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ASUS ROG Flow X13 (2023) GV302の実機レビュー
ROG Flow X13 (2023) GV302 | |
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CPU | Ryzen 9 7940HS |
GPU | RTX 4070 / 4060 / 4050 |
メモリ | 最大32GB LPDDR5-6400 |
ストレージ | 512GB / 1TB |
液晶サイズ | 13.4インチ |
液晶種類 | タッチ 光沢 WQXGA 165Hz WUXGA 120Hz |
質量 | 最大約1.35kg |
バッテリー | 約10.7時間 (75Wh) |
価格[税込] | 19万円台~ |
ROG XG Mobile(GPU Box) | |
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GPU | RTX 4090 Laptop 16GB |
質量 | 約1.3kg |
価格[税込] | 39万円台~ |
ROG Flow X13 2023年モデルは、ゲームができる非常に高い性能を備えながら、約1.35kgしかないノートPCです。
スペックは、Ryzen 9 7940HSに、最大でGeForce RTX 4070を搭載。これだけでも十分ゲームができる性能ですが、別売りのノート用RTX 4090を搭載した独自のGPU Box「ROG XG Mobile」を接続することで、さらに性能がアップします。
出張先などへ持って行って、ライトにゲームやクリエイティブワークを行い、自宅ではGPU Boxおよび外部ディスプレイを繋げて、本格的に行うという使い方ができます。
独自接続のおかげで、外付けGPU Boxにありがちなパフォーマンスの低下もなく、ハイフレームレートでゲームをすることができます。
※2023年モデルのROG Flow X13は、型番が「GV302X」から始まりますのでご注意下さい。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
ROG Flow X13 GV302Ryzen 9 7940HS、GeForce RTX 4060 Laptop GPU 8GB、メモリ16GB
GeForce RTX 4090 Laptop GPU 16GB
目次
お忙しい方は、「ROG Flow X13の特徴」のみお読みください。
ROG Flow X13の特徴
外部グラフィックスを搭載した超軽量ゲーミングノート
ROG Flow X13は、最大で「GeForce RTX 4070」を搭載しながら、約1.35kgと非常に軽い点が特徴のゲーミングノートPCです。ボディサイズが小さいため、カバンにも入れやすいです。
ゲームや動画編集などができるハイスペックPCを、外出先へ持っていきたい方に非常におすすめの製品です。
処理性能が高い分、消費電力も高いため、モバイル用に特化したノートPCと比較するとバッテリー駆動時間のもちは悪くなりますが、それでもある程度はバッテリー状態でも駆動できます。
モデルの一覧は次の通りです。GPUを選ぶことができるため、目的に応じたスペックにすることができます。外出先でもハードにゲームをするならRTX 4070や4060のモデルを、ライトにゲームができればいいならRTX 4050のモデルを、外ではゲームはしないならCPU内蔵のモデルを選ぶといいでしょう。
GV302XI-R9R4070 | GV302XV-R9R4060 | GV302XU-R9R4050 | GV302XA-R9RUMA | |
OS | Windows 11 Home 64ビット | |||
CPU | Ryzen 9 7940HS(8コア/16スレッド) | |||
GPU | RTX 4070 | RTX 4060 | RTX 4050 | CPU内蔵 |
液晶 | 2560×1600ドット 165Hz、グレア液晶(タッチ対応) |
1920×1200ドット 120Hz、グレア液晶(タッチ対応) |
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メモリ | 32GB(LPDDR5) | 16GB(LPDDR5) | ||
ストレージ | 1TB(PCIe Gen 4) | 512GB | ||
消費電力 | 最大約130W | |||
価格[税込] | 349,800円 | 319,800円 | 309,800円 | 199,800円 |
最新の「AMD Ryzen 9 7940HS」プロセッサー搭載
ROG Flow X13は、市場に投入されたばかりの、「Ryzen 9 7940HS」を搭載しています。「Zen 4」ベースのノートPC向けAPU「Ryzen 7040」シリーズの最上位で、4nmプロセス、8コア/16スレッド、「RDNA 3」ベースのグラフィックスを採用し、省電力性能にも優れたプロセッサーです。
CINEBENCH R23のマルチコアスコアを見ると、小型のボディに搭載しているにしては高いスコアが出ています。これだけのパフォーマンスが出ればゲーム、クリエイティブの両面で十分でしょう。
Ryzen 9 7940HS | Ryzen 7 7840HS | Ryzen 5 7640HS | |
コア / スレッド | 8 / 16 | 6 / 12 | |
ブーストクロック | 5.2 GHz | 5.1 GHz | 5.0 GHz |
ベースクロック | 4.0 GHz | 3.8 GHz | 4.3 GHz |
