MacBook Pro 13インチ M2の実機レビュー

更新日:
SoC Apple M2
メモリ 最大24GB
ストレージ 最大2TB PCIe SSD
液晶サイズ 13.3インチ
液晶種類 2560x1600 IPS P3
質量 約1.4kg
バッテリー 58.2Wh
価格[税込] 178,800円~
M2チップを搭載し性能アップ

今回レビューするMacBook Pro 13インチは、M2チップを搭載したクリエイター向けノートPCです。

従来モデルと外観は変わっていませんが、M1からM2へ変わったことで、パフォーマンスがややアップしています。

他のMacBookシリーズに比べて、バッテリー駆動時間が長く、質量も比較的軽いです。このような特徴と、M2の省電力性を活かし、外へ持ち運んでの動画編集などのやや負荷の高い作業を行う方に適しています。

販売先はこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Apple M2(8コアCPU/10コアGPU)、16GBメモリ、512GB SSD

 

目次

お忙しい方は「MacBook Pro 13インチ M2の特徴」をお読みください。

 

MacBook Pro 13インチ M2の特徴

M2チップでパフォーマンスがややアップ

MacBook Pro 13インチの大きな変化点は、SoCがApple M2になったことです。ボディなどの外観は変わっていないため、変化点はこのSoCのみと言ってもいいです。

メーカーのアナウンスでは、従来のM1よりもCPU性能は18%高速化、GPU性能は35%高速化したとあります。

それでは、実際のベンチマークスコアで、どのくらい性能が上がったのか簡単に見ていきたいと思います。なお、詳細は、「パフォーマンスのチェック」や「クリエイターソフトの処理時間」をご覧ください。

 

CPU性能は、従来M1の約20%向上(実測値)

まずは、Geekbench 5にて、CPU性能を確認します。こちらの結果を見ると、従来のM1よりも約20%性能が向上しています。M1が登場した時の衝撃度はありませんが、それでも順当に性能が伸びています。なお、M1 ProやM1 Maxよりはスコアは低いです。

Geekbench 5 - マルチコア
Apple M1 Max 12758 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro 12623 (MacBook Pro 14)
Apple M2 9007 (MacBook Pro 13)
Apple M1 7528 (旧MacBook Pro 13)

 

グラフィック性能は従来M1の約42%向上(実測値)

グラフィック性能については、GFXBench 5.0の結果を確認してみます。GPUコアが8から10になったことで、M2はM1よりも約42%も性能が向上しています。

GFXBench 5.0 1440p Aztec Ruins (High Tier) Offscreen
Apple M1 Max 310 fps (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro 165 fps (MacBook Pro 14)
Apple M2 109 fps (MacBook Pro 13)
Apple M1 77 fps (旧MacBook Pro 13)

 

ProRes メディアエンジンを搭載で高速化

M1には無かったProResエンコード/デコードのメディアエンジンを、M2チップでは搭載しているため、ProRes RAWで撮影した動画の書き出しなどが非常に速くなりました。当サイトでの比較では、下表の通り、約4分の1の時間で書き出しが終わっています。

Final Cut Pro X - ProRes RAWで撮影した動画を書き出し
Apple M2
8CPU/10GPU
2分59秒 (新MacBook Pro 13)
Apple M1 11分29秒 (旧MacBook Pro 13)
※ ProRes RAWの4K/25p(約6分)の4つの動画を、並べて表示して8Kにし、「ファイルを書き出す(デフォルト)」を実行して、書き出したときの時間。編集は、それぞれの動画でカラーグレーディングのみ実施

 

省電力でロングバッテリー

こちらは、従来からの特徴となりますが、M2チップのMacBook Pro 13インチは、非常に省電力です。特に、動画編集のような高めの負荷をかけても、長くバッテリー駆動できる点が素晴らしいと思います。以下、詳しく見ていきます。

