も作成しています。こちらもご覧ください。

 

各用途の快適度

Zenbook DUO UX8406MAの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
デュアルディスプレイによる広いワークスペースで、非常に快適に作業することができます。
動画鑑賞 有機ELディスプレイによる色鮮やかな映像で、快適に動画が視聴できます。
RAW現像
画像編集
Core Ultra 9 185Hを搭載し、外出先でのRAW現像や画像編集に適しています。2つあるディスプレイはどちらも広色域の有機ELディスプレイなので、効率よく作業することができます。
動画編集 △~○ ディスプレイの色域は広く、申し分ありません。内蔵グラフィックスとしては高めの性能なので、複雑な処理をするのでなければ、FHD動画の編集をある程度快適に行えます。ただし、4K動画の編集など、本格的な動画編集を行いたい方は、GeForce RTXシリーズを搭載した機種がおすすめです。
ゲーム △~○ 軽いゲームであれば、画質を落とすことでプレイすることができるものもありますが、ゲーム向きの製品ではありません。ゲームがメインであれば、GeForce RTXシリーズの外部GPUを搭載したゲーミングノートPCがおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Zenbook DUO UX8406MAのディスプレイのチェックです。

2つあるディスプレイのパネルは、どちらとも「ATNA40CU06-0」で同じでした。

それぞれ、14型、2880x1800解像度、120Hzの有機ELディスプレイです。広いワークスペースで、効率よく作業を行うことができます。非常に色域が広く、解像度も高いので、クリエイティブな作業にも適しています。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトで計測した色域は、下表の通りで、非常に広いです。最高輝度は、当サイト計測で363nitとやや高めでした。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 99.9%
Adobe RGBカバー率 95.9%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、ほぼ1:1の直線になっており、自然な発色です。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢ディスプレイですが、若干映り込みは抑えらえており、ハーフグレアに近いです。ギラつきも感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。有機EL特有のフリッカーが検出されました。約474Hzとやや低めの周波数なので、敏感な方は目が疲れやすくなるなど、影響を感じるかもしれません。なお、「MyASUS」のOLED フリッカーフリーディミングを使って輝度を下げると、ちらつきは低減されます。

PWM調光の有無の確認(輝度100)
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
OLED フリッカーフリーディミング

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

Bluetoothキーボード

まず、付属のBluetoothキーボードです。実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.4mmでした。普通の数値です。

主要なキーのサイズが揃っています。「半角/全角」キーや、「Backspace」キーのサイズも大きめです。全体としては、普通の打ちやすさのキーボードです。

「\」キーはかなり小さいです。一般的にはあまり使わないキーですが、NASへのアクセスなどにこのキーをよく使う方は注意しましょう。

タッチパッドの使いやすさも、普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトが搭載されています。

キーボードバックライト

 

Bluetoothキーボードの背面にはドックポートがあり、下側のディスプレイに乗せると、本体側のドックコネクターを通して、Bluetoothキーボードの充電を行うこともできます。

 

Bluetoothキーボードの左側面には、スイッチや、USB-Cポートがあり、このUSB-Cポート経由でBluetoothキーボードを充電することもできます。

 

仮想キーボード

次に、仮想キーボードを紹介します。

Windowsは標準でソフトウェアキーボードが使えますが、ASUS専用の仮想キーボードの方が使いやすいと思います。仮想キーボードを使えば、Bluetoothキーボードを一緒に持ち運ぶ必要がないので、軽くなります。

ただ、仮想キーボードは、Bluetoothキーボードと比べると、大分タイピングしにくいので、基本的にはBluetoothキーボードの使用をおすすめします。

Windows標準のソフトウェアキーボード

 

ASUS専用のバーチャルキーボードには、標準の仮想キーボードと、ハーフスクリーンの仮想キーボードがあります。この切り替えは、キーボードの左上のアイコンをタップして行います。

「標準の仮想キーボード」を選択すると、下側のディスプレイ全体がキーボードとタッチパッドになります。

キーボードの切り替え
標準の仮想キーボード

 

「ハーフスクリーンの仮想キーボード」を選択すると、下図のようになります。また、キーボード表示の右上のアイコンで、タッチパッドのあり/なしを選ぶことができます。

ハーフスクリーンの仮想キーボード(タッチパッド無し)
ハーフスクリーンの仮想キーボード(タッチパッドあり)
タッチパッドのON/OFFの切り替え

 

パフォーマンスのチェック

Zenbook DUO UX8406MAのパフォーマンスをチェックします。

本機器は、「MyASUS」アプリの「ファンモード」で動作モードを変更することができます。今回は、デフォルトの「スタンダードモード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンスモード」で計測した、各種ベンチマークの結果を掲載します。

「MyASUS」

 

