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MacBook Pro 13インチ(2020年モデル)の実機レビュー

更新日:2020年5月30日
CPU Core i7-1068NG7
Core i5-1038NG7
Core i7-8557U
Core i5-8257U
メモリ 8GB ~ 32GB
ストレージ 最大4TB PCIe SSD
液晶サイズ 13.3型
液晶種類 2560x1600 IPS
質量 1.4kg
バッテリー 58.2Wh / 58.0Wh
LTE 非対応
価格[税込] 14万円台~
液晶品質が高い持ち運べるクリエイター向けノートPC

MacBook Pro 13インチモデルは、液晶の品質が高くクリエイターも満足できるノートPCです。

キーボードはシザー式になり、「esc」の物理キーが搭載されるなど、タイピングのしやすさも向上しています。

最大32GBのメモリを搭載できるようになったことで、複数のクリエイター向けアプリを起動するような方も満足度が上がるでしょう。

ただし、外部グラフィックスを搭載していない割には、質量が約1.4kgとそれほど軽くない点がやや気になります。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1068NG732GBメモリ、512GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は「MacBook Pro 13インチモデルの特徴」をお読みください。

 

MacBook Pro 13インチモデルの特徴

持ち運びもするライトクリエイター向けノートPC

Windowsノートパソコンも合わせると、クリエイター向けノートPCはたくさんありますが、MacBook Pro 13インチは、性能はやや低めである代わりに、持ち運びしやすい製品です。外部グラフィックスを搭載しておらず、ソフトによっては処理に時間がかかりますが、質量は約1.4kgと抑えられています。

 

2020年モデルと2019年モデルの違い

2020年モデルと、2019年モデルの違いについて簡単に解説します。

2020年モデルと2019年モデルの比較
  2020年モデル 2019年モデル
  第10世代CPUモデル 第8世代CPUモデル
CPU Core i7-1068NG7
Core i5-1038NG7
Core i7-8557U
Core i5-8257U
Core i7-8569U
Core i5-8279U
Core i7-8557U
Core i5-8257U
GPU Iris Plus Iris Plus 645 Iris Plus 645 / 655
メモリ 8GB ~ 32GB
LPDDR4X
8GB ~ 16GB
LPDDR3
8GB ~ 16GB
LPDDR3
ストレージ 512GB4TB 256GB ~ 2TB 128GB ~ 1TB
USB-C/TB3 4ポート 2ポート 2 / 4ポート
ビデオ 6K/60Hz対応 5K/60Hz対応 5K/60Hz対応
バッテリー 58.0 / 58.2Wh 58.2Wh 58.0 / 58.2Wh
質量 1.4kg 1.37kg
高さ 1.56cm 1.49cm
物理Escキー あり なし
キーボード Magic Keyboard バタフライ構造

 

メモリが最大32GBへ

主な違いは上の表の通りで、CPUが第10世代のCoreプロセッサーになり、メモリは速度が向上し最大容量も増え、ストレージも最大容量が増えています。

特にメモリが最大32GBまで搭載できるようになったのは嬉しいです。下図のように、Lightroom、Photoshop、Premiere Pro、Safari(タブ10個)を開いても、使用容量は半分の16GBくらいで余裕があります。もし16GBメモリだったら容量不足になっているところでした。

たくさんのアプリを起動しても、空きメモリに余裕がある

 

キーボードもやや打ちやすくなった

また、キーボードも、あまり人気が無かった従来のバタフライ構造から、最近のMacBookシリーズで搭載されているシザー構造の「Magic Keyboard」へと変わりました。従来のバタフライ構造のキーボードは、ホコリが入りやすく故障の原因となっていましたが、それが解消されています。

また、キーストロークも深くなり、個人的には打ちやすくなったと思います。

新・旧キーボード

 

矢印キーが逆T字型になったのも嬉しいポイントです。キーを見なくても矢印キーが押しやすくなりました。

新キーボードは、矢印キーが逆T字型に

 

