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ASUS Vivobook Pro 15 OLED M3500QAシリーズの実機レビュー

CPU | Ryzen 7 5800H Ryzen 9 5900HX |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe NVMe SSD |
画面サイズ | 15.6インチ |
画面種類 | FHD OLED 光沢 |
質量 | 約1.65kg |
バッテリー | 最大 約14.7時間 |
価格[税込] | セール 8万円台~ |
Vivobook Pro 15 OLED(M3500QAシリーズ)は、広色域のFHD有機ELディスプレイを搭載した15.6型ノートPCです。
つい先日、新しいVivobook Pro 15 OLED(M6500QCシリーズ)が発売されましたが、それの旧モデル(もしくは下位モデル?)のような位置づけとなります。
Ryzen 5000 Hシリーズを搭載し、セール時だと8万円台(税込)で購入できます。
Vivobook Pro 15 OLED(M3500QAシリーズ)は、Amazonでも販売しています。
Amazon販売ページはこちら
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 5800H、8GBメモリ(4GB x2)、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「Vivobook Pro 15 OLEDの特徴」のみお読みください。
製品の特徴
写真・映像の表示がきれいな有機ELを搭載
Vivobook Pro 15 OLEDは、有機ELディスプレイを搭載した15.6型ノートPCです。

ディスプレイの解像度は一般的なノートPCと同じFHD解像度ですが、DCI-P3 100%クラスと色域が広いです。また、PANTONE認証を取得しており、正確な色表現が可能です。そのため、写真や動画をメリハリのある美しい画面で見ることができます。
旅行や家族で撮った写真などを見たり、趣味レベルの編集を行ったり、動画を見たりすることが多い方におすすめです。

ホームノートPCとしては高い処理性能
Vivobook Pro 15 OLEDは、TDP:45WのRyzen 5000 Hシリーズプロセッサーを搭載しています。
今回は、Ryzen 7 5800H搭載モデルをチェックしましたが、ベンチマークテストでは、インテルの第12世代Core i7-1260Pを超えるマルチコアスコアが出ていました。
ホームノートPCとしては高めの処理性能を備えており、快適に使用できます。
セール時は8万円台~だけどメモリは8GB
上記のような特徴を備えながら、Vivobook Pro 15 OLEDは、セール時であれば8万円台~と非常に安く購入できるのも嬉しい特徴です。
Ryzen 7 5800H、512GB SSDを搭載して、8万円台(税込)というのは他にはないと思います。
ただし、8万円台で購入できるモデルはメモリが8GBしかないのが、残念な部分です。オンボードメモリなのでメモリの増設もできません。

扱いやすい質量
Vivobook Pro 15 OLEDは、約1.65kgと15.6型のノートPCとしては軽めの質量で、扱いやすいです。
宅内で移動して、好きな場所で写真や動画の閲覧を楽しむことができます。また、通常は収納しておき、使用するときだけ取り出して使用するといった使い方もしやすいです。

63Whと大きめのバッテリーを搭載
Vivobook Pro 15 OLEDは、扱いやすい質量のボディながら、63Whと大きめの容量のバッテリーを搭載しています。
そのため、当サイトの連続動画再生のテストでは、15時間31分と長めのバッテリー駆動が可能でした。宅内でも、常時ACアダプターに接続せずに、バッテリー駆動で使用し、使い終わったら充電しておく、という使い方がしやすいです。

文字がやや見づらい
Vivobook Pro 15 OLEDは、写真や映像をきれいに表示できる有機ELディスプレイを搭載していますが、一般の液晶ディスプレイに比べると、文字がやや見づらいです。
文字がやや見づらい理由は、本製品の有機ELディスプレイのサブピクセルの配列と関係があります。一般的な液晶ディスプレイではストライプ配列になっていますが、本製品の有機ELディスプレイはペンタイル配列となっています。下図を見ると、ペンタイル配列だと、文字の中で赤や青が目立ち、輪郭がぼやけています。
また、同じペンタイル配列でも、4K解像度など画素密度がもっと高ければ、それほど気になりませんが、本機器はFHD解像度で、画素密度があまり高くないことも関係しています。
さらに、光沢液晶なので、画面に映り込みがあります。これらの理由により、個人的には調べ物で文字を読んだり、文書を作成したりする作業がメインであれば、一般の液晶ディスプレイを搭載した機種の方が使いやすいように感じます。
ただし、感じ方には個人差がありますし、大きめの文字で(表示スケールを150%などにして)見る方などは、全く気にならない方もおられるかもしれません。文字を読んだり、書いたりするのに全く適していないという訳ではありませんので、誤解されませんようにお願いします。


