MacBook Air M2の実機レビュー

更新日:
SoC Apple M2
8コアCPU/8コアGPU
8コアCPU/10コアGPU
メモリ 最大24GB
ストレージ 最大2TB PCIe SSD
液晶サイズ 13.6インチ
液晶種類 2560x1664 IPS P3
質量 約1.24kg
バッテリー 52.6Wh
価格[税込] 164,800円~
デザインが刷新されたMacBook Air

MacBook Airは、言わずと知れた人気のモバイルノートPCです。

デザインが刷新され、MacBook Pro 14インチなどに近いノッチのある外観になりました。

モバイルノートとしてはスペックが高めなので、一般ユーザーはもとより、ライトクリエイターにも適しています。

ファンレスであるため静音性は高いですが、その代わりファンありのMacBook Pro 13インチ M2よりも、ややパフォーマンスは落ちます。

販売先はこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Apple M2(8コアCPU/8コアGPU)、8GBメモリ、256GB SSD

 

目次

お忙しい方は「MacBook Air M2の特徴」をお読みください。

 

MacBook Air M2の特徴

Apple M2チップで少しパフォーマンスアップ

MacBook Airの性能面での変化点は、SoCがApple M1チップからApple M2チップへと変わったことです。

下のCINEBENCH R23のベンチマーク結果の通り、従来のM1搭載のMacBook Airよりも、スコアがやや高くなっています。

ただし、MacBook Airはファンレスということもあり、CINEBENCH R23のように10分以上負荷がかかる場合は、パフォーマンスが徐々に下がっていき、同じM2チップを搭載したMacBook Pro 13よりもスコアは下がります。

CINEBENCH R23 マルチコア
Apple M1 Pro 12359 (MacBook Pro 14)
Apple M1 Max 12332 (MacBook Pro 16)
Apple M2 8747 (MacBook Pro 13)
Apple M2 7939 (MacBook Air)
Apple M1 7802 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 6987 (旧MacBook Air)

 

デザインが刷新

M2搭載のMacBook Pro 13インチは、デザインが変わりませんでしたが、M2搭載のMacBook Airは、MacBook Pro 14インチおよび16インチのようにデザインが変わりました。

新しくなったデザイン

 

従来のM1 MacBook Airは、横から見るとくさび型の形状で、正面に近くなるにつれボディが薄く見えるようになっていましたが、M2 MacBook Airは、正面側と背面側の高さが変わらずシンプルな形状となっています。

左: M2 MacBook Air、右:M1 MacBook Air
以下同様

 

また、従来よりもファンクションキーが大きくなり、押しやすくなりました。

M2 MacBook Airのキーボード
M1 MacBook Airのキーボード

 

ウェブカメラ部分にはノッチが入りました。メニューの多いアプリを起動すると、ノッチのせいでメニュー領域が足りなくなるケースもたまにありますが、使っていてそれほど気にはなりません。

M2 MacBook Airのノッチ

 

省電力でロングバッテリー

MacBook Airは、動画編集もできる性能を持ちながら、とても省電力である点も特徴です。バッテリー駆動でも長い時間、動画編集をすることができます。

付属のACアダプターが30Wと小さいことからも、いかに消費電力が低いのか分かると思います。もちろん、PowerDeliveryにも対応しているので、小型でワット数の少ないUSB-C充電器を使うこともできます。
このくらい低い消費電力であれば、市販のPowerDelivery対応のUSB-C充電器でも、動画編集をすることができるでしょう。

動画編集時でも省電力

 

ファンレスなのでほぼ無音

MacBook Airはファンレスであるため、動作音がほぼしません。図書館などの静かな場所で作業をするときでも、動作音やファンからの排気熱で、他の人の迷惑になることがありません。

図書館などでも他の人の迷惑にならない

 

高負荷時のCPU温度は高め

ただし、ファンレスであるためCPU温度は高めです。Premiere Proで動画の書き出し中のCPU温度を計測したところ、100℃を超えており、その後サーマルスロットリングが発生していました。MacBook Pro 13インチも温度は高かったですが、サーマルスロットリングは発生していなかったので、温度の面では、MacBook Pro 13インチのほうが安心です。