M1 Pro - GPUパフォーマンス vs 消費電力
※CPU内蔵グラフィックス:MSI GP66 Leopard 11UG-018(Core i7-11800H)
※外部GPU搭載ノートPC:Lenovo Legion 5 82JW0012US(RTX 3050 Ti)
M1 Max - GPUパフォーマンス vs 消費電力
※コンパクトプロノートPC:Razer Blade 15 Advanced (RZ09-0409CE53)(RTX 3080)
※ハイエンドノートPC:MSI GE76 Raider 11UH-053(RTX 3080)

 

高負荷時の消費電力が低い

当サイトにて、動画編集ソフト(Premiere Pro)で4K動画を書き出したときの消費電力を計測してみたところ、約28Wという非常に低い消費電力で動いていました。Core i7-1280P、GeForce RTX 3050を搭載した似たような性能Windowsパソコンでは、約70Wだったので、MacBook Pro 13がいかに低い消費電力なのかが分かると思います。

このくらい低い消費電力であれば、市販のPowerDelivery対応のUSB-C充電器でも、動画編集をすることが出来ます。

Premiere Pro 動画書き出し時の消費電力

 

動画編集をしていても長いバッテリー駆動時間

続いて、Premiere Proの編集画面で、プレビュー再生を延々とリピートさせたときのバッテリー駆動時間を計測したところ、約7時間34分もバッテリー駆動しました。同等スペックのWindowsノートだと2時間1分しかもちません。動画編集のようなソフトを使っていて、7時間以上もバッテリー駆動するというのはかなり驚異的です。

また、MacBook Pro 13インチのバッテリー容量が58.2Whであるのに対し、同じM2チップを搭載したMacbook Airは52.6Whとなっており、メーカー仕様表を確認しても、MacBook Pro 13インチのほうがバッテリー駆動時間が長くなっています。そのため、MacBook Pro 13インチは、外出先などで、バッテリー駆動状態で、動画編集などの負荷の高いアプリを使う用途に、非常に適した製品だと思います。

Premiere Pro 動画プレビュー再生時のバッテリー駆動時間

 

動作音が非常に静か

動作音が非常に静かなのもメリットです。アイドル時は無音であるのは当たり前で、動画の編集をしていてもほぼ動作音が聞こえません。

動画の書き出しのような非常に高い負荷をかけても、約28dBと非常に低い騒音値でした。Windowsノートだと44dBだったので、その低さが分かると思います。

Premiere Pro 動画書き出し時の騒音値

 

高負荷時のCPU温度は高め

低消費電力・低動作音ではありますが、高負荷時のCPU温度は高いです。例えば、Premiere Proで動画の書き出しを行ったときのCPU温度は約90~100℃まで上がります。ここまで温度が高いとパーツの寿命が気になります。

ただ、故障しやすいという声はそれほど聞かないので、通常の使い方であれば、問題ないのだと思います。

 

デザインは変わらず・・・

MacBook Pro 14 / 16では、Touch Barが廃止されました。MacBook Pro 13 M2と同時期に発売されたMacBook Pro Air M2もTouch Barが廃止されました。しかし、なぜかMacBook Pro 13 M2はTouch Barが廃止されませんでした。

Touch Barは、ユーザーからの評判があまり良くなかったので、MacBook Pro 13 M2でも無くして欲しいところでした。ただ、Touch Barが好きというユーザーも一定数いると思うので、そういう方には、MacBook Pro 13 M2は、とても貴重なMacBookシリーズだと思います。

Touch Barを搭載

 

Windowsのライバル機種との比較

上で、WindowsノートPCと消費電力とバッテリー駆動時間、騒音値を比較しましたが、ここでは、もう少し詳しく比較していきます。比較するのは、スペックが近いMSI Prestige 14 A12Uです。外部GPUを搭載し高めの性能であるにも関わらず、非常に軽い機種です。

MacBook Pro 13 M2が、消費電力、バッテリー駆動時間、騒音値の他に優れている点は、ディスプレイの解像度と色域です。よりクリエイティブワークに使いやすいと思います。

一方、MSI Prestige 14 A12Uが優れている点は、メモリやストレージの最大容量が多い点です。また、できるだけスペックを近くした価格を見ると、MSI Prestige 14 A12Uのほうがかなり安くなっています。この価格差は見過ごせません。また、スペックが近いと記載しましたが、動画の書き出し時間は、RTX 3050の外部GPUを搭載しているMSI Prestige 14 A12Uのほうが若干速いです。