CPU

Zenbook DUO UX8406MAは、インテル最新の「Core Ultra Hシリーズ」プロセッサーの中でも最上位のCore Ultra 9 185H(PBP:45W、最低保証電力:35W))を搭載しています。

ベンチマークの結果は以下の通りでした。

「スタンダードモード」だと、CPU電力:20W前後で落ち着いていました。PBP:45Wのプロセッサーとしては低いCPU電力のため、マルチコアのスコアはCore Ultra 9 185Hとしては低いです。それでも、Core i7-1370Pと同程度の数値は出ているので、一般的な用途には十分快適に使用することができる処理性能だと思います。

「パフォーマンスモード」では、CPU電力が35W前後で落ち着いていました。Core Ultra 9 185Hを最小保証電力で動作させると、このぐらいの数値になるようです。Core i5-12500Hの代表的なスコアを少し超えており、14型ノートPCとしては十分高めの処理性能を備えていることが分かります。

負荷の高い作業をする場合は、「パフォーマンスモード」に切り替えるといいでしょう。

なお、シングルコアのスコアは十分高めでした。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core Ultra 9 185H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i5-13500H 15302
Core i7-12700H 14546
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core Ultra 9 185H 13479 [パフォーマンスモード]
10320 [スタンダードモード]
Core i5-12500H 13213
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 7 PRO 7840U 11520
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Core i7-1370P 10449
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i5-1335U 8249
Ryzen 3 7330U 5141
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core Ultra 9 185H 1862 [パフォーマンスモード]
1831 [スタンダードモード]
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core Ultra 7 155H 1810
Core i5-13500H 1785
Ryzen 7 7840HS 1764
Ryzen 7 PRO 7840U 1729
Core i5-12500H 1727
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core Ultra 5 125H 1712
Core i7-1370P 1707
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー(Ryzen 5 PRO 7540Uの性能は不明)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Core Ultra 9 185H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Ryzen 9 8945HS 919
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
Core Ultra 9 185H 774 [パフォーマンスモード]
553 [スタンダードモード]
Core i7-1370P 621
Ryzen 7 7730U 575
Core i7-1360P 568
Ryzen 5 7530U 477
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Core Ultra 9 185H 107 [パフォーマンスモード]
106 [スタンダードモード]
Ryzen 9 8945HS 106
Core Ultra 7 155H 103
Core i7-1370P 101
Ryzen 7 7730U 99
Core i7-1360P 85
Ryzen 5 7530U 84

 

メモリ

メモリは、LPDDR5X-7467です。SiSoftware Sandra 2020でメモリの帯域を計測しようとしましたが、正常に計測できなかったので割愛しますが、メモリ帯域は広いはずです。オンボードなので、メモリの増設・換装はできませんが、32GBメモリを搭載しているので、十分な容量だと思います。

メモリの仕様

 

グラフィックス

Zenbook DUO UX8406MAのグラフィックスは、CoreUltra 9 185Hの内蔵グラフィックスで、Intel Arc GPUです。3DMark Night Raidのベンチマークの結果は以下の通りです。

GeForce MX550で計測したスコアを超える数値が出ており、内蔵グラフィックスとしては高い性能です。FHD動画のライトな編集作業など、クリエイティブな作業にもある程度快適に使用することができる性能を備えています。

なお、動作モードを変更しても、グラフィックス性能には大きな差はないようです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core Ultra 9 185H(Intel Arc GPU)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 9 185H
Intel Arc GPU
36583 [パフォーマンスモード]
33750 [スタンダードモード]
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
Core Ultra 5 125H
Intel Arc GPU
35271
GeForce MX550 35717
Ryzen 7 PRO 7840U
Radeon 780M
32792
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M
28714
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-4800
16524
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス(Ryzen 5 PRO 7540Uの性能は不明)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
4971
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットは非搭載です。

 

クリエイターソフトの処理時間

次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。なお、「パフォーマンスモード」で計測しています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

外出先でRAW現像を行うのに十分な速度です。

Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX
RTX 4080 (175W)
47秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900H
57秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 68秒
Core Ultra 7 155H 72秒
Core Ultra 5 125H 77秒
Core i5-13500H 80秒
Core Ultra 9 185H 82秒
Ryzen 7 6800H 82秒
Core i7-1360P 88秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Ryzen 7 PRO 7840U 90秒
Ryzen 5 7530U 115秒
Core i5-1335U 128秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

GeForce MX550の外部GPUを搭載した機種と比べると遅いです。ただ、PhotoshopがNPUに対応すれば、もっと速くなるのではないかと思います。

以下の重い処理は時間がかかります。ただ、Photoshopでの一般的な作業は十分快適に行うことができます。

  Core Ultra 9 185H Core i7-12650H
GeForce MX550
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約5分37秒 約1分58秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約3分56秒 約2分7秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD/30p動画の書き出し速度は速いです。凝ったアニメーションのエフェクトなどをかけたりするのでなければ、FHD動画の普通の編集作業を問題なく行うことができます。