 

MacBook Pro 13(M2)との比較

MacBook Pro 13インチ M2との違いをもう少し見ていきます。

MacBook Air M2の解像度は、2560x1664となっており、MacBook Pro 13インチ M2よりもやや高い解像度になっています。ノッチの両側の画面領域分が増えています。質量は、MacBook Air M2のほうが、MacBook Pro 13インチ M2よりも軽いので、持ち運び重視ならMacBook Air M2のほうがおすすめです。また、MacBook Air M2はファンレスであるため、静音性が高いというメリットはあります。ただし、その分パーツの温度は高めになります。

一方、MacBook Pro 13 M2は、ファンを搭載しているため、動作が安定し、MacBook Air M2よりもパフォーマンスが出ます。クリエイティブワークを頻繁に行うなら、こちらのほうがいいでしょう。

MacBook Pro 13 M2との比較
  MacBook Air M2 MacBook Pro 13 M2
画像
SoC 8コアCPU 8コアGPU
8コアCPU 10コアGPU
8コアCPU 10コアGPU
液晶サイズ 13.6インチ 13.3インチ
解像度 2560x1664 2560x1600
質量 約1.24kg 約1.4kg
ファン ファンレス ファンあり

 

Windowsのライバル機種との比較

MacBook Air M2は、クリエイティブワークもできる軽量ノートパソコンですが、ここでは似たようなコンセプトのWindowsノートPCと比較を行います。比較するのは、MSI Prestige 14 A12Uで、GeForce RTX 3050を搭載しながら、MacBook Air M2とほぼ同じ質量の機種です。

MacBook Air M2は、ディスプレイ解像度が高く、色域も広いので、画像編集などを行うならこちらのほうがいいでしょう。また、下図には掲載していませんが、省電力性が高く、バッテリー駆動時間も長いです。

一方、MSI Prestige 14 A12Uは、MacBook Air M2よりもパフォーマンスが高く、最大メモリや最大ストレージ容量も多く、動画編集などの高めの負荷のかかる作業をするなら、こちらのほうがいいと思います。ファンも搭載しているため、CPU温度が100℃にまで上昇することもありません。

Windowsのライバル機種との比較
  MacBook Air M2 MSI Prestige 14 A12U
画像
CPU Apple M2 Core i7-1280P
GPU RTX 3050
メモリ 最大24GB 最大32GB
ストレージ 最大2TB 最大4TB
液晶サイズ 13.6インチ 14.0インチ
解像度 2560x1664 1920x1080
液晶種類 P3 100% sRGB 100%
質量 約1.24kg 約1.29kg
価格の比較
  MacBook Air M2 MSI Prestige 14 A12U
メモリ 24GB 32GB
ストレージ 512GB 512GB
価格 248,800円 206,800円
※MacBook Air M2は32GBメモリを選択できないので、24GBでの価格を表示
CPU性能の比較(CINEBENCH R23 マルチコア)
MSI Prestige 14 A12U 10672
MacBook Air M2 7939
グラフィックス性能の比較(3DMark Wild Life Extreme)
MSI Prestige 14 A12U 53.80 fps
MacBook Air M2 33.7 fps
※Macbook Air M2と書くべきところが、一部、MacBook Pro M2となっておりました。お詫びして訂正いたします。

 

ディスプレイのチェック

ここからは、各機能の細かいチェックに入ります。まずはディスプレイのチェックです。

MacBook Air M2は、2,560 x 1,664ドット、500ニト、広色域(P3)の13.6インチのIPSディスプレイを搭載しています。当サイトによる計測値は次の通りです。

  • 色域
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は下表の通りで、広いです。

  カバー率
sRGBカバー率 99.9%
Display P3カバー率 94.1%
Adobe RGBカバー率 83.8%
ガモット図
※ i1 Display PlusでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶ですが反射が抑えられているため見やすいです。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

