※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
ASUS ROG Zephyrus G15(2022)の実機レビュー

CPU | Ryzen 7 6800HS Ryzen 9 6900HS |
---|---|
GPU | RTX 3060 / 3070 Ti |
メモリ | 16GB / 32GB DDR5-4800 |
ストレージ | PCIe Gen4 SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | WQHD 240Hz 非光沢 |
質量 | 約1.99kg |
バッテリー | 90Wh |
価格[税込] | 22万円台~ |
ROG Zephyrus G15は、高品質、軽量、薄型が特徴的なゲーミングノートPCです。
最新のRyzen 6000 HSシリーズプロセッサーを搭載し、ミドル~ハイクラスのゲーミング性能を備えつつ、約1.99kgとゲーミングPCとしては軽く、持ち運びしやすいです。
また、240Hz、WQHD、DCI-P3 100%クラスの液晶は、ゲームだけでなく、クリエイター向けソフトの使用にも適しています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 9 6900HS、32GBメモリ、GeForce RTX 3070 Ti、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「 ROG Zephyrus G15の特徴」のみお読みください。
ROG Zephyrus G15の特徴
軽量・スリムで持ち出しも可能なゲーミングノートPC
ROG Zephyrus G15は、ミドルクラス~ハイクラスのゲーミング性能を備えていながら、質量が約1.99kgと軽く、厚みが約19.9mmと薄いことが大きな特徴となっています。
高めのスペックを比較的容易に持ち運ぶことができるので、宅内だけでなく、出張先や、友人宅などでもゲームを楽しむことができます。また、仕事兼ゲーム用として、オン・オフを問わず使うノートPCとしてもいいと思います。

Ryzen 9 6900HSを搭載
ROG Zephyrus G15は、AMD Ryzen 6000シリーズのRyzen 7 6800HSまたはRyzen 9 6900HSを搭載しています。
下表では、Ryzen 6000Hシリーズプロセッサーの仕様を比較しています。型番の末尾が「S」なので、TDPが35Wと抑えられたモデルとなりますが、どちらも高い性能のプロセッサーです。
コア/ スレッド |
Max Boost (Base) GHz |
L2+L3 Cache |
TDP | |
Ryzen 9 6980HX | 8 / 16 | 5.0 (3.3) | 20MB | 45W |
Ryzen 9 6980HS | 8 / 16 | 5.0 (3.3) | 20MB | 35W |
Ryzen 9 6900HX | 8 / 16 | 4.9 (3.3) | 20MB | 45W |
Ryzen 9 6900HS | 8 / 16 | 4.9 (3.3) | 20MB | 35W |
Ryzen 7 6800H | 8 / 16 | 4.7 (3.2) | 20MB | 45W |
Ryzen 7 6800HS | 8 / 16 | 4.7 (3.2) | 20MB | 35W |
Ryzen 5 6600H | 6 / 12 | 4.5 (3.3) | 19MB | 45W |
Ryzen 5 6600HS | 6 / 12 | 4.5 (3.3) | 19MB | 35W |
今回は、Ryzen 9 6900HS搭載モデルをチェックしており、CPUの処理性能を示すベンチマークスコアは下のグラフの通りでした。Ryzen 9 5900HXや、Core i7-11800Hのような、ゲーミングノートPCが搭載する1世代前のプロセッサーより高いスコアがでています。Core i7-12700Hと比べると、マルチコア、シングルコアともに見劣りする結果となっていますが、軽量・スリムタイプのゲーミングノートPCとしては十分高い処理性能です。
240Hz / DCI-P3 100%クラスの液晶
ROG Zephyrus G15は、WQHD(2560x1440)の240Hz駆動液晶を搭載しています。
旧モデルとなるROG Zephyrus G15 (2021)の搭載するWQHD・165Hz液晶から、リフレッシュレートがアップしています。Apex Legendsのような動きが激しく、競技性の高いゲームがしやすくなることでしょう。

また、色域はDCI-P3 100%クラスで、Pantone認証を取得し、工場でキャリブレーションされて出荷されるので、正確な色表現が可能となっています。このような特徴ゆえに、クリエイティブな用途にも適しています。
WQHDと解像度も少し高めなので、写真などを精細に表示することができますし、写真・画像編集にも使えます。

デザイン性・耐久性がともに高い
ROG Zephyrus G15の天板には、ドットマトリックスデザインが施されています。これは、CNC加工によって設けられた8279の小さな穿孔で、そこから下のプリズム状のフィルムが角度によって光ります。
かっこよく、人目を引くデザインなので、外でも積極的に使いたくなります。