FHD動画の書き出し
Core i7-12650H
GeForce MX550
2分01秒
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core Ultra 5 125H
Intel Arc
2分26秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
2分29秒
Core Ultra 9 185H
Intel Arc
2分31秒
Ryzen 7 PRO 7840U
Radeon 780M
2分32秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分49秒
Core i5-1340P
Intel Iris Xe
3分03秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M
3分51秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cのポートとしては、Thunderbolt 4(データ転送、映像出力、本機への給電をサポート)を2ポート備えています。動作チェックの結果は下表の通りで、今回試した全ての機器を使用することができました。

PD充電器での充電においては、それほど出力が高くない45Wのものでも充電することができていました。ただし、マニュアルには、「本製品付属のACアダプターおよび/または電源コード以外で本機に電力を供給しないでください」と記されていたので、他社製のPD充電器を使う場合は、自己責任となります。

Thunderbolt 4ポート
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
140W アドテック PD3.1充電器
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

HDMI経由で、問題なく4Kモニターに接続できています。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

仕様では、「ノートPC:約1.35kg、ノートPC+Bluetoothキーボード:約1.65kg」となっています。当サイトでの計測結果は下表の通りで、仕様値よりもやや多かったです。

14型のデュアルモニターを備えていることを考慮すると、この質量は軽いです。

ちなみに、14型モバイルモニターは約700g前後なので、モバイルモニター+約1kgのモバイルノートPCを持ち運ぶのと同じくらいの重さになります。

ACアダプターも軽く、一緒に持ち運びがしやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体のみ 1.385kg
PC本体+キーボード 1.703kg
ACアダプター 178g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー容量は、約75Whです。

バッテリー容量

 

今回は、下図のように、ノートPC+Bluetoothキーボードのスタイルで、バッテリー駆動時間を計測しました。

今回のバッテリー駆動時間の計測スタイル

 

バッテリー駆動時間は、ご覧の通りです。軽い負荷だと、(2)の「動画再生」くらいのバッテリー駆動時間になります。

少し負荷のかかる作業を連続して行っても、(3)ぐらいの時間バッテリーで動作するので、高解像度ディスプレイを搭載した機種としては、長めの駆動時間だと思います。なお、デュアルディスプレイのモードの場合、バッテリー駆動時間はもっと短くなるはずです。

バッテリー駆動時間
   PC本体のみ
(デュアルディスプレイ)
PC本体

Bluetoothキーボード
(上図のような形状)
(1) JEITA2.0 約10.9時間  約16.6時間
(2) JEITA3.0 動画再生  約6.6時間 約7.9時間
アイドル時  約10.7時間 約13.0時間
(3) CPU7%、GPU18%の負荷 5時間42分
※画面輝度は約120cd/m2
(1)~(2) メーカー公表値
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラは、約207万画素のFHDカメラを搭載しています。高めの解像度で、比較的自然な色味の画像でした。100%サイズで表示すると若干ノイズがかった部分がありましたが、オンラインミーティング時などはほとんど気にならないと思います。なお、プライバシーシャッターは付いていません。IRカメラは搭載しており、Windows Helloの顔認証に対応しています。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーには、1W x2のスピーカーを背面に内蔵しており、音質はやや良いです。ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

 

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を掲載します。

「スタンダードモード」では、CPU電力は、最初30W前後で動作したのち、20W前後に下がり、そのまま推移しています。CPU温度は、60℃台に落ち着いており、低めの温度です。

「パフォーマンスモード」では、CPU電力は、40W前後→35W前後となっています。CPU温度は80℃前後で落ち着いており、こちらも問題のない温度です。

Core Ultra 9 185Hは、PBP(プロセッサーベース電力):45W、最小保証電力:35Wのプロセッサーなので、どちらのモードでもやや低めの電力設定となっているようです。悪く言えば、思ったほどのパフォーマンスではありませんでしたが、良く言えば、Core Ultra 7 155Hなど、下位のプロセッサーを高めのCPU電力で動作させるよりも、Core Ultra 9 185Hを低めのCPU電力で動作させることで、全体的な温度を抑えつつ、快適に作業ができるパフォーマンスが確保出来ています。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、「スタンダードモード」で計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。エンコードのような高い負荷をかけると動作音は上がりますが、他のノートPCと比べても低めの騒音値でした。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時
左から2番目:Premiere Proでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

今回は、Bluetoothキーボードを下側のディスプレイに載せたラップトップスタイルで計測を行いました。動作モードは、「スタンダードモード」です。高い負荷をかけると、キーボード部分の温度が少し上がり、やや暖かく感じますが、不快というほどではありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご覧下さい。

