Ryzen 5 3600/3600Xのベンチマーク

更新日:2019年10月24日

このページでは、AMDより発売された、第3世代Ryzenプロセッサーの「Ryzen 5 3600」および、
「Ryzen 5 3600X」のベンチマークスコアを掲載します。

結果概要

お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。

下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマークスコアです。

Ryzen 5 3600は、インテルCPUと比較すると、Core i7-9700Kに近いスコアで、同価格帯のCore i5-9600K と比較すると、約1.4倍速いスコアでした。非常に高いコストパフォーマンスです。Ryzen 5 3600Xは、Ryzen 5 3600よりもややスコアが高くなっているものの、大きな差はありません。

CINEBENCH R15(マルチコア)
Ryzen 7 3700X 2091
Core i9-9900K 2033
Ryzen 5 3600X 1573
Core i7-9700K 1531
Ryzen 5 3600 1513
Core i7-8700K 1432
Core i5-9600K 1072
※グレーのバーは他のPCで計測した代表値

 

Ryzen 5 3600の仕様

第3世代Ryzenは「Ryzen 9 3950X」を最上位モデルとし、その下に「Ryzen 7 3800X」、「Ryzen 7 3700X」、今回レビューした「Ryzen 5 3600」および、「Ryzen 5 3600X」と、さらに下位モデルもラインナップされています。

下の表は第3世代 AMD RyzenシリーズとインテルCPUとスペックを比較したものです。同価格帯であるインテルCPU「Core i5-9600」と比較すると、「Ryzen 5 3600」は、コア数は6と同じですが、スレッド数が倍の12となってます。

「Ryzen 5 3600」と「Ryzen 5 3600X」を比較すると、「Ryzen 5 3600X」の方が少しベースクロック、ブーストクロック数が高く、TDPも95Wになっています。

上記の通り、価格と性能で見て、インテルCPUよりコストパフォーマンスがかなり高いことが分かります。ただし、Ryzenシリーズには内蔵GPUは搭載されないのでご注意ください。映像を出力するにはグラフィックカードが必要になります。

第3世代 AMD Ryzenシリーズ
  Ryzen 9 3900X Ryzen 7 3700X Ryzen 5 3600X Ryzen 5 3600
製造プロセス 7nm
コア / スレッド数 12 / 24 8 / 16 6 / 12 6 / 12
ベースクロック 3.8GHz 3.6GHz 3.8GHz 3.6GHz
ブーストクロック 4.6GHz 4.4GHz 4.4GHz 4.2GHz
キャッシュ 64MB 32MB 32MB 32MB
内蔵GPU なし
TDP 105W 65W 95W 65W
価格(税別)※1 59,800円 39,800円 29,800円 23,980円
※1 10/23現在のドスパラの価格を参照
第8/第9世代 Intel Core iシリーズ
  Core i9-9900KF Core i7-9700KF Core i5-9600KF Core i5-9600
開発コード名 Coffee Lake Refresh
製造プロセス 14nm
コア / スレッド数 8 / 16 8 / 8 6 / 6 6 / 6
ベースクロック 3.6GHz 3.6GHz 3.7GHz 3.1GHz
ブーストクロック 5.0GHz 4.9GHz 4.6GHz 4.6GHz
キャッシュ 16MB 12MB 9MB 9MB
内蔵GPU なし UHD Graphics 630
TDP 95W 95W 95W 65W
価格(税別)※1 49,980円 39,592円 24,982円 24,300円
※1 10/23現在のドスパラの価格を参照

 

Ryzen 5 3600 | 3600Xのベンチマークスコア

Ryzen 5 3600および、Ryzen 5 3600Xのベンチマークスコアを掲載します。

計測に用いたPCは、ドスパラのゲーミングPC、GALLERIA RT5と、GALLERIA RV5でテストしています。ゲームベンチスコアなど、詳しいレビュー記事は以下をご参照ください。

 

なお、計測に用いたPCはメーカーからの貸出機です。以下に各種ベンチマークスコアを掲載しますが、本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが変わる可能性もあります。

 

CINEBENCH R15

まずは、上で掲載したCINEBENCH R15の結果です。インテルCoreプロセッサーと比較すると、シングルコアではCore i7-8700と同等、マルチコアではCore i7-9700Kとほぼ同等のスコアです。

CINEBENCH R15
Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600X
他CPUとの比較(シングルコア)
 
Core i9-9900K 214
Core i7-9700K 214
Core i7-8700K 204
Ryzen 7 3700X 203
Ryzen 5 3600X 199
Ryzen 5 3600 197
Core i7-8700 194
Core i5-9600 186
他CPUとの比較(マルチコア)
 
Ryzen 7 3700X 2091
Core i9-9900K 2033
Ryzen 5 3600X 1573
Core i7-9700K 1531
Ryzen 5 3600 1513
Core i7-8700K 1432
Core i7-8700 1414
Core i5-9600 1042

 

CINEBENCH R20

次は、CINEBENCH R20の結果です。こちらは、インテルCoreプロセッサーと比較した場合、シングルコア、マルチコアともにCore i7-9700Kと同等以上のスコアでした。