L2+L3キャッシュ | 24MB | 22MB | |
TDP | 35-54W |
タブレット形状へ変形可能!ペンも使える
ROG Flow X13は、ヒンジが360度回転し、タブレットなどの形状へ変形することも出来ます。
また、ペンにも対応しており、手書きで文字を書いたり、イラストを描いたりすることができます。Photoshopなどで、編集対象を選択するときなども便利です。
ゲームもクリエイティブワークもできる高精細ディスプレイ
ROG Flow X13のディスプレイは、画面比が16:10、解像度は最大で2560×1600ドットです。色域も当サイト調べではDCI-P3カバー率99.1%と広く、高精細かつ色鮮やかな画面で、画像や動画編集が可能です。165Hzの高リフレッシュレート対応なので、滑らかな映像でゲームも快適に楽しむことができます。
独自GPU Boxを接続しパワーアップ
ROG Flow X13は、ノート用グラフィックス最上位の「RTX 4090 Laptop 16GB」を内蔵した外付けのGPU BOX「ROG XG Mobile」がオプションで用意されており、これを接続することで、ハイエンドなゲーミングノートにパワーアップします。
CPUとGPUを別にすることでハイエンドゲーミングノートの弱点であった冷却性を克服し、薄型の2 in 1 PCでも負荷の重いゲームをWQXGA解像度、最高設定で快適に楽しむことができます。
GPU Box「ROG XG Mobile」は外部モニターを接続することもできます。外部モニターでゲームをしつつ、ROG Flow X13のディスプレイでディスコードや、動画配信、攻略サイトなどを閲覧するといった使い方もできます。
ROG XG Mobileの特徴
GPUパフォーマンスを最大限まで引き出すASUS独自の接続規格
別付けのGPU Boxである「ROG XG Mobile」は、ノート用グラフィックス最上位となる「GeForce RTX 4090 Laptop GPU 16GB」を搭載しています。グラフィックス性能はデスクトップ用のハイエンドクラスのグラフィックスに匹敵するほどで、最新の負荷の重いゲームやレイトレーシングも、高解像度、最高設定で快適にプレイできるほどのパワーを有しています。
接続には、独自規格であるUSB Type-C+PCIe 3.0 x8コネクタがセットになった、計67本のワイヤーにより、帯域幅を63GB/sまで広げ、外付けGPU接続でも、グラフィックスの性能を最大限に引き出すことができます。
このXG Mobile接続専用ケーブルには、USB-Cも統合されているので、PC本体への給電もこのUSB-Cポートを通して行われます。そのため、ROG XG Mobile接続時は、PCに別途電源を接続する必要はありません。また、通常のUSB-C端子としても使用することができます。
ROG XG Mobile | |
GPU | GeForce RTX 4090 Laptop GPU 16GB |
接続端子 | USB Type-C+PCIe 3.0 x8 |
USBポート | USB3.2 Gen2 Type-A×3、USB3.2 Gen2 Type-C×1 |
画面出力端子 | HDMI×1、DisplayPort×1 |
電源 | 330W内蔵電源 |
本体サイズ | 幅217mm×奥行き165mm×高さ32.6mm |
重量(実測) | 約1.3kg |
対応デバイス | ROG Flow X13 GV301、ROG Flow X13 GV302 ROG Flow Z13 GZ301、ROG Flow X16 GV601 |
コンパクトサイズで持ち運びやすい
通常のGPU BOXは、デスクトップ用のグラボをセットするため、かなりサイズが大きいですが、ROG XG MobileはノートPC用のGPUを採用することで、一般的なGPU Boxの約6%のサイズしかありません。
出張先にPC本体とGPU Boxを一緒に持って行き、外ではPC本体のみを使い、ホテルではGPU Boxを繋げてゲームをするといった使い方もできます。
各用途の快適度
ROG Flow X13の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 画面サイズは小さいものの、16:10の画面比で、スペックも高く、Web閲覧などは快適です。 |
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動画鑑賞 | ◎ | 色鮮やかな表示ができる液晶を搭載し、スピーカー音も比較的よく、快適に動画鑑賞ができます。 |
オンライン会議 | ○ | マイク、スピーカー、ウェブカメラを内蔵し、他に何も外付けすることなく、Zoomなどが使えます。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | スペックが高く、モデルによっては外部GPUを搭載し、作業は快適です。色域も、DCI-P3カバー率 約100%はあります。画面の小ささはやや気になります。必要なら、Adobe RGB 100%対応の外部モニターに接続するといいでしょう。 |
動画編集 | ○~◎ | 画面が小さいのでやや作業がしにくいものの、高性能CPUに色域が広めの液晶を備え、モデルによっては外部GPUを搭載しているので、動画編集も快適です。本格的な編集をするなら、VRAMの多いGeForce RTX 4060以上を搭載したモデルがおすすめです。 |
ゲーム | ○~◎ | こちらも画面が小さいので、遠くにいる敵などがやや見にくいものの、外部GPUに、165Hzの高リフレッシュレートパネルを搭載し、ゲームもできます。モデルによってグラフィック性能に差がありますが、RTX 4060の場合、DLSSやフレーム生成により負荷の重いゲームも快適に動作します。 |
