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ASUS TUF Gaming A17(2022)の実機レビュー
CPU | Ryzne 7 6800H |
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GPU | RTX 3050 / 3050 Ti |
メモリ | 16GB DDR5-4800 |
ストレージ | 512GB PCIe Gen3 SSD |
液晶サイズ | 17.3インチ |
液晶種類 | FHD 144Hz |
質量 | 約2.53kg |
バッテリー | 最大 約6.8時間 |
価格[税込] | 14万円台~ |
TUF Gaming A17は、17.3型液晶を搭載した、エントリークラスのゲーミングノートPCです。
少し大きめの画面でゲームを楽しくプレイしたい方に適しています。
最新のRyzen 7 6800Hを搭載しているのもポイントです。
なお、エントリークラスとはいっても、画質を調整すれば、多くのゲームタイトルを、そこそこ快適にプレイできます。
ただ、色域は狭かったので、画像編集などのクリエイティブワークもしたい方は、別機種の方がいいと思います。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 6800H、16GBメモリ、GeForce RTX 3050 Ti、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「 TUF Gaming A17の特徴」のみお読みください。
TUF Gaming A17の特徴
大きめの17.3型144Hz液晶を搭載
TUF Gaming A17は、17.3型の大きな液晶を搭載している点が特徴です。
一般的な15.6型よりも大きな液晶で、ゲームに没頭することができますし、遠くにいる小さなターゲットも捕捉しやすくなります。
また、144Hzのハイリフレッシュレートに対応しており、一般的な60Hzの液晶よりも、滑らかな表示ができます。
今回チェックした、RTX 3050 Ti Laptopを搭載したモデルでは、フォートナイトや、Apex Legendsといったeスポーツタイトルを、100 fps超の高めのフレームレートでプレイできました。60 fps以上のフレームレートが出ているので、144Hzのリフレッシュレートを活かして、ゲームをすることが出来るでしょう。
ただし、ゲーミングノートPCとしては、やや多めの残像がありました(後述)。動きの速いゲームをプレイする場合には、残像がやや気になるかもしれません。
また、メーカーサイトには、「sRGBを100%カバー」と書かれていますが、当サイト計測では、sRGBカバー率は61.4%しかありませんでした。Adobe系のアプリなどを使って、写真や動画の編集もしたい方は、ご注意ください。これらの用途に使用したい場合は、色域が広めの外部ディスプレイを接続したほうがいいと思います。
Ryzen 7 6800Hを搭載
TUF Gaming A17は、最新となるAMD Ryzen 6000シリーズのRyzen 7 6800Hを搭載しています。
CPUの処理性能を示すベンチマークスコアは下のグラフの通りです。1世代前のRyzen 7 5800Hと比べると、マルチコア、シングルコアともにスコアがアップしており、処理性能が上がっていることが分かります。一方、ライバルとなりそうな、インテルの第12世代Core i7-12700Hよりは低いスコアにとどまっています。それでも、ゲーム時のフレームレートが大きく下がることはないと思います。CPUの処理性能にすごくこだわるのでなければ、ゲーム目的には十分な処理性能です。
ディスクリートモード対応だけど・・
TUF Gaming A17は、MUXスイッチを搭載しており、ディスクリートモードに対応しています。これは、GPUで処理した映像をCPUの内蔵グラフィックス経由で出力するのではなく、GPUから直接映像を出力するように切り替える機能です。遅延が減り、描画性能のパフォーマンスが少しアップするという特徴があります。
幾つかのゲームで、ディスクリートモード時と、通常モード時のフレームレートを比較してみた結果が、下のグラフです。わずかにフレームレートが伸びていますが、もともとグラフィックス性能がそこまで高くないため、フレームレートの伸びも小さいです。
機能としては面白いですが、エントリークラスのゲーミングノートPCでは、ゲーム体験に大きな影響を与えることはなさそうです。
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
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重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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DDR5メモリを搭載し、換装も可能
TUF Gaming A17は、DDR5-4800メモリを搭載しています。
ASUSによるメモリの増設や交換はサポートされていませんが、スロットメモリなので、メモリの換装が出来ます。用途によって、16GBメモリでは不足する場合は、大容量メモリに換装してもいいかもしれません。ただし、メモリの換装作業は自己責任となります。
空きのM.2スロットあり
TUF Gaming A17には、M.2の空きスロットもありました。いろんなゲームを入れたい場合など、512GB SSDでは容量が不足するようであれば、M.2 SSDの増設を行うことができそうです(自己責任)。
不定期のセールでお得に買えることも
TUF Gaming A17には、下表のような2つのモデルがあります。違いは、搭載するグラフィックスです。
画質やフレームレートにあまりこだわらないのであれば、エントリーゲーミングノートPCとしては、RTX 3050搭載モデルでもいいと思います。
ASUS TUF Gaming A17 (FA707RC-R76R3050) |
ASUS TUF Gaming A17 (FA707RE-R76R3050T) |
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CPU | Ryzen 7 6800H | |
GPU | RTX 3050 | RTX 3050 Ti |
メモリ | 16GB | |
ストレージ | 512GB PCIe NVMe SSD | |
価格[税込] | 154,800円 | 169,800円 |
なお、ASUSでは、不定期でセールが開催されることがあります。例えば、ASUS 33周年記念セール(2022年4月5日~4月15日)では、TUF Gaming A17のRTX 3050搭載モデルも対象機種となっており、1万円ほど安く購入できるようになっていました。
