サイコム G-Master Spear Z590の実機レビュー

更新日:2021年5月15日
CPU ~ Core i9-11900K
GPU ~ GeForce RTX 3090
~ Radeon RX 6900XT
メモリ 最大128GB
価格 16万円台(税込)~
信頼性の高いパーツを選択できるゲーミングPC

サイコム G-Master Spear Z590は、冷却性・拡張性・メンテナンス性に優れたCoolerMaster製のPCケースに、最新の第11世代インテルCPU(Rocket Lake-S)を搭載したゲーミングPCです。

大手BTOメーカーと違い、グラフィックカード、電源、ストレージ、CPUファンなどは、型番も明記されているため、"信頼性の高いパーツ"や、"静音性の高いパーツ"など、自分好みのパーツが選択可能です。

また、標準でサイドパネルの内側に騒音・振動吸収シートが貼付されているので、静音性も高いです。さらにオプションで強化ガラスサイドパネルを選択することができます。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

サイコムで購入したG-Master Spear Z590の構成内容です。CPUにはインテル最新「Rocket Lake-S」のCore i9-11900Kを搭載し、RGBライティング機能のある簡易水冷CPUクーラーを採用しています。

ケースには強化ガラスサイドパネルを採用したミドルタワー「CoolerMaster MasterBox CM694 TG」を選択。さらにオプションでRGB発光システムを選択し、ケース内部がLEDで照らされるようになっています。

ベンチマーク用PCということで、今回グラフィックカードはなしで構成。ベンチマークは、別途、GeForce RTX 3060を搭載して計測しています。

CPU Intel Core i9-11900K
ケース CoolerMaster MasterBox CM694 TG [強化ガラスサイドパネル]
マザーボード ASUS TUF GAMING Z590-PLUS WIFI [Intel Z590 chipset]
CPUファン CoolerMaster ML240L V2 RGB  [240mm水冷ユニット]
メモリ 16GB(8GB×2)  [DDR4-3200]
グラフィックス なし
ストレージ1 Intel SSD 660p Series  [M.2 PCI-E SSD 1TB]
ストレージ2 なし
光学ドライブ なし
電源 Corsair RM1000x  [1000W/80PLUS Gold]
合計(税込) 224,260円

 

目次

お忙しい方は、「G-Master Spear Z590の特徴」のみお読みください。

 

サイコム G-Master Spear Z590 の特徴

信頼性の高いCoolerMaster製のケースを採用

サイコム G-Master Spear Z590は、信頼性の高い人気のCoolerMaster製のケース「CoolerMaster MasterBox CM694」を採用しています。ベストセラーとなった「CM690III」の後継モデルとなっており、「CM690III」の冷却性と拡張性をそのままに、さらに進化した最新ケースとなっています。

サイズは標準的なミドルタワーサイズで、昨今の見た目を重視したスリム型やミニ型といった、スマート化してきているゲーミングPCとは対照的に、全面的にメッシュ仕様で、通気性が良く、SSDやHDDが最大8台まで搭載できる拡張性も兼ね備えています。


画像はガラスサイドパネルモデルの「CoolerMaster MasterBox CM694 TG」

旧モデルの「CM690III」

 

内部にアクセスしやすい強化ガラスサイドパネル

ケースのオプションにて、下記の画像のような強化ガラスサイドパネルの「CoolerMaster CM694 TG」を選択できます。ガラスサイドパネルだと、上部の固定ネジ2点をゆるめるだけで、サイドパネルが開くので、内部にアクセスがしやすく、メンテナンスもしやすいのでおすすめです。

強化ガラスサイドパネルだと内部にアクセスしやすい

 

冷却性に優れた通気性の高いメッシュパネル

「MasterBox CM694」は、フロントからトップまで、通気性の高いメッシュパネルを採用しており、フロントとトップには120mmファンを3基または、140mmファンを2基まで搭載することができ、冷却性能も抜群です。水冷ラジエータは最大360mmのものが取り付け可能となっています。