用途 | 快適度 | コメント |
動画編集 | ◎ | 高性能CPU&VRAM16GBのRTX 4090、大画面モニターで作業することになり、4Kクラスの動画編集作業も快適です。 |
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ゲーム | ◎ | ノート用グラフィックス最上位のRTX 4090を搭載しているので、負荷の高いゲームもレイトレーシングも快適に動作します。2画面出力でも高いフレームレートを維持し、ゲームが可能です。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイの詳細なチェックです。
サイズは13.4インチです。2560×1600/165Hzと、1920×1200/120Hzのディスプレイがあり、モデルによって異なります。
今回は、2560×1600/165Hzの液晶を搭載しています。最大輝度は、当サイトの計測では465cd/m2と高いです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域はご覧の通り広いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
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DCI-P3カバー率 | 99.2% |
Adobe RGBカバー率 | 87.9% |
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約30msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ない方だと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に165フレームを更新する165Hzの液晶で、1~2フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCは、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像ですので、一般的なノートPCより、残像は抑えられています。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.7mmで、キートップはわずかにカーブしています。Nキーロールオーバーに対応しており、複数のキーを同時に押しても正確に認識されます。しっかりとした打鍵感があり、比較的打ちやすいキーボードです。
タッチパッドは前世代よりも56%大きくなっており、広くて使いやすくなりました。
キーボードには白色のバックライトを搭載しています。色は変更できず、発光パターンはブレスとストロボのみとなっています。ギラギラ光るRGBイルミネーションが苦手という方は、ちょうどいいかもしれません。
パフォーマンスのチェック
動作モード
パフォーマンスのチェックです。
本製品では、いくつか動作モードが選択できます。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、ホットキー、または「ARMOURY CRATE」のソフトから変更します。
ここでは、デフォルトの「パフォーマンス」モードと、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」モードで計測したベンチマークの結果を掲載します。
また、本製品は、外部GPUからの出力をCPU内蔵グラフィックス経由で映像出力する「MSHybrid」モードと、外部GPUから直接映像ポートに出力する「ディスクリート」モードを切り替えることも可能です。
この切り替えは、「ARMOURY CRATE」のソフトの「GPUモード」で行います。「Ultimate」を選択するとディスクリートモードになり、「スタンダード」を選択するとMSHybridモードになります。デフォルトでは「スタンダード」モードになっていました。
ここでは、基本的に「Ultimate」モードで計測を行っていますが、一部「スタンダード」モードで計測した結果も紹介しています。
CPU
ROG Flow X13は、「Zen 4」ベースの最新ノートPC向けAPU「Ryzen 7040」シリーズ最上位「Ryzen 9 7940HS」を搭載しています。
TDP45Wクラスにしては高いスコアが出ており、13.4インチに搭載されているCPUにしては十分過ぎる性能だと思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックス性能を検証するために、3DMarkのベンチマークを実行した結果を掲載します。なお、ここでは、ROG Flow X13本体の「GeForce RTX 4060」と、ROG XG Mobileの「GeForce RTX 4090」両方のスコアを計測しました。GeForce RTX 4060ではディスクリートモードで計測しています。
ROG Flow X13は、GeForce RTX 40シリーズの中ではミドルクラスに位置する「GeForce RTX 4060 Laptop」を搭載していますが、メーカーの設定する最大グラフィックスパワーは60Wとやや低めに設定されています。
ROG XG Mobileの「GeForce RTX 4090」の最大グラフィックスパワーは150Wと高めに設定されていました。