MacBook Air M2のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは1.1mm前後です。キーストロークの浅さと底付きの衝撃が気になりますが、キーストロークが浅い割にはしっかりとした打鍵感があり、軽めに押してタイピングする方には合っていると思います。

また、EnterキーやBackspaceキーが大きく、特に小さいアルファベットキーもないため、押し間違えが少ないです。

タッチパッドは大きくて、ジェスチャー操作などがしやすいです。

クリックボタンは感圧式です。Windows PCの感圧式タッチパッドよりも、反応が良く軽い力で押せるような気がします。普通のタッチパッドと比べて、そこまで違和感無く使えます。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

続いてパフォーマンスをチェックします。

各プロセッサーの仕様の確認

Apple M2は、CPU、GPU、メモリを一つのシステムオンチップ(SoC)にまとめることで、CPUとGPUの2チップ構成よりも少ない消費電力と冷却パワーで、高い性能を引き出すことが可能となっています。また、メモリがユニファイドメモリなので、CPUとGPU間での低速なインターフェイスを経由したデータ転送が不要になり、処理速度が向上します。

従来のM1チップに対して、CPUコア数は変わらないものの、GPUが8コア→最大10コア、メモリが最大16GB→24GB、トランジスタが160億個→200億以上と、構成がややアップしています。また、メモリ帯域が100GB/sと、従来のM1チップより50%広くなっています。

Apple M2チップ

 

CPU

CPU性能については、まず、定番のGeekbenchのスコアを掲載します。

マルチコア性能については、従来のM1 Macbook Airと比べて、スコアが約20%上がっています。M2 Macbook Pro 13インチとはCPUコアが同じなので、ほぼ同じスコアでした。

シングルコア性能については、かなり性能が上がっていました。

Geekbench 5
~ CPU性能の目安 ~
Apple M2(8コアCPU/8コアGPU)
他のCPUとの比較(Multi-Core Score)
Apple M1 Max 12758 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro 12623 (MacBook Pro 14)
Core i7-12700H 11027
Core i7-1280P 11023
Core i7-1260P 9383
Core i5-1240P 9246
Apple M2 9007 (MacBook Pro 13)
Apple M2 8938 (MacBook Air)
Apple M1 7528 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 7444 (旧MacBook Air)
他のCPUとの比較(Single-Core Score)
Apple M2 1924 (MacBook Pro 13)
Apple M2 1920 (MacBook Air)
Apple M1 Max 1784 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro 1770 (MacBook Pro 14)
Core i7-12700H 1763
Core i7-1260P 1757
Apple M1 1728 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 1716 (旧MacBook Air)
Core i7-1280P 1652
Core i5-1240P 1463
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

続いて、CINEBENCH R23のスコアです。CINEBENCH R23はGeekbenchより負荷が高く、またMinimum Test Durationをデフォルトの10分にしているので、負荷をかける時間が長くなっています。

マルチコア性能については、M1のMacbook Airより約13%スコアがアップしていましたが、同じM2を搭載したMacbook Pro 13インチよりも低いスコアでした。これは、MacBook Airはファンレスなので、Macbook Pro 13インチより放熱性が悪く、時間が経つとパフォーマンスが落ちてくるためです。また、インテルの代表的なCPU「Core i7-1260P」と比較すると、10%以上低いスコアでした。

シングルコア性能については高めのスコアが出ていましたが、Core i7-1260Pよりは低いスコアでした。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Apple M2(8コアCPU/8コアGPU)
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Apple M1 Pro 12359 (MacBook Pro 14)
Apple M1 Max 12332 (MacBook Pro 16)
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Core i7-1260P 9032
Apple M2 8747 (MacBook Pro 13)
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Apple M2 7939 (MacBook Air)
Apple M1 7802 (旧MacBook Pro 13)
Core i5-1235U 7589
Apple M1 6987 (旧MacBook Air)
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HK 1916
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-1235U 1675
Apple M2 1590 (MacBook Air)
Apple M2 1582 (MacBook Pro 13)
Apple M1 Max 1534 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro 1531 (MacBook Pro 14)
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Apple M1 1493 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 1491 (旧MacBook Air)
Core i5-1240P 1483
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

