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ASUS TUF Gaming A16 Advantage Edition(ゲーミングノートPC)の実機レビュー
CPU | Ryzen 7 7735HS |
---|---|
GPU | AMD Radeon RX 7600S |
メモリ | 最大32GB DDR5-4800 |
ストレージ | 512GB PCIe Gen4 SSD |
液晶サイズ | 16.0インチ |
液晶種類 | 1920x1200 165Hz 非光沢 |
質量 | 約2.2kg |
バッテリー | 約11.6時間 (90Wh) |
価格[税込] | 19万円台 |
ASUS TUF Gaming A16 Advantage Editionは、CPU、GPUをAMD製で統一した、珍しい構成が特徴的な16型ゲーミングノートPCです。
ミドルハイクラスのゲーミング性能を備えており、高めの画質で快適にプレイできるゲームが多いです。
画面比16:10の16型液晶は、165Hz駆動に対応しており、色域も広めなので、動きの速いゲームも滑らかな映像でプレイできますし、写真や動画の編集といったクリエイティブな用途にも使えます。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 7735HS、16GBメモリ、AMD Radeon RX 7600S、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「 TUF Gaming A16 Advantage Editionの特徴」のみお読みください。
TUF Gaming A16 Advantage Editionの特徴
CPU・GPUをAMD製で統一したゲーミングノートPC
ASUS TUF Gaming A16 Advantage Editionは、CPUとGPUを最新のAMD製パーツで統一した、特徴的な構成のゲーミングノートPCです。
CPUとGPUをAMD製で統一するメリットは、AMD SmartShiftテクノロジーにより、CPUとGPUの間で電力を動的にシフトさせることができ、処理の内容に合わせて最大のパフォーマンスを発揮することができることです。
具体的には、CPUにRyzen 7 7735HS、GPUにAMD Radeon RX 7600Sを搭載しています。それぞれの大まかな性能については、続く部分で紹介します。
Ryzen 7 7735HSを搭載
ASUS TUF Gaming A16 Advantage Editionの搭載するRyzen 7 7735HSの仕様を、Ryzen 6000シリーズ、Ryzen 5000シリーズの代表的なCPUと比較すると、下表のようになります。
Ryzen 7 6800Hよりも、最大ブーストクロックがわずかにアップしていますが、それ以外はほぼ同じです。
実際のベンチマークテストでも、マルチコア、シングルコアともに、Ryzen 7 6800Hの代表的なスコアとほぼ同じ数値でした。パフォーマンスが飛びぬけて高いということではありませんが、Core i7-12700Hと同程度のマルチコアスコアなので、ゲーミングノートPCとしては、十分な性能です。
ただし、シングルコアの性能は、Core i7-12700Hに及びません。シングルコア性能がパフォーマンスを左右する処理やアプリを使用することが多い場合は、Core i7-12700HのようなインテルCPUを搭載した機種の方が、処理にかかる時間は短いと思います。
Ryzen 7 7735HS | Ryzen 7 6800H | Ryzen 7 5800H | |
CPUアーキテクチャ | Zen 3+ | Zen 3+ | Zen 3 |
コア / スレッド | 8 / 16 | 8 / 16 | 8 / 16 |
基本クロック | 3.2GHz | 3.2GHz | 3.2GHz |
最大ブーストクロック | 4.75GHz | 4.7GHz | 4.4GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB |
TDP | 35-54W | 45W | 45W |
グラフィックス・モデル | Radeon 680M | Radeon 680M | Radeon Graphics |
GPUコア数 | 12 | 12 | 8 |
グラフィックス周波数 | 2200MHz | 2200MHz | 2000 MHz |
ミドルハイクラスのゲーミング性能
ASUS TUF Gaming A16 Advantage Editionは、外部GPUにAMD Radeon RX 7600Sを搭載しています。新しいアーキテクチャRDNA 3がベースとなっているGPUです。海外サイトをチェックすると、GPU電力は最大95W (SmartShift)となっていました。
最新のAMD Radeon RX 7000シリーズの中では下位に位置するGPUですが、ベンチマークでは、最大グラフィックスパワー:130WのGeForce RTX 3060を超えるスコアが出ていました。ミドルクラスのゲーミング性能と言えるでしょう。
画質を調整することで、重い部類のゲームも含めて多くのゲームをある程度快適にプレイすることができます。詳細については、ゲームベンチマーク&フレームレートの部分をご確認ください。
画面比16:10、色域広めの16型液晶を搭載
TUF Gaming A16 Advantage Editionは、画面比16:10、165Hzの16型液晶を搭載しています。ゲーミングノートPCでも搭載されることが増えているサイズの液晶です。