3DMark のベンチマークの結果は以下の通りです。ROG Flow X13のRTX 4060はTGPが60Wとやや低めに設定されているものの、前世代の130WのRTX 3060に近いスコアが出ており、高いスコアです。グラフィックスメモリには8GBを搭載しており、最新のゲームにも対応できるVRAM容量です。
ROG XG MobileのRTX 4090のスコアはノート用グラフィックス最上位ともあり、非常に高いスコアです。デスクトップ用ハイエンドクラスの性能に匹敵します。VRAMは16GBと多く、レイトレーシングや4Kクラスの動画編集、エンコードも快適でしょう。
また、どちらのグラフィックスもTurboモードの方がスコアが高くなります。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGeForce RTX 4060とRTX 4090の情報は次の通りです。「Turbo」モードでは、GPUクロックなどがわずかにアップしていることが分かります。
ストレージ
ストレージには、1TBのPCIe Gen4 SSDを搭載しています。アクセス速度は高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
ROG Flow X13本体左側面にはmicroSDカードスロット、XG Mobile本体上部には通常サイズのSDカードスロットを備えています。
ゲームベンチマーク&フレームレート
ROG Flow X13本体と、ROG Flow X13+ROG XG Mobileでいくつかのゲームで計測した平均フレームレートを掲載します。
他のグラフィックスとも比較していますが、すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。なお、ここでは動作モードはすべて「Turbo」モード、RTX 4060のGPUモードはすべて「ディスクリートモード(Ultimate)」でフレームレートを計測しています。また、ROG XG Mobileのスコアは、Core i9-13900H搭載のROG Flow Z13と比較しています。
RTX 4060の最大グラフィックスパワーは60Wとやや低めに設定されているものの、次世代ミドルクラスグラフィックスというだけあって高性能です。ただし、タイトルによっては最適化がされていないのか、インテルCPUに比べてフレームレートが低い場合があります。また、2560×1600解像度でのゲームは難しいかもしれませんが、1920x1080解像度や1920x1200解像度なら、負荷の重いゲームでも60 fps以上、負荷が高くないゲームなら120 fps前後でプレイできます。対応したゲームならDLSSやフレーム生成によってさらにフレームレートを向上させることも可能です。
RTX 4090を搭載したROG XG Mobileでは、ノート用グラフィックス最上位だけあって、パフォーマンスは非常に高いです。ただし、こちらでも、タイトルによってはCPUがボトルネックになっているのか、Core i9-13900H搭載のROG Flow Z13に比べてフレームレートが低めの場合があります。それでも、非常に高いフレームレートです。重いゲームであっても、2560×1600解像度、最高設定で高いフレームレートを維持でき、快適にプレイすることができます。さらにDLSSやフレーム生成を併用することで、165Hzの高リフレッシュレートパネルを活かした滑らかな映像でゲームをプレイすることができます。
また、グレアパネル、高色域の色鮮やかな液晶を搭載しているので、どのゲームも鮮明な映像でゲームをプレイできます。暗いシーンが多いタイトルでも映像が見やすく、残像感も少ないので非常にプレイがしやすいです。
重い部類のゲーム
ホグワーツ・レガシー(DX12)
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解像度 | 品質 | ROG Flow X13 RTX 4060 |
ROG XG Mobile RTX 4090 |
1920x1080 | 最高 | 47 fps | 69 fps |
最高 DLSS:オフ フレーム生成:オン |
75 fps | 134 fps | |
2560x1600 | 最高 | 32 fps | 64 fps |
最高 DLSS:オフ フレーム生成:オン |
48 fps | 113 fps |
重い部類のゲーム
FORSPOKEN(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Flow X13 RTX 4060 |
ROG XG Mobile RTX 4090 |
1920x1080 | 最高 |
38 fps | 104 fps |
2560x1600 | 26 fps | 78 fps |
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Flow X13 RTX 4060 |
ROG XG Mobile RTX 4090 |
1920x1080 | ウルトラ | 69 fps | 108 fps |
ウルトラ DLSS:オフ フレーム生成:オン |
92 fps | 202 fps | |
2560x1600 | ウルトラ | 38 fps | 93 fps |
ウルトラ DLSS:オフ フレーム生成:オン |
50 fps | 132 fps |
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Flow X13 RTX 4060 |
ROG XG Mobile RTX 4090 |
1920x1080 | エクストリーム | 81 fps | 170 fps |