また、ROG Zephyrus G15は、ボディ素材に、マグネシウムとアルミニウム合金を使用しており、耐久性も高いです。外に持ち出す場合も、安心です。

オンボード+スロットのメモリ構成
ROG Zephyrus G15は、DDR5-4800メモリを搭載しています。メモリ容量は、16GBと32GBとがあります。
今回は、32GBメモリ搭載モデルをチェックしましたが、内部を見ると、オンボード(16GB) + スロットメモリ(16GB)のデュアルチャネル構成となっていました。また、海外のメーカーサイトを見ると、16GBのモデルでも、オンボード(8GB) + スロットメモリ(8GB)のデュアルチャネル構成になっているようです。
なお、スロットメモリの換装(自己責任)はできそうですが、オンボードメモリと同じ容量を超える部分は、デュアルチャネル動作とはなりません。そのため、16GBではメモリ容量が足りないと思う方は、メモリ容量が32GBのモデルを最初から選ぶ方がいいかもしれません。

空きのM.2スロットあり
ROG Zephyrus G15には、M.2の空きスロットがありました。
多くのゲームを入れておきたい方や、画像・動画編集などのクリエイティブな作業にも使用される方など、大容量のストレージが必要な場合は、自己責任とはなりますが、ストレージの増設もできそうです。

大容量バッテリー
ROG Zephyrus G15は、90Whの大容量バッテリーを搭載しています。
さすがに、ゲームのような高い負荷がかかる用途だと、バッテリー駆動時間は短いですが、ライトな用途を想定したベンチマークテストでは、8時間15分と、高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCとしては長めのバッテリー駆動が可能でした。
外出先での写真のチェックや、簡単な編集作業といった軽めの使い方であれば、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できそうです。

やや気になる部分
ROG Zephyrus G15のやや気になる部分としては、ゲームなどの高い負荷がかかると、CPUとGPUの温度が上がり、パームレスト部もやや熱く感じることがあります。
また、背面からの熱い排気がディスプレイに当たってしまうのも、やや気になります。

各用途の快適度
ROG Zephyrus G15の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックで、快適に動作します。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 色域の広い液晶で、色鮮やかな表示ができます。スピーカー音もいいので、快適に動画鑑賞できます。 |
オンライン会議 | ○ | ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、双方向AIノイズキャンセリングも使用でき、問題なくオンライン会議ができます。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 色域が広いWQHD液晶を搭載しており、RAW現像や画像編集にも適しています。ただし、Adobe RGBカバー率86.6%だったので、印刷用のDTPには色域がやや足りません。 |
動画編集 | ◎ | 4K動画も快適に編集できる性能を備えています。当サイト計測でDCI-P3カバー率98.1%と液晶の色域が広いので、色の調整まで行えます。 |
ゲーム | ◎ | ミドル~ハイクラスのゲーミング性能と、240Hz液晶を搭載しており、多くのタイトルを快適にプレイできます。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
ここでは、ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。
今回は、Ryzen 9 6900HS、GeForce RTX 3070 Ti Laptopの構成で計測しています。
動作モード
本製品は、いくつか動作モードを選択できます。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、「ARMOURY CRATE」のソフトから変更します。
ここでは、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」のモードで、各ゲームの平均フレームレートを計測した結果を掲載します。


