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Ryzen 9 3950X / 3900Xのベンチマーク
このページでは、Zen2ことAMDの第3世代Ryzenプロセッサーの最上位モデル「Ryzen 9 3950X」および、「Ryzen 9 3900X」のベンチマークスコアを掲載します。
結果概要
お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。
下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R20」のマルチコアのベンチマークスコアです。
Ryzen 9 3950Xは非常に高いスコアで、メインストリーム向けCPUとしてはインテルの最上位モデルであるCore i9-9900KFより、約1.8倍以上も速いスコアでした。Ryzen 9 3900Xでもかなり高いスコアです。
Ryzen 9 3950X / 3900Xの仕様
下の表は第3世代 AMD RyzenシリーズとインテルCPUとスペックを比較したものです。「Ryzen 9 3950X」は、サーバー向けやHEDT向けを除く、メインストリーム向けCPUとしては驚異の16コア32スレッドとなっており、その下位の「Ryzen 9 3900X」でも12コア24スレッドとなっています。
価格で比較すると「Core i9-9900KF」の方が安いですが、「Ryzen 9 3900X」はプラス1万円で得るほどの性能かどうか、「Ryzen 9 3950X」との性能差も、ゲームベンチマークも含めて検証していきます。
Ryzen 9 3950X | Ryzen 9 3900X | Ryzen 7 3800X | Ryzen 7 3700X | |
製造プロセス | 7nm | |||
コア / スレッド数 | 16 / 32 | 12 / 24 | 8 / 16 | 8 / 16 |
ベースクロック | 3.5GHz | 3.8GHz | 3.9GHz | 3.6GHz |
ブーストクロック | 4.7GHz | 4.6GHz | 4.5GHz | 4.4GHz |
キャッシュ(L2/L3) | 8MB / 64MB | 6MB / 64MB | 4MB / 32MB | 4MB / 32MB |
内蔵GPU | なし | |||
TDP | 105W | 105W | 105W | 65W |
価格(税別)※ | 89,800円 | 59,800円 | 46,980円 | 39,800円 |
Core i9-9900KF | Core i7-9700KF | Core i7-9700F | |
開発コード名 | Coffee Lake Refresh | ||
製造プロセス | 14nm | ||
コア / スレッド数 | 8 / 16 | 8 / 8 | 8 / 8 |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.0GHz |
ブーストクロック | 5.0GHz | 4.9GHz | 4.7GHz |
キャッシュ | 16MB | 12MB | 12MB |
内蔵GPU | なし | ||
TDP | 95W | 95W | 65W |
価格(税別)※ | 49,119円 | 39,592円 | 33,800円 |
Ryzen 9 3950X / 3900Xのベンチマーク
Ryzen 9 3950X、3900Xのベンチマークスコアを掲載します。
計測に用いたPCは、ドスパラのゲーミングPC、GALLERIA AXZでテストしています。ゲームベンチスコアなど、詳しいレビュー記事は以下をご参照ください。なお、現在GALLERIA AXZではRyzen 9 3950Xしか選択できませんのでご注意ください。
高性能グラフィックスとCPUが選択でき、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。注文してから出荷されるまで2日という納期の短さも魅力。
CINEBENCH R20
まずは、上で掲載したCINEBENCH R20の結果です。マルチコアのスコアではRyzen 9 3950Xは、3900Xよりも約1.3倍、Core i9-9900KFと比較すると約1.8倍も高いスコアです。シングルコアでは同じようなスコア結果になりました。
CINEBENCH R15
次は、CINEBENCH R15の結果です。マルチコアではRyzen 9 3950Xは、3900Xよりも約1.3倍、Core i9-9900KFと比較すると約2倍も高いスコアです。シングルコアでは同じようなスコア結果になりました。
PassMark Performance Test 9.0
PassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアです。こちらではRyzen 9 3950Xと3900Xでは似たようなスコアになりましたが、Core i9-9900Kと比較すると約1.5倍以上高くなっています。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアです。インテルCPUなどの他のデータが少ないので比較はできませんが、マルチコア、シングルコアともにRyzen 9 3950Xは高いスコアです。
Geekbench 4
続いて、Geekbench 4です。Ryzen 9 3900Xのマルチコアのスコアは「39781」でした。Core i9-9900Kと比較すると、1.2倍高いスコアです。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
次は、ベンチマークソフトではなく実際のソフトウェアの「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
エンコード時間でもRyzen 9 3950Xが5分23秒とダントツで速く、次にRyzen 9 3900Xが6分31秒です。Ryzen 9 3950Xは、Core i9-9900KFに対し約40%も高速です。
外部グラフィックス搭載時のベンチマーク
続いて、外部グラフィックス「GeForce RTX 2080Ti」を搭載したときの各ゲームのベンチマークスコアです。インテルCPUを搭載したときと比べて、フレームレートが低下しないかを確認します。
今回、比較したインテルCPU搭載モデルは、同じGALLERIAシリーズのCore i9-9900KF搭載のGALLRIA ZZです。グラフィックカードは両機種ともPalit製の同名製品です。ただし、どちらの製品も全てが同じパーツではないため、正確な比較にはなりません。参考程度にご覧ください。
旧世代でのRyzen CPUはゲームベンチマークになると、インテルCPUよりスコアが低く、あまりゲーム用途向きではなかったのですが、Ryzen 9 3950X、Ryzen 9 3900Xでもゲームベンチマークのスコアは下がらず、順当なフレームレートが出ています。
特に重い部類のゲームの4K解像度環境では、Core i9-9900KF搭載PCよりもフレームレートが高いケースが多かったです。ただし、タイトルによってはフレームレートが満足に出ない場合もあるようです(シャドウオブザトゥームレイダーの最低設定など)。
ゲーミング性能だけを求めるならインテルCPUで十分かなと思いますが、エンコード作業や配信をしながらなど、CPU負荷の高い作業をするのであれば、マルチコア性能が高いRyzen 9を選択するといいと思います。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA AXZ | GALLERIA AXZ | GALLERIA ZZ | |
Ryzen 9 3950X RTX 2080Ti |
Ryzen 9 3900X RTX 2080Ti |