個人的には、2022年8月に発売された後継機種のVivobook Pro 15 OLED(M6500QCシリーズ)のほうがおすすめです。やや価格は上がるものの、ディスプレイ解像度が2,880×1,620ドットとなります。さらにGeForce RTX 3050を搭載し、よりクリエイティブワークに適した機種となっています。
ディスプレイのチェック
Vivobook Pro 15 OLEDのディスプレイのチェックです。
パネルは、「SDC4161」でした。
100% DCI-P3クラスの有機ELディスプレイを搭載しています。解像度は、ノートPCとしては一般的なFHDです。広色域で、色鮮やかで、メリハリのある美しい表示が可能なので、写真や動画を見るのに適しています。SDRモードでの最大輝度は、384nitsでした。
その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
Adobe RGBカバー率が97.8%と、色域は非常に広いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 99.9% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 99.8% |
Adobe RGBカバー率 | 97.8% |

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

視野角も広いです。ぎらつきも感じません。

光沢ディスプレイなので、画面への映り込みがあります。

輝度設定が1~49%のときは、下図のようにPWMで調光しています。フリッカーが発生しており、周波数は約479Hzとやや低めなので、敏感な方の場合は目が疲れやすく感じるかもしれません。

輝度設定が50~100%のときは、少し揺らぎがありますが、輝度が0まで下がってはいません。このくらいであれば目の疲れは起きにくいのではないかと思います。

また、MyASUSには、「OLED フリッカーフリーディミング」という機能があります。「OLED フリッカーディミング」で調光レベルを調整すると、低輝度でも、フリッカーが抑えられます。Windowsの輝度設定で暗くするよりも、目の疲れは起こりにくいと思います。

キーボードおよびタッチパッドのチェック
Vivobook Pro 15 OLEDのキーボードのチェックです。
キーピッチは、横:約18.5mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.4mmです。
文字入力に使用する主なキーのサイズが揃っており、配置も標準的です。「Backspace」キーや、「Enter」キーも押しやすく、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。
テンキーも付いていますが、こちらは3列テンキーなので、標準的な4列テンキーを使い慣れていると、使いにくく感じる部分もあるかもしれません。
タッチパッドの使いやすさも普通です。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
Vivobook Pro 15 OLEDのパフォーマンスをチェックします。
MyASUSアプリでファンモードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「スタンダードモード」と、最も高いパフォーマンスが出る「パフォーマンスモード」での計測を行いました。

CPU
Vivobook Pro 15 OLEDは、Ryzen 5000 Hシリーズプロセッサーを搭載しており、Ryzen 7 5800H、または、Ryzen 9 5900HXを搭載したモデルがあります。今回は、Ryzen 7 5800Hを搭載しており、ベンチマークの結果は以下のとおりです。
シングルコアのスコアは、インテルCPUに比べるとやや低めではあるものの、Ryzen 5000シリーズのプロセッサーとしては順当です。
マルチコアのスコアは、TDP:45WのHシリーズのRyzen 7 5800Hにふさわしい数値が出ていました。なお、動作モードを「パフォーマンスモード」にすると、少しパフォーマンスも上がっていますが、通常は、「スタンダードモード」でも十分快適に動作すると思います。
~ CPU性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはDDR4-3200を搭載しており、帯域の広さは普通です。なお、オンボードメモリなので換装することはできません。
~メモリ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
Vivobook Pro 15 OLEDのグラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスです。3DMarkのベンチマークスコアは、以下の通りです。
最近のCPU内蔵グラフィックスとしては、標準的なスコアでした。一般的な用途には十分のグラフィックス性能です。
なお、動作モードを変更しても、グラフィックススコアにはほとんど変化がありません。グラフィックス性能に関しては、動作モードはそれほど気にしなくていいと思います。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージはPCIe Gen3のSSDを搭載しており、高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。速度はやや遅いです。カードを挿入すると、本体からカードがやや出っ張ります。
~ SDカードスロット性能 ~


USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
Vivobook Pro 15 OLEDは、USB-Cポートを1つ備えていますが、データ転送のみに対応しており、Power Deliveryや、DisplayPortには非対応となっています。
USB-CポートがPower Deliveryに対応していれば、USB-Cアダプターでの給電ができて便利だったので、ここはやや残念な部分です。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | × | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | × | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、YCbCr444での表示が出来ています。

質量のチェック
Vivobook Pro 15 OLEDの質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.65kg」とあります。当サイトの計測値は以下の通りで、仕様値とほぼ同じでした。15型のノートPCとしては、扱いやすい質量だと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.639kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 323g |
バッテリー駆動時間のチェック
Vivobook Pro 15 OLEDのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、約63Whです。15型ノートPCとしては大きめの容量です。