解像度は1920x1200で、FHD液晶(1920x1080)よりも少し縦に広くなっています。1920x1200の表示に対応しているゲームであれば、少し広めの画面表示でゲームをプレイできます。
また、ゲーム以外のウェブ閲覧や、Officeソフトを使った作業などもしやすいです。
なお、4辺狭額縁ベゼル液晶なので、15.6型液晶を搭載した旧モデルのASUS TUF Gaming A15からサイズはほとんど変わることなく、液晶のサイズが少しアップしているのは嬉しいです。
なお、この液晶ですが、当サイト計測でsRGBカバー率97.8%と、広めの色域でした。色鮮やかな映像でゲームをプレイできますし、Web掲載用の写真の編集や、動画の編集といった、クリエイティブな作業にも使いやすいです。
SSDの増設が可能
TUF Gaming A16 Advantage Editionの内部をチェックしてみると、空きのM.2スロットがあり、M.2 SSDの増設ができそうでした。
たくさんのゲームを入れておきたい場合や、動画編集などにも使用する場合など、512GBの既存のストレージでは容量が足りないようであれば、自己責任にはなりますが、ストレージの増設を検討してもいいと思います。
なお、ASUSでは、ユーザーによる増設や交換はサポートしておりません。また、メーカーから借りたサンプル機であるため、一部部材は量産品と違う可能性があります。
メモリの換装が可能
TUF Gaming A16 Advantage Editionは、標準状態で16GBメモリを搭載していますが、仕様では最大32GBとなっています。
内部を見てみると、スロットメモリだったので、メモリの換装が可能です。4K動画の編集を行うなど、用途によっては大容量メモリに換装してもいいと思います(メモリ換装は自己責任です)。
ハードな使用にも耐えるタフボディ
TUF Gaming A16 Advantage Editionは、耐久性や堅牢性の高いタフなゲーミングノートPCです。米国の軍用規格であるMIL-STD 810Hの基準をクリアしており、宅内での移動や、熱の入るハードなゲームにも、安心して使用できます。
また、ゲーミングノートPCとしては、大人しめのデザインなので、日常使いや、仕事用など、ゲーム以外の用途にも使いやすいです。
ASUSのあんしん保証への加入をおすすめ
TUF Gaming A16 Advantage Editionを購入したら、製品購入後30日以内に「MyASUS」に製品登録を行いましょう。製品登録をするだけで、「ASUSのあんしん保証」に加入することができます。
これは、破損・自損など理由を問わず、どんな故障でも部品代の20% +税のみの金額で修理してくれる(1年の間に1回のみ)、というサービスです。自分でメモリ換装や、ストレージ増設をしようとして壊してしまったというような場合もカバーされます。ただし、パーツの増設・換装後に故障した場合、最初のパーツの状態でないと修理が受けられないので、最初のパーツを取っておくようにして下さい。
また、より手厚い保証が受けられる「ASUSのあんしん保証 Premium 3年パック」も用意されており、こちらは14,800円で加入できます。保証期間3年の間(修理は1年間に1回までで3年間)、破損・自損を問わず負担0円で修理対応してもらうことができるので、必要な方はこちらも検討するといいです。詳細はメーカーサイトをご確認下さい。
各用途の快適度
TUF Gaming A16 Advantage Editionの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックと、画面比16:10の16型液晶で、快適に作業できます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 色鮮やかな表示ができる液晶を搭載し、スピーカー音もややよく、快適に動画鑑賞できます。 |
オンライン会議 | ○ | マイク、スピーカー、ウェブカメラを備えており、普通にオンライン会議に参加できます。 |
RAW現像 画像編集 |
○~◎ | 当サイト計測でsRGBカバー率97.8%と、色域が広めなので、この用途にも使いやすいです。RAW現像の速度は、インテルCPU搭載機ほど速くありませんが、速度にこだわらなければ問題なく使用できます。ただし、印刷用の画像編集を行うには、液晶の色域が不足しています。 |
動画編集 | ◎ | AMD Radeon RX 7600Sを搭載しており、4K動画の書き出しも実用的な時間で行えます。液晶の色域も広めなので、色の調整も対応可能です。 |
ゲーム | ◎ | ミドルハイクラスのゲーミング性能と、165Hz駆動の16型液晶を備えており、高めの画質で、快適にプレイできるゲームが多いです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイの詳細なチェックです。
搭載しているパネルは、「BOE0B33」でした。
一般的な15.6型よりも少し大きい16型のサイズで、画面比16:10、解像度1920x1200の液晶を搭載しています。1920x1200の表示に対応しているゲームであれば、FHD解像度よりも少し広い表示でゲームをプレイできます。リフレッシュレートが165Hzと高く、残像も一般的なノートPCより少ないので、動きの速いゲームでも滑らかな画像でプレイすることができます。
また、色域が広めなので、色鮮やかな映像でゲームを楽しめますし、写真や動画の編集といった、クリエイティブな作業にも使用できます。