Windowsのライバル機種との比較
  MacBook Pro 13 M2 MSI Prestige 14 A12U
画像
CPU Apple M2 Core i7-1280P
GPU RTX 3050
メモリ 最大24GB 最大32GB
ストレージ 最大2TB 最大4TB
液晶サイズ 13.3インチ 14.0インチ
解像度 2560x1600 1920x1080
液晶種類 Display P3 100% sRGB 100%
質量 約1.4kg 1.29kg
価格の比較
  MacBook Pro 13 M2 MSI Prestige 14 A12U
メモリ 24GB 32GB
ストレージ 1TB 1TB
価格 290,800円 218,900円
※MacBook Pro 13は32GBメモリを選択できないので、24GBでの価格を表示

 

ディスプレイのチェック

ここからは、各機能の細かいチェックに入ります。まずはディスプレイのチェックです。

2,560x1,600ドット、500ニト、広色域(P3)のディスプレイを搭載しています。当サイトによる計測値は次の通りです。

  • 色域
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は下表の通りで、広いです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
Display P3カバー率 95.6%
Adobe RGBカバー率 84.8%
ガモット図
※ i1 Display PlusでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶ですが反射が抑えられているため見やすいです。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

MacBook Pro 13インチのキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは1mm前後です。個人的には、普段メカニカルキーボードを使っていることもあり、キーストロークの浅さと底付きの衝撃が気になりますが、軽いタッチで流れるようにタイピングする方にとっては、打ちやすいのではないかと思います。

また、(Surface以外の)Windowsノートと違って、「英数」と「かな」がスペースキーの隣にあり、慣れると変換しやすいです。

タッチパッドは大きくて使いやすいです。クリックボタンは感圧式ですが、割と軽い力で反応するので、普通のクリックボタンと同様の感覚で使えます。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

続いてパフォーマンスをチェックします。

各プロセッサーの仕様の確認

Apple M2は、CPU、GPU、メモリを一つのシステムオンチップ(SoC)にまとめることで、CPUとGPUの2チップ構成よりも少ない消費電力と冷却パワーで、高い性能を引き出すことが可能となっています。また、メモリがユニファイドメモリなので、CPUとGPU間での低速なインターフェイスを経由したデータ転送が不要になり、処理速度が向上します。

従来のM1チップが、CPU:最大8コア、GPU:最大8コア、最大メモリ16GB、160億個のトランジスタ搭載という構成であるのに対して、M2チップでは、CPUコア数は変わらないものの、GPUが最大10コアメモリが24GBトランジスタが200億以上と、構成がややアップしています。

また、メモリ帯域が100GB/sと、従来のM1チップより50%広くなっています。

Apple M2チップ

 

CPU

CPU性能については、まずはMacのベンチマーク計測でよく使用されるGeekbenchのスコアを掲載します。

マルチコア性能については、M2はM1よりも、スコアが約20%上がっています。インテルCPUと比較した場合、Core i5-1240Pと同じくらいのスコアです。

シングルコアについても、スコアが約11%上がっています。こちらは、性能がかなり上がった第12世代インテルCPUよりも高いスコアが出ています。

Geekbench 5
~ CPU性能の目安 ~
Apple M2(8コアCPU/10コアGPU)
他のCPUとの比較(Multi-Core Score)
Apple M1 Max
10コアCPU
12758 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10コアCPU
12623 (MacBook Pro 14)
Core i7-12700H 11027
Core i7-1280P 11023
Core i7-1260P 9383
Core i5-1240P 9246
Apple M2 9007 (MacBook Pro 13)
Apple M1 7528 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 7444 (旧MacBook Air)
他のCPUとの比較(Single-Core Score)
Apple M2 1924 (MacBook Pro 13)
Apple M1 Max
10コアCPU
1784 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10コアCPU
1770 (MacBook Pro 14)
Core i7-12700H 1763
Core i7-1260P 1757
Apple M1 1728 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 1716 (旧MacBook Air)
Core i7-1280P 1652
Core i5-1240P 1463
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