仕様では、M2チップは、最大100GB/sのメモリ帯域幅となっており、非常に高速です。

AmorphousMemoryMarkのアプリの結果は次のようになりました。MacBook Pro 14や16と比べると狭い帯域ですが、それでもノートPCとしては十分広い帯域だと思います。

AmorphousMemoryMark
~ メモリ性能の目安 ~
メモリ速度
他のPCとの比較(シーケンシャルリード)
MacBook Pro 16
M1 Max
112.81GB/s
MacBook Pro 14
M1 Pro
108.24GB/s
MacBook Air
M2
64.13GB/s
MacBook Pro 13
M2
63.93GB/s
旧MacBook Pro 13
M1
46.84GB/s
※実測値

 

グラフィックス

グラフィック性能については、3DMark Wild Life Extremeの結果を確認します。今回、8コアGPUのM2チップなので、10コアGPUのM2のMacBook Pro 13インチよりも、フレームレートはやや低かったです。ただし、Core i7-1260Pの内蔵グラフィックスよりは高いフレームレートでした。

3DMark Wild Life Extreme
~ グラフィックス性能の目安 ~
Apple M2
他のグラフィックスとの比較
Apple M1 Max
32コアGPU
112.5 fps (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
16コアGPU
56.9 fps (MacBook Pro 14)
GeForce RTX 3050
(40W)
53.80 fps
Apple M2
10コアGPU
40.1 fps (MacBook Pro 13)
Apple M2
8コアGPU
33.7 fps (MacBook Air)
Apple M1
8コアGPU
29.8 fps (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1260P 22.82 fps
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に、GFXBench 5.0のスコアを見てみます。M1よりも約16%高いスコアが出ていました。ただし、10コアGPUのM2や、RTX 3050よりは劣るスコアです。

GFXBench 5.0 1440p Aztec Ruins (High Tier) Offscreen
~ グラフィックス性能の目安 ~
Apple M2
他のグラフィックスとの比較(OpenCL)
Apple M1 Max
32コアGPU
310 fps (MacBook Pro 16)
RTX 3060
(130W)
175 fps
Apple M1 Pro
16コアGPU
165 fps (MacBook Pro 14)
RTX 3050 Ti
(60W)
115 fps
Apple M2
10コアGPU
109 fps (MacBook Pro 13)
RTX 3050
(60W)
105 fps
Radeon Pro 5500M 8GB
92 fps (MacBook Pro 16)
Apple M2
8コアGPU
90 fps (MacBook Air)
Apple M1 77 fps (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 77 fps (旧MacBook Air)
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7内蔵)
54 fps
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

今回、256GB SSDを搭載していますが、思ったほど速い速度ではなく、従来のMacBook Airなどよりも遅い結果となりました。ただ、他社のレビューを見ると、もっと容量の多いSSDであれば、もっと速い速度が出るようです。

ストレージ性能の目安
~ AmorphousDiskMark ~
256GB SSD
他のストレージとの比較(Seq QD32 Read [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 6825 (MacBook Pro 16)
6711 (MacBook Pro 14)
 PCIe Gen3 SSD 3456 (MacBook Pro 13)
3413 (旧MacBook Air)
3408 (旧MacBook Pro 13)
1629 (MacBook Air)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

ここでは、クリエイター向けのソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。なお、計測時のソフトのバージョンは全て同じではないため、参考程度にご覧ください。