CINEBENCH R20
Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600X
他CPUとの比較(シングルコア)
Core i7-8700K 519 ※
Core i9-9900K 513 ※
Ryzen 7 3700X 502
Ryzen 5 3600X 495
Ryzen 5 3600 488
Core i7-9700K 486
Core i7-8700 467
他CPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 7 3700X 4751
Core i9-9900K 4309 ※
Core i7-8700K 3793 ※
Ryzen 5 3600 3558
Ryzen 5 3600 3436
Core i7-9700K 3340
Core i7-8700 3043
※のついているスコアは、CPU MONKEYのサイトを参照しています。他は当サイトによる計測値です。

 

PassMark Performance Test 9.0

PassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアです。こちらではCore i7-9700Kよりも高く、Core i9-9900Kとほぼ同等のスコアです。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600X
他CPUとの比較
Ryzen 7 3700X 23509
Core i9-9900K 20165
Ryzen 5 3600X 20509
Ryzen 5 3600 20151
Core i7-9700K 17726
Core i7-8700K 16268
Core i5-9600 12468

 

Geekbench 4

続いて、Geekbench 4です。こちらは、Core i7-9700Kよりも劣るスコアでした。

Geekbench 4
Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600X
他CPUとの比較(Mulit-Core)
Core i9-9900K 32636
Ryzen 7 3700X 32554
Core i7-9700K 28864
Ryzen 5 3600 25553
Ryzen 5 3600X 25404
Core i7-8700K 22816

 

Geekbench 5

Geekbench 4のバージョンアップ版、Geekbench 5のスコアです。スコアの計算方法が大きく変更されています。他のCPUのデータがないので比較はできませんが、Ryzen 5 3600のマルチコアのスコアは「6881」、Ryzen 5 3600Xは「7015」でした。

Geekbench 5
Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600X

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間

ベンチマークソフトだけは速いというCPUもあるため、次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を比較します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。

Ryzen 5 3600とRyzen 5 3600Xでは、あまり差がありません。どちらのCPUも、Core i7-8700より速く、Core i7-9700Kよりやや遅いです。速いエンコードです。

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間 (x265)
Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600X
※ XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
他CPUとの比較
Core i9-9900K 8分37秒
Ryzen 7 3700X 9分19秒
Core i7-9700K 11分00秒
Ryzen 5 3600X 11分31秒
Ryzen 5 3600 11分52秒
Core i7-8700 13分32秒

 

外部グラフィックス搭載時のベンチマーク

Ryzen 5 3600

続いて、外部グラフィックス「GeForce GTX 1660Ti」を搭載したときの各ゲームのベンチマークスコアです。インテルCPUを搭載したときと比べて、フレームレートが落ちないかを確認します。

今回、比較したインテルCPU搭載モデルの1台は、同じGALLERIAシリーズのCore i7-8700搭載GALLRIA XTです。グラフィックカードは両機種ともPalit製の同名製品です。もう1台は、Core i7-9700搭載のレノボのLegion C530です。グラフィックカードのメーカーは異なりますが、GPUクロックなどの仕様は同じです。ただし、いずれの製品も他のパーツは異なるため、正確な比較にはなりません。参考程度にご覧ください。

旧世代でのRyzen CPUはゲームベンチマークになると、インテルCPUよりスコアが低く、あまりゲーム用途向きではなかったのですが、Ryzen 5 3600では、ゲームベンチマークのスコアは下がらず、順当なフレームレートが出ています。特に2560 x 1440の解像度で実行したときは、Core i7-9700搭載PCよりもフレームレートが高いケースが多かったです。GeForce GTX 1660Tiのクラスのグラフィックスでは、快適にゲームができそうです。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 | 品質 GALLERIA RT5 GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 5 3600
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
軽量品質 116 fps 114 fps 114 fps
標準品質 90 fps 89 fps 86 fps
高品質 67 fps 67 fps 65 fps
2560
x
1440
軽量品質 82 fps 80 fps 78 fps
標準品質 60 fps 60 fps 59 fps
高品質 48 fps 47 fps 47 fps
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 | 品質 GALLERIA RT5 GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 5 3600
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
最低 120 fps 126 fps 134 fps
94 fps 91 fps 89 fps
最高 78 fps 75 fps 74 fps
2560
x
1440
最低 99 fps 99 fps 96 fps
63 fps 62 fps 61 fps
最高 52 fps 51 fps 50 fps
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
解像度 | 品質 GALLERIA RT5 GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 5 3600
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
128 fps 131 fps 126 fps
86 fps 88 fps 83 fps
ウルトラ 50 fps 51 fps 47 fps
2560
x
1440
96 fps 99 fps 93 fps
64 fps 65 fps 61 fps
ウルトラ 38 fps 39 fps 37 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
解像度 | 品質 GALLERIA RT5 GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 5 3600
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
標準(デスク) 140 fps 137 fps 146 fps
高(デスク)
106 fps 105 fps 109 fps
最高品質 99 fps 99 fps 101 fps
2560
x
1440
標準(デスク) 118 fps 118 fps 123 fps
高(デスク)
78 fps 77 fps 76 fps
最高品質 68 fps 67 fps 66 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
解像度 | 品質 GALLERIA RT5 GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 5 3600
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
低品質 108 fps 114 fps 111 fps
高品質 93 fps 89 fps 93 fps
最高品質 82 fps 76 fps 85 fps
2560
x
1440
低品質 83 fps 80 fps 80 fps
高品質 71 fps 61 fps 69 fps
最高品質 66 fps 57 fps 64 fps