さらに、「esc」キーが物理ボタンになりました。従来はTouch Barに統合されていましたが、使用頻度の高い「esc」キーが物理ボタンになったことで、利便性が増したと思います。

「esc」キーが物理ボタンに

 

ディスプレイは見やすく広色域

Windowsのノートパソコンは、液晶の品質にバラつきが多く、しかも買ってみるまでどういったパネルが搭載されているのか分からない部分があります。

一方、MacBookシリーズのノートパソコンは、どの機種も一貫して見やすく広色域で、安心して購入することができます。

また解像度も2560 x 1600と高いので写真などを高精細に表示できますし、アスペクト比も16:10なのでWebページや文書ファイルなど縦長のコンテンツを表示するときに見やすいです。

高品質液晶を搭載

 

高いブランド力

MacBook Proは、高いブランド力も魅力です。統一感のあるボディデザインとアップルマークで、一目見ただけでMacBookと分かります。一般ユーザーの認知度が高く、外で使っていても、一番自慢できるノートPCでしょう。

アップルマークで自慢できる

 

スマホ向け5V充電器でも充電出来る

MacBook Airは、PowerDeliveryに対応しているのはもちろん、5V出力のスマートフォン向け充電器やモバイルバッテリーで充電することも可能です。小型のものをカバンに入れておけば、バッテリーが切れたときの非常時に対応することができます。

最近は45Wクラスでも大分小型のPD充電器が売られているので、そういったものを出張用に用意しておくといいでしょう。

小型の5Vモバイルバッテリーや5V充電器が使える

 

USB Type-C周辺機器の動作テストを行った結果については後述する「USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト」をご覧ください。

 

デュアルファンで冷却

MacBook Air (2020)は、CPU冷却ファンが1つですが、MacBook Pro 13インチは2つの冷却ファンを搭載しています。MacBook Airはスペックが上がって、MacBook Pro 13インチと性能が近くなってきましたが、冷却性能は大きく違うかなと思います。現に、クリエイターソフトを動かしたときのCPU温度は、MacBook Proのほうが低かったです。

デュアルファン搭載

 

インターフェースはUSB-Cとヘッドフォンのみ

MacBook Pro 13インチは、インタフェースがUSB-Cとヘッドフォンのみです。なお、下位モデルのUSB-Cは2ポートですが、上位モデルは4ポートです。

最近はUSB-Cポートで、多くの周辺機器が繋がり、ドックも使えるので、困るシーンは少なくなってきましたが、写真や動画を読み込むために、SDカードスロットは欲しいところでした。

インターフェース(Core i7-1068NG7モデルの画像)

 

その他の残念なところ

その他のMacBook Pro 13インチの残念なところとしては、Ice Lakeベースのプロセッサーに外部グラフィックス無しのモデルとしては、約1.4kgという質量は重いかなと思います。Windowsノートパソコンなら、XPS 13Spectre x360 13など、同じくらいのスペックで1.2kg前後のPCが割とあります。

また、ワイヤレスLANは11ac(Wi-Fi 5)までの対応で、Wi-Fi 6に対応していません。2020年発売の最新モデルで、Wi-Fi 6に対応していないのは残念です。さらにLTEにも対応していません。

 

WindowsノートPCとの比較

MacBook Pro 13インチと、軽量クリエイター向けのWindowsノートPCとを比較してみます。

MSI Prestige 14は、MacBook Pro 13インチよりグラフィック性能が非常に高く、動画編集などに最適です。外部グラフィックスを搭載しているのに、MacBook Pro 13インチより軽い点も優秀です。

HP Spectre x360 13は、色域変換できる4K液晶を選択でき、ペンにも対応しており、マルチに使える製品です。質量も軽くLTEにも対応している優れた製品です。しかもMacBook 13インチより軽いです。

MacBook Pro 13インチは、液晶の色域が広く、32GBメモリを搭載できる点が優秀です。複数のクリエイターアプリを同時に起動して使うような場合にいいでしょう。ただ、やはり重いのが気になります。