冷却性に優れたケース設計

 

騒音・振動吸収シート貼付で静音性も高い

G-Master Spear Z590では、標準でサイドパネルの内側に騒音・振動吸収シートが貼り付けられているので、静音性も高くなっています。ただし、強化ガラスサイドパネルを選択すると、シートが貼られるのは片側のみになるので、あまり効果は感じられません。


サイドパネル内側に標準で騒音・振動吸収シートが貼付

 

高い拡張性

G-Master Spear Z590は拡張性が高く、画像の通り3.5インチのシャドウベイユニットを6段も備えています。それぞれ上中下で別れており、取り外すことも可能となっています。HDDを搭載できるトレイはサイドにスライドすることで開き、挟み込むようにしてHDDを固定するので、ツールレスでとても便利。SSDはトレイの裏側に配置できるようになっています。

HDD・SSDの固定はツールレスでとても便利

 

グラフィックカード支えるグラフィックスカードスタビライザー

G-Master Spear Z590にはグラフィックカードを支える「グラフィックスカードスタビライザー」が標準で搭載されており、薄くて軽いカードから、RTX 3080、RTX 3090のような重くて大型のカードも支えることができます。

画像のようにグラフィックカードを挟み込むようにして固定し、厚さもネジひとつで調整ができます。可動域も広いので様々な種類のカードに対応できます。重いグラフィックカードは荷重によってマザーボードに負担がかかるため、これまでGPUサポートを別で用意していましたが、これはとても便利です。

RTX 3090のような重いグラボもグラフィックスカードスタビライザーで支える

 

パーツの選択肢が多く、型番も分かる

サイコムのパソコンは、パーツの選択肢が多く、さらにほとんどのパーツに型番が明記されています。

他のメジャーなBTOメーカーでも、ある程度は明記されていますが、マザーボード、HDD / SSD、ビデオカードについては、パーツの型番が書かれていないことが非常に多いです。一方、サイコムはこれらにも型番が明記されています。「このメーカー製のパーツが良い」といったこだわりのある方は、おすすめのBTOメーカーです。

パーツの選択肢が多く、型名も明記

 

さらに、パーツの選択肢が多いサイコムのPCですが、「サイコムあんしん相性チェッカー」という機能がカスタマイズページに搭載されており、相性問題、物理的干渉等の問題がある組み合わせは、パーツ選択時にアラートが出るようになっているので、安心してパーツ選びができます。

サイコムあんしん相性チェッカーの説明文(メーカーサイトからの抜粋)

 

ゲームベンチマーク

今回の構成内容ではグラフィックカードは選択していませんが、G-Master Spear Z590の標準構成では、RTX 3060(ASUS DUAL-RTX3060-12G)が標準構成となっています。後付けでMSI製ではありますが、RTX 3060を装着してベンチマークを計測してみたので、購入時の参考にしてください。