PBP:45WのCore Ultra 9 185Hを搭載した機種としては、消費電力は低いです。なお、デュアルディスプレイのモードにすると、もう少し消費電力は上がると思います。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Zenbook DUO UX8406MAの外観のチェックです。

Bluetoothキーボードを下側のディスプレイの上に載せると、一般的なラップトップのような見た目になります。米国のMIL規格にも準拠しており、堅牢性が高いので、持ち出して使うのに適しています。

ボディカラーは、インクウェルグレーです。

 

Zenbook DUO UX8406MAが真価を発揮するのは、デュアルディスプレイのスタイルで使用する時です。作業内容に合わせて、縦方向でも、横方向でも、デュアルディスプレイのスタイルで使うことができます。見た目も非常にインパクトがあります。

 

天板には、ASUSのロゴマークのラインが薄く入っています。

 

Bluetoothキーボードをはさんだ状態で、閉じることができます。高さは14.6~19.9mmと、普通のノートPCと同じぐらいのスリムなボディです。

 

Bluetoothキーボード無しの場合は、閉じた時、下図のようになり、少し隙間が空きます。

 

インターフェイスは、以下の通りで、USB3.2 Gen1 Type-A、Thunderbolt 4(映像出力、本機への給電をサポート)x2、HDMIを備えています。

 

電源ボタンは、下側ディスプレイのヒンジの近くに配置されています。

 

ディスプレイヒンジと、底面のキックスタンドの開く最大の角度はご覧の通りです。

 

キックスタンドは無段階で角度を調整することができます。やや固めだったので、見た目よりも安定しており、下図のような形状で下の画面をタッチ操作しても、揺れたり、スタンドが開いていったりすることはありませんでした。

 

横置きの場合、キックスタンドはこのようになります。角度の調整はできません。

 

底面には、小さめの通気孔が設けられています。

 

ACアダプターの容量は65Wです。小型で、軽いので、持ち運びもしやすいです。

 

まとめ

以上が、Zenbook DUO UX8406MAのレビューです。

2.8K有機ELディスプレイを2つ搭載した画期的な14型ノートPCです。Zenbook DUOシリーズの旧モデルを含め、メインディスプレイ+サブディスプレイという構成のノートPCはありましたが、Zenbook DUO UX8406MAは、本当の意味でのデュアルディスプレイ構成となり、外出先でも生産性の高い環境で快適に作業をすることができます。想像以上に便利で、実用的な製品です。

本機器では、デュアルディスプレイを十分に活用できるように、キックスタンドや、Bluetoothキーボードを備えており、用途に合ったモードで使用することができます。縦に2つのディスプレイがつながるスタイルでは、フォルダやアプリを複数同時に表示することで、クリエイター向けソフトでの作業なども快適に行えます。横に2つのディスプレイが並ぶスタイルであれば、ウェブページやWordなど、縦スクロールするアプリを並べて効率よく作業ができます。その他、普通のラップトップPCのスタイルで使うことができますし、フラットスタイルで他の人に画面を見せたり、仮想キーボードを使ったデュアルディスプレイのスタイルなど、色々なスタイルで使うことができます。モバイルノートPC+モバイルモニターの組み合わせよりも、手軽さ、便利さははるかに上です。

2.8K有機ELディスプレイは、高解像、広色域なので、表示が美しく、画像や動画の表示・編集にも適しています。付属のペンを使うと、手書きでのイラスト作成などにも活用することができます。全体像と、拡大図をそれぞれのディスプレイに表示することができるので、イラスト制作にも向いていると思います。

CPUには、インテル最新のCore Ultra 9 185Hを搭載しています。高いCPU電力でパフォーマンスを引き出すような仕様ではありませんが、処理性能は十分高めですし、内蔵グラフィックスとしてはグラフィックス性能も高かったです。マルチタスクや、外出先での画像・FHD動画の一般的な編集作業などにも十分対応することができます。

価格は安くありませんが、作業性の高さを考えると、外で作業をすることが多い方にとっては、十分ペイできるのではないでしょうか。インパクトのある見た目なので、ビジネスシーンでは話のネタにもなりますし、プロフェッショナルなイメージも持ってもらえると思います。

 

これが本当のデュアルディスプレイノートPC

Zenbook DUO UX8406MA

特徴

  • 2.8K有機ELディスプレイ x2で効率よく作業ができる
  • Core Ultra 9 185H搭載
  • ペンでのイラスト制作もしやすい

こんなあなたに

  • 外出先でも生産性の高い環境で作業をしたい方
  • 外出先でクリエイティブな作業をしたい方
  • 価格34万円台[税込]~
公式販売サイトはこちら

 

関連ページ