各ゲームの平均フレームレート
いくつかのゲームの平均フレームレートを掲載します。他のグラフィックスとも比較していますが、すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。また、ディスクリートモードでもフレームレートを計測した場合は、その数値も載せています。
今回チェックしたゲームでは、重い部類のゲームでも、最高画質設定で60 fps以上出ており、RTX 3070 Ti Laptopとしては妥当な高めのフレームレートでした。また、中程度の重さのゲームでも100 fps以上、軽めのゲームであれば200 fps近くの高いフレームレートでのプレイが可能です。
動きの激しい軽めのゲームから、高画質の重めのゲームまで、多くのゲームを快適にプレイできるゲーミング性能を備えています。
なお、ディスクリートモードに関しては、ゲームによっては数%フレームレートが伸びる場合もありました。少しでもフレームレートを高めたい時は、ディスクリートモードを選択するといいでしょう。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー(max TGP)
![]() 重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 122 fps |
高 | 91 fps | |
ウルトラ | 76 fps 【77 fps】 |
|
レイトレ:中 | 63 fps | |
レイトレ:ウルトラ | 58 fps 【59 fps】 |
カッコ【】内は、ディスクリートモードのフレームレート
![]() 重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
低 | オフ | オフ | 99 fps |
高 | オフ | オフ | 89 fps | |
最大 | オフ | オフ | 73 fps 【77 fps】 |
|
オフ | 高性能 | 81 fps | ||
最大 | 高性能 | 56 fps 【61 fps】 |
![]() 重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 187 fps |
高 | 99 fps | |
エクストリーム | 86 fps 【87 fps】 |
![]() 重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 98 fps |
高 | 84 fps | |
ウルトラ | 79 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 147 fps |
標準品質 | 129 fps | |
高品質 | 97 fps 【104 fps】 |
![]() 中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 48707 / 167 fps |
高 | 26289 / 120 fps | |
ウルトラ | 18492 / 100 fps 【23197 / 109 fps】 |
![]() 中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
最低 | オフ | 136 fps |
中 | オフ | 125 fps | |
最高 | オフ | 117 fps 【124 fps】 |
|
クオリティ | 121 fps 【133 fps】 |
![]() 中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 131 fps |
高(ノート) | 126 fps | |
最高品質 | 118 fps 【121 fps】 |
![]() 中程度の重さのゲーム
フォートナイト
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 231 fps |
高設定 | 149 fps | |
最高設定 | 113 fps 【116 fps】 |
カッコ【】内は、ディスクリートモードのフレームレート
![]() 軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 292 fps |
高設定 | 189 fps 【207 fps】 |
カッコ【】内は、ディスクリートモードのフレームレート
![]() 軽い部類のゲーム
VALORANT
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 332 fps |
高設定 | 251 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 非常に低い | 207 fps |
中型 | 198 fps | |
ウルトラ | 195 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均スコア |
1920x1080 | 最高品質 | 19878(すごく快適) |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
ディスプレイの詳細なチェックです。
パネルは、「BOE0A55」でした。
240Hzのハイリフレッシュレートに対応した、WQHD液晶です。残像も少なく、動きの速いゲームでも快適にプレイできます。解像度も高めで、色域も広いため、映像を楽しむタイプのゲームにも適していますし、動画編集などのクリエイティブな作業にも使用できます。最大輝度は、当サイトの計測では314cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの測定結果は、以下のとおりで、色域は広いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 98.1% |
Adobe RGBカバー率 | 86.6% |

ガンマ補正曲線を確認すると、各色揃って1:1の直線となっており、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢液晶ですので、映り込みは抑えられています。ギラつきが若干ありますが、ほとんど気にならないレベルです。

PWM調光によってフリッカー(ちらつき)が出ているか確認しましたが、フリッカーはありませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約27msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に240フレームを更新する240Hzの液晶で2フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCの液晶は60Hzで、1秒間に60フレームしか更新しませんが、2~3フレーム前くらいまで残像がありました。このことから、本製品のディスプレイ残像は非常に少ないと思います。

キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mmです。キーストロークは約1.7mmと、やや深めで適度な打鍵感がありつつ、ROGオーバーストローク技術により、高い位置でもキー入力を検知できます。また、Nキーロールオーバーにも対応しています。
主要なキーのサイズも揃っていますし、配置も標準的です。キートップはわずかにカーブしており、底付きの衝撃も少なく、比較的打ちやすいキーボードだと思います。
タッチパッドは普通の使いやすさです。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードにはRGBバックライトが付いています。全キー同じ色ですが、色の変更は可能です。


ARMOURY CRATEで、RGBバックライトのエフェクトや色の変更を行うことができます。

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「パフォーマンス」と、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」でベンチマークなどを計測しました。

CPU
ROG Zephyrus G15は、Ryzen 7 6800HS、または、Ryzen 9 6900HSを搭載しています。
今回は、Ryzen 9 6900HSを搭載した上位モデルで、ベンチマークの結果は以下のとおりです。
マルチコアでは、Ryzen 9 5900HXとほぼ同程度となる高めのスコアが出ていました。また、シングルコアでもRyzenプロセッサーとしては高めのスコアでした。ただし、TDPが35Wに抑えられたプロセッサーなので、マルチコア、シングルコアともにRyzen 7 6800Hと同程度にとどまっています。また、ライバルとなる第12世代Core Hシリーズプロセッサーほどのスコアは出ませんでした。
それでも、モビリティ高めのゲーミングノートPCであることを考えると、十分な処理性能だと思います。
~ CPU性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはDDR5-4800です。他の機種で計測したときよりも狭い帯域ではありましたが、十分な帯域があると思います。なお、オンボード + スロットメモリなので、スロットメモリの換装はできそうです。
~メモリ性能の評価 ~