ゲームベンチマークスコア

以下のゲームのフレームレートについて
表示しているのは平均フレームレートです
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
品質 解像度 Core i9-11900K
RTX 3060
ウルトラ 1920x1080 62 fps
2560x1440 41 fps
ベンチマークスコアの比較(1920x1080、ウルトラ)
RTX 3090 124 fps
RTX 3080 114 fps
RTX 2080Ti 91 fps
RTX 3070 91 fps
RTX 3060Ti 78 fps
RTX 2080 SUPER 77 fps
RTX 2070 SUPER 68 fps
RTX 3060 62 fps
RTX 2060 SUPER 60 fps
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
品質 解像度 Core i9-11900K
RTX 3060
最大 1920x1080 61 fps
2560x1440 46 fps
ベンチマークスコアの比較(1920x1080、最大)
RTX 3090 104 fps
RTX 3080 100 fps
RTX 2080Ti 90 fps
RTX 3070 89 fps
RTX 3060Ti 80 fps
RTX 2080 SUPER 80 fps
RTX 2070 SUPER 72 fps
RTX 3060 61 fps
RTX 2060 SUPER 61 fps
重い部類のゲーム
Horizon Zero Dawn(DX12)
品質 解像度 Core i9-11900K
RTX 3060
最高 1920x1080 93 fps
2560x1440 75 fps
ベンチマークスコアの比較(1920x1080、最高)
RTX 3090 153 fps
RTX 3080 140 fps
RTX 3070 118 fps
RTX 2080Ti 118 fps
RTX 3060Ti 111 fps
RTX 2080 SUPER 104 fps
RTX 2070 SUPER 98 fps
RTX 3060 93 fps
RTX 2060 SUPER 87 fps
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
品質 解像度 Core i9-11900K
RTX 3060
ウルトラ 1920x1080 78 fps
2560x1440 56 fps
ベンチマークスコアの比較(1920x1080、ウルトラ)
RTX 3090 156 fps
RTX 3080 142 fps
RTX 3070 115 fps
RTX 2080Ti 115 fps
RTX 3060Ti 102 fps
RTX 2080 SUPER 96 fps
RTX 2070 SUPER 80 fps
RTX 3060 78 fps
RTX 2060 SUPER 68 fps
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
品質 解像度 Core i9-11900K
RTX 3060
高品質 1920x1080 89 fps
2560x1440 65 fps
ベンチマークスコアの比較(1920x1080、高品質)
RTX 3090 141 fps
RTX 3080 135 fps
RTX 2080Ti 129 fps
RTX 3070 127 fps
RTX 2080 SUPER 114 fps
RTX 3060Ti 112 fps
RTX 2070 SUPER 103 fps
RTX 3060 89 fps
RTX 2060 SUPER 84 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
品質 解像度 Core i9-11900K
RTX 3060
最高 1920x1080 120 fps
2560x1440 81 fps
ベンチマークスコアの比較(1920x1080、最高)
RTX 3090 157 fps
RTX 3080 157 fps
RTX 3070 147 fps
RTX 2080Ti 145 fps
RTX 3060Ti 142 fps
RTX 2080 SUPER 136 fps
RTX 2070 SUPER 131 fps
RTX 3060 120 fps
RTX 2060 SUPER 113 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
品質 解像度 Core i9-11900K
RTX 3060
最高 1920x1080 141 fps
2560x1440 100 fps
ベンチマークスコアの比較(1920x1080、最高)
RTX 3090 206 fps
RTX 3080 192 fps
RTX 3070 170 fps
RTX 2080Ti 168 fps
RTX 3060Ti 158 fps
RTX 2080 SUPER 154 fps
RTX 3060 141 fps
RTX 2070 SUPER 132 fps
RTX 2060 SUPER 118 fps

 

その他のゲームのベンチマーク

上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

ゲームのパフォーマンスが向上するResizable BAR(Smart Access Memory)の有効化方法とベンチマークを比較はこちらをご覧ください。

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

G-Master Spear Z590では、CometLake-Sまたは、Rocket Lake-Sのプロセッサーが選択できます。

Core i9-11900Kは、マルチコアのスコアはRyzen 9 5900Xほど高くはありませんが、まずまずのスコアです。シングルコア性能は非常に高いです。ただ、Core i7-11700Kのほうがコスパは高いと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i9-11900K
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900X 20251
Ryzen 7 5800X 15646
Core i9-11900K 15513
Core i7-11700K 15011
Core i9-10900K 14483
Ryzen 7 3700X 12273
Core i7-10700
[PL1:150W
11952
Core i5-11600K 11277
Core i5-11400 10000
Core i7-10700
[PL1:65W]
9041
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-11900K 1672
Ryzen 9 5900X 1611
Ryzen 7 5800X 1604
Core i7-11700K 1595
Core i5-11600K 1564
Core i5-11400 1400
Core i9-10900K 1359
Ryzen 7 3700X 1276
Core i7-10700
[PL1:150W
1244
Core i7-10700
[PL1:65W]
1243
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

