カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSのレビュー

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カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSは、インターネット使用のリスクを低減するiOS版のセキュリティアプリです。

主な機能は、危険なサイトをブロックする機能と、アカウント情報の不正流出をチェックする機能です。加えて、Wi-Fi接続時の安全性をチェックし、必要な場合はVPN接続でセキュリティを確保することもできます。

なお、マルチデバイス版のカスペルスキー セキュリティには、このソフトは含まれていないので、別途App Storeでサブスプリクションを契約しないといけないのが、残念です。

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目次

機能一覧

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSのメニュー画面は、下の画像のようになっています。

メニューにある表示とは名称が異なりますが、主な機能は一覧にある通りです。

iOSの特性上、パソコン版のセキュリティソフトのようなマルウェア対策機能はありません。フィッシング詐欺サイトなどの危険なサイトのブロック機能、Wi-Fi接続時の安全性のチェック、ウェブサービス用のアカウント(メールアドレス)の不正流出の有無のチェックが主な機能となります。

なお、有料版ではこの全ての機能を使用できますが、無料版だと、危険サイト対策と、アカウントチェック(不正流出チェック)機能は使用できません。

また、別アプリであるパスワードマネージャーを使用することで、パスワード管理も行えます。

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOS のメニュー画面
機能一覧
機能 説明
危険サイト対策 警察機関指定の危険なサイトや、フィッシングサイトへのアクセスをブロック
Wi-Fi安全性診断 Wi-Fiネットワークへの接続時に安全性をチェック
VPN接続 通信を暗号化することで、公共のWi-Fi利用時でも安全性を確保
アカウントチェック ウェブサービスのアカウント情報が不正に流出していないかをチェック
脱獄の検知 使用している端末にジェイルブレイクによる脆弱性がないかをチェック

 

性能

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSのメニュー画面にある各種機能を実際に使用してみました。

メイン画面と、それぞれの機能は、以下のとおりです。

メイン画面

メイン画面は縦長なので、3列に分割していますが、下の画像のようになっています。

端末の保護状況を一目で確認できるようになっています。また、各機能の動作状況も簡単に確認できます。

メイン画面

 

VPN

VPN(仮想プライベートネットワーク)接続を行うことにより、接続しているWi-Fiが暗号化されていなかったり、暗号化されていても脆弱な場合でも、ある程度セキュリティを確保した接続が可能となります。駅やコンビニ、公共施設などで提供されている無料Wi-Fiなどを使用するときに便利な機能です。

なお、下の「設定」画面の画像のように、「スマートプロテクション」の部分を、「スマートプロテクションのルールを使用して自動的にVPNをオンにする」を有効にしておくと、手動でVPNのオンオフを切り替える必要がありません。この設定は、デフォルトでオンになっているので、そのまま使用するといいと思います。

「VPN」の設定画面
「設定」画面

 

このVPN機能は、有料版でも無料版でも使用することができます。ただし、どちらも1日当たりの通信量は300MBです。スポット的に無料Wi-Fiを使用する方には十分だと思いますが、日常的にフリーWi-Fi等を使用する方には容量が足りないでしょう。

1日当たりの容量を追加したい場合や、VPNサーバーを自分で選択したい場合は、別途定期購入のプランに加入して、アップグレードする必要があります。かかる費用は、下の画像にあるように、480円/月、もしくは2,900円/年です。容量を制限しないVPN機能の価格としては、他社と比較しても普通です。

また、アップグレードすることで、「キルスイッチ」という機能も使用できるようになります。これは、接続するWi-Fiが切り替わった時など、再びVPNによる保護が開始されるまでの間、データの送受信を遮断する機能です。

フリーWi-Fiを使用する頻度が高い方は、アップグレードしての使用がよさそうです。

VPNサーバー選択時
キルスイッチ

 

フィッシング対策

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSのメイン機能となる、フィッシングサイトや警察機関によって指定された詐欺サイト等の危険なサイトへのアクセスをブロックする機能です。この機能は、有料版のみ使用できます。

ローカルVPNという技術を使用することで、iOSのデフォルトブラウザであるsafariだけでなく、他のブラウザやアプリ経由での接続も監視できます。これは、ウイルスバスター モバイル iOS版や、ノートン モバイルセキュリティ iOS版も搭載している機能となります。危険なサイトは、下の右の画像のように、ブロックされます。

なお、テストしてみた感触としては、新規のフィッシングサイトでは、意外と普通に表示されることが多かったです。フィッシング対策が入っているからといっても、完全に安心してしまわず、URLを確認するなど、油断しないことが大切です。

フィッシング対策画面・ブロック時の画面

 

なお、カスペルスキーには、危険なサイトへの接続をブロックする、カスペルスキー セーフブラウザというアプリもあり、こちらは無料で使用できます。幾つかのサイトで試した範囲では、カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSでブロックされるサイトと、カスペルスキー セーフブラウザでブロックされるサイトは同じだったので、精度にはそれほど差がなさそうです。ただし、このセーフブラウザは、他のブラウザを使った通信に関しては、監視できません。そのため、カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSのフィッシング対策の方が、より安心感があると思います。

 

アカウントチェック

アカウントチェック機能は、ウェブサービスなどのアカウント情報が不正に流出していないかをチェックする機能で、他のアプリには、まだあまりない機能です。一度メールアドレスを入力すると、定期的に自動でチェックを行います。

情報が流出した可能性がある場合は、右の画像のように、どのウェブサービスで、いつ頃流出した可能性があるのかを通知してくれます。

個人情報を流出自体を防ぐ機能ではありませんが、情報の流出の可能性がある場合は、すぐにパスワードを変更するなどして対応できるため、被害を最小限に抑えることができます。

