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マウス DAIV 5P 2020年モデルの実機レビュー
CPU | Core i7-10750H |
---|---|
GPU | GeForce GTX 1650 |
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 非光沢 |
質量 | 約1.53kg |
バッテリー | 約18.5時間 |
価格[税込] | 15万円台~ |
DAIV 5Pは、非常に軽い、クリエイター向け15.6型ノートPCです。
Core i7-10750H、GTX 1650を搭載し、動画の編集作業もできるスペックです。しかも、この高めのスペックで、質量が約1.53kgと驚くほど軽いです。さらに91.24Whのバッテリーを搭載し、バッテリー駆動時間が非常に長いです。持ち運びがしやすく、外でも快適にクリエイティブな作業を行えます。
ただ、メモリスロットが1つしかない点は、残念です。
このページをご覧の方だけに
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レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-10750H、GeForce GTX 1650、16GBメモリ、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「DAIV 5Pシリーズの特徴」のみお読みください。
DAIV 5Pの特徴
持ち出しやすいクリエイター向け15.6型ノート
DAIV 5Pの特徴は、クリエイター向けのスペックを搭載するノートPCでありながら、約1.53kgと非常に軽いことです。外外出先で動画編集をするような方に適した製品です。
持ち運びエルクリエイター向けノートPCはいくつかありますが、位置づけとしては次のようになります。性能と質量が、今までの既存機種のちょうど間にあたるような製品で、そこそこの性能でも、比較的軽い製品を望む方におすすめです。
長いバッテリー駆動時間
DAIV 5Pのもう1つの大きな特徴は、91.24Whの大容量バッテリーを搭載し、約18.5時間(メーカー公称値)と非常にバッテリー駆動時間が長い点です。
持ち運びしやすいだけでなく、外出先でバッテリー残量を気にすることなく、クリエイティブな作業に集中できるのは、大きなメリットです。
2基のストレージを搭載可能
DAIV 5Pは、2基のストレージを搭載することができ、最大2TB SSDを選択することができます。
自己責任となりますが、1基のみ搭載しておき、後からM.2 SSDを自分で増設してもいいと思います。
メモリはシングルチャネル
DAIV 5Pは、最大で32GBのメモリを搭載可能です。
ただし、メモリは1枚のみです。より高速なデータ転送が可能なデュアルチャンネルでの運用はできないため残念です。後述しますが、メモリがシングルチャネルのせいで時間がかかってしまう処理もあります。
なお、32GBメモリへのカスタマイズは、それほど高くないので、必要であれば最初から32GBにアップして購入するといいと思います。
ライバル機種の紹介
15.6型の軽量クリエイター向けノートPCであるMSI Prestige 15を、ライバル機種として簡単にご紹介します。
MSI Prestige 15は、Core i7-10710U、GTX 1650 Max-Q、デュアルチャネルメモリ、82Whの大容量バッテリーを搭載して、約1.6kgと軽い機種です。FHD液晶モデルに加えて、4K液晶を搭載したモデルもあります。高解像度の写真などを精細に表示・編集したいなら、4K液晶のMSI Prestige 15の方が適しているかもしれません。
一方、DAIV 5Pは、CPU、GPU性能がMSI Prestige 15を上回っており、より軽量で、価格は安いです。負荷の高い動画編集などをするなら、DAIV 5Pのほうがいいと思います。
クリエイター向けソフトの使用感
以下、クリエイター向けソフトを使ったときの使用感や各種処理時間を掲載します。
なお、本製品は「エンターテイメント」と「パフォーマンス」の2つ動作モードがあり、書き出し時間などは両方の動作モードで計測しています。なお、それぞれのモードはファン速度などをさらに調整できますが、そのあたりの設定はデフォルトのままにしています。
Adobe Lightroom Classic CC(写真編集ソフト)
DAIV 5PでLightroomを使ってみましたが、メモリがシングルチャネルであるため、書き出しが遅いです。せっかくCore i7-10750Hの高性能CPUを搭載しているのに勿体ないです。
書き出しがやや遅い点を除けば、普通に使うことはできますが、この製品より、Core i7-10510Uおよびデュアルチャネルメモリを搭載したノートPCのほうがいいかなと思います。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CC(画像編集ソフト)
Photoshopも非常に快適に動作します。
各種フィルターを適用してみましたが動作はスムーズです。
また、「被写体を選択」、「オブジェクト選択ツール」、「コンテンツに応じた塗りつぶし」といった人工知能( Adobe Sensei)を用いた処理も早めに終わります。
ただし、sRGBカバー率は91.6%となっており、色域は狭くはありませんが広くもありません。Web掲載用の画像編集なら使えると思いますが、印刷用としては色域不足です。
