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Ryzen 5 3500のベンチマーク
このページでは、AMDより新たに発売された、第3世代Ryzenプロセッサーの「Ryzen 5 3500」のベンチマークスコアを掲載します。
結果概要
結果の概要だけ先に紹介します。
下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R20」のベンチマークスコアです。Ryzen 5 3500は、6コア6スレッドのコストを抑えたプロセッサーで、競合となるインテルCPU「Core i5-9400F」より高いスコアでした。ミドルレンジ帯のデスクトップPCに最適なCPUだと思います。
Ryzen 5 3500の仕様
1万円台で手に入る6コアCPU
Ryzen 5 3500は、以前レビューした「Ryzen 5 3600/3600X」の下位版となっており、物理コアは6コアの6スレッドとなっています。CPU-Zで確認したスペックは以下の通りになります。
Ryzen 5 3500の実売価格は執筆現在で14,680円となっており、1万円台という低価格で手に入るミドルスペックのプロセッサーです。Ryzen 5 3500は、同じ6コア/6スレッドで同価格帯のCore i5-9400Fより、ベースクロックが高く、またキャッシュの容量も多いです。
Ryzen 5 3600X | Ryzen 5 3600 | Ryzen 5 3500 | |
製造プロセス | 7nm | ||
コア / スレッド数 | 6 / 12 | 6 / 12 | 6 / 6 |
ベースクロック | 3.8GHz | 3.6GHz | 3.6GHz |
ブーストクロック | 4.4GHz | 4.2GHz | 4.1GHz |
キャッシュ(L2/L3) | 3MB / 32MB | 3MB / 32MB | 3MB / 16MB |
内蔵GPU | なし | ||
TDP | 95W | 65W | 65W |
発売日 | 2019/07/07 | 2019/07/07 | 2020/02/22 |
※価格(税別) | 29,800円 | 23,980円 | 14,680円 |
Core i5-9600KF | Core i5-9500F | Core i5-9400F | |
開発コード名 | Coffee Lake | ||
製造プロセス | 14nm | ||
コア / スレッド数 | 6 / 6 | 6 / 6 | 6 / 6 |
ベースクロック | 3.7GHz | 3.0GHz | 2.9GHz |
ブーストクロック | 4.6GHz | 4.4GHz | 4.1GHz |
キャッシュ | 9MB | 9MB | 9MB |
内蔵GPU | なし | ||
TDP | 95W | 65W | 65W |
発売日 | 2019/03/29 | 2019/11/22 | 2019/02/01 |
※価格(税別) | 30,167円 | 19,980円 | 15,952円 |
Ryzen 5 3500のベンチマークスコア
Ryzen 5 3500のベンチマークスコアを掲載します。
計測に用いたPCは、ドスパラのゲーミングPC、GALLERIA RT5でテストしています。ゲームベンチスコアなど、詳しいレビュー記事は近日追記予定です。
ミニタワーのKTMケースを採用したGALLERIA。高性能なグラフィックスが選択でき、細かなカスタマイズも可能。注文してから出荷されるまで2日という納期の短さも魅力。
なお、計測に用いたPCはメーカーからの貸出機です。以下に各種ベンチマークスコアを掲載しますが、本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが変わる可能性もあります。
CINEBENCH R20
まずは定番のMaxon Computer社が提供しているCINEBENCH R20の結果です。Ryzen 5 3500は、競合となるCore i5-9400Fより、マルチコア/シングルコアともに高いスコアでした。上位のRyzen 5 3600とマルチコアのスコアを比較すると、Ryzen 5 3500は75%程度のスコアになってしまうため、約1万円という価格差を考えると、Ryzen 5 3600のほうがコスパはいいような気もします。
CINEBENCH R15
CINEBENCH R15についても、Ryzen 5 3500は、Core i5-9400Fよりもやや高めのスコアでした。ただ、上位のRyzen 5 3600と比較すると約68%程度のスコアしかありませんでした。
PassMark Performance Test 9.0
続いて、PassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアを確認します。このベンチマークスコアについては、Core i5-9400Fよりも約1.2倍も高いスコアで、Core i5-9600をも上回るスコアでした。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアはこちらです。Ryzen 5 3500は、Core i5-9400Fよりも約1割高いスコアでした。ただし、Ryzen 5 3500は、Ryzen 5 3600の78%程度のスコアでした。
Geekbench 4
続いて、少し古いベンチマークソフトになりますが、Geekbench 4の実行結果を掲載します。こちらも他と同様の傾向のスコアです。
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間
次は、ベンチマークソフトではなく実際のソフトウェアの「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
Ryzen 5 3500は、Core i5-9400Fの94%の時間で処理が完了していました。ただし、Ryzen 5 3600と比較するとやや時間がかかっていました。
外部グラフィックス搭載時のベンチマーク
Ryzen 5 3500のゲーミング性能は?