このようなセールは対象機種を変えて、時々開催されています。当サイトでは、このようなセール情報もお知らせしているので、チェックしてみてください。
各用途の快適度
TUF Gaming A17の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適に動作します。17.3型の大きめの液晶なので、画面も見やすく、作業がしやすいです。 |
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動画鑑賞 | ○ | 大きめの液晶で映像に没入することができます。スピーカー音も普通です。 |
オンライン会議 | ○ | ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、問題なくオンライン会議ができます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | RAW現像の速度はそこそこ速かったですが、当サイト計測でsRGBカバー率61.4%と液晶の色域が狭いので、RAW現像や画像編集には向いていません。色域が広めの外部ディスプレイを使えば、この用途にも使えると思います。 |
動画編集 | ○ | 4K動画も快適に編集できる性能を備えています。ただし、液晶の色域が狭いので、色の調整まで行う方には向いていません。 |
ゲーム | ○ | エントリークラスのゲーミング性能と、144Hz液晶を搭載しており、画質を調整することで多くのタイトルを楽しむことができます。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
動作モード
本製品は、いくつか動作モードを選択できます。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、「ARMOURY CRATE」のソフトから変更します。
ここでは、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」のモードで、各ゲームの平均フレームレートを計測した結果を掲載します。
各ゲームの平均フレームレート
いくつかのゲームの平均フレームレートを掲載します。他のグラフィックスとも比較していますが、すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。ディスクリートモードでもフレームレートを計測したゲームでは、その数値も載せています。
今回チェックしたゲームでは、RTX 3050 Tiとしては高めのフレームレートが出ていました。最高画質でも、軽い部類のゲームであれば100 fps以上出ていましたし、中程度の重さのゲームでも60 fps以上出ており、快適にプレイできます。また、重めのゲームでも、画質を下げればプレイできそうでした。
軽いゲームがメインの方や、多くのタイトルをそこそこ快適にプレイしたい方などにちょうどいいゲーミング性能だと思います。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 82 fps |
高 | 53 fps | |
ウルトラ | 43 fps | |
レイトレ:中 | 33 fps | |
レイトレ:ウルトラ | 28 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
低 | オフ | オフ | 65 fps |
高 | オフ | オフ | 60 fps | |
最大 | オフ | オフ | 34 fps | |
オフ | 高性能 | 42 fps | ||
最大 | 高性能 | 21 fps |
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 132 fps |
高 | 42 fps | |
エクストリーム | 36 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 97 fps |
高 | 69 fps | |
ウルトラ | 57 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
|
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 106 fps |
標準品質 | 84 fps | |
高品質 | 60 fps |
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 44890 / 162 fps |
高 | 13655 / 85 fps | |
ウルトラ | 9593 / 71 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
最低 | オフ | 130 fps |
中 | オフ | 97 fps | |
最高 | オフ | 78 fps | |
クオリティ | 96 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 138 fps |
高(ノート) | 117 fps | |
最高品質 | 99 fps |
中程度の重さのゲーム
フォートナイト
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||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 178 fps |
高設定 | 122 fps | |
最高設定 | 114 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 202 fps |
高設定 | 114 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
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||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 327 fps |
高設定 | 240 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 非常に低い | 195 fps |
中型 | 180 fps | |
ウルトラ | 135 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均スコア |
1920x1080 | 最高品質 | 19950(すごく快適) |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
ディスプレイの詳細なチェックです。
パネルは、「B173HAN04.9」でした。