続いて、CINEBENCH R23のスコアです。Geekbenchは割と負荷が軽めですが、CINEBENCH R23は、CPU使用率が100%になる高い負荷がかかります。

マルチコア性能については、Geekbenchほどの上昇はありませんでしたが、M2はM1よりも、スコアが約12%上がっています。インテルCPUと比較した場合、こちらもCore i5-1240Pと同じくらいのスコアです。

シングルコアについては、M2はM1と比べて、約6%しかスコアが上がっていません。また、第12世代インテルCPUよりも低いスコアになっています。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Apple M2(8コアCPU/10コアGPU)
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Apple M1 Pro
10コアCPU
12359 (MacBook Pro 14)
Apple M1 Max
10コアCPU
12332 (MacBook Pro 16)
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Core i7-1260P 9032
Apple M2 8747 (MacBook Pro 13)
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Apple M1 7802 (旧MacBook Pro 13)
Core i5-1235U 7589
Apple M1 6987 (旧MacBook Air)
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HK 1916
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-1235U 1675
Apple M2 1582 (MacBook Pro 13)
Apple M1 Max
10コアCPU
1534 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10コアCPU
1531 (MacBook Pro 14)
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Apple M1 1493 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 1491 (旧MacBook Air)
Core i5-1240P 1483
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

仕様では、M2は、最大100GB/sのメモリ帯域幅となっており高速です。

AmorphousMemoryMarkのアプリの結果は次のようになりました。このアプリでは、最大値には及びませんが、それでも広い帯域だと思います。

AmorphousMemoryMark
~ メモリ性能の目安 ~
メモリ速度
他のPCとの比較(シーケンシャルリード)
MacBook Pro 16
M1 Max
112.81GB/s
MacBook Pro 14
M1 Pro
108.24GB/s
MacBook Pro 13
M2
63.93GB/s
旧MacBook Pro 13
M1
46.84GB/s
※実測値

 

グラフィックス

グラフィック性能については、まずは、3DMark Wild Life Extremeの結果から確認します。M2はM1よりも、スコアが約35%向上しています。ただし、GeForce RTX 3050と比較すると、低いスコアです。

3DMark Wild Life Extreme
~ グラフィックス性能の目安 ~
Apple M2
他のグラフィックスとの比較
Apple M1 Max
32コアGPU
112.5 fps (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
16コアGPU
56.9 fps (MacBook Pro 14)
RTX 3050
(40W)
53.80 fps
Apple M2
10コアGPU
40.1 fps (MacBook Pro 13)
Apple M1
8コアGPU
29.8 fps (旧MacBook Pro 13)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に、GFXBench 5.0のスコアを見てみます。こちらは、M1よりも約42%高いスコアが出ていました。

GFXBench 5.0 1440p Aztec Ruins (High Tier) Offscreen
~ グラフィックス性能の目安 ~
Apple M2
他のグラフィックスとの比較(OpenCL)
Apple M1 Max
32コアGPU
310 fps (MacBook Pro 16)
RTX 3060
(130W)
175 fps
Apple M1 Pro
16コアGPU
165 fps (MacBook Pro 14)
RTX 3050 Ti
(60W)
115 fps
Apple M2
10コアGPU
109 fps (MacBook Pro 13)
RTX 3050
(60W)
105 fps
Radeon Pro 5500M 8GB
92 fps (MacBook Pro 16)
Apple M1 77 fps (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 77 fps (旧MacBook Air)
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7内蔵)
54 fps
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージは、従来の速度とほぼ変わっていません。

ストレージ性能の目安
~ AmorphousDiskMark ~
512GB SSD
他のストレージとの比較(Seq QD32 Read [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 6825 (MacBook Pro 16)
6711 (MacBook Pro 14)
 PCIe Gen3 SSD 3456 (MacBook Pro 13)
3408 (旧MacBook Pro 13)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