ライバル機種との比較
  MacBook Pro 13
2020
MSI Prestige 14
A10SC-165JP
HP Spectre x360 13
画像
CPU 最大
Core i7-1068NG7
Core i7-10710U Core i7-1065G7
GPU Iris Plus GTX 1650 Max-Q Iris Plus
液晶 2560x1600 1920x1080 3840×2160
sRGB ※1 100% 96.7% 98.5%
メモリ 最大32GB
LPDDR4X
16GB
LPDDR3
16GB
LPDDR4X
ストレージ 最大4TB 最大2TB 最大1TB
バッテリー 58.0Wh 約52Wh 約60Wh
質量 1.4kg 約1.29kg 1.22kg ~ 1.25kg
無線LAN 11ac 11ax(Wi-Fi 6) 11ax(Wi-Fi 6)
LTE 非対応 非対応 対応
価格 13万円台~ 16万円台~ 12万円台~
レビュー レビュー記事 レビュー記事
※1 当サイトで計測したsRGBカバー率

 

クリエイター向けソフトの使用感

以下、クリエイターソフトの使用感を記載します。なお、MacBook Pro 13インチモデル最上位のCore i7-1068NG7に32GBメモリを搭載した機種での使用感となります。また、各ソフトを単独で動かした場合の感想ですので、複数のアプリを同時に起動したりしていた場合は、感想はまた違ってくるためご了承ください。

Adobe Lightroom Classic CC(写真編集ソフト)

Lightroom

Lightroomの動作は快適です。彩度の変更、変形、補正ブラシの使用など、特にストレスなくできます。液晶も綺麗ですし、色域も広いです(色域の詳細)。

現像時間も比較的速く、6コアのCore i7-10710Uとほぼ変わらない時間でした。MacBook Air 2020と比較しても3分2くらいの時間で処理が終わっています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Core i7-9700
16GBメモリ
69秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16インチ)
Core i7-9750H
16GBメモリ
85秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-1068NG7
32GBメモリ
97秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
Core i7-1060NG7
16GBメモリ
155秒 (MacBook Air 2020)
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
※緑色のバーが、本製品です
※オレンジ色のバーが、他のMacBookシリーズです

 

Adobe Photoshop CC(画像編集ソフト)

Photoshop

Photoshopは簡単に試しただけですが、比較的快適に動作していました。AIを使った「被写体の選択」、「コンテンツに応じた塗りつぶし機能」も数秒で終わり、レイヤーをいくつか重ねても特に重くは感じませんでした。

レイヤーをいくつも重ねたWebサイトデザインでは、やや動きが鈍くなることもありますが、それほど気にはなりませんでした。

Adobe Premiere Pro CC(動画編集ソフト)

Premiere Pro

Premiere Proで、4K/30pの動画についてカット編集&テロップ入れ、露光量の調整、彩度の調整などの基本的な操作は、スムーズに作業出来ます。ただし、"1/2"の画質なら大丈夫ですが"フル画質"でプレビューすると、カクついていました。また、4K/30pの10分の動画を書き出すと、動画の時間よりも、書き出し時間が長く、待たされます。4K動画の編集をするならもう少し高いスペックのPCがいいと思います。

FHD/30pの動画なら、割とストレスなく編集できます。10分の動画の書き出しも、6分程度で終わったので、まだ待てる範囲の時間かなと思います。

なお、下表は、2020年5月19日のPremiere Proのアップデート後に計測したデータです。このアップデートで、NVIDIAのグラフィックカードを搭載しているPCは、下表のとおり劇的に書き出し時間が速くなっています。Adobe Premiere Proを使うなら、NVIDIA GeForce GTX/RTXシリーズを搭載したノートPCがおすすめです。

