dynabook SZ/LPの実機レビュー

更新日:2021年2月6日
CPU Core i3-1115G4
Core i5-1135G7
Core i7-1165G7
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 13.3型
液晶種類 HD / FHD IGZO
質量 約1.189kg~
バッテリー 最大 18.5時間
価格[税込] 6万円台~
使えるスペックのモバイルノートが6万円台~

dynabook SZ/LPは、最新CPUを搭載した使えるスペックでありながら、6万円台から購入できる安いモバイルノートです。

第11世代Coreプロセッサー(Tiger Lake)、SSDを搭載し、約1.189kgの質量で、この価格は非常にコスパがいいと思います。

FHD液晶であれば、IGZOパネルを採用しており、画面も見やすいです。

「Dynabook」ブランドということで、ご年配の方などには安心感もあるでしょう。

公式サイトはこちら

※一般価格と会員価格が全然異なるため、価格を確認するときは、SHARPのココロメンバーの会員になってから確認するといいでしょう。なお、会員には無料で入会できます。

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1165G7、8GBメモリ(4GBx2)、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「dynabook SZ/LPの特徴」のみお読みください。

 

dynabook SZ/LPの特徴

6万円台(税別)からと低価格

dynabook SZ/LPは、Core i3モデルなら6万円台(税別)で購入できる非常に安いモバイルノートPC(持ち運びに便利な仕様のノートPC)です。Core i5モデルでも7万円台という安さです。

Dynabookのライバルメーカーとも言えるNEC、富士通(FCCL)と比較すると、かなり安いです。これらの旧国内メーカー勢のノートPCを選びたいという方も少なくないと思いますが、そういった方におすすめのもバルノートPCです。

6万円台で購入可能

 

ディスプレイが綺麗

dynabook SZ/LPはHD(1366x768)とFHD(1920x1080)のディスプレイがあり、FHDならIGZOパネルを搭載しており綺麗で見やすいです。この製品のHDとFHDは、解像度だけでなく品質自体も大きく異なるので、是非ともFHDディスプレイのモデルをおすすめします。

FHDならIGZOパネルを搭載し、ディスプレイが綺麗

 

日本人には安心のブランド

価格が安くても、聞いたこともないメーカーだと不安かもしれませんが、Dynabookは、世界で初めてノートパソコンを発売した歴史のあるメジャーなブランドですので安心です。

安心のブランド

 

有線LANポートを搭載

モバイルノートPCは、有線LANポートを搭載していないケースが多いですが、dynabook SZ/LPはギガビット対応の有線LANポートを搭載しています。安定した通信を希望するケースや、社内では有線LANしか使ってはいけないケースなどに重宝するでしょう。

有線LANポートを搭載

 

やや残念な点

dynabook SZ/LPの残念な点としては、ブラックの樹脂素材で、液晶周りのベゼルも太く、ビジネス色の強いデザインで、見た目がイマイチな点です。

また、Thunderbolt、顔認証にも対応していません。これらを使いたいという方は、ご注意下さい。

デザインは、ビジネス色が強い

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックで、FHD液晶であれば画面も見やすく、快適に操作できます。
オンライン会議 これといってオンライン会議に特化した機能はありませんが、無難に使えると思います。
動画鑑賞 スピーカー音はイマイチですが、ディスプレイの表示が綺麗です。
RAW現像
画像編集
CPU性能は比較的高く、色域も広めなので、RAW現像や画像編集にも使えるでしょう。ただし、Adobe RGB 100%をカバーするような色域はありません。
動画編集 簡易的な動画編集ならできますが、外部グラフィックスを搭載していないため、本格的な動画編集は難しいです。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。

 

ディスプレイのチェック

dynabook SZ/LPのディスプレイのチェックです。

HD液晶とFHD液晶がありますが、ここでは、FHD液晶についての特性を紹介します。

パネルは、SHARPのIGZOパネル「LQ133M1JW41」でした。

色域が比較的広く見やすい画面です。最大輝度は、当サイトの計測では464cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は97.1%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も直線的で揃っており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度を25%以下にすると、フリッカーが発生していました。ただし、低めの輝度でなければフリッカーは発生せず、発生したとしても約24kHzと高い周波数であるため、人体への害は少ないと思います。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

dynabook SZ/LPのキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmです。キーストロークは約1.5mmです。ただし、「@」などの一部のキーが小さくなっているのは残念です。キートップはわずかに湾曲しているようです。キーを押したときに、ストンと落ちる感覚が少ないです。総合すると、普通の打ち心地だと思います。

タッチパッドの操作性およびクリックボタンの押しやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

dynabook SZ/LPのパフォーマンスのチェックです。

今回、Core i7-1165G7を搭載していますが、HWiNFOの情報は下のようになっていました。PL1が15Wとやや抑えられた設定です。

 