続いて、ゲーミング性能の比較です。外部グラフィックス「GeForce GTX 1660 SUPER」を搭載したときのフレームレートの差を確認します。
本当は、Core i5-9400FもしくはRyzen 5 3500に、GeForce GTX 1660 SUPERを搭載したPCと比較したかったのですが、過去にこのような構成のPCでベンチマークを計測したことがないので、今回は、「Core i7-9700」を搭載した「GALLERIA XT」と比較しました。この機種は、同じグラフィックスを搭載しているものの価格差が45,000円もある機種です。この機種にどれだけベンチマークスコアが迫れるか確認してみたいと思います。
コストを抑えるなら「Ryzen 5 3500」で十分!
結果はやはり、コア数とスレッド数の多い「Core i7-9700」を搭載した、「GALLERIA XT」の方が全体的にフレームレートが高いです。グラフィック品質を軽めにしCPUへの依存度を増やすと、フレームレート差は大きいものの、グラフィック品質を高めにした状態ではそこまで大きくフレームレートは異なりません。この差に45,000円の価値があると感じるかは人それぞれですが、できる限りコストを抑えたいというのなら、「Ryzen 5 3500」でも十分だと思います。また、今後もミドルスペックのゲーミングPCに搭載される低コストCPUとして、「Ryzen 5 3500」は人気が出てくると思います。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
|
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA RT5 | GALLERIA XT | |
Ryzen 5 3500 GTX 1660 SUPER |
Core i7-9700 GTX 1660 SUPER |
||
1920 x 1080 |
軽量品質 | 111 fps | 115 fps |
標準品質 | 87 fps | 89 fps | |
高品質 | 65 fps | 66 fps | |
2560 x 1440 |
軽量品質 | 78 fps | 80 fps |
標準品質 | 59 fps | 58 fps | |
高品質 | 47 fps | 46 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA RT5 | GALLERIA XT | |
Ryzen 5 3500 GTX 1660 SUPER |
Core i7-9700 GTX 1660 SUPER |
||
1920 x 1080 |
最低 | 105 fps | 135 fps |
中 | 85 fps | 93 fps | |
最高 | 76 fps | 78 fps | |
2560 x 1440 |
最低 | 94 fps | 100 fps |
中 | 64 fps | 63 fps | |
最高 | 53 fps | 52 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA RT5 | GALLERIA XT | |
Ryzen 5 3500 GTX 1660 SUPER |
Core i7-9700 GTX 1660 SUPER |
||
1920 x 1080 |
標準(デスク) | 142 fps | 163 fps |
高(デスク) |
100 fps | 112 fps | |
最高品質 | 94 fps | 103 fps | |
2560 x 1440 |
標準(デスク) | 114 fps | 126 fps |
高(デスク) |
77 fps | 81 fps | |
最高品質 | 68 fps | 69 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA RT5 | GALLERIA XT | |
Ryzen 5 3500 GTX 1660 SUPER |
Core i7-9700 GTX 1660 SUPER |
||
1920 x 1080 |
低品質 | 98 fps | 115 fps |
高品質 | 84 fps | 96 fps | |
最高品質 | 75 fps | 87 fps | |
2560 x 1440 |
低品質 | 80 fps | 82 fps |
高品質 | 69 fps | 70 fps | |
最高品質 | 63 fps | 65 fps |
Ryzen 5 3500搭載のおすすめPC
「Ryzen 5 3500」を搭載可能なおすすめのゲーミングPCを紹介します。
CPU | Ryzen 5 3500 |
---|---|
GPU | ~GeForce RTX 2070 SUPER |
価格 | 8万円台(税別)~ |
高性能グラフィックスが搭載可能で、拡張性が高く、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。
レビュー記事はこちら
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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