最大輝度は、当サイトの計測では305cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約30msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に165フレームを更新する165Hzの液晶で3フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCの液晶は60Hzで、1秒間に60フレームしか更新しませんが、2~3フレーム前くらいまで残像がありました。このことから、一般的なノートPCの液晶よりも残像が少ないことになります。動きの速いゲームでも、それほど残像を気にせずにプレイできると思います。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.5mmです。
キートップの中央はわずかにくぼんでいます。主要なキーのサイズが揃っており、「BACKSPACE」キーや、「ENTER」キーのサイズも大きめで押しやすいです。比較的打ちやすいキーボードです。
標準的な4列テンキーも付いています。
タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさは普通です。
イルミネートキーボードです。ただし、色の変更などはできません。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
本製品では、動作モードを変更することができます。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、「ARMOURY CRATE」のソフトから変更します。
ここでは、デフォルトの「パフォーマンス」モードと、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」モードで計測したベンチマークの結果を掲載します。
また、本製品は、外部GPUからの出力をCPU内蔵グラフィックス経由で映像出力する「MSHybrid」モードと、外部GPUから直接映像ポートに出力する「ディスクリート」モードを切り替えることができる、MUXスイッチ機能を備えています。
「ディスクリート」モードであれば、CPU内蔵グラフィックスを経由することで起こる遅延やオーバーヘッドが低減されるので、ゲーム時は、「MSHybrid」モードよりも、フレームレートが少し高くなる場合があります。
この切り替えは、「ARMOURY CRATE」のソフトの「GPUモード」で行います。「Ultimate」を選択すると「ディスクリート」モードになり、「スタンダード」を選択すると「MSHybrid」モードになります。
ここでは、基本的にデフォルトの「スタンダード」モード(「MSHybrid」モード)で計測を行っていますが、一部「Ultimate」モード(「ディスクリート」モード)で計測した結果も紹介しています。
CPU
TUF Gaming A16 Advantage Editionは、AMD Ryzen 7 7735HSを搭載しています。これは、最新のAMD Ryzen 7000シリーズプロセッサーです。ただし、採用しているアーキテクチャはRyzen 6000シリーズと同じZen 3+で、主な仕様はRyzen 7 6800Hとほぼ同じです。
ベンチマークの結果は以下の通りです。
マルチコア、シングルコアともに、Ryzen 7 6800Hと同じようなスコアでした。マルチコアでは、Core i7-12700Hの代表的なスコアと同程度の数値が出ているので、ゲーミングノートPCとしても十分な性能だと思います。
ただし、シングルコアの性能では、Core i7-12700Hに引き離されています。シングルコア性能が動作を左右するアプリを使う場合は、インテルCPUを搭載した機種の方がよさそうです。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリには、DDR5-4800メモリを搭載しています。メモリ帯域はそこそこ広めでした。なお、メモリはスロットメモリなので、換装ができます。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
TUF Gaming A16 Advantage Editionは、グラフィックスにAMD Radeon RX 7600Sを搭載しています。ベンチマークの結果は以下のとおりです。
GeForce RTX 40シリーズの性能が突き抜けていますが、RTX 30シリーズを基準とすると、RTX 3060を超えるスコアが出ており、ミドルハイぐらいのゲーミング性能を備えています。
なお、3DMarkの場合、動作モードを「Turbo」モードに変更したり、GPUモードをディスクリートモード変更しても、スコアは微増程度で、大きな差はありませんでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、速度も速かったです。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク&フレームレート
いくつかのゲームの平均フレームレートを掲載します。他のグラフィックスとも比較していますが、すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。ディスクリートモード(Ultimate)でフレームレートを計測したゲームでは、その数値も載せています。