2560x1600 | 63 fps | 78 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Flow X13 RTX 4060 |
ROG XG Mobile RTX 4090 |
1920x1080 | 高品質 | 80 fps | 136 fps |
2560x1440 | 60 fps | 129 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Flow X13 RTX 4060 |
ROG XG Mobile RTX 4090 |
1920x1080 | 最高 | 107 fps | 136 fps |
2560x1600 | 67 fps | 130 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | MSHybrid | ディスクリート |
1920x1080 | 最高 | 118 fps | 152 fps |
2560x1600 | 79 fps | 135 fps |
ROG XG MobileでのレイトレーシングとDLSS3のベンチマーク
「Ada Lovelace」アーキテクチャを採用したGeForce RTX 40シリーズでは、第4世代「Tensorコア」とフレーム生成技術が追加された「DLSS3」機能を利用することができます。
対応したタイトルであれば、「フレーム生成」を有効にすることで、飛躍的にフレームレートを向上させることが可能です。
下記の表はROG Flow X13+ROG XG Mobileで、レイトレーシング環境、DLSSオフ、DLSS3の平均フレームレート比較です。フレーム生成技術が追加された「DLSS3」では、フレームレートが最大3倍向上します。VRAM 16GBを内蔵した「GeForce RTX 4090 」では、負荷の重いレイトレーシング環境でも、2560×1600解像度でも下表の通り、快適にプレイすることが可能です。ただ、今回試したサイバーパンクでは、なぜか「レイトレーシング:ウルトラ」設定でのDLSS2適用時のフレームレートの伸びが、いまいちでした。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
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---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS:オフ | DLSS2 | DLSS3 |
1920x1080 | レイトレ:オーバードライブ | 32 fps | 68 fps | 120 fps |
2560x1600 | 18 fps | 46 fps | 76 fps |
解像度 | 品質 | DLSS:オフ | DLSS2 | DLSS3 |
1920x1080 | レイトレ:ウルトラ | 63 fps | 69 fps | 137 fps |
2560x1600 | 37 fps | 68 fps | 115 fps |
※DLSS3は「DLSS Frame Generation」を有効
クリエイターソフトの処理時間
以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでも、動作モードはすべて「Turbo」モード、GPUモードはすべて「ディスクリートモード(Ultimate)」で計測しています。
RAW現像時間では、CINEBENCHなどでは高めのスコアのプロセッサーの割には、やや時間がかかっています。ROG XG MobileのRTX 4090を使った書き出しなら、非常に速かったです。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Premiere Pro、4K動画の書き出しでは、ROG Flow X13本体のみでもCPUとGPUの性能が高いので高速です。ROG XG Mobileを接続することで、さらに速い書き出しが可能です。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
DaVinci Resolove Studio 18による書き出し時間はこちらです。ROG Flow X13本体のみでもCPUとGPUの性能が高いので高速です。
ただ、原因が分かりませんが、ROG XG Mobileを接続するとなぜか遅くなっていました。
DaVinci Resolove Studio 18による、「AV1 NVIDIA」での書き出し時間はこちらです。
CPUのみで実行するx265エンコードです。こちらも非常に速いエンコード速度です。
NMKD Stable Diffusion GUIによるAIイラスト生成時間は下表の通りです。RTX 4060での生成時間は1枚あたり約20秒、RTX 4090での生成時間は1枚あたり約8秒でした。こちらは、デスクトップ用GPUとも比較していますが、RTX 4090なら、かなり速いことが分かります。
※プロンプト(呪文)は内容や長さによって生成時間にそれほど影響がないため「Cat」のみ
※ステップ数は100、10枚のイラストを生成し、3回計測して最も速かった時間で比較
USB Type-Cの動作テスト
USB Type-Cポートには、USB4とUSB3.2 Gen2 が搭載されていますが、ここでは、Thunderbolt4の動作確認を行いました。PD充電は警告が表示されますが、いずれも動作しました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ ※3 | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ ※3 | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
