ASUS Vivobook S 14X OLEDの実機レビュー

更新日:
CPU Core i5-12500H
Core i7-12700H
Ryzen 7 6800H
Ryzen 9 6900HX
メモリ 16GB
ストレージ PCIe SSD
画面サイズ 14.5インチ(16:10)
画面種類 2880x1800 有機EL
質量 約1.63kg
バッテリー 70Wh
価格[税込] 16万円台~
2.8K有機ELディスプレイ搭載ノートPC

Vivobook S 14X OLEDは、「非タッチパネル」の有機ELディスプレイを搭載している点が特徴のノートPCです。

100% DCI-P3クラスと色域が広く、メリハリのある非常に美しい表示が可能です。非タッチパネルであるため、電極線がギラついて見えることもありません。

CPUには、Hシリーズのプロセッサーを搭載し、一般ノートPCよりも高い性能です。

画像や映像を美しく見たい方や、外で写真の確認やRAW現像を行いたい方に適しています。

公式サイト(購入ページ)はこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-12700H、16GBメモリ、512GB SSD

 

目次

お忙しい方は、「Vivobook S 14X OLEDの特徴」のみお読みください。

 

製品の特徴

2.8Kの有機ELディスプレイ搭載

Vivobook S 14X OLEDの最大の特徴は、「非タッチパネル」の有機ディスプレイを搭載している点です。

有機ELを搭載した機種は「タッチパネル」である場合が多いですが、ノートパソコンでタッチパネルに対応している機種は、タッチ用の電極線が見えてしまい、筆者は気になってしまいます。一方、Vivobook S 14X OLEDは非タッチであるため、そのようなことが無く、有機ELが表現する美しい映像を堪能することが出来ます。

画面比は流行りの16:10、解像度は2.8Kと高めで、精細な表示が可能です。メーカー仕様で100% DCI-P3クラスと色域が広いですし、コントラスト比が1,000,000:1と高く、黒の表現力にも優れており、色鮮やかでメリハリのある映像/画像を表示ができます。Delta-E<2と色差が非常に小さく、正確な色表現が可能なのもポイントです。

画質と色にこだわって、写真や動画を観たい方に適しています。

有機ELディスプレイで綺麗な映像/画像

 

さらに、搭載する有機ELディスプレイは、10ビット・約10.7億色の表示に対応しています。一般的なディスプレイの8ビット・約1677万色と比べると、表示できる色数が格段に多く、表現力の豊かな表示が可能です。なお、10ビット表示にするにはHDRの設定をオンにする必要があります。

10ビット表示に対応

 

高いプロセッサー性能

Vivobook S 14X OLEDは、Hシリーズのインテル第12世代CoreまたはAMD Ryzen 6000を搭載しています。

今回は、インテルのCore i7-12700Hを搭載していますが、下図のように一般的なノートPCに搭載されているCore i7-1260PなどのCPUよりも、高い性能です。

14型で薄型のボディなので、ゲーミングノートPCのようなパフォーマンスは出ませんでしたが、高めの処理性能を活かして、クリエイティブな作業も比較的快適に行えます。

ただし、CPU内蔵グラフィックスなので、高画質の動画編集やゲームなど、グラフィックスに負荷のかかる作業には適していません。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i7-12700H 11753
Core i7-1260P 9032
Core i5-1240P 8409

 

スリムなボディ

Vivobook S 14X OLEDは、14.5型と小さく、高さ:約17.9~18.4mmのスリムなボディで、宅内での移動や収納もしやすいです。

なお、質量は約1.63kgと、そこまで軽いわけではないので、モバイルノートPCのような使い方にはあまり向いていません。ただし、軽さにこだわらなければ、外に持ち出すこともできると思います。

17.9~18.4mmのスリムなボディ

 

メモリは16GBのみ

Vivobook S 14X OLEDのメモリは16GBとなっています。画像編集などの用途にも使えるPCなので、32GBなどのメモリを搭載できたら良かったです。

なお、メモリは、オンボード + スロットのメモリ構成となっているようです。

スロットメモリは、換装することもできそうです。ただ、オンボード8GBに対して、スロットメモリを16GBにしても、8GB分はシングルチャネルで動作するのでご注意下さい。