Final Cut Pro Xによる書き出し時間
XAVC Sで撮影した動画を書き出し

XAVC Sの4K動画の書き出し時間を下に掲載します。M2はM1とあまり変わりませんでした。

Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分22秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10CPU/16PU
6分00秒 (MacBook Pro 14)
Apple M2
8CPU/10GPU
6分27秒 (MacBook Pro 13)
Apple M1 6分30秒 (旧MacBook Pro 13)
Apple M1 6分30秒 (旧MacBook Air)
Apple M2
8CPU/8GPU
6分45秒 (MacBook Air)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露出」+「サーキュレーション」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、Apple デバイス 4K、H.264(処理速度優先)で書き出したときの時間
ProRes RAWで撮影した動画を書き出し

ProResで撮影した8K動画の書き出しも試しましたが、今回、メモリが8GBしかないせいか、他のMacbookよりもかなり時間がかかり、途中で処理を止めたので掲載しません。このような動画編集をするなら、16GB以上のメモリを搭載したほうがいいと思います。

DaVinci Resolve Studio 18 Betaによる書き出し時間

DaVinci Resolove Studio 17による書き出し時間はこちらです。こちらもM1とほぼ同じ書き出し時間でした。

Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分16秒 (MacBook Pro 16)
Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
3分51秒
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
3分53秒
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
5分51秒 (MacBook Pro 14)
Apple M2
8CPU/8GPU
6分24秒 (MacBook Air)
Apple M1 6分24秒 (旧MacBook Pro 13)
Apple M2
8CPU/10GPU
6分25秒 (MacBook Pro 13)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「明るさ(カーブ)の変更」+「彩度の変更」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、MP4、H.264、2160p 4K Ultra HD、29.97 fpsで書き出したときの時間
※全てのPCをDaVinci Resolove Studio 17.4のバージョンで計測しなおしました。そのため、YouTubeの動画やTwitterで掲載した数値とはやや異なるケースがあります
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

次は、Premiere Proの書き出し時間を確認します。M1よりは速くなっています。ただ、今回、8コアのGPUなので、10コアGPUのM2を搭載したMacBook Pro 13よりは遅くなっています。

M1 Maxを搭載したMacBook以外は、GeForce RTX 3050を搭載したWindowsノートPCよりも遅いので、Premiere Proを使うなら、WindowsノートPCのほうがコスパが高いと思います。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
3分14秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分26秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-12900H
RTX 3070Ti (120W)
3分49秒
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
3分53秒
Core i7-12700H
RTX 3050 (65W)
4分50秒
Core i7-1280P
RTX 3050 (40W)
5分22秒
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
5分51秒 (MacBook Pro 14)
Apple M2
8CPU/10GPU
6分41秒 (MacBook Pro 13)
Apple M2
8CPU/8GPU
7分19秒 (MacBook Air)
Apple M1 9分14秒 (旧MacBook Pro 13)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

今回、メモリが8GBと少ないため、Lightroom Classicの書き出し時間は遅かったです。Lightroomを使うなら、16GB以上のメモリを搭載しましょう。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
41秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
48秒 (MacBook Pro 14)
Core i7-12700H
RTX 3060
53秒
Core i7-12700H
RTX 3050
59秒
Core i7-12700H 60秒
Apple M2
8CPU/10GPU
60秒 (MacBook Pro 13)
Core i7-1280P 64秒
Apple M1 80秒 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Apple M2
8CPU/8GPU
104秒 (MacBook Air)
Ryzen 7 5825U 151秒
※外部GPUを搭載しているものは、[書き出しにGPUを使用をON]にして計測しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測

 

USB Type-Cの動作テスト

MacBook Air M2 は、USB Type-Cポートを2つ備えており、Thunderbolt、PowerDelivery、DisplayPort出力、USB4に対応しています。また、低出力のPD充電器でも充電することが可能です。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器
18W cheero充電器
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

質量のチェック

MacBook Air M2の質量は、仕様では約1.24kgとなっており、当サイトの計測値もほぼ同じです。WindowsのモバイルノートPC(持ち運び用に設計されたPC)には1kgを切る機種が多いので、それらと比較すると重いです。負荷が軽めの作業しかしないなら、WindowsのモバイルノートPCも検討してみましょう。