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Core i7-9750H/16GB
GeForce RTX2070 Max-Q
4分01秒
Core i9-9980HK/16GB
Radeon Pro 5500M(8GB)
8分15秒 (MacBook Pro 16インチ)
Core i5-10300H/8GB
GeForce GTX 1650
8分21秒
Core i7-1068NG7/32GB
Intel Iris Plus
19分35秒
Core i7-1060NG7/16GB
Intel Iris Plus
26分57秒 (MacBook Air 2020)
Core i7-10510U/8GB
Intel UHD
58分06秒
※テストに使う元動画およびエフェクト内容を変更しました
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
※緑色のバーが、本製品です
※オレンジ色のバーが、他のMacBookシリーズです

 

Final Cut Pro X(動画編集ソフト)

Final Cut Pro X

Final Cut Proは、4K動画でも、カット編集、テロップ入れ、露出補正、トランジションの挿入をした程度ですが、特に重いとは感じず、サクサク編集できていました。

次に、4K/30fpsの10分の動画に簡単な編集をして、書き出し(共有)してみましたが、8分程度と割と速かったです。

ただ、ネットの情報を見ると、クリップを移動したときに、フリーズしたような状態になってしまう不具合があるようです。クリップを移動しただけだと、それほどPCに負荷はかかってないはずなので、ソフト側の問題ではないかと思います。早くソフトのバージョンアップで解決するといいですね。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイのチェックです。

高精細・高色域で、ギラつきもなく見やすいディスプレイです。光沢液晶ですが、反射が比較的抑えられており、映り込みはそこまで気になりません。最大輝度も当サイトの計測では472cd/m2と高いです。液晶の詳細な特性については、下のタブをクリックして下さい。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は広いです。各カバー率は、当サイトの計測では次のようになりました。

sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 99.2%
Adobe RGBカバー率 88.2%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

True Toneはオフにしてガンマ補正曲線を計測しました。やや寒色系の画面であることが分かりますが、割と自然な色合いです。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきは感じません。

画面拡大

反射を抑えた光沢液晶です。色の鮮やかさを損なわず、映り込みも抑えているため、見やすい液晶です。

画面への映り込み

正確な確認方法ではありませんが、フリッカーは確認できませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードについては前述した通り、バタフライ構造からシザー構造に変わっています。

キーピッチは実測で横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークはメーカー公表値によると約1mmです。キー配列は標準的で、主要なキーもいずれも同じ大きさです。キートップはやや湾曲しており、やや底付きの衝撃を感じますが、しっかりとした打鍵感はあります。

タッチパッドは非常に広く、ジェスチャー操作がしやすいです。タッチパッドが使いやすいためMacBookを選ぶ方も多いです。また、クリックボタンも押しやすいです。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

バックライト

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

今回、新たに第10世代インテルCore「Ice Lake」をベースにしたMacBook専用のプロセッサーが追加されました。今回のレビューでは、最上位のCore i7-1068NG7でテストしています。

Windowsの一般的なノートパソコンに採用されているCore i7-1065G7よりも約1.2倍高いスコアです。ただし、6コアのCore i7-10710Uと比べるとやや劣るスコアでした。

CPU性能の目安
~ Geekbench 5 ~

Core i7-1068NG7
他のCPUとの比較(Multi-Core Score)
Core i9-9980HK 6943 (MacBook Pro 16 2019)
Core i7-10750H 6030
Core i7-10710U 5602
Core i7-1068NG7 4821 [レビュー機で計測]
A12Z 4710 (iPad Pro 2020)
Core i5-1038NG7 4408
Core i7-8569U 4235 (MacBook Pro 13 2019)
Core i7-8557U 4114
Core i5-8257U 4100
Core i7-1065G7 4019
Core i5-1035G1 3920
Core i5-10210U 3821
Core i7-1060NG7 3266 (MacBook Air 2020)
Core i7-1060G7 2310
Core i5-8210Y 1685 (MacBook Air 2019)
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※一部のスコアはGeekbench Browserを参照

 

グラフィックス

グラフィックスに外部グラフィックスは搭載されておらず、CPU内蔵のIris Plus グラフィックスを使用します。MacBook Airのグラフィック性能とほとんど変わりません。16インチのMacBook Proと比較すると、かなり性能に差があります。