ここでは、クリエイター向けのソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。なお、素材や編集内容によって、処理時間が変わります。また、計測時のソフトのバージョンも同じではありません。そのため、参考程度にご覧ください。

Final Cut Pro Xによる書き出し時間
XAVC Sで撮影した動画を書き出し

XAVC Sの4K動画の書き出し時間を下に掲載します。M2はM1とあまり変わりませんでした。

Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分22秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10CPU/16PU
6分00秒 (MacBook Pro 14)
Apple M2
8CPU/10GPU
6分27秒 (MacBook Pro 13)
Apple M1 6分30秒 (旧MacBook Pro 13)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露出」+「サーキュレーション」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、Apple デバイス 4K、H.264(処理速度優先)で書き出したときの時間
ProRes RAWで撮影した動画を書き出し

次にProResで撮影した4K動画を4つ並べて、8K動画として書き出したときの時間を掲載します。ProRes RAWのメディアエンジンを搭載しただけあって、非常に高速でした。M1の4分の1程度の時間で終わっています。

Apple M1 Max
10CPU/32GPU
2分43秒 (MacBook Pro 16)
Apple M2
8CPU/10GPU
2分59秒 (新MacBook Pro 13)
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
6分00秒 (MacBook Pro 14)
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8G
10分41秒 (旧MacBook Pro 16)
Apple M1 11分29秒 (旧MacBook Pro 13)
※ ProRes RAWの4K/25p(約6分)の4つの動画を、並べて表示して8Kにし、「ファイルを書き出す(デフォルト)」を実行して、書き出したときの時間。編集は、それぞれの動画でカラーグレーディングのみ実施

※ 生成されたレンダリングファイルは削除して実行
※ 何度か計測し直して、最も適切な数値を掲載したので、YouTubeの動画やTwitterで掲載した数値とはやや異なっている部分もあります
DaVinci Resolve Studio 18 Betaによる書き出し時間

DaVinci Resolove Studio 17による書き出し時間はこちらです。こちらはM1とほぼ同じ書き出し時間でした。

Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分16秒 (MacBook Pro 16)
Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
3分51秒
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
3分53秒
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
5分51秒 (MacBook Pro 14)
Apple M1 6分24秒 (旧MacBook Pro 13)
Apple M2
8CPU/10GPU
6分25秒 (新MacBook Pro 13)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「明るさ(カーブ)の変更」+「彩度の変更」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、MP4、H.264、2160p 4K Ultra HD、29.97 fpsで書き出したときの時間
※全てのPCをDaVinci Resolove Studio 17.4のバージョンで計測しなおしました。そのため、YouTubeの動画やTwitterで掲載した数値とはやや異なるケースがあります
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

次は、Premiere Proの書き出し時間を確認します。M1よりは速くなっています。ただ、GeForce RTX 3050を搭載したWindowsノートよりは遅いです。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
3分14秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分26秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-12900H
RTX 3070Ti (120W)
3分49秒
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
3分53秒
Core i7-12700H
RTX 3050 (65W)
4分50秒
Core i7-1280P
RTX 3050 (40W)
5分22秒
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
5分51秒 (MacBook Pro 14)
Apple M2
8CPU/10GPU
6分41秒 (MacBook Pro 13)
Apple M1 9分14秒 (旧MacBook Pro 13)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Lightroom Classicの書き出し時間は速く、インテルのCore i7-12700Hとほぼ同じでした。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
41秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
48秒 (MacBook Pro 14)
Core i7-12700H
RTX 3060
53秒
Core i7-12700H
RTX 3050
59秒
Core i7-12700H 60秒
Apple M2
8CPU/10GPU
60秒 (MacBook Pro 13)
Core i7-1280P 64秒
Apple M1 80秒 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Ryzen 7 5825U 151秒
※外部GPUを搭載しているものは、[書き出しにGPUを使用をON]にして計測しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測

 

USB Type-Cの動作テスト

MacBook Pro は「Thunderbolt 4 / USB4」ポートを2つ備えており、PowerDelivery、DisplayPort出力に対応しているため、以下の全ての機器が使用できました。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器
18W cheero充電器
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