これは有料版のみの機能となります。

「アカウントチェック」の画面

 

セキュリティライブ

セキュリティライブでは、セキュリティを強化するための情報を知らせてくれます。

ジェイルブレイクを検知した場合などにも、このセキュリティライブの画面で通知されるのかもしれません。ただし、ジェイルブレイクは意図せずになるようなものではないので、ジェイルブレイクの検知機能は、それほど目立った機能ではないと思います。

「セキュリティライブ」の画面

 

インストール・設定画面

インストールは簡単です。

アプリを最初に起動したときに、初期設定を行います。そこでは、マイ カスペルスキーへのログインが必須となります。PCなどでカスペルスキーのセキュリティソフトを使用しているのであれば、既存のマイ カスペルスキーアカウントを使用することができます。一方、マイ カスペルスキーアカウントを持っていない場合は、アカウントを作成する必要があります。

初期設定画面

 

マイ カスペルスキーへのログインができると、プラン選択の画面となります。

「スキップ」をタップすると、無料版で使用することができます。

注意が必要なのは、カスペルスキー セキュリティの5台版や、プレミアムライセンス(台数無制限)のライセンスには、カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSは含まれていない、という点です。

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSの有料版を使用するには、App Storeでサブスプリクション契約をする必要があります。ウイルスバスター モバイル iOS版や、ノートン モバイルセキュリティ iOS版は、ウイルスバスター クラウドや、ノートン セキュリティのライセンスでも使用できたので、この点はカスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSの残念な部分です。

 

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSの料金プランの選択画面は、下の画像のとおりです。iPhoneとiPadでは、下の画像のようにプラン選択の画面が少し異なりました。iPadでは、個人プランや、家族プランの選択肢もありました。個人プランや、家族プランでは、デスクトップ端末にも対応となっていますが、カスペルスキー インターネットセキュリティのライセンスも含まれているという訳ではないので、ご注意ください。

プラン選択画面(iphoneの場合)
プラン選択画面(iPadの場合)

 

各種設定は、メニュー画面の「設定」から行います。下の画像のとおりです。

基本的には、デフォルトのままで問題ないと思います。ただ、VPNの通信量を無制限で使用するためにアップグレードした場合は、スマートプロテクションの設定の調整や、キルスイッチ機能の有効化などを確認するといいでしょう。

設定画面

 

サポート

サポート窓口と、電話対応時間は次のようになっています。電話の他には、チャットやWebフォームでの問い合わせも可能です。今回、ライセンスについて、チャットを使用して尋ねてみましたが、すぐにつながり、親切に対応していただきました。土日を含め、年中無休でサポートを受けることができるので、万一の時も心強いです。

 

問い合わせ窓口:カスペルスキー サポートセンター

電話対応時間:年中無休 9:30 ~ 18:00

 

価格

価格は下表のようになっています。

他のモバイル用セキュリティアプリと比較しても、価格は特に高くはなく、普通だと思います。

ただし、カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSの有料版を使用するためには、別途App Store経由でサブスプリクション契約が必須となっています。カスペルスキー セキュリティ Android版は、マルチデバイス対応のカスペルスキー セキュリティのライセンスで使用できますが、iOS版はマルチデバイス対応のカスペルスキー セキュリティに含まれていないのが残念です。

また、VPNを容量無制限で使用するためにアップグレードする場合は、別途費用が掛かります。このアップグレードによって、カスペルスキー VPNを契約することになります。

ちなみに、アップグレードしてカスペルスキー VPNの契約をすることで、同じマイ カスペルスキーアカウントで使用している、Windows PC等のカスペルスキー VPNでも容量無制限で使用できるようになりました。

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSの価格
製品名称 期間 価格 [税込]
カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOS 1年 2,200円
+アップグレード(カスペルスキー VPN) 1か月 480円
1年 2,900円

 

まとめ

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSは、iPhoneやiPad使用時のインターネット使用時のリスクを低減させるためのアプリです。

iOSの特性上、マルウェア対策機能はありません。主な機能は、フィッシング詐欺などの危険サイトのブロック機能と、アカウント情報の不正流出をチェックする機能です。また、Wi-Fi接続時の安全性をチェックし、必要な場合にはVPN機能を使用することもできます。

この危険サイト対策機能は、使用しているブラウザの種類を問わず、危険サイトをブロックしてくれるので、安心感があります。ただし、詐欺サイトは次々と新しく登場するので、危険サイト対策機能をすり抜けて普通に表示されてしまう詐欺サイトも複数ありました。

ウェブサービスを多数使用している場合は、アカウント情報の不正流出チェック機能も安心感があります。

ただし、どのセキュリティアプリでも同じですが、カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSも、導入しているからと過信することはできません。それでも、これらのセキュリティアプリを使用することで、インターネット使用のリスク低減できるという点では、意味があると思います。

トレンドマイクロノートンからも似たような機能を持つiOS版のセキュリティアプリが出ているので、比較してみて、ご自分の環境や用途に合うものを選択するといいでしょう。

 

ダウンロード

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSのダウンロードについては、こちらをご覧ください。

ダウンロードはこちら

 

購入先

カスペルスキー インターネット セキュリティ for iOSは、App Store上でのみの販売となります。

カスペルスキー セキュリティのライセンスを所持していても、別途App Storeで購入する必要があるので、お間違えのないようにご注意ください。

 

関連ページ

他社のセキュリティソフトとの比較はこちらをご覧ください。