TUF Gaming A16 Advantage Editionは、AMD Radeon RX 7600Sを搭載し、ミドルハイクラスのゲーミング性能を備えており、重い部類のゲームでも最高画質で60 fps以上出るゲームがありました。また、中程度の重さ~軽めのゲームであれば、高めの画質でも100 fps以上のフレームレートでプレイできるゲームが多いです。
プロクラスを目指すのでなければ、多くのゲームを快適にプレイするのに十分な性能だと思います。
なお、「ディスクリート」モード(Ultimate)にしても、フレームレートの伸びはわずかでした。一般的な用途にも使うのであれば、その都度GPUモードを切り替えるのも面倒なので、「スタンダード」モード(MSHybrid)のままでいいと思います。
重い部類のゲーム
FORSPOKEN(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 120 fps |
中 | 68 fps | |
最高 | 39 fps | |
1920x1200 | 低 | 119 fps |
中 | 67 fps | |
最高 | 38 fps |
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 129 fps |
高 | 100 fps | |
ウルトラ | 88 fps (90 fps) |
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
|
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 195 fps |
最高 | 94 fps | |
エクストリーム | 78 fps (80 fps) |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 149 fps |
標準品質 | 115 fps | |
高品質 | 85 fps (86 fps) |
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 45582 / 163 fps |
高 | 12239 / 78 fps | |
ウルトラ | 8035 / 65 fps (8634 / 66 fps) |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最低 | 137 fps |
中 | 119 fps | |
最高 | 108 fps (113 fps) |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 136 fps |
高(ノート) | 123 fps | |
最高品質 | 114 fps (117 fps) |
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター4 シーズン1]
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フォートナイトについては、レンダリングモードを「DirectX 12」にしたときと、「パフォーマンス - 低グラフィック忠実度」にしたときの平均フレームレートを掲載しました。
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1200 | 低 | 141 fps |
中 | 89 fps | |
高 | 60 fps | |
最高 | 37 fps (38 fps) |
※テンポラルスーパー解像度:ネイティブ
※バトルロワイヤル ソロで計測
解像度 | その他設定 | 平均fps |
1920x1200 | 3D解像度:100% メッシュ:高 描画距離:最高 |
190 fps (198 fps) |
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
|
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 290 fps |
高設定 | 143 fps (144 fps) |
※括弧内のフレームレートは、ディスクリートモード時の数値
軽い部類のゲーム
VALORANT
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 328 fps |
高設定 | 287 fps (309 fps) |
※括弧内のフレームレートは、ディスクリートモード時の数値
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。
シングルコアの性能がそこまで高くないため、RAW現像はCore i7-12700Hなどよりも長めの時間がかかります。それでも、100枚ぐらいのRAW現像であれば問題なく使用できると思います。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
処理に時間のかかるニューラルフィルターを実行しましたが、外部GPUを搭載しているので、「スーパーズーム(x2)」の処理が速かったです。
本製品 | 参考 Core i7-1260P |
|
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約2秒 | 約3秒 |
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) | 約59秒 | 約4分28秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約2分28秒 | 約2分48秒 |