140W アドテック PD3.1充電器 | ○ ※3 | ― | ― |
100W Anker PowerPort III | ○ ※3 | ― | ― | |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ ※3 | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3「この電源アダプターではお使いの性能をフルにサポートできません」という警告が表示
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトではPC本体が約1.35kgとなっており、当サイトで計測した質量は次の通り、ほぼ公表値通りの質量です。ゲーミングノートPCとしては非常に軽く、ACアダプターも高い出力のわりには小型で軽いです。
外付けGPUドックである「ROG XG Mobile」の質量も軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.353kg |
ACアダプター | 486g |
ROG XG Mobile | 1.32kg |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
ROG Flow X13は、13型のノートPCとしては大容量となる75Whのバッテリーを搭載しています。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。動画再生のような負荷の軽い作業であれば、長時間のバッテリー駆動が可能です。
ただし、ゲーム時は1時間ほどしか持たず、ACアダプターに接続しないとフレームレートが制限されて、カクついた動きになるので、ACアダプターに接続しながら使うことを推奨します。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 最大10.7時間 |
(2) 動画再生時 | 10時間13分 |
(3) FF14ベンチ | 1時間30分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは207万画素(FHD)できれいな映像/画像です。赤外線(IR)も搭載し、顔認証にも対応しています。ただし、カメラを隠すシャッターはありません。
スピーカー
スピーカーは左右底面の両端に1W×2のステレオスピーカーを備えています。1Wなので最大音量はそれほど高くなく、低音も控えめですが、バランスが良く、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、動作モードは「パフォーマンス」と「Turbo」で計測しています。GPUモードはすべて「ディスクリートモード(Ultimate)」で計測しています。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUクロック、CPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「パフォーマンス」モードの場合、CPU電力は、初動のターボブースト時を除くと35W前後で推移しています。CPU温度は、CPU電力が落ち着いた後は、84℃前後で推移しており、やや高めの温度です。
「Turbo」モードでは、CPU電力が上がり、パフォーマンスも上がりますが、冷却ファンが最大で稼働するため、CPU温度は77℃前後まで下がります。高い負荷を与える場合には「Turbo」モードで運用する方がいいでしょう。
- パフォーマンス
- Turbo
ゲーム時のCPU温度、GPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU温度と、GPU温度の推移は下図の通りです。ここでは、ROG Flow X13本体のRTX 4060動作時と、XG Mobile接続時のRTX 4090動作時の両方を計測しました。なお、動作モードはTurboのみで計測しています。
RTX 4060動作時では、CPU温度は瞬間的に80℃を越えることはありますが、概ね75℃前後で推移しており、問題ない温度です。GPU温度は最大でも80℃で、こちらも問題ない温度です。
RTX 4090動作時では、CPU温度は74℃前後、GPU温度は最大でも75℃と問題ない温度です。GPU温度はRTX 4060よりRTX 4090動作時の方が低く、安定した動作が望めます。
- ROG Flow X13(RTX 4060)
- ROG Flow X13 + XG Mobile
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
ROG Flow X13のみのときも、XG Mobileを接続したときも、どちらもあまり変わらない騒音値です。アイドル時はファンが稼働していても静かです。FF15実行時は、パフォーマンスモードなら、ゲーミングノートにしてはそれほど高くない騒音値になります。ゲームや作業でも集中しやすいと思います。ファンが最大で稼働するTurboモードだとややうるさく感じます。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
ROG Flow X13本体では、ゲーム中だとキーボード中央が熱くなるものの、パームレスト部の温度はそれほど変化しておらず、「WASD」キーの付近もそれほど高い温度にはなっていないので、ゲーム時でも不快感はなく、普通にゲームが楽しめると思います。