グラフィックス

本製品で選択できる代表的なグラフィックスは次の通りです。標準構成ではRTX 3060(ASUS DUAL-RTX3060-12G)が搭載されています。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
RTX 3090 19568
RTX 3080 17064
RTX 2080Ti 13872
RTX 3070 13393
Radeon RX 6700XT 11704
RTX 3060Ti 11526
RTX 2080 SUPER 11315
RTX 2070 SUPER 9922
RTX 3060 8650
RTX 2070 8605
RTX 2060 SUPER 8482
RTX 2060 7302
GTX 1660Ti 6031
GTX 1660 SUPER 6000
GTX 1660 5431
GTX 1650 SUPER 4630
GTX 1650 3336
 :本製品で選択できるグラフィックス

 

グラフィックカード選びの目安

サイコムでは、ミドルクラスからハイエンドのグラフィックスが選択可能です。ただし、初心者の方はどのグラフィックカードを選べばよいか迷うと思います。

下表に、グラフィックカード選び方の目安を記載しますので、参考にしてください。使っている液晶と、どの程度のグラフィック設定(画質)でゲームをしたいかでグラフィックカードを決めるといいと思います。

グラフィックカード選びの目安
液晶 グラフィック設定 おすすめグラフィックカード
4K液晶 レイトレーシング
+高設定
GeForce RTX 3090
GeForce RTX 3080
4K液晶 高設定 GeForce RTX 3070
GeForce RTX 2080Ti
GeForce RTX 3060Ti
FHD液晶 レイトレーシング
+高設定
FHD 高リフレッシュレート液晶 高設定 GeForce RTX 2080 SUPER
GeForce RTX 2070 SUPER
Radeon RX 6700XT
WQHD液晶 最高設定
FHD液晶 最高設定 GeForce RTX 3060
GeForce RTX 2060 SUPER
GeForce GTX 1660 SUPER
※FHD:1920x1080、WQHD:2560x1440、4K:3840x2160

 

ストレージ

ストレージではSATA SSDからGen4 NVMe SSDまで選択することができます。追加でSSDとHDDも増設可能です。標準ではIntel SSD 660p Seriesの512 GB M.2 SSDが搭載されています。

今回搭載されていたIntel SSD 660p Seriesは、ベンチマークでは速度はやや遅めです。ゲームや作業をする上では問題ない速度ですが、さらに速度が欲しい方はGen4 NVMe SSDを選択することをおすすめします。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB NVMe SSD(Intel SSD 660p Series)

 

クリエイターソフトの処理時間&ベンチマーク

以下に、Core i9-11900K、GeForce RTX 3060の構成で、各クリエイターソフトの処理速度を計測したときの結果を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Ryzen 9 5900X
64GBメモリ
32秒
Ryzen 9 3900X
16GBメモリ
35秒
Ryzen 7 3700X
16GBメモリ
49秒
Ryzen 7 5800X
16GBメモリ
54秒
Core i9-11900K
16GBメモリ
63秒
Core i9-10900K
16GBメモリ
63秒
Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10700
16GBメモリ
69秒 [PL1:150W]
73秒 [PL1:65W]
Core i7-10750H
16GBメモリ
76秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Ryzen 7 5800X/16GB
GeForce RTX 3080
3分36秒
Ryzen 9 3900X/16GB
GeForce RTX 2070 SUPER
3分36秒
Core i9-11900K/16GB
GeForce RTX 3060
3分46秒
Ryzen 9 5900X/64GB
GeForce RTX 3060Ti
3分50秒
Core i9-10900K/16GB
GeForce GTX 1660 SUPER
4分26秒
Ryzen 7 3700X/16GB
Radeon RX 6700XT
5分03秒
Core i9-10900K/16GB
GeForce GTX 1660
5分32秒
Core i7-10700/16GB
GeForce GTX 1650 SUPER
5分42秒
Core i9-10900K/16GB
GeForce GTX 1650
6分42秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てデスクトップPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
x265でのエンコード時間
Ryzen 9 5900X 5分20秒
Ryzen 9 3900X 6分34秒
Core i9-11900K 7分00秒
Ryzen 7 5800X 7分21秒
Core i9-10900K 7分28秒
Core i7-10700K 8分55秒
Ryzen 7 3700X 8分56秒
Core i7-10700 9分13秒 [PL1:150W]
11分36秒 [PL1:65W]
Ryzen 5 3600 11分52秒
Core i7-8700 13分32秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