グラフィックス性能の目安
~ Geekbench 5 - Compute ~
Iris Plus グラフィックス(Open CLで実行)
Iris Plus グラフィックス(Metalで実行)
他のグラフィックスとの比較(OpenCL)
GeForce GTX 1650 41076
GeForce GTX 1650 Max-Q 36754
Radeon Pro 5500M 8GB 27509 (MacBook Pro 16)
GeForce MX250 11550
Iris Plus
(Core i7-1068NG7内蔵)
8710 [レビュー機で計測]
Iris Plus
(Core i7-1060NG7内蔵)
8646 (MacBook Air 2020)
Iris Plus 645 7400
Intel UHD 5977
Intel UHD 617 4446 (MacBook Air 2019)
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです

 

ストレージ

ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。

ストレージ性能の目安
~ AmorphousDiskMark ~
512GB PCIe-NVMe SSD
他のストレージとの比較(Seq QD32 Read [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 2699
SATA SSD 550
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです

 

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

USB Type-Cケーブルで接続する周辺機器の動作結果です。

ThunderBolt 3、映像出力、PowerDeliveryに対応しており、5V出力の充電器やモバイルバッテリーも使用できます。また、上位機種であれば、USB Type-Cポートが4つあるので不足することも無いでしょう。

充電器/ドックとの互換性
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
65W ZHOULX充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower充電器
18W cheero充電器
5V充電器 ※2 5V/2.4A ANKER充電器
5V/2.4A AUKEY充電器
モバイル
バッテリー
18W Anker 10000 PD
18W TNTOR TN-10PD
5V/2A TNTOR WT-H340
モニター
※3
Dell U2419HCモニター
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

質量のチェック

MacBook Pro 13インチモデルの質量のチェックです。

メーカー仕様値では約1.4kgとなっており、当サイトで計測した結果もほぼ同じです。外部グラフィックスを搭載していないモバイルノートPCとしては、やや重いと思います。

ACアダプターも思ったより軽くありませんが、MacBook Proは低出力のPD充電器にも対応しているため、他社の充電器が使いやすいです。外出先へ持ち運ぶときは、他社充電器を携帯するのもいいでしょう。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.398kg
ACアダプター(+電源ケーブル) 264g

 

バッテリー駆動時間のチェック

MacBook Pro 13インチモデルに搭載されているバッテリーは、58.2Whまたは58.0Whとなっており、多い容量です。

メーカーの仕様表では、「最大10時間のワイヤレスインターネット」、「最大10時間のApple TVアプリのムービー再生」のバッテリー駆動時間と書かれています。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は下表の通りで、他のWindowsモバイルノートと比べてみても、長いバッテリー駆動時間です。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  バッテリー駆動時間
動画再生時 ※1 10時間27分
※画面輝度は約120cd/m2
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 

付属のACアダプターを使ったアイドル時の充電速度は次の通りです。1時間で何パーセント充電できたかを計測しています。比較的速いと思います。

1時間あたりの充電容量
アイドル時 67%(約39Wh)
※PCの電源を入れ、アイドル状態で充電
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

 

カメラ・マイク・スピーカーのチェック

Webカメラ、マイク、スピーカーのチェックです。

Webカメラ

「Photo Booth」のカメラアプリで撮影した画像を確認すると、1080x720となっていました。解像度はそれほど高くはありません。画質は下の通りで、ノートパソコンのWebカメラとしては普通の画質かなと思います。

Webカメラの前にマネキンなどを置いて、「Photo Booth」のカメラアプリで撮影
Webカメラの画質
左:本製品、右:Logicool StreamCam

 

マイク性能

マイク性能については、Zoomのアプリでビデオ通話をしたときの音声を確認しました。ややこもった感じではありますが、十分オンライン会議などで使えると思います。ただし、1万円台の少しいいマイクと比べると、音質はやや落ちます。