メモリ構成(海外モデルの仕様表より)

 

Thunderbolt4を搭載、SDカードリーダーはなし

Vivobook S 14X OLEDは、下の画像のようなインターフェイスを備えています。

DisplayPortとPower Deliveryに対応したThunderbolt 4ポートを2つ備えており、宅内で使う場合は、Thunderboltドックなどを併用すると一層使いやすくなります。

ただし、電源供給にも使用するThunderbolt 4ポートや、HDMI出力端子が全て右側面に配置されているので、外付けマウスを使用する場合は、ケーブルが邪魔になるかもしれません。

なお、SDカードリーダーは非搭載です。写真や動画の表示に適した機種であるだけに、SDカードリーダーがないのはやや残念でした。カメラから写真や動画を取り込むためには、アダプターや、カメラ接続用のケーブルなどが必要です。

ポート類

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
綺麗な画面で、性能も十分です。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーが搭載されており問題なくオンライン会議やオンライン授業ができます。カメラなどの性能は普通です。
動画鑑賞 ディスプレイの表示が綺麗で、比較的スピーカー音もいいので、動画鑑賞は快適です。
RAW現像
画像編集
sRGB 100%クラスのディスプレイを搭載しており、画像の編集などの用途にも使えます。ただし、外部GPUを搭載していないため、一部処理はやや遅いこともあります。なお、この用途で使用するなら、メモリは16GB以上にしましょう。
動画編集 △~○ FHD動画の簡易的な動画編集ならできると思います。ただし、本格的に動画編集をするなら、GeForce RTXシリーズなどの外部グラフィックスを搭載したノートPCがおすすめです。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、「Intel UHD 630でどこまでゲームができるか?」で記載したような軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。

 

ディスプレイのチェック

Vivobook S 14X OLEDのディスプレイのチェックです。

パネルは、「ATNA45AF01-0」でした。

サイズ14.5インチ、画面比16:10、解像度2.8K(2880x1800)、120Hz駆動の有機ELディスプレイです。SDRモードでの最大輝度は、当サイトによる計測だと、373cd/m2とやや高めでした。

その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

非常に色域の広いディスプレイです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 99.8%
Adobe RGBカバー率 97.6%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色とも1:1の直線に近く、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角も広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢ディスプレイなので、画面への映り込みがあります。ギラつきはほとんど感じません。

画面への映り込み

輝度を下げた時だけでなく、輝度100%時でも、下図のようにPWM調光によるフリッカーが発生しています。約240Hzと低めの周波数なので、人によっては目が疲れやすいなど、影響を感じるかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Vivobook S 14X OLEDのキーボードのチェックです。

キーピッチは、実測で、横:約19.05mm、縦:約18mm強、キーストロークは約1.4mmとなっています。キートップはわずかに湾曲しています。

文字入力に使用する、主要なキーのサイズが概ね揃っており、配置も標準的です。「Backspace」や、「Enter」キーのサイズも大きめで押しやすいです。ただし、「半角/全角」や、「\」キーのサイズが小さくなっているので、日本語入力の切り替え時に「半角/全角」キーがやや押しにくく感じるかもしれません。全体的には、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。

タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさも普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Vivobook S 14X OLEDのパフォーマンスをチェックします。

MyASUSアプリでファンモードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「スタンダードモード」と、最も高いパフォーマンスが出る「パフォーマンスモード」で各種ベンチマークの計測をしています。

MyASUSの設定画面

 

CPU

今回は、Core i7-12700Hを搭載しており、CINEBENCH R23のスコアは次のようになっています。

シングルコアでは、しっかりと高めのスコアが出ていました。

マルチコアに関しては、同じCore i7-12700Hを搭載した他のノートPCよりも低めのスコアでした。ただし、「パフォーマンスモード」であればCPU電力:48W前後で動作していたので、Core i7-12700Hとしては標準的な性能は発揮できていると思います。小さめで薄型のボディということもあり、もっと高いCPU電力で動作させるゲーミングノートPCほどのスコアは出ていません。