 


 

 

以下、パーツの温度、静音性、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。いずれもガラスサイドパネルモデル、MSI製RTX 3060を装着して測定しています。

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。なお、今回Core i9-11900Kを搭載しています。

最初CPU電力が270Wで動作しますが、徐々に下がっていき、8分ほど経過したときには230W前後で動作します。

CPU温度のほうは、100℃とかなり高めの温度です。簡易水冷でもこれほどの温度なので、かなりの発熱量です。

CPU電力
CPU温度

 

ゲーム時のGPU温度の詳細

ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPUおよびGPU温度は下図の通りです。CPU温度はかなり上下しますが、常に70℃以下なので問題ない温度です。GPU温度も最大で64℃とこちらも問題ない温度です。通気性、冷却性能が高いので長時間のゲーミングでも大丈夫そうです。

CPU温度
GPU温度

 

静音性のチェック

本機の動作音(静音性)のチェックです。もし動作音が大きいと、ゲーム等に集中しづらいです。

いずれも”やや低め~普通”の騒音値です。搭載されているファンが多く、通気性の高いケースにしてはかなり静かだと思います。

騒音値
  アイドル時 エンコード時 FF15実行時
Core i9-11900K
RTX 3060
約34dB 約48dB 約40dB
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左:アイドル時(何も操作していない状態)
中:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
右:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

Core i9-11900Kの消費電力はかなり高く、エンコード中はゲーム時よりも高いです。

消費電力
  アイドル時 エンコード時 FF15実行時
Core i9-11900K
RTX 3060
約40W 約380W 約352W
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

外観のチェックです。
強化ガラスサイドパネルの「CoolerMaster MasterBox CM694 TG」を選択しています。クーラーマスターらしいシンプルでメッシュ部分が多い通気性の良いデザインです。クーラーマスターのケースは長きに渡ってゲーマーから信頼を得ています。

 

強化ガラスサイドパネルだと、内部が見えるので、LEDで内部を点灯するとかっこいいです。

 

フロントパネルです。通気性の良いメッシュパネルです。右下にはサイコムのロゴがあります。

 

トップパネルも通気性の良いメッシュ仕様になっています。

 

アクセス面では中央に電源ボタンがあり、左側にUSB3.0 Type-Aが2ポート、右側に3.5mmヘッドセットジャック、リセットボタン、USB3.1 Type-Cポートが1ポートあります。

 

正面と背面です。こちらもシンプルです。

 

ASUS TUF GAMING Z590-PLUS WIFIのポート類です。こちらは選択するマザーボードによって変わります。

 

側面です。強化ガラスサイドパネルを選択しない場合は、右側面と同じサイドパネルが左側面にも配置されます。

 

底面です。足は高めに設計されており、底面から吸気がしやすくなっています。ゴム足もしっかりしているので、高パフォーマンス時の振動にも強いです。

 

底面には電源ユニットのちょうど下に防塵フィルターがあり、取り外しての掃除が可能です。

 

ケース内部のチェック

右側面のケース内部

右側面のケース内部です。裏面配線がされており、配線処理も綺麗な方だと思います。2.5インチSSDが設置できるブラケットが2つ用意されています。

 

LED用ケーブルなど、輸送時に抜けやすい配線にはシールで補強されています。

 

左側面のケース内部

左側面のケース内部です。内部は裏面配線のおかげですっきりしており、エアフローも良さそうです。

 

RGB発光システム

ケースオプションにてRGB発光システムを選択すると、ケース内部にLEDストリップ2本が追加されます。LEDストリップはフロント面に1本、トップ面に1本です。

 