 

Ryzen 5 3600X

続いて、外部グラフィックス「GeForce RTX 2060 SUPER」を搭載したときの各ゲームのベンチマークスコアです。インテルCPUを搭載したときと比べて、フレームレートが低下しないかを確認します。

今回、比較したインテルCPU搭載モデルは、同じGALLERIAシリーズのCore i7-8700搭載のGALLRIA XVです。グラフィックカードは両機種ともPalit製の同名製品です。ただし、どちらの製品も全てが同じパーツではないため、正確な比較にはなりません。参考程度にご覧ください。

こちらでも順当なフレームレートが出ており、Core i7-8700搭載PCと比較すると、大きな差はなくほぼ同等なスコアが出ていると思います。GeForce RTX 2060 SUPERのクラスのグラフィックスでも、快適にゲームができそうです。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 | 品質 GALLERIA RV5 GALLERIA XV
Ryzen 5 3600X
RTX 2060 SUPER
Core i7-8700
RTX 2060 SUPER
1920
x
1080
軽量品質 139 fps 135 fps
標準品質 113 fps 112 fps
高品質 85 fps 84 fps
2560
x
1440
軽量品質 104 fps 106 fps
標準品質 76 fps 79 fps
高品質 62 fps 63 fps
3840
x
2160
軽量品質 58 fps 59 fps
標準品質 41 fps 41 fps
高品質 36 fps 36 fps
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 | 品質 GALLERIA RV5 GALLERIA XV
Ryzen 5 3600X
RTX 2060 SUPER
Core i7-8700
RTX 2060 SUPER
1920
x
1080
最低 124 fps 119 fps
108 fps 102 fps
最高 99 fps 94 fps
2560
x
1440
最低 115 fps 112 fps
81 fps 80 fps
最高 70 fps 67 fps
3840
x
2160
最低 70 fps 67 fps
45 fps 45 fps
最高 36 fps 35 fps
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
解像度 | 品質 GALLERIA RV5 GALLERIA XV
Ryzen 5 3600X
RTX 2060 SUPER
Core i7-8700
RTX 2060 SUPER
1920
x
1080
149 fps 148 fps
104 fps 107 fps
ウルトラ 60 fps 62 fps
2560
x
1440
112 fps 119 fps
77 fps 81 fps
ウルトラ 47 fps 49 fps
3840
x
2160
71 fps 72 fps
46 fps 47 fps
ウルトラ 30 fps 30 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
解像度 | 品質 GALLERIA RV5 GALLERIA XV
Ryzen 5 3600X
RTX 2060 SUPER
Core i7-8700
RTX 2060 SUPER
1920
x
1080
標準(デスク) 168 fps 170 fps
高(デスク)
123 fps 125 fps
最高品質 116 fps 118 fps
2560
x
1440
標準(デスク) 140 fps 141 fps
高(デスク)
98 fps 99 fps
最高品質 89 fps 90 fps
3840
x
2160
標準(デスク) 98 fps 99 fps
高(デスク)
52 fps 53 fps
最高品質 45 fps 45 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
解像度 | 品質 GALLERIA RV5 GALLERIA XV
Ryzen 5 3600X
RTX 2060 SUPER
Core i7-8700
RTX 2060 SUPER
1920
x
1080
低品質 114 fps 117 fps
高品質 101 fps 102 fps
最高品質 90 fps 92 fps
2560
x
1440
低品質 101 fps 102 fps
高品質 87 fps 88 fps
最高品質 79 fps 82 fps
3840
x
2160
低品質 56 fps 57 fps
高品質 49 fps 49 fps
最高品質 46 fps 47 fps

 

Ryzen 5 3600 | 3600X搭載のおすすめPC

「Ryzen 5 3600」および、「Ryzen 5 3600X」を搭載可能なおすすめのゲーミングPCを紹介します。

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まとめ

コストパフォーマンスに優れたプロセッサー

AMD第3世代Ryzenの中でも、一般向けのスタンダードCPUに位置づけられる「Ryzen 5 3600」および、「Ryzen 5 3600X」は、価格の割には性能が高く、インテルプロセッサーと比較して、コストパフォーマンスに優れています。

旧世代CPUではゲームとの相性が悪く、フレームレートが落ちたりしていましたが、「Ryzen 5 3600」と「Ryzen 5 3600X」は、今回試したミドルクラスのグラフィックカードならそういった事もなく、ゲームにも適したCPUだと思います。

ミドルスペックのPCを構成したい方におすすめです。

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