Adobe Premiere Pro CC(動画編集ソフト)
Premiere Proも快適です。
4K動画について、カット編集、テロップ入れ、トランジションの追加、Lumetriカラーによるカラー補正、ワイプの挿入などを行ってみましたが、割と快適に作業できました。
書き出し時間は、RTX 2060などを搭載したノートPCと比較するとそこまで短くはないものの、「パフォーマンス」モードにすれば、MacBook Pro 16インチよりも短かったです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7(動画変換/編集ソフト)
HシリーズのCore i7-10750Hを搭載しているだけあって、エンコードは高速です。ただし、他のCore i7-10750H搭載モデルに比べるとやや遅いかなと思います。
エンターテイメント | パフォーマンス | |
x265でエンコード (※1) | 15分31秒 | 15分14秒 |
QSVでエンコード (※2) | 3分34秒 | 3分35秒 |
NVENCでエンコード (※3) | 1分13秒 | 1分13秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
ディスプレイのチェック
DAIV 5Pのディスプレイのチェックです。パネルは、「BOE NV156FHM-N61」でした。
クリエイターノートであればもう少し広い色域が良かったですが、狭いわけではありません。最大輝度は、当サイトの計測では281cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
DAIV 5Pシリーズのキーボードのチェックです。
キーピッチは約18mm、キーストロークは約1.4mmとなっています。キーとキーの隙間が少ないため、ややタイプミスしやすいです。
ENTERキーの右隣にもう一列キーが配置されていますが、BACKSPACEキー、ENTERキーのサイズは十分あるので、ENTERキーなどが端にないからと言って、そこまでタイプミスすることは少ないと思います。
タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。ただ、クリックボタンはややクリックしにくいです。
キーボードバックライトも搭載していますが、やや見にくいです。
パフォーマンスのチェック
DAIV 5Pのパフォーマンスのチェックです。
なお、こちらもデフォルトの「エンターテイメント」モードと、パフォーマンスが上がる「パフォーマンス」モードとで計測しています。
CPU
Core i7-10750Hを搭載した高い処理性能です。なお、「パフォーマンス」モードと「エンターテイメント」モードとはほとんど差がなかった(むしろ「エンターテイメント」モードのほうがスコアが高い)です。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
こちらは、「パフォーマンス」モードのほうが高いスコアが出ていました。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
GPU-Zで確認したGeForce GTX 1650の情報は次の通りです。他のノート用GeForce GTX 1650と比べると、シェーダー数(グラフィックの頭脳となるGPUのコアの数)がやや少なく、クロックもやや低めです。
ストレージ
ストレージはPCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。また、もう1基追加することも可能です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。クリエイター向けノートPCという位置づけの製品なので、フルサイズのSDカードスロットがあれば良かったです。速度は遅いです。
質量のチェック
DAIV 5Pの質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.53kg」とあり、当サイトの実測値もほぼ同じです。GeForce GTX 1650を搭載した15.6型ノートPCとしては非常に軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.520kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 492g |
バッテリー駆動時間のチェック
DAIV 5Pのバッテリー駆動時間のチェックです。
前述しましたが、バッテリー容量は91.24Whとかなり多いです。
バッテリー駆動時間は次のようになっており、45W TDPのCore i7-10750Hに、GeForce GTX 1650を搭載した機種としてはかなり長いバッテリー駆動時間です。UシリーズCoreプロセッサーに、外部グラフィックス無しの一般的なモバイルノートPCよりも長い駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約 18.5時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 12時間39分 |
(3) 動画再生時 | 11時間40分 |
(4) PCMark 8 Work | 7時間59分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
バッテリー駆動時のCINEBENCH R20のスコアです。スコアはやