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ASUS Vivobook 15X OLED(X1503ZA)の実機レビュー

CPU | Core i7-12700H |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB PCIe SSD |
画面サイズ | 15.6インチ |
画面種類 | 2.8K OLED 光沢 120hz |
質量 | 約1.7kg |
バッテリー | 約7.5時間(70Wh) |
価格[税込] | セール 10万円台~ |
Vivobook 15X OLEDは、2.8Kの有機ELディスプレイを搭載したノートPCです。非常に色鮮やかな画像/映像を楽しむことができます。
また、プロセッサーには、HシリーズのCore i7-12700Hを搭載しており、非常に高い性能です。仕事などがサクサクできるでしょう。
セール時であれば、10万円台で購入することができます。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-12700H、16GBメモリ、512GB SSD、2.8K(2880x1620)OLED
目次
お忙しい方は、「ASUS Vivobook 15X OLEDの特徴」のみお読みください。
製品の特徴
2.8K有機ELディスプレイを搭載
Vivobook 15X OLEDの特徴の1つは、有機ELディスプレイを搭載している点です。
高解像度は2.8K、色域はDCI-P3 100%、コントラスト比は1,000,000となっており、とても色鮮やかで、高精細で、黒の表現力も高く、美しい画像/映像を表示することができます。
また、120Hzの高リフレッシュレートで、0.2msの応答速度であるため、映像が滑らかで残像も少なく見やすいです。外部グラフィックスを搭載していないので、ゲーム向きのPCではありませんが、高いフレームレートが出やすい軽いゲームなら、ヌルヌルとした映像でゲームができるでしょう。普段使いでも残像が少なく見やすいと思います。

高処理性能のHシリーズ第12世代Coreを搭載
通常のノートPCは、プロセッサーベースパワー(TDP相当)が28Wか15Wクラスのプロセッサーを搭載していることが多いですが、Vivobook 15X OLEDは、45WクラスのCore i7-12700Hを搭載しています。
そのため、通常のノートPCよりパフォーマンスが非常に高いです。重いアプリもサクサク動くことでしょう。有機ELディスプレイを搭載しているという利点と合わせて、画像編集用途に適した製品だと思います。
メモリはオンボード + スロット
Vivobook 15X OLEDのメモリは、8GBがオンボードで、8GBがスロット式のメモリとなっており、合計16GBのメモリを搭載しています。
16GBでも一般的なユーザーであれば十分だと思いますが、LightroomとPhotoshopをどちらも起動し、さらにブラウザやOfficeなども起動する場合など、メモリが足りなくなる可能性もあります。そのとき、スロット式のメモリを交換して容量をアップさせることができますが、(オンボードメモリと合わせて)16GBを超える部分に関しては、シングルチャネルでの動作となります。
クリエイティブ作業で使う方も多いと思うので、メモリは両方ともスロット式の方が良かったかなと思います。

兄弟機種Vivobook 14Xとの比較
本製品には、14インチ液晶を搭載したVivobook 14Xという兄弟機種も存在します。
14インチモデルは、ディスプレイに有機ELではなく液晶を搭載していますが、画面サイズおよびボディが一回り小さく、質量も軽く取り回しがしやすくなっており、画面比も16:10と見やすくなっています。また価格も安いです。
有機ELにこだわらなければ、14インチモデルでもいいと思います。
Vivobook 15X OLED | Vivobook 14X | |
画像 | ![]() |
![]() |
CPU | Core i7-12700H | |
SSD | 16GB | |
SSD | 512GB | |
ディスプレイサイズ | 15.6インチ | 14インチ |
ディスプレイ種類 | 有機EL | 液晶 |
解像度 | 2880×1620 | 1920x1200 |
リフレッシュレート | 120Hz | 60Hz |
質量 | 約1.7kg | 約1.6kg |
価格[税込] | 124,800円~ | 109,800円~ |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
○ | 画面が綺麗で、CPU性能も高いので、Web閲覧やOffice作業は快適です。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | ウェブカメラは720pですが、スピーカーはまずまずの音質で、ノイズキャンセリング機能も搭載されており、問題なくオンライン会議が出来ます。 |
動画鑑賞 | ◎ | 有機ELディスプレイを搭載し、残像も少なく、映像が綺麗です。スピーカー音もまずまずなので、動画も快適に視聴できるでしょう。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 当サイトの計測では、Adobe RGBカバー率が95.9%と広い色域で、CPU性能も高いので、RAW現像や画像編集に適していると思います。ただ、外部GPUを搭載していないので、一部の処理は時間がかかるケースもあります。 |
動画編集 | △~○ | 簡単なFHD動画の編集をするくらいならできます。ただし、外部グラフィックスを搭載していないので、頻繁に動画編集したいのであれば、他の製品のほうがいいです。 |
ゲーム | △ | 外部GPUを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、VALORANTやマイクラのような軽いゲームなら、できないこともありません。120Hzのリフレッシュレートである点もメリットです。なお、Iris Xe グラフィックスでどこまでゲームができるかは、こちらの記事も参考にして下さい。 |
ディスプレイのチェック
Vivobook 15X OLEDのディスプレイのチェックです。
前述しましたが、2.8K(2880 x 1620)、120Hzの有機ELディスプレイを搭載しています。色鮮やかな画面ですが、表面が光沢である点と、フリッカーが発生している点がやや気になります。最大輝度は、374cd/m2とやや高めです。
その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域(色の表現できる範囲)は非常に広いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 95.9% |

ガンマ補正曲線を確認すると、各色揃って1:1の直線となっており、自然な発色であることが分かります。なお、PANTONE検証済みとなっています。

視野角も広いです。ぎらつきも感じません。

光沢ディスプレイなので、画面への映り込みがあります。ここは好みが分かれると思います。

どの輝度にしても、フリッカーが発生しています。ほとんどの人は気にならないと思いますが、体質によっては目が疲れやすくなるかもしれません。

キーボードおよびタッチパッドのチェック
Vivobook 15X OLEDのキーボードのチェックです。
メーカーサイトを確認すると、キーピッチは横:約19.05mm、キーストロークは約1.35mm(ページによっては1.4mm)となっています。また、キートップは0.2mm湾曲しています。標準的なキーピッチ、キーストロークで、問題なくタイピングできます。
ただ、「半角/全角」や「\」のキーが小さい点が少し気になります。また、テンキーは3列なので、「+」や「-」がブラインドタッチしにくいです。「Backspace」キーは大きくて、押しやすいです。
Enterキーの下部分には模様が入っており、場所が分かりやすくなっています。
タッチパッドは普通に使えます。少し左寄りに配置されているのもいいと思います。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
Vivobook 15X OLEDのパフォーマンスをチェックします。
Vivobook 15X OLEDでは、MyASUSアプリでファンモードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「スタンダードモード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンスモード」で、各種ベンチマークスコアを計測しました。

CPU
プロセッサーには、Core i7-12700Hを搭載しており、高いベンチマークスコアが出ています。
他のPCで計測したスコアよりは低めでしたが、パフォーマンスモードにすれば45WのCPU電力は出ていたので、本製品のスコアが低いというよりは、他のPCのスコアが高めだったと言えます。
~ CPU性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはDDR4-3200を搭載しています。また、DDR4-3200としても、そこまで広い帯域ではありませんでした。
~メモリ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
CPU内蔵グラフィックスの3DMarkのベンチマークスコアは、以下の通りです。
メモリがLPDDR4XやDDR5ではないので、3DMarkのスコアはそこまで高くありません。ただ、動画の編集やゲームをしなければ、十分な性能です。動画の視聴程度の負荷なら全く問題ありません。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しています。PCIe SSDにしてはやや遅いですが、一般的なユーザーには十分な性能でしょう。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットは搭載していません。
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理時間を下に掲載します。

Lightroomの書き出しは、メモリの帯域が影響しているのか、ストレージの速度が影響しているのかわかりませんが、Core i7-12700Hにしてはやや遅い結果となりました。それでも、十分速い書き出しですし、現像処理自体も快適に行えました。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-C機器のテスト結果を掲載します。Power Delivery、映像出力、Thunderboltには対応していないので、ご覧のような結果になっています。Power Deliveryと映像出力には対応して欲しいところでした。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | × | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター※2 | EIZO ColorEdge CS2740 | × | × | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hzにはなっていましたが、色の形式がYCbCr420になってしまい、画質が劣化します。4Kディスプレイに接続して、画像編集などをしようと思っていた方は気を付けましょう。