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
ROG Zephyrus G15は、グラフィックスに、GeForce RTX 3060 Laptop、またはGeForce RTX 3070 Ti Laptopを搭載しています。
今回は、GeForce RTX 3070 Ti Laptopを搭載しており、メーカーの設定する最大グラフィックスパワーは120Wでした。GeForce RTX 3070 Ti Laptopとしては、比較的高めの設定値です。
なお、海外のメーカーサイトを確認すると、RTX 3060 Laptop搭載モデルの最大グラフィックスパワーも同じく120Wとなっていました。こちらも、RTX 3060 Laptopとしては、やや高めの設定値です。

ベンチマークの結果は以下のとおりです。ハイクラスに位置するRTX 3070 Tiとして、妥当な高めのスコアが出ています。「Turbo」モードにすると、「パフォーマンス」モード時よりもスコアがアップしています。ゲームなど、グラフィックス性能を必要とする場合は、「Turbo」モードを選択するといいと思います。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3070 Ti Laptopの情報は次の通りです。動作モードを、「パフォーマンス」モードから、「Turbo」モードに変更すると、GPUクロックなどが少しアップしています。

ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しています。十分な速度ですが、PCIe Gen4 SSDとしては、そこまで速度が伸びませんでした。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は速いです。
~ SDカードスロット性能 ~


クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「Turbo」 モードで計測した結果のみ掲載します。

CPUの処理性能、特にシングルコア性能が上がったためか、Ryzenプロセッサーとしては、処理にかかる時間が大分短くなっています。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください

インテルCore搭載機ほどではありませんが、4K動画の書き出しも実用的な範囲の時間に収まっています。編集作業も快適です。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

※ MacBook以外(Windowsノート)は、エンコーダーに、QSV、NVIDIA、AMD等を選択

CPUのみで実行するソフトエンコードは、処理時間が非常に短いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)


USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
USB-Cポートを2ポート備えており、下表のような結果となりました。Thunderbolt 4には非対応ですが、映像出力と、本機器への給電をサポートしています。
出力の低い小型のUSB-Cアダプターでも充電できました。ただし、ゲームのような高い負荷がかかる処理を行う場合は、付属のACアダプターを接続しないと、どんどんバッテリー容量が減っていきます。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで表示できます。

質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.99kg」と記載されています。実測値は以下の通りで、仕様値とほぼ同じでした。15インチクラスのゲーミングノートPCとしては軽めの質量です。
質量 | |
PC本体 | 1.975kg |
ACアダプター | 721g |
バッテリー駆動時間のチェック
ROG Zephyrus G15のバッテリー駆動時間のチェックです。
90Whと大容量のバッテリーを搭載しています。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。軽めの作業の場合、高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCの割には、意外と長めのバッテリー駆動時間でした。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 約11.2時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 8時間15分 |
(4) PCMark 10 Gaming | 1時間49分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は速いです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、物理的なシャッターは付いていません。なお、IRカメラを搭載しているので、Windows Helloの顔認証を使用できます。

Webカメラは、約92万画素のHDカメラです。露出がやや高めで、自然な感じの色味の画像でした。ノートパソコンに搭載されるWebカメラとしては、普通の性能だと思います。

※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows 11標準のカメラアプリで撮影

※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ
スピーカー
スピーカーは、キーボード面の左右サイドと、パームレストの下に、6スピーカー(1Wx4、2Wx2)を搭載しています。音質はよく、ノートPC基準で10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。


パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときの、CPU電力の推移と、CPUの大体の温度を確認しました。
「パフォーマンス」モードでは、CPU温度が約93℃と高めの温度まで上がっています。CPU電力は、70W前後~24W前後を上下しています。CPU温度が高いため、サーマルスロットリングが発生しているようです。
「Turbo」モードでは、CPU電力が77W前後と高めをずっとキープしており、CPU温度も約89℃ぐらいまでと、「パフォーマンス」モード時よりも下がっています。その分、ファンの回転数がアップするため、騒音値が上がり、うるさくなります。
CPU温度のことを考えると、CPUに高い負荷がかかる作業を行う場合は、「Turbo」モードにした方がいいようです。
- パフォーマンス時
- Turbo時




ゲーム時のCPU温度、GPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中の大まかなCPU温度と、GPU温度の推移は下図の通りです。
「パフォーマンス」モードでは、CPU温度は79℃前後、GPU温度はぎりぎり70℃台ぐらいに抑えられていました。一方、「Turbo」モードでは、CPU温度は約87℃ぐらいまで上がっています。GPU温度は、80~82℃ぐらいとなっています。
「Turbo」モードの方が少し高めの温度となる傾向にあります。それでも、グラフィックス性能なども少し高くなるため、少しでもフレームレートを上げたい場合や、重めのゲームをプレイするときは、「Turbo」モードを使用するといいと思います。ただし、騒音値が上がります。
- パフォーマンス時
- Turbo時