ROG XG Mobileは、ゲーム中はそれなりに発熱します。見えないように箱に入れたりせず、風通しの良いところに置いておいたほうがいいと思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご覧下さい。ここではキーボードバックライトはオフで計測しています。
ROG Flow X13のみでも、高性能プロセッサーに、外部GPUを搭載しているので、一般的なノートPCよりは消費電力が高めです。XG Mobileを接続すると、ノートPCとしては高い消費電力になります。
なお、今回は、ディスクリートモードで計測していますが、MSHybridモードにすると、アイドル時の消費電力が少し下がります。
ROG Flow X13の外観のチェック
ROG Flow X13の外観のチェックです。
本体カラーはオフブラックで、シンプルなデザインなので、一見ゲーミングノートには見えません。外でも人目を気にせず使えます。
360度回転するヒンジを備えているので、テントモードやタブレットモードでの使用が可能です。
天板には波模様のようなグラビティウェーブデザインが施されており、デザイン性だけでなく、持った時にグリップ感がよくなるというメリットもあります。ROGのタグも目立ちません。
閉じた時の画像です。ボディの厚みはわずか16.75mmで薄型です。
側面のインターフェースはご覧のようになっています。右側面にUSB3.2 Gen2 Type-A×1、USB4.0 Gen2 Type-C×1。左側面にはmicroSDカードリーダー、HDMI、マイク/ヘッドホンジャックが備わっています。
ROG XG Mobile接続用インターフェースのカバーをはずすとUSB3.2 Gen2 (Type-C)があります。
内部の熱は背面2ヶ所と右側面の計3ヶ所から排気します。テント/タブレットモードの時は排気口を塞がないようにしましょう。
底面です。通気口は少なめです。
底面カバーを外した時の内部です。2基の冷却ファンと2本のヒートパイプで3方向から排気することで、CPUとGPUを冷却しています。
ACアダプターはキューブ型でコンパクトです。給電はUSB-Cです。
ACアダプターの容量は130Wです。
ROG XG Mobileの外観のチェック
表面には波模様のようなグラビティウェーブデザインが施されており、デザイン性が良いだけでなく、持った時にグリップ感がよくなるというメリットもあります。
電源が入ると1つのファンが稼働し、赤いLEDが点灯します。ファンの音はアイドル時は静かです。
先ほどのファンから吸気しているので、この部分を下に置かない方がいいです。
背面のキックスタンドで設置します。
PCと接続することで、インターフェイスも拡張することができます。USB 3.2 Gen2 Type-A×3に、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、画面出力のHDMI 2.1×1、DisplayPort 1.4×1、フルサイズのSDカードリーダーも備わっており必要十分です。LANポートも搭載しているので、速度が欲しいオンラインゲームにも適応できます。電源は内蔵されており、電源ケーブルのみで稼働します。
まとめ
以上が、ROG Flow X13 2023年モデルのレビューです。
ROG Flow X13本体は、最大でRyzen 9 7940HS+GeForce RTX 4070を搭載し、高い性能でありながら、非常に軽く、持ち運びが楽なノートPCです。外出先で、ゲームをしたり動画編集をしたりしたい方におすすめの製品です。
2 in 1タイプなので、タブレットモードに変形して絵を描いたり、会議で使用したり、テントモードにしてゲームに没頭したりなど、様々な環境に適応できるノートPCです。
液晶も色域が広く、高精細かつ色鮮やかなので、画像や動画編集などの作業も快適に行えます。また、165Hzの高リフレッシュレートに対応し、遅延と残像も抑えられているので、本格的なゲームも可能です。
ゲームでは、Ryzen 9 7940HSとの相性が悪いのか、タイトルによってはフレームレートが低い場合もありましたが、RTX 40シリーズを搭載した本製品なら、DLSSやフレーム生成機能も使えるので、重めのゲームも動作しますし、動画編集などの作業も快適に行えます。
さらに、RTX 4090を搭載したROG XG Mobileを接続することによって、ハイエンドゲーミングノートへ早変わりし、負荷の高いレイトレーシングや高解像度でのゲーミング、本格的な動画編集や3D CG作成も可能になります。
少し気になるのは、ROG XG Mobileを外すときに、アイコンをクリックしたり、外部GPUで使用中のアプリを落としたりと、やや手間がかかる点です。ROG XG Mobile接続時も、切り替えにやや待たされます。
また、PC本体内にGeForce RTXシリーズを搭載したモデルは、30万円台からと、価格がやや高めです。
持ち出しやすいゲーミングノートPC
ASUS ROG Flow X13
特徴
- 最大Ryzen 9 7940HS+RTX 4070の高スペック
- 外部GPU搭載で約1.35kgと軽量
- GPU Box「ROG XG Mobile」でパワーアップ
こんなあなたに
- 外出先で、負荷が高めの作業をする方
- 自宅では、さらに高い負荷をかける方
- 本体の価格19万円台[税込]~
- GPU Boxの価格39万円台[税込]~
三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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