RGBエフェクトはAURA Syncに対応しており、ASUSのユーティリティツール「Armoury Crate」から、ファンLEDなどもまとめて管理できます。

Armoury Crate

 

パーツ構成

Z590チップセットのマザーボードです。標準では「ASUS TUF GAMING Z590-PLUS WIFI」が搭載されています。

CPUクーラーは標準では空冷ファンである「CoolerMaster Hyper 212EVO V2」が搭載されていますが、今回簡易水冷でRGBエフェクトも可能な「CoolerMaster ML240L V2 RGB」を選択しています。

【ASUS TUF GAMING Z590-PLUS WIFI】

 

M.2 SSDにはマザーボード付属のヒートシンクが装着されていました。なので、サイコムオリジナルのヒートシンクはなしでもいいと思います。

【Intel SSD 660p Series】

 

電源は標準ではフルモジュラータイプのSilverStoneの750W電源が搭載されていますが、今回1000Wの「Corsair RM1000x」を選択しています。こちらもフルモジュラータイプです。

【Corsair RM1000x】

 

オープンベイとシャドウベイ

5.25インチのオープンベイは2つあります。こちらもツールレスで設置可能です。

 

3.5インチと2.5インチ共通のシャドウベイです。3.5インチHDDが6台、2.5インチSSDが6台設置可能です。こちらもツールレスです。

 

シャドウベイは上中下の3段で分かれており、ケージごとに取り外しが可能です。

 

グラフィックカード

RTX 3060 Ti、RTX 3070を装着してみました。RTX 3060 Tiはまだ長さはないのでケースにすっぽり入りますが、RTX 3070以上の長めのグラフィックカードになると、横のシャドウベイのケージを2つは取り外さないと入りません。

 

斜めから見た画像

斜めから見たケース内部の画像です。

 

反対側の斜めから見た画像です。

 

その他

説明や付属品、余ったケーブルなどは同梱されますが、CPUやグラフィックカード、マザーボードの空き箱等は同梱されないのでご注意ください。空き箱も欲しいという方は「パソコンショップ SEVEN」がいいと思います。

 

ゲーミングキーボード、ゲーミングマウス、マウスパッドを揃えるとなると、どうしても1万円は越えますが、+9,720円でサイコムオリジナルデバイス3点セットが付属します。

キーボードはメカニカルのフルサイズで、キータッチは静かで高品質だと思います。マウスも軽すぎず、握りやすいサイズで、使いやすいです。サイドボタンも付いているので、ゲームにおいてはまず困ることはないでしょう。

キーボードやマウスに特にこだわりがなければ、こちらを購入するといいと思います。サイコムオリジナルデバイス3点セットに関して詳しくはこちらをご覧ください。

 

まとめ

以上が、サイコム G-Master Spear Z590のレビューです。

ケースには冷却性、拡張性、信頼性の高いミドルタワーケース「CoolerMaster CM694」を採用し、グラフィックスカードスタビライザーで重いグラフィックカードの装着も安心。配線処理も綺麗にまとめられているので、満足のいくBTOゲーミングPCです。

ケースでは強化ガラスサイドパネルを選択することができますが、静音性を求めるなら、騒音・振動吸収シートが付いた標準パネルがいいでしょう。見た目と内部へのアクセス性を考慮するなら、強化ガラスサイドパネルを選択するといいでしょう。

また、サイコムではグラフィックカードや電源などの各パーツには型番が明記されており、信頼性の高いものを選択することが可能です。自分好みの品質の高いゲーミングPCが欲しいなら、本製品がおすすめです。

 

品質と信頼性の高いゲーミングPC

サイコム G-Master Spear Z590

特徴

  • 冷却性・拡張性の高いクーラーマスターのケースを採用
  • パーツの型番がある程度分かる

こんなあなたに

  • 自作をしたいけど時間がない方
  • 高品質なゲーミングPCが欲しい方
  • 価格16万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

 

 

関連ページ