静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
「パフォーマンス」モードでは、アイドル時はほぼ無音です。FF15ベンチのような高い負荷がかかると、ややうるさく感じる騒音値となります。「Turbo」モードにすると、同等他機種と比べても高い騒音値となり、うるさいです。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
左から1番目:アイドル時
左から2番目:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)
左から3番目:同上 (Turbo時)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
ゲーム中はキーボード中央の温度が上がります。また、パームレスト部分もやや熱くなります。この辺りは、軽量・スリムタイプのボディに高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCとして、仕方のない部分だと思います。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
性能の高いCPU・GPUを搭載しているので、高負荷時は高めの消費電力になります。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
ROG Zephyrus G15の外観のチェックです。
狭額縁ベゼルの液晶と、シンプルなデザインで、洗練されたイメージのボディです。ボディ素材には、マグネシウムとアルミニウム合金が使用されており、耐久性も高いです。
今回は、ムーンライトホワイトのボディカラーで、清潔感があります。他に、エクリプスグレーのボディもあります。エクリプスグレーのボディにいては、ROG Zephyrus G15 (2021)のレビューを参考にしてください。

強化金属製の天板には、ドットマトリックスデザインが施されており、その下のプリズム上のフィルムが角度によって色を変えて光を反射します。


閉じた時の画像です。厚みは19.9mmと、ゲーミングノートPCとしては薄いです。


インターフェイスには、USB3.2 x2、USB-C(映像出力、本機への給電に対応)x2、HDMI、LAN(最大2.5GBASE-T)、microSDカードリーダーを備えています。


液晶面はほぼ180度開き、フラットになります。

底面の画像はご覧の通りです。

底面カバーを外したときの画像はご覧の通りです。なお、ASUSではユーザーによる増設や交換はサポートしておりません。また、メーカーから借りたサンプル機であるため、一部部材は量産品と違う可能性があります。
2基の冷却ファンと、6本のヒートパイプで、4方向から排気することで、熱を放出しています。

メモリは、オンボード+スロットメモリの構成です。スロットメモリの換装はできそうです。また、ストレージには、Type 2280 M.2 SSDを搭載しています。

空きのM.2スロットもありました。自己責任とはなりますが、M.2 SSDの増設もできそうです。

ACアダプターの容量は240Wと大きめです。ACアダプター本体は容量の割にそこまで大きくありませんが、コンセント側のケーブルが太くて、ややかさばります。


まとめ
以上が、ROG Zephyrus G15のレビューです。
15.6型のゲーミングノートPCですが、質量が約1.99kg、厚みが約19.9mmと、軽くて薄いボディが特徴的な機種です。ミドルクラス~ハイクラスのゲーミング性能を、比較的容易に持ち運ぶことができます。
最新のRyzen 6000シリーズを搭載し、Ryzen 7 6800HS + RTX 3060 Laptop、または、Ryzen 9 6900HS + RTX 3070 Tiの高めのスペック構成となっています。今回は、Ryzen 9 6900HS搭載モデルでベンチマーク等を計測しましたが、第12世代Core i7-12700Hには及びませんでしたが、ゲーミングノートPCとしては十分な性能は備えていると思います。また、大容量バッテリーということも関係していますが、TDPを35Wに抑えたプロセッサーなので、ライトな用途であればバッテリー駆動でもそこそこの時間使用できました。
搭載する240Hz駆動のWQHD液晶も質が高かったです。ミドル~ハイクラスのゲーミング性能を活かして、動きの激しいゲームを高いフレームレートでプレイすることもできます。また、DCI-P3 100%クラスと色域が広いため、映像を楽しむタイプのゲームや、クリエイティブな作業にも適しています。
加えて、ボディのデザインや、耐久性が高いのもポイントです。
ミドルクラス以上のゲーマーやクリエイターが持ち運びもできる、高品質なゲーミングノートPCとしておすすめです。
ただし、ハイスペック構成をスリムボディに搭載しているため、熱や騒音値はやや高めです。使用する環境や用途によって、動作モードを変更して使用する方がいいと思います。
高性能を持ち出せるゲーミングノートPC
ROG Zephyrus G15

特徴
- 約1.99kg、19.9mmと軽くて薄いボディ
- 最大でRyzen 9 6900HS + RTX 3070 Ti
- 240Hz / DCI-P3 100%クラスのWQHD液晶搭載
こんなあなたに
- 高い性能のゲーミングノートを持ち運びたい方
- クリエイティブな作業用の移動機として
- 価格22万円台[税込]~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