一般用途であれば、「スタンダードモード」でも十分な処理性能ですが、負荷のかかる作業をする場合は、「パフォーマンスモード」で使用するといいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-12700H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
11753 [パフォーマンス]
9645 [スタンダード]
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Ryzen 7 5800H 12604
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 7 5700U 9288
Ryzen 5 5600H 9255
Core i7-1260P 9032
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HK 1916
Core i7-12700H 1823
1815 [パフォーマンス]
1805 [スタンダード]
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-12500H 1727
Core i5-1235U 1675
Core i7-1195G7 1634
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Core i5-1240P 1483
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Ryzen 5 5600H 1354
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1268
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリは、インテルモデルがDDR4-3200、AMDモデルがDDR5-4800を搭載しています。

今回はインテルモデルですが、メモリ帯域は標準的な広さです。なお、仕様を見ると、オンボード+スロットメモリの構成となっているので、スロットメモリの換装はできそうです。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GB(8GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
31.24GB/s
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

Vivobook S 14X OLEDのグラフィックスはCPU内蔵グラフィックスで、3DMarkのベンチマークスコアは、以下の通りです。

今回は、Core i7-12700Hを搭載していますが、CPU内蔵グラフィックスとしては、標準的なスコアです。なお、動作モードを変えてもグラフィックス性能にはほとんど差がありませんでした。

Ryzen 7 6800H、Ryzen 9 6900HXの内蔵グラフィックスであれば、「30000」くらいのグラフィックスコアが出るはずです。グラフィック性能を優先するならRyzenプロセッサーのほうがいいでしょう。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-12700H
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
メモリLPDDR5-6400
30319
Core i9-12900H
メモリDDR5-4800
24483
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Core i7-12700H
メモリDDR4-3200
17343 [スタンダード]
17321 [パフォーマンス]
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
15826
Core i7-12700H
メモリDDR4-3200
15871
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

PCIe Gen4のSSDの割にはそこまで速くありませんが、実用上は十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
3685
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

各クリエイターソフトの処理時間を下に掲載します。なお、いずれもパフォーマンスモードで計測しています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Core i7-12700H搭載としては、思ったほど速くはありませんでした。CPU電力がそれほど高くなかったのと、メモリ帯域がそこまで広くないためだとは思いますが、それにしても、やや時間がかかっていました。ただ、数百枚の画像を一度にRAW現像するのでなければ、十分実用的な時間での処理が可能です。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX 47秒
Core i7-12800HX
RTX 3070 Ti (150W)
52秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i5-12500H
RTX 3060 (140W)
58秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050 (65W)
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Core i7-1280P 64秒
Core i5-12500H 69秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i7-12700H 95秒
Core i7-1255U 112秒
Ryzen 7 5825U 151秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

外部GPUを搭載していないので、「スーパーズーム(x2)」のような処理には長めの時間がかかります。ただし、Core i7-1260Pよりは高速です。また、このような特殊な処理ではなく、一般的なフィルター処理であれば、快適に使用できます。

  本製品 参考
Core i7-1260P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約2秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約3分52秒 約4分28秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約2分40秒 約2分48秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

グラフィック性能が高いわけではないので、Premiere Proの書き出し速度はそこまで速くありませんでした。FHD動画の書き出しであれば使えそうですが、長尺だったり、4K動画の編集・書き出しを行うのであれば、外部GPUを搭載した機種の方がいいです。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
2分40秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i7-1255U
Intel Iris Xe
3分56秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分1秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1145G7
Intel Iris Xe
4分40秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Core i7-12700H
Intel Iris Xe
5分20秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

質量のチェック

Vivobook S 14X OLEDの質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.63kg」とあり、当サイトの計測値もほぼ同じでした。14型のノートPCとしてはやや重い部類に入りますが、室内での持ち運びはしやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.620kg
ACアダプター+電源ケーブル 367g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Vivobook S 14X OLEDのバッテリー駆動時間のチェックです。

消費電力が高めのCPUと、高解像度ディスプレイを搭載していますが、バッテリー容量が70Whと大きめなので、負荷の軽い動画再生時は8時間を超えるバッテリー駆動が可能でした。