4K動画の書き出しは、インテルCPU + GeForce 30シリーズの場合よりも少し長めの時間がかかるものの、実用的な範囲に収まっています。編集作業も快適に行えます。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPUのみで実行するx265エンコードです。エンコード速度は速いです。
OptiXが使用できないので、Blenderベンチマークのスコアはあまり伸びませんでした。学習レベルであれば、問題ないと思いますが、本格的にBlenderを使いたいのであれば、GeForce RTX系の上位のグラフィックスを搭載した機種の方がいいと思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB-Cポートの動作チェックです。
TUF Gaming A16 Advantage Editionは、USB-Cポートを2ポート備えており、以下のような結果になりました。
奥側のUSB-Cポートは、データ転送と映像出力をサポートしています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― |
手前側のUSB-Cポートは、データ転送、映像出力、本機への給電をサポートしています。USB-Cアダプターでの給電に関しては、45W以上の出力があれば充電できていましたが、「低電圧」との警告が表示されます。USB-Cアダプターで給電する場合は、できるだけ出力が高いものを用意したほうがいいと思います。それでも、ゲームなどの高い負荷がかかる作業をする場合は、USB-Cアダプターでは電力が不足します。ゲーム時などは、付属のACアダプターを接続しましょう。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | △ ※2 | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | △ ※2 | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | △ ※2 | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | △ ※2 | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― |
※2 低電圧との警告が表示
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、YCbCr444で表示できています。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約2.2kg」と記載されています。実測値は以下の通りで、仕様値とほぼ同じでした。16インチクラスのゲーミングノートPCとしてはやや軽めの質量だと思います。ただ、ACアダプターと合わせると約2.9kgぐらいあるので、持ち運びにはあまり適していません。
質量 | |
PC本体 | 2.174kg |
ACアダプター | 737g |
バッテリー駆動時間のチェック
TUF Gaming A16 Advantage Editionのバッテリー駆動時間のチェックです。
90Whの大容量バッテリーを搭載しています。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCですが、大容量バッテリーを搭載していることもあり、動画再生のような負荷の軽い作業であれば、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できます。Web閲覧や、Officeソフトでの作業を短時間行うのであれば、ACアダプターをつながなくてもいいと思います。一方、ゲーム時のバッテリー駆動時間は短いです。ゲームをプレイするときは、ACアダプターに接続することをおすすめします。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約11.6時間 |
(2) 動画再生時 | 10時間00分 |
(3) FF14ベンチ | 1時間29分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は速いです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、物理的なシャッターはありません。また、IRカメラも搭載していないので、Windows Helloの顔認証は使用できません。
Webカメラは、約92万画素のカメラです。細部には粗さがあるものの、ノートPCに搭載されたWebカメラとしては標準的な性能です。比較的自然な色味の画像なので、オンラインミーティングなどにも使用しやすいと思います。
スピーカー
スピーカーは、底面手前側の左右に2Wx2のステレオスピーカーが配置されています。音質は普通~やや良く、ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときの、CPUの大体の温度を確認しました。
「パフォーマンス」モードでは、CPU電力は70W前後で推移し、CPU温度は概ね80℃台に収まっています。
「Turbo」モードでは、CPU電力が80W超へと少しアップするため、CPU温度も約90℃と少し高くなります。
「Turbo」モードでも、実際のパフォーマンスはそれほど変わらず、高負荷時のCPU温度が少し低いので、高い負荷がかかる場合でも「パフォーマンス」モードで使用していいのではないかと思います。