144Hzのハイリフレッシュレートに対応した、FHD液晶です。17.3型と大きめの液晶でゲームを楽しめます。ただし、色域が狭いので、クリエイティブな用途には適していません。また、やや残像も多めでした。最大輝度は、当サイトの計測では263cd/m2と高かったです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約41msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に144フレームを更新する144Hzの液晶で4フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCの液晶は60Hzで、1秒間に60フレームしか更新しませんが、2~3フレーム前くらいまで残像がありました。このことから、一般的なノートPCの液晶と同程度の残像と言えます。ゲーミングノートPCとしては、やや多めの残像です。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mmです。キーストロークは約1.7mmと、やや深めです。WASDキーがクリアのキートップだったり、オーバーストローク技術を採用し、キー入力検知のタイミングが早かったりと、ゲームがプレイしやすいキーボードです。
キー配置も目立ったクセがなく、通常のタイピングにおいても、普通の打ちやすさのキーボードです。4列テンキーもついています。
タッチパッドはサイズが少し大きめです。操作時に少しぐらつきを感じますが、普通に操作できる範囲です。
キーボードにはRGBバックライトが付いています。全キーが同じ色になりますが、色の変更は可能です。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「パフォーマンス」と、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」でベンチマークなどを計測しました。
CPU
TUF Gaming A17は、Ryzen 7 6800Hを搭載しています。ベンチマークの結果は以下のとおりです。
マルチコア、シングルコアともに、Ryzen 9 5900HXを上回るスコアが出ており、Ryzen 5000シリーズよりも性能がアップしていることが分かります。一方、ライバルとなるインテルの第12世代Core i7-12700Hには水をあけられています。
ただし、実際にゲームをプレイするときには、そこまで大きなデメリットにはならないと思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはDDR5-4800です。十分な速度ですが、DDR5-4800としては、そこまで速くはありませんでした。なお、スロットメモリなので換装もできそうです。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスにはGeForce RTX 3050 Ti Laptopを搭載しています。
メーカーの設定する最大グラフィックスパワーは95Wでした。GeForce RTX 3050 Ti Laptopとしては、やや高めの設定値です。
ベンチマークの結果は以下のとおりです。エントリークラスに位置するRTX 3050 Tiとしては、高めのスコアが出ています。「Turbo」モードにすると、「パフォーマンス」モードの時よりも少しスコアがアップしています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3050 Ti Laptopの情報は次の通りです。動作モードを、「パフォーマンス」モードから、「Turbo」モードに変更すると、GPUクロックなどが少しアップしています。
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、十分な速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「Turbo」 モードで計測した結果のみ掲載します。
今までのRyzenプロセッサーは、Lightroomの書き出しが遅い傾向にありましたが、CPUの処理性能、特にシングルコア性能が上がったためか、処理にかかる時間が大分短くなっています。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
CPUのみで実行するソフトエンコードが、処理時間が非常に短いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
USB-Cポートを2ポート備えており、下表のような結果となりました。なお、メーカーサイトの仕様表を見ると、1つがデータ転送、映像出力対応、1つがデータ転送、映像出力と給電(Power Delivery)対応とありました。ただ、今回は試した限りでは、1つはデータ転送にみ対応、もう1つはデータ転送と映像出力のみに対応していました。詳細は次の通りです。
奥側のUSB-Cポートは、データ転送のみに対応しており、Thunderbolt、映像出力、Power Deliveryに対応していませんでした。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | × | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | × | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
手前側のUSB-Cポートは、データ転送と、映像出力に対応していますが、Thunderbolt 、Power Deliveryには非対応でした。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで表示できます。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約2.53kg」と記載されています。実測値は以下の通りで、仕様値よりも少し軽かったです。17インチクラスのゲーミングノートPCとしては比較的扱いやすい質量だと思います。ACアダプターはやや重いです。
質量 | |
PC本体 | 2.334kg |
ACアダプター | 577g |
バッテリー駆動時間のチェック
TUF Gaming A17のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、56Whでした。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。高性能パーツを搭載し、普通のバッテリー容量なので、バッテリー駆動時間は短いです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 約6.8時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 3時間8分 |