質量のチェック
Vivobook 15X OLEDの質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.70kg」とあり、当サイトの計測値もほぼ同じでした。15.6型ノートとしては比較的軽いと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.711kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 334g |
バッテリー駆動時間のチェック
Vivobook 15X OLEDのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は70Whと大きめです。高解像度/高リフレッシュレートディスプレイを搭載しているので、その分消費電力は高くなりますが、大容量バッテリーを搭載しているおかげで、バッテリー駆動時間は比較的長いと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約7.5時間 |
(2) 動画再生時 | 10時間39分 |
(3) FF14ベンチ | ー |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。90Wと大きめの容量のACアダプターなので、充電速度は比較的速いです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは、プライバシーシャッター付きの720p HDカメラです。解像度は高くありませんが、自然な色あいで、割と見やすい映像です。



※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に配置されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。
「スタンダードモード」では、動作安定時は約35Wと低めのCPU電力で推移していますが、CPU温度は80℃前後とそこまで高くはありません。
一方「パフォーマンスモード」では、CPU電力は45W前後と高くなりますが、CPU温度は86℃前後へ上がります。やや高めのCPU温度です。
基本的には「スタンダードモード」で運用するのがいいのではないかと思います。
- スタンダードモード時
- パフォーマンスモード時


静音性のチェック
Vivobook 15X OLEDの動作音(静音性)のチェック結果です。
以下、3つの状態で計測しましたが、どの状態のときも、一般的なノートPCと同等程度の騒音値です。そこまで音が気になることもないでしょう。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
高負荷時でも、パームレスト部の温度はほとんど変化していないので、使っていて不快感は特にありません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
Hシリーズの高性能プロセッサーを搭載しているため、一般的なノートPCよりは高めの消費電力です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
Vivobook 15X OLEDの外観のチェックです。
艶のないボディ素材で、カラーは濃い紺色です。

天板にはASUS Vivobookのロゴが入っています。

ディスプレイを閉じたときの厚みは約20.2mmと薄いです。


インターフェースはご覧の通りです。右側面にポート類が集中しています。電源コネクターも右側です。ここにケーブルや周辺機器を接続すると、マウスを持つときにやや邪魔になるかもしれません。
また、画像編集用途にも適したスペックなので、SDカードスロットも欲しいところでした。


ディスプレイは約180度開くので使いやすいです。

底面はフラットです。

底面カバーを外したときの画像はご覧の通りです。なお、ASUSではユーザーによる増設や交換はサポートしておりません。また、メーカーから借りたサンプル機であるため、一部部材は量産品と違う可能性があります。
冷却ファンは1つですが、ヒートパイプは2本あり、背面と側面の2方向から排気しています。

メモリはオンボード+スロットです。スロットのメモリは換装できます。

ストレージには、Type 2280のM.2 SSDが搭載されていました。空いているM.2スロットはありません。

ACアダプターは90Wです。90Wの割には小型のACアダプターですが、電源ケーブルは太めなのが残念です。


まとめ
以上が、ASUS Vivobook 15X OLEDのレビューです。
2.8K有機ELディスプレイを搭載しており、画像や映像を表示すると、非常に綺麗です。例えば、自分で撮影した思い出の画像や動画を、綺麗に表示することができます。
プロセッサーの性能も高く、重いアプリもサクサク動くでしょう。広色域ディスプレイと高性能プロセッサーを搭載していることから、画像編集などの用途に適していると思います。
ただし、2つのメモリのうちの1つはオンボードなので換装することができません。2つともスロット式のメモリでも良かったと思います。
また、USB Type-Cポートが、PowerDeliveryおよび映像出力に対応していなかった点、SDカードスロットがない点も残念です。
なお、セール時なら、10万円台で販売されています。このスペックで、この価格であればコストパフォーマンスは非常に高いと思います。
2.8K有機ELディスプレイを搭載
ASUS Vivobook 15X OLED

特徴
- 広色域の2.8Kの有機ELディスプレイ
- 高性能プロセッサー搭載
こんなあなたに
- 色鮮やかな画面でコンテンツを楽しみたい方
- 画像編集をしてみたい方
- 価格15万円台[税込]~
- セール時10万円台[税込]~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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