なお、クリエイティブな作業など、負荷のかかる作業をするとバッテリー駆動時間はもっと短くなります。動画編集などをすると、3時間程度しかもたないと思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約7.4時間
(2) 動画再生時 8時間24分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。ACアダプターが90Wと大きいので、充電速度は比較的速いです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
74%(約51Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いています。なお、IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラは、720p HDカメラです。ノートPCとしては普通の性能で、画像にはやや粗さがありますが、比較的自然な色味でした。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、底面の左右に配置されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。なお、今回は、Core i7-12700Hを搭載しています。

「スタンダードモード」では、動作安定時は約35Wで動作しています。PBP(プロセッサーベース電力):45WのCPUの割に低めのCPU電力なので、パフォーマンスもあまり高くありません。その分、CPU温度はほぼ70℃台と、それほど高くない温度に保たれています。

「パフォーマンスモード」では、CPU電力は48W前後と高くなり、パフォーマンスもアップしています。CPU温度は80℃台前半ぐらいと少し上がりますが、それほど心配なく使用できる範囲に収まっています。

どちらのモードでも、CPU温度を心配せずに使用できそうです。CPUに負荷のかかる作業を行う場合は、「パフォーマンスモード」で使用するといいと思います。

  • スタンダードモード時
  • パフォーマンスモード時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

Vivobook S 14X OLEDの動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、デフォルトの「スタンダードモード」で計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。負荷のかかる作業をすると騒音値が上がりますが、同等他機種と比較しても同じぐらいの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷のかかる作業をすると、キーボード面だけでなく、パームレスト部の温度も上がります。エンコードのような高負荷時は、パームレスト部の温度が温かくなり、タイピングする手に不快感があります。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

Hシリーズのプロセッサーを搭載しているので、一般的なノートPCよりは少し高めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Vivobook S 14X OLEDの外観のチェックです。

3辺のベゼルが細く 、美しい表示の有機ELディスプレイが際立っています。

ボディカラーは、ミッドナイトブラックとサンドグレイがありますが、今回は「サンドグレイ」のカラーです。キーボードのストリップアクセントが施されたEnterキーや、オレンジカラーのEscキーがアクセントになっています。

 

天板には、「ASUS Vivobook」のプレートが貼られています。

 

ボディの高さは約17.9~18.4mmとスリムです。

 

電源ボタンには、指紋認証センサーが搭載されており、指紋認証を使用することができます。

 

インターフェースはご覧の通りです。USB3.2、USB2.0、Thunderbolt 4(DisplayPort、Power Delivery対応)x2、HDMIを備えています。

SDカードリーダーがないのがやや残念です。

 

ディスプレイは、ほぼフラットになります。

 

底面には、吸気口が設けられています。少し高めのゴム足も配置されていて、吸気しやすくなっています。

 

ACアダプターは90Wです。コンセント側のケーブルが太めなので、合わせるとそれなりにかさばります。

 

まとめ

以上が、ASUS Vivobook S 14X OLEDのレビューです。

最大の特徴は、画面比16:10、2.8K解像度の有機ELディスプレイです。100% DCI-P3クラスの広色域で、10bit(最大約10.7億色)表示にも対応していますし、黒の表現力が高く、有機EL特有のメリハリのある美しい表示が可能でした。非タッチパネルなので、電極線が見えないのも嬉しいです。

画像や映像を美しい画面で見たい方や、写真のRAW現像や編集などをしたい方に適しています。なお、光沢表面で映り込みがあり、フリッカーも発生していたので、文字を読んだり、文書を作成したりする作業がメインであれば、普通の液晶ディスプレイを搭載した機種の方がいいかもしれません。

一般向けのノートPCと比べると、CPU性能は高いです。さすがにゲーミングノートPCと同程度とまではいきませんが、サクサク動作しますし、高めの処理性能を活かしてクリエイティブな用途にも使用できそうです。

ただし、画像編集にも適した機種であるだけに、SDカードリーダーがないのと、メモリが16GBまでしか搭載できないのがやや残念でした。

 

2.8K有機ELディスプレイ搭載ノートPC

ASUS Vivobook S 14X OLED

特徴

  • 広色域の2.8K有機ELディスプレイを搭載
  • Hシリーズの第12世代CoreまたはRyzen 6000搭載
  • 70Whの大容量バッテリー

こんなあなたに

  • 画像や映像を美しい表示で見たい方
  • RAW現像を行いたい方
  • 価格16万円台[税込]~
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