Core i9-9900KF RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
軽量品質 | 182 fps | 191 fps | 195 fps |
標準品質 | 160 fps | 161 fps | 165 fps | |
高品質 | 126 fps | 126 fps | 129 fps | |
2560 x 1440 |
軽量品質 | 155 fps | 157 fps | 157 fps |
標準品質 | 121 fps | 123 fps | 124 fps | |
高品質 | 98 fps | 96 fps | 99 fps | |
3840 x 2160 |
軽量品質 | 96 fps | 98 fps | 95 fps |
標準品質 | 70 fps | 69 fps | 69 fps | |
高品質 | 60 fps | 60 fps | 59 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA AXZ | GALLERIA AXZ | GALLERIA ZZ | |
Ryzen 9 3950X RTX 2080Ti |
Ryzen 9 3900X RTX 2080Ti |
Core i9-9900KF RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
最低 | 144 fps | 144 fps | 173 fps |
中 | 134 fps | 135 fps | 140 fps | |
最高 | 127 fps | 129 fps | 128 fps | |
2560 x 1440 |
最低 | 140 fps | 144 fps | 168 fps |
中 | 120 fps | 120 fps | 108 fps | |
最高 | 110 fps | 111 fps | 94 fps | |
3840 x 2160 |
最低 | 116 fps | 115 fps | 104 fps |
中 | 77 fps | 75 fps | 68 fps | |
最高 | 62 fps | 61 fps | 55 fps |
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA AXZ | GALLERIA AXZ | GALLERIA ZZ | |
Ryzen 9 3950X RTX 2080Ti |
Ryzen 9 3900X RTX 2080Ti |
Core i9-9900KF RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
低 | 191 fps | 182 fps | 191 fps |
高 | 138 fps | 138 fps | 147 fps | |
ウルトラ | 83 fps | 83 fps | 89 fps | |
2560 x 1440 |
低 | 155 fps | 155 fps | 163 fps |
高 | 111 fps | 111 fps | 117 fps | |
ウルトラ | 68 fps | 68 fps | 72 fps | |
3840 x 2160 |
低 | 105 fps | 103 fps | 109 fps |
高 | 71 fps | 70 fps | 72 fps | |
ウルトラ | 45 fps | 45 fps | 47 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA AXZ | GALLERIA AXZ | GALLERIA ZZ | |
Ryzen 9 3950X RTX 2080Ti |
Ryzen 9 3900X RTX 2080Ti |
Core i9-9900KF RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
標準(デスク) | 191 fps | 196 fps | 189 fps |
高(デスク) |
162 fps | 164 fps | 168 fps | |
最高品質 | 155 fps | 156 fps | 158 fps | |
2560 x 1440 |
標準(デスク) | 181 fps | 186 fps | 178 fps |
高(デスク) |
129 fps | 132 fps | 133 fps | |
最高品質 | 122 fps | 124 fps | 126 fps | |
3840 x 2160 |
標準(デスク) | 129 fps | 131 fps | 132 fps |
高(デスク) |
85 fps | 86 fps | 87 fps | |
最高品質 | 75 fps | 76 fps | 76 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA AXZ | GALLERIA AXZ | GALLERIA ZZ | |
Ryzen 9 3950X RTX 2080Ti |
Ryzen 9 3900X RTX 2080Ti |
Core i9-9900KF RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
低品質 | 120 fps | 129 fps | 142 fps |
高品質 | 104 fps | 111 fps | 123 fps | |
最高品質 | 95 fps | 99 fps | 111 fps | |
2560 x 1440 |
低品質 | 114 fps | 121 fps | 132 fps |
高品質 | 101 fps | 107 fps | 117 fps | |
最高品質 | 93 fps | 97 fps | 106 fps | |
3840 x 2160 |
低品質 | 93 fps | 92 fps | 94 fps |
高品質 | 80 fps | 79 fps | 81 fps | |
最高品質 | 75 fps | 75 fps | 76 fps |
Ryzen 9 3950X / 3900X搭載のおすすめPC
「Ryzen 9 3950X」「Ryzen 9 3900X」を搭載可能なおすすめのゲーミングPCを紹介します。
CPU | Ryzen 7 3700X ~ Ryzen 9 3950X |
---|---|
GPU | ~GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 10万円台(税別)~ |
高性能グラフィックスが搭載可能で、拡張性が高く、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。
レビュー記事はこちらCPU | Ryzen 5 3500 ~ Ryzen 9 3950X |
---|---|
GPU | ~NVIDIA TITAN RTX |
価格 | 14万円台(税込)~ |
パーツの型番まで細かく指定できる玄人向けBTOパソコン。信頼性の高いパーツで組み上げたい方におすすめ。
レビュー記事はこちらCPU | Ryzen 5 3600 ~ Ryzen 9 3900X |
---|---|
GPU | ~GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 9万円台(税別)~ |
比較的安く、デザインも良く、PCケースの拡張性、メンテナンス性も割と高いバランスのとれたミドルタワーのゲーミングPC。
レビュー記事はこちら
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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