クリエイティブワークもできるノートPCとしては軽いです。外へ持ち運んで、かつ画像編集や動画編集などもするなら、MacBook Airはいいと思います。ただし、ファンレスなので、高すぎる負荷を長時間かけるのは止めたほうがいいです。

ACアダプターは軽いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.220kg
ACアダプター+電源ケーブル 153g

 

バッテリー駆動時間のチェック

MacBook Air M2のバッテリー駆動時間の仕様はご覧の通りです。

バッテリー関連の仕様
  バッテリー駆動時間 
バッテリー容量 52.6Wh
ワイヤレスインターネット時 最大15時間
Apple TVアプリのムービー再生時 最大18時間
※画面輝度は約120cd/m2

 

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は下の通りです。高めの負荷をかけても、長いバッテリー駆動時間です。

当サイトによるバッテリー駆動時間の実測値
  バッテリー駆動時間
Premiere Pro 動画プレビュー時 11時間9分
※画面輝度は約120cd/m2
※1 編集中の動画(4K)をプレビュー再生(ループ)した時のバッテリー駆動時間

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

1080p FaceTime HDカメラを搭載しています。ノートパソコンとしては綺麗な画像/映像です。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、PhotoBoothのカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、普通のノートPCよりとても良い音質です。勝手に点数を付けると、ノートPC基準で10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

CINEBENCH R23実行時のCPU温度

CINEBENCH R23で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度を確認すると、100℃以上になっており非常に高い温度です。高すぎる温度なので、5分くらいするとクロックダウンし、温度が下がっています。

 

静音性のチェック

MacBook Air M2は、ファンレスなので、ほぼ無音です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Adobe Premiere Proによる動画プレビュー
左から3番目:Adobe Premiere Proによる動画の書き出し

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

アイドル時や中程度の負荷であれば、表面温度は高くありません。高い負荷をかけると、キーボードおよびタッチパッド全体的に熱くなってきて、手のひらも熱く感じてきます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

非常に低い消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

MacBook Air M2の外観はご覧の通りです。

今回は、新色のミッドナイトのカラーで、少し青みがかった黒いボディをしています。ボディ素材は再生アルミニウムで、質感がとても良いです。

 

天板のアップルマークが少し大きくなりました。

 

ボディの高さは約1.13 cmと非常に薄く持ち運びに便利です。

 

電源ボタンと統合した指紋認証も搭載しています。大きくなったので使いやすいです。

 

インターフェースは少なく、電源ポート、ヘッドホン/マイク端子、USB Type-Cが2つのみです。

 

液晶が開く最大の角度はご覧の通りです。180度は開きません。

 

底面は吸気口がなくフラットでシンプルな見た目です。

 

ACアダプターは30Wで小型です。ボディカラーに合わせてケーブルも同じ色ですが、ACアダプターは白です。この色も合わせて欲しいところでした。

 

まとめ

以上が、Apple M2チップ搭載のMacBook Airのレビューです。

持ち運べるノートPCとしては高めの性能と、省電力性を持ち合わせたモバイルノートPCです。負荷がやや高めの作業をしても、かなり長い時間、バッテリーで駆動することができます。

デザインも新しくなり、モダンな見た目です。ファンレスなので、とても静かなのも嬉しいです。ディスプレイ、ウェブカメラ、スピーカーなどの性能も高いです。

外出先へ持ち運ぶことが多く、クリエイティブな作業もたまに行うような方に適しています。

ただし、ファンレスであるため、高い負荷を長時間かけるとCPU温度がかなり高くなり、そのうちクロックダウンします。動画編集をバリバリやるような方は、MacBook Proシリーズのほうがいいと思います。

また、モバイルノートPCとしてはそこまで軽くありません。WindowsノートPCであれば、1kgを切る製品がたくさんあります。Web閲覧、メール作成、Officeの使用程度の用途で使うモバイルノートが欲しいのであれば、もっと軽いモバイルノートPCも検討してみましょう。

 

デザインが刷新されたMacBook Air

MacBook Air M2

特徴

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