当サイトで計測した、動画再生時のバッテリー駆動時間は以下の通りです。HシリーズのRyzenを搭載していますが、大容量バッテリーを搭載していることもあり、動画再生のような負荷の軽い作業であれば、長めのバッテリー駆動が可能でした。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約14.7時間 |
(2) 動画再生時 | 15時間31分 |
(3) FF14ベンチ | ー |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、プライバシーシールドがついています。Webカメラを使わないときは、閉じておくと安心です。IRカメラは搭載していないので、Windows Helloの顔認証は使用できません。
Webカメラは、一般的な約92万画素のカメラです。


スピーカー
スピーカーは、底面の手前側の左右に配置されています。音質は普通で、勝手に評価すると、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。
「スタンダードモード」では、CPU電力が54W前後→35W前後→54W前後→34W前後と、変動を繰り返しています。それに伴って、CPU温度も87℃前後→67℃前後→87℃前後→67℃前後と変動していますが、心配のない温度に収まっています。
「パフォーマンスモード」では、CPU電力は約60Wまで一旦上がりますが、すぐに54W前後まで下がり、そのまま推移しています。CPU温度は、87℃前後をキープしているような感じです。やや高めの温度ですが、こちらもギリギリ問題ない範囲の温度です。
通常は、「スタンダードモード」で使用し、負荷のかかる処理を行う場合は、「パフォーマンスモード」変更してもいいと思います。
- スタンダードモード時
- パフォーマンスモード時




静音性のチェック
Vivobook Pro 15 OLEDの動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、デフォルトの「スタンダードモード」で計測しています。
アイドル時はほぼ無音です。軽めの作業時は多少音がする感じです。エンコードのような高い負荷のかかる作業をすると、騒音値がさらに上がりますが、他機種と比べても同程度の騒音値です。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。こちらも、デフォルトの「スタンダードモード」で計測しています。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
高い負荷がかかる場合でも、キーボード面の温度にもそれほど大きな変化はありません。パームレスト部の温度にもほとんど変化がないので、タイピング時の不快感はありません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDP:45WクラスのHシリーズRyzenを搭載しているので、高い負荷がかかる場合は、一般的なノートPCとしては高めの消費電力になります。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
Vivobook Pro 15 OLEDの外観のチェックです。
有機ELディスプレイの美しい表示が目を引きます。
ボディは、オーソドックスなデザインです。ボディカラーは、クワイエットブルーです。落ち着きのある、無難な色で、使いやすいと思います。

天板には、「ASUS Vivobook」のロゴプレートが配置されています。

ボディの高さは約20.4mmです。

インターフェースはご覧の通りです。USB3.2、USB2.0 x2、USB-C(データ転送のみ)、HDMI、microSDカードリーダーを備えています。


ディスプレイの開く角度は、下の写真のとおりで、それほど開きませんが、一般的な使い方であれば問題ないと思います。

排気口は、液晶ヒンジに隠れるような配置となっています。

底面には、吸気口が設けられています。

ACアダプターの出力は90Wです。出力の割に比較的コンパクトなサイズですが、電源側のケーブルが太く、ややかさばります。USB-Cアダプターでの給電ができれば良かったです。


まとめ
以上が、ASUS Vivobook Pro 15 OLEDのレビューです。
ASUS Vivobook Pro 15 OLEDの特徴は、DCI-P3 100%クラスの広色域な有機ELディスプレイを搭載していることです。
Ryzen 5000 Hシリーズのプロセッサーを搭載し、処理性能も高く、快適に使用することができます。
この構成で、セール時であれば8万円台(税込)~購入できるので、コスパも高いです。ただし、8万円台で購入できるモデルは、メモリが8GBだけです。
気になるのは、せっかくの有機ELディスプレイなのに、解像度がFHDしかない点です。ペンタイル配列なので、FHDだと画素密度が低く、文字に赤や青が混じったように見え、一般的な液晶ディスプレイよりもやや見にくく感じます。調べ物や、書類の作成など、文字を見る作業が多い場合は、普通の非光沢液晶を搭載した機種の方が使いやすいと思います。
個人的には、後継機種のVivobook Pro 15 OLED(M6500QCシリーズ)のほうがおすすめです。解像度が2,880×1,620ドットと高いため、上のような問題もほぼ気にならないでしょう。また、メモリは16GBあり、GeForce RTX 3050などの外部グラフィクスも搭載しています。現在セール中で、一番下のモデルなら、Rzyen 5 5600H、16GBメモリ、GeForce RTX 3050の構成で11万円台と安いです。
セール時なら8万円台の有機ELノートPC
ASUS Vivobook Pro 15 OLED

特徴
- 広色域の有機ELディスプレイを搭載
- HシリーズRyzenの高めの処理性能
- セール時であれば8万円台~と安い
こんなあなたに
- 写真や動画をきれいな画面で見たい方
- 安い有機ELディスプレイ搭載PCが欲しい
- 価格12万円台[税込]~
- セール時の価格8万円台[税込]~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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