(4) PCMark 10 Gaming | 1時間1分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は速いです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、物理的なシャッターは付いていません。また、IRカメラも非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。
Webカメラは、約92万画素のHDカメラです。解像度が高くないので細部は画質が粗いものの、露出がやや高く、自然な感じの色味の画像でした。ノートパソコンに搭載されるWebカメラとしては、普通の性能だと思います。
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に2W x2のスピーカーが配置されています。ややこもった感じの音です。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときの、CPU電力の推移と、CPUの大体の温度を確認しました。
「パフォーマンス」モードでは、CPU電力は、最初しばらくの間は70W前後を維持し、その後、60W前後まで下がり、そのまま推移しています。CPU温度は、81℃ぐらいまで上がっていました。
「Turbo」モードでは、CPU電力が77W前後と高めをずっとキープしており、CPU温度も87℃ぐらいまで上がっており、やや高めの温度でした。
どちらのモードでも、それほど心配することなく使用できる温度だと思います。ただし、室内の温度が高いなど、気になる場合は、「パフォーマンス」モードを選ぶといいと思います。
- パフォーマンス時
- Turbo時
ゲーム時のCPU温度、GPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中の大まかなCPU温度と、GPU温度の推移は下図の通りです。
「パフォーマンス」モードでは、GPU温度は約78℃以下ぐらいに抑えられているのに対して、「Turbo」モードでは約72℃以下ぐらいと少し低くなります。ファンの回転数がアップするためだと思います。CPU温度は、どちらのモードでも90℃ぐらいまで上がっていました。
騒音が少し高くなる点が気にならなければ、ゲーム時は、「Turbo」モードを使用するといいと思います。
- パフォーマンス時
- Turbo時
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
「パフォーマンス」モードでは、アイドル時はほぼ無音です。FF15ベンチのような高い負荷がかかると、他のゲーミングノートPCと同程度の騒音値となります。「Turbo」モードにすると、もう少し騒音値が上がります。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
ゲーム中はキーボード中央の温度が上がりますが、WASDキーはそこまで温度が上がっておらず、不快に感じるほどではありません。また、パームレスト部分の温度はほとんど変化しておらず、タイピング時でも不快感はありませんでした。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
性能の高いCPU・GPUを搭載しているので、高負荷時は一般のノートPCよりも高めの消費電力になります。
外観のチェック
TUF Gaming A17の外観のチェックです。
2022年に改良された、旧モデルよりも少し小型化された、新デザインのボディです。ゲーミングノートPCらしさを感じます。
ボディカラーは、メカグレーです。
天板には、TUFのロゴがエンボス加工で配置されています。
閉じた時の画像です。厚みは22.95~25.45mmと、ゲーミングノートPCとしては普通です。
インターフェイスには、USB3.2 x2、USB-C(映像出力対応)、USB-C(映像出力、Power Delivery対応)、HDMI、LANポートを備えています。
液晶の開く最大の角度はご覧の通りです。
底面です。中央の赤いゴム足がアクセントになっています。
底面カバーを外したときの画像です。2基の冷却ファンと、4本のヒートパイプで、3方向から排気することで、熱を放出しています。
メモリはスロット式なので、メモリの換装もできます。
ストレージには、Type 2280 M.2 SSDを搭載しています。
空きのM.2スロットもあるので、ストレージの増設もできそうです(自己責任)。
ACアダプターの容量は200Wと大きめです。
まとめ
以上が、TUF Gaming A17のレビューです。
17.3型の144Hz駆動液晶を搭載し、少し大きめの画面でゲームをプレイしたい方に適したゲーミングノートです。
最新のRyzen 6000シリーズである、Ryzen 7 6800Hを搭載しているのも特徴となっています。1世代前のRyzen 7 5800Hから処理性能が順当にアップしていました。ライバルとなる第12世代Core i7-12700Hには、ベンチマークスコアで負けていましたが、ゲーム時にはそれほど目立った差はないと思います。
グラフィックスには、GeForce RTX 3050またはRTX 3050 Tiを搭載します。エントリークラスに位置するグラフィックスですが、今回チェックしたRTX 3050 Ti搭載モデルでは、最大グラフィックスパワーが高めの設定となっており、エントリークラスとしては高めの性能を発揮していました。軽めのゲームであれば、100 fps以上のフレームレートで快適にプレイできそうですし、重めのゲームでも画質を下げればプレイ可能なタイトルは多いと思います。
ハイクラスのゲーミングノートPCに搭載されるような、ディスクリートモードにも対応している、という面白い特徴もあります。ただし、もともとのグラフィックス性能がそこまで高くないので、ゲーム時のフレームレートはそこまで伸びませんでした。
やや気になる点としては、液晶の残像がやや多めだったことが挙げられます。eスポーツタイトルのような動きの激しいゲームをプレイするのがメインであれば、残像が気になるかもしれません。また、液晶の色域が狭いので、画像・動画の編集などのクリエイティブな用途にもあまり向いていません。
17.3型液晶を搭載したエントリークラスのゲーミングノート
TUF Gaming A17
特徴
- 17.3型144Hzの大画面・リフレッシュレート液晶
- 最新のRyzen 7 6800Hを採用
- メモリ換装・ストレージ増設も可能
こんなあなたに
- 大きめの画面でゲームを楽しみたい方
- 最新のRyzen 7 6800Hが気になる方
- 価格14万円台[税込]~
公式サイト(購入先)はこちら
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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