また、メーカーサイトには「指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ」と書かれており、離れていても集音性がいいのかもしれませんが、他のノートPCとの違いは、正直よく分かりませんでした。

Zoomでミーティング中の音声を録音
本製品のマイク
[参考]1万円台のマイク
audio-technica AT2020USB+
※音声を再生するには、audioタグをサポートしたブラウザが必要です。

 

スピーカー

スピーカーは左右の両端に配置されています。音質は比較的良く、10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。最大音量も大きいです。ただし、個人的には、MacBook Pro 16のほうが、ボーカル音などが明瞭で、低音域も力強く、音質は上だと思います。

スピーカー

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。下には掲載していないですが、動画再生程度の低負荷時もほとんど音はしません。動画編集時も比較的静かです。ただし、エンコードのようなかなり高い負荷をかけると、一般的なノートPCと同等程度の騒音値になります。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Premiere Proで4K動画にエフェクトをいくつかかけてプレビューした時(1/2画質)
左から3番目:1-click Video Converterでエンコード(4K H.265/HEVC MP4変換)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

エンコード時の温度が100度まで到達してしまい高い温度です。

ただし、Premiere Proで編集中の動画をプレビュー(1/2画質)したときは70℃台でした。ここはMacBook Airよりも低めの温度になっており、ダブルファンの効果が出ているのかなと思いました。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:Intel Power Gadget
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

突出して高くなる部分がないのは優秀ですが、全体的にボディが熱くなります。パームレスト部分の温度に変化があると、手が触れている部分であるため熱く感じやすいのですが、このパームレスト部分の温度が、他のPCより上がりやすいです。体感でも熱いなと感じます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

普通の消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

MacBook Pro 13インチモデルの外観写真を掲載します。

シルバーまたはスペースグレーのカラーのアルミニウム製ボディで、以前と変わらぬ外観です。剛性が高く、ひねっても曲がりにくいです。

 

天板です。アップルマークは鏡のようになっておりキラッと反射します。

 

液晶は、下図の角度まで開きます。

 

ボディは非常に薄いです。

 

インターフェースは、USB-Cとヘッドフォンのみです。

 

底面に吸気口などはなく美しい外観です。

 

底面カバーを外したときの画像です。なお、カバーを外すには、五角1.2mmネジ用のドライバーが必要です。メモリもストレージも普通の人が交換するのはまず無理なので、一般ユーザーが底面カバーを開ける必要性はほとんどないと思います。

 

底面カバーの裏側です。

 

ACアダプターは61WのUSB-C接続タイプです。

 

まとめ

以上が、新型 MacBook Pro 13インチモデルのレビューです。

16インチのMacBook Proよりは軽く、比較的持ち運びやすいクリエイター向けノートPCです。

ディスプレイの色域が広く、解像度も高く、16:10のアスペクト比も扱いやすいです。クリエイターも満足できる品質でしょう。

キーボードも、シザー構造の「Magic Keyboard」になった点や、矢印キーが逆T字になった点、「esc」キーが物理ボタンになった点など改善されています。

CPU温度は高めですが、デュアルCPU冷却ファンを搭載し、MacBook AirよりはCPU温度が低くなっています。

処理性能は、MacBook Airよりもやや性能が良くなった程度で、16インチのMacBook Proと比べると性能は大分見劣りします。また、16インチのMacBook Proよりは軽いとはいえ、外部グラフィックスを搭載していないのに約1.4kgという質量は軽い部類だとは思いません。Wi-Fi 6に対応していないのも残念です。

 

液晶品質が高い持ち運べるクリエイター向けノートPC

MacBook Pro 13インチ

特徴

  • 広色域・高解像度で16:10の液晶ディスプレイ
  • キーボードが改善
  • 5V出力の充電器などにも対応

こんなあなたに

  • ブランド力のある製品が欲しい方
  • 持ち運べるクリエイターノートPCが欲しい方
  • 価格14万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

関連動画

MacBook Pro 13インチモデルの動画を作成しました。こちらも合わせてご覧ください。

 

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