レノボ ThinkPad X1 Tablet 2017モデルの実機レビュー(2)
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
画面アスペクト比が3:2となっており、通常のノートPCよりも縦の比率が大きく、画面をより下まで表示できます。解像度も2160x1440と十分あります。
筆者は普段1920x1200ドットの液晶ディスプレイをメインで使用していますが、離れた場所からPC遠隔操作ソフトで接続することがあります。このとき1920x1080のPCから接続すると、下の端が切れてしまうのですが、本製品であれば画面の下まで表示できます。稀なケースではありますが、2160x1440の解像度だとこのようなメリットもあります。
当サイトで計測した最大輝度は347cd/m2でした。比較的高い輝度です。
IPSパネルであるため、視野角は良いです。視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、緑と青がやや強く発色していますが、それほど気にはなりません。
色域は比較的広いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
光沢液晶ですので、画面への映り込みがあります。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キー配列は下の通りで、ThinkPad X270やThinkPad Yoga 370とほぼ同じです。ただし、キーストロークはThinkPadノートPCよりも、やや浅くなっています。キーピッチは、メーカー公表値によると、横:約18.5mm、縦:約18mmです。キーストロークは、トラックポイントの周りのG、B、Hキーが約1.2mm、その他のキーが約1.35mmとなっています。
実際に打ってみると、キーストロークの浅さはそれほど気になりません。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーボード装着後の画像です。
下図のようにキーボードを床に付けてタイピングした場合、他のタブレット用キーボードカバーよりは少ないものの、やや底付き衝撃を感じます。
キーボード装着後の画像
キーボードは、下図のように傾斜をつけることもできます。この状態でタイピングした場合、底付きの衝撃は軽減されますが、やや打鍵音は大きくなり、またやや振動を感じます(ペコペコする感じ)。
キーボードに傾斜をつけることも可能
キーボードバックライトも搭載しています。
トラックポイントおよびタッチパッド
トラックポイントの操作感は、他のThinkPadシリーズとほとんど変わりありません。トラックポイント用のクリックボタンも押しやすいです。タッチパッドも十分な面積があり押しやすいです。
トラックポイントおよびタッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUはCore i5-7Y54を搭載しています。Core i3-7100Uよりもやや性能が落ちますが、消費電力や発熱は小さいCPUです。タブレットやモバイルノートPCの一般的な用途であれば、問題ない性能でしょう。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは最大3,000MB/sを超えるPCIe-NVMe SSDを搭載しています。非常に高速です。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
ThinkPad X1 Tabletで計測したベンチマーク
以下、本機でのベンチマークスコアです。
(CPU性能の評価)
Core i5-7Y54
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-7Y54、インテル HD グラフィックス 615
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-7Y54 | |
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x265でエンコード (※1) | 1時間39分24秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 8分24秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
256GB PCIe SSD
(SDカードの評価)
SDカード(UHS-Ⅰのカードで測定)
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカー仕様値では、タブレットのみで約767g~、キーボード装着時で約1.07kg~となっています。
当サイトによる計測結果は下図の通りで、メーカー仕様値よりもやや重い質量でした。おそらくメーカー仕様値の最小質量は、LTEを搭載していないときの質量なのではないかと思います(日本に非LTEモデルはありませんが・・)。
質量の計測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
タブレットのバッテリー容量は約37Whで、プロダクティビティーモジュールのバッテリー容量は約24Whとなっています。
メーカー仕様値のバッテリー駆動時間は、最大 約10.6時間(JEITA2.0計測方法)です。
当サイトによるバッテリー駆動時間の計測結果は下表の通りです。タブレットとして見るかノートPCとして見るかによって評価は変わってきますが、タブレットとしては短めの駆動時間です。ノートPCとしては普通の駆動時間です。プロダクティビティー モジュールを搭載したときの駆動時間は長いです。
タブレットのみ | タブレット + プロダクティビティー モジュール |
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PCMark 8 Home テスト ※1 | 4時間09分 | 6時間35分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 4時間54分 | 7時間21分 |
動画再生時 ※3 | 5時間44分 | 9時間41分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生