質量のチェック

MacBook Proの質量のチェックです。

仕様上では、1.4kgとなっています。当サイトの計測値は次の通りです。グラフィック性能がある程度高いノートPCとしては、比較的軽いと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.382kg
ACアダプター+電源ケーブル 264g

 

バッテリー駆動時間のチェック

MacBook Pro 13インチのバッテリー駆動時間の仕様はご覧の通りです。非常に長いと思います。

バッテリー関連の仕様
  バッテリー駆動時間 
バッテリー容量 58.2Wh
ワイヤレスインターネット時 最大17時間
Apple TVアプリのムービー再生時 最大20時間
※画面輝度は約120cd/m2

 

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は下の通りです。前述しましたが、高めの負荷をかけたときのバッテリー駆動時間が非常に長いです。

当サイトによるバッテリー駆動時間の実測値
  バッテリー駆動時間
Premiere Pro 動画プレビュー時 ※1 7時間34分
Premiere Pro 動画書き出し時 ※2 3時間7分
※画面輝度は約120cd/m2
※1 編集中の動画(4K)をプレビュー再生(ループ)した時のバッテリー駆動時間
※2 30分間動画を書き出し、そのときのバッテリーの減り具合から推定した数値

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

720p FaceTime HDカメラを搭載しています。実際に撮影した画像は、細部まで綺麗に映っており、見やすいです。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、PhotoBoothのカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、MacBook Pro 16インチよりは劣るものの、普通のノートPCよりはとても良い音質です。ノートPC基準で10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

CINEBENCH R23実行時のCPU温度

CINEBENCH R23で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度を確認すると、100℃前後まで上がっています。高い温度で、心配になるレベルです。

 

静音性のチェック

MacBook Pro 13インチの動作音(静音性)は非常に静かです。アイドル時はもちろん、中程度の負荷をかけてもほぼ無音です。高負荷時も、普通のノートPCと比べると非常に静かです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Adobe Premiere Proによる動画プレビュー
左から3番目:Adobe Premiere Proによる動画の書き出し

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

アイドル時や中程度の負荷であれば、表面温度は気になりません。動画の書き出しのような高い負荷をかけると、全体的に熱くなってきて、パームレストに置く手も熱く感じてきます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

全体的に非常に低い消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

MacBook Pro 13インチ M2の外観は、M1搭載のMacBook Pro 13インチと変わりありません。

14インチのMacBook Proと比較すると、ベゼルがやや太くなっています。ただ、剛性の高いボディで、質感は高いです。

 

天板には、みんなあこがれのアップルマークが付いています。

 

ボディは薄いです。

 

電源ボタンと統合した指紋認証も搭載しています。

 

インターフェースは少なく、Thunderbolt4ポートが2つのみです。

 

液晶が開く最大の角度はご覧の通りです。そこまで開きません。

 

底面は吸気口などがなく、シンプルです。

 

ACアダプターは67Wです。

 

まとめ

以上が、Apple M2搭載のMacBook Pro 13インチのレビューです。

主な変更点は、チップがM1からM2になった点です。M1が登場したときのような大幅な性能アップではありませんが、メーカーアナウンスでは、CPU性能は18%高速化、GPU性能は35%高速化しています。当サイトの計測でも大体そのくらいの性能アップでした。

製品自体としては、高めの負荷をかけても消費電力が低い点が優れています。動画編集のような負荷をかけても、かなり長い時間、バッテリー状態で駆動します。さらに、MacBook Air M2よりもバッテリー容量が多いことから、外出先などに持ち運んで、バッテリー状態で動画編集ソフトなどを使う方におすすめの機種です。

ただ、価格が高くなってしまった点は残念です。最低でも178,800円、メモリやストレージなどを少しアップすると30万円前後になります。

 

M2チップ搭載で性能アップ

MacBook Pro 13インチ M2

特徴

  • M2チップ搭載で、性能がアップ
  • 低い消費電力
  • 高めの負荷でも長いバッテリー駆動時間

こんなあなたに

  • ライトクリエイター
  • YouTuber
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