ゲーム時のCPU温度、GPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中の大まかなCPU温度と、GPU温度の推移は下図の通りです。
どちらのモードでも大きな差はなく、CPU温度はほぼ80℃台、GPU温度は80℃前後で推移しています。どちらのモードでも、CPU温度、GPU温度を心配することなくゲームをプレイできると思います。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
「パフォーマンス」モードでは、アイドル時はほぼ無音です。FF15ベンチのような高い負荷がかかると、騒音値が上がり、ゲーミングノートPCとしては標準的なレベルの騒音値になります。「Turbo」モードでも、高負荷時の騒音値には変化がありませんでした。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
ゲームのような高い負荷がかかると、キーボード部分の温度が上がります。ただ、「WASD」キーの付近はそれほど高い温度にはなっていません。また、パームレスト部分は低めの温度に保たれていました。そのため、ゲームやタイピングを行うときに、手のひらの不快感はありませんでした。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご覧下さい。
高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCなので、一般ノートPCよりも高い消費電力です。
外観のチェック
TUF Gaming A16 Advantage Editionの外観のチェックです。
画面占有比が約90%と高いので、16型と大きめのディスプレイですが、すっきりした見た目です。
ボディカラーは、オフブラックです。ゲーム以外の目的にも使いやすいデザインと、カラーだと思います。
天板にはアルマイト処理が施されています。あまり目立たたないように入っている「TUF」のロゴが、かっこいいです。
閉じた時の厚みは22.1~26.8mmです。
インターフェイスは、以下のとおりです。USB3.2 Gen1 x2、USB-C(データ転送と、映像出力をサポートしており、一方は本機への給電にも対応)x2、HDMI2.1b、LANポートを備えています。
ポート類がほぼ左側面にまとめられているので、電源、外部ディスプレイ、LANケーブルをつないでも、マウス操作の邪魔になりません。
液晶の開く最大の角度はご覧の通りです。
底面には、吸気口が設けられています。オレンジラバーがアクセントになっています。
底面カバーを外すと、内部はこのようになっています。2基の冷却ファンと、5本のヒートパイプで、4方向から排気することで、CPUとGPUを冷却しています。
なお、ASUSでは、ユーザーによる増設や交換はサポートしておりません。また、メーカーから借りたサンプル機であるため、一部部材は量産品と違う可能性があります。
メモリスロットが2つあり、メモリの換装が可能です(メモリの換装は自己責任となります)。
シートで覆われていますが、ストレージには、Type 2280 M.2 SSDを搭載していました。
空きのM.2スロットもあります。自己責任となりますが、Type2280 M.2 SSDを増設することができそうです。
ACアダプターの容量は240Wです。
まとめ
以上が、TUF Gaming A16 Advantage Editionのレビューです。
Ryzen 7 7735HS + Radeon RX 7600Sと、CPUとGPUを最新のAMD製パーツで統一した、珍しい構成のゲーミングノートPCです。
Ryzen 7 7735HSは、現行のCore i7-12700Hや、Ryzen 7 6800Hと同程度のマルチコア性能を備えていました。ゲーミングノートPCとして申し分ない性能です。AMD Radeon RX 7600Sは、GeForce RTX 3060~RTX 3070の間ぐらいのパフォーマンスを発揮しており、ミドルクラスぐらいのゲーミング性能でした。比較的高めの画質でも快適にプレイできるゲームが多いです。
搭載する液晶は、最近流行りの画面比16:10の16型液晶です。165Hzのハイリフレッシュレートに対応しているので、動きの速いゲームも滑らかな映像でプレイできます。また、当サイト計測でsRGBカバー率97.8%と色域が広めなので、色鮮やかな映像でゲームをプレイできるだけでなく、画像・動画編集などのクリエイティブな作業にも使用できます。
内部を確認すると、メモリはスロットメモリで、空きのM.2スロットもありました。メモリの換装や、ストレージの増設もできます(自己責任です)。
処理性能、液晶などの全体のバランスが良く、見た目も落ちついたデザインなので、AMDファンだけでなく、ゲーム兼スペック高めの作業として使えるノートPCを探している方にもよさそうな機種です。
Ryzen + RadeonのAMDで統一した16型ゲーミングノートPC
TUF Gaming A16 Advantage Edition
特徴
- Ryzen 7 7735HS + Radeon RX 7600SのAMD構成
- 画面比16:10、色域広めの16型液晶を搭載
- メモリ換装や、ストレージ増設が可能
こんなあなたに
- AMDで統一したゲーミングノートPCが欲しい方
- クリエイティブな作業などゲーム以外にも使いたい方
- 価格19万円台[税込]
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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