CPU

ベンチマークスコアは下の通りです。Core i7-1165G7にしてはやや低めのスコアです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1165G7
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13380
Core i7-10875H 10369
Core i7-10870H 9592
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
3790
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-11375H 1618
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i7-1165G7 1447
1355
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 7 4700U 1214
Core i7-10870H 1176
Ryzen 5 4500U 1142
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの電力およびクロックの推移を確認します。CPU電力は約15Wで推移しています。CPU温度は60℃台と余裕があるので、もう少しCPU電力が高めで動くような設定になっていても良かったかなと思います。

  • CPU電力
  • CPUクロック
  • CPU温度
Prime95で負荷をかけたときのCPU電力
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPUクロック
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPU温度
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行

 

メモリ

DDR4-3200のメモリを搭載しています。モデルによってデュアルチャネルの場合と、シングルチャネルの場合があるので、お気を付けください。今回はデュアルチャネルです。

Passmark Performance Test 10.0 - MEMORY MARK
~ メモリ性能の評価 ~
8GBメモリ

 

グラフィックス

グラフィックスは下図の通りです。Core i7-1165G7にしては、スコアは伸びなかったです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-1165G7
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
GeForce MX330 16714
Radeon Graphics
(Ryzen 9 4900HS)
16322
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
15677
12547
GeForce MX250 15406
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
14551
Radeon Graphics
(Ryzen 7 Pro 4750U)
14302
Radeon Graphics
(Ryzen 7 4700U)
13861
Radeon Graphics
(Ryzen 5 4500U)
12126
Intel UHD
(Core i3-1115G4)
11487
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
11084
Radeon Graphics
(Ryzen 3 4300U)
9800
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
2491
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大275MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

その他のベンチマーク

他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作確認結果は次の通りです。Power DeliveryおよびDisplayPort出力には対応していますが、Thunderboltには対応していません。Power Deliveryは、18Wの充電器も使えたので、かなり小型の充電器が使えると思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器
18W cheero充電器
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの情報です。60Hz、8ビット、RGBで接続出来ています。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

dynabook SZ/LPの質量のチェックです。

メーカーサイトでは「約1.189kg~」となっています。当サイトの計測値は下表の通りです。モバイルノートPCとしては普通の質量です。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.165kg
ACアダプター+電源ケーブル 192g

 

バッテリー駆動時間のチェック

dynabook SZ/LPのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量を確認すると、約42Whでした。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りで普通です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約18.5時間
(2) PCMark 10 Modern Office 9時間10分
(3) 動画再生時 6時間51分
(4) PCMark 8 Work 4時間01分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。こちらも普通の充電速度だと思います。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
68%(約28Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

パーツの温度のチェック

CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度を掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

60℃台で推移しており、問題ない温度です。

CPUの温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

静音性のチェック

dynabook SZ/LPの動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時は静かです。高い負荷がかかった場合は、一般的なノートPCと同等程度の騒音値になります。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

普通の温度です。パームレスト部分の温度はそれほど上がらないため、不快感は少ないと思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

低電圧プロセッサーであるため、消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

dynabook SZ/LPの外観のチェックです。

ボディはプラスチック感があり、またベゼルも太く、ビジネス色の強いデザインです。

 

天板です。

 

スピーカーは正面側にあります。音質はそれほど良くなく、ノートPC基準で採点すると、10点満点で4点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

Webカメラは1280x720の解像度で、画質は普通です。顔認証には対応していません。

 

指紋認証装置を搭載しています。

 

側面のポート類です。LAN、HDMI、microSDカードスロットなどがあり、モバイルノートにしては充実しているほうです。ただし、USB-Cは、Thunderboltには対応していません。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。

 

ACアダプターは、45Wです。

 

まとめ

以上が、dynabook SZ/LPのレビューです。

Tiger Lakeのプロセッサー、SSD、約1.189kg、42Whバッテリーと十分使えるスペックでありながら、6万円台(税別)から購入できるコスパの高いモバイルノートPCです。

HDとFHD液晶がありますが、FHDであれば、視野角が広く、色域も広く見やすいディスプレイです。是非ともFHD液晶の搭載をおすすめします。

また、国内"有名"メーカーのDynabookということで、安心感もあります。

ただし、デザインはビジネスノートという感じが強く、それほどこだわりを感じません。見た目を気にするなら、別の機種がいいでしょう。見た目はどうでもいいという方には、良い選択肢となると思います。

 

使えるスペックのモバイルノートが6万円台~

dynabook SZ/LP

特徴

  • 高いコストパフォーマンス
  • FHD液晶なら画面が見やすい
  • デザインはイマイチ

こんなあなたに

  • 安いモバイルノートが欲しい方
  • デザインは気にしない方
  • 価格6万円台[税込]~
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