※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
MacBook Pro 16のBoot CampでWindowsを起動しベンチマークを計測
前回、MacBook Pro 16インチのレビューを行いましたが、今回は、Boot CampでWindows OSを起動し、各種ベンチマークなどの計測を行いました。MacBook Pro 16インチをWindows OSで使用しようと考えている方は参考にして下さい。
パフォーマンスのチェック
CPU
まずは定番のCINEBENCH R20のベンチマークスコアです。
今回、Core i9-9980HKを搭載しているため、非常に高いベンチマークスコアです。
ただ、Mac OSで計測したときは妥当なスコアが出ていましたが、Boot Campを用いWindows OSで計測したところ、CPUクロックの上下が激しく、スコアはやや低めでした。
~ CINEBENCH R20 ~
※[Windows OSで計測]、[Mac OSで計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
今回、グラフィックスにはRadeon Pro 5500M(8GB)を搭載しています。3DMark Time Spyの結果を見ると、GeForce GTX 1650よりもやや劣るスコアでした。
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※デスクトップ用と書かれていないものはノート用グラフィックス
本製品のRadeon Pro 5500M(8GB)のGPU-Zの結果は、読み取れない項目が多いですが次の通りです。
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ AmorphousDiskMark ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
その他のベンチマークスコア
以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。
- SPECviewperf 13
- その他 3DMark
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
妥当な数値で高速です。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Mac OSでは妥当な処理時間でしたが、Windows OSではやや遅かったです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
速いエンコード時間ではありますが、Core i9-9980HKを搭載した他のPCよりはやや遅かったです。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 13分47秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | ― |
VCEでエンコード(※4) | 1分52秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
CPU使用率がほぼ100%になるx265でのエンコードは、CPUクロックが安定せず上下しています。低いときはベースクロックと同じ2.4GHzまで下がっています。別のソフトではありますが、Mac OSでエンコードを実行したときは、3.3GHzくらいで推移していたので、大分クロックダウンしているなという印象です。
このときのCPU温度は下の通りです。ターボブースト時の温度が高めになるのは仕方がないとして、3分後くらいからの温度は約80~90度を上下しています。高めの温度ではありますが、Mac OSでエンコードをしたときよりは、低めの温度になっています。その代わり、処理速度はMac OSのほうが速いです。
ゲームベンチマーク
ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。
3DMarkと同様に、GeForce GTX 1650を下回る性能です。そこまで高い性能ではありません。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 軽量品質 | 6280 / 62 fps |
標準品質 | 4947 / 48 fps | |
高品質 | 3243 / 32 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 最低 | 72 fps |
中 | 46 fps | |
最高 | 38 fps | |
1920x1200 | 最低 | 64 fps |
中 | 42 fps | |
最高 | 35 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 標準(ノート) | 14115 / 105 fps |
高(ノート) | 11517 / 81 fps | |
最高品質 | 8713 / 59 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 低品質 | 63 fps |
高品質 | 55 fps | |
最高品質 | 53 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 最高品質 | 9385(とても快適) |
バッテリー駆動時間のチェック
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は次のようになりました。バッテリー駆動時間は、それほど長くありません。
バッテリー駆動時間 | |
(1) PCMark 10 Modern Office | ― |
(2) 動画再生時 | 3時間48分 |
(3) PCMark 8 Work | 3時間29分 |
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
Windowsのライバル機種との比較
Windowsノートパソコンのライバル機種と比較してみます。今回は、高スペックで液晶品質が高く、質量も軽いNew XPS 15、ThinkPad X1 Extremeを選びました。
MacBook Proは、最大8TBの大容量SSDに、最大64GBの大容量メモリを選択できるのが大きな特徴かなと思います。
New XPS 15は、Core i9-9980HKおよびGeForce GTX 1650を搭載でき性能は最も高いです。Windowsで動くアプリは、GeForceのほうが相性が良いケースも多いのもメリットです。また、価格が安く、同等構成にした場合は、New XPS 15が最も安いです。ただし、メモリやストレージ容量はあまり多くありません。
ThinkPad X1 Extremeは、最も軽い点が特徴で、性能、メモリ容量、ストレージ容量、価格などのバランスもいい機種だと思います。ただし、搭載できる最も性能の高いCPUの性能はやや劣ります。
[本製品] MacBook Pro 16インチ |
デル New XPS 15 |
レノボ ThinkPad X1 Extreme |
|
画像 | |||
CPU | 最大Core i9-9980HK | 最大Core i9-9980HK | 最大Core i9-9880H |
GPU | 最大Radeon Pro 5500M (8GB) |
GTX 1650 | GTX 1650 Max-Q |
メモリ | 最大64GB | 最大32GB | 最大64GB |
SSD | 最大8TB | 最大1TB | 最大4TB |
液晶種類 | 3072x1920 | 1920x1080 3840x2160 |
1920x1080 3840x2160 |
質量 | 約2.0kg | 約1.8kg / 2.0kg | 約1.7kg / 1.8kg |
バッテリー | 100Wh | 56Wh / 97Wh | 80Wh |
価格[税別] | 24万円台~ | 15万円台~ | 18万円台~ |
まとめ
以上が、MacBook Pro 16インチにて、Boot Campを用いてWindows OSを起動し、各種ベンチマークを計測した結果です。
ノート用としては最高クラス性能のCore i9-9980HKを搭載していたため、CPU関連のベンチマークスコアはかなり高かったです。ただし、Mac OSで同じベンチマークを実行したときよりも、CPUクロックがやや落ちるときがあり、スコアもやや低めに出ました。その代わり、CPU温度はMac OSよりも低めでした。
グラフィックス関連のスコアは、GeForce GTX 1650よりやや劣る結果です。
Windowsノートのライバル機種と比較すると、大容量メモリ、大容量ストレージを搭載できる点がメリットで、クリエイター向けアプリを複数起動して使ったり、動画編集プロジェクトをローカルディスクにたくさん保存するような方におすすめです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
最大でCore i9-9980HKのCPUを搭載し、メモリやストレージ容量も多く、液晶の色域も広く、クリエイターも満足のスペック。
圧倒的なブランド力、美しいデザインが特徴のモバイルノートパソコン。バッテリー駆動時間が長く、液晶も綺麗。
iPad Proのレビュー記事。MacBook Proよりも性能が高いタブレット。USB Type-Cポートが実装され、多くの周辺機器がアダプター無しで使えるようになった。
Mac版に対応したセキュリティソフトの比較。第3者機関のデータを引用し、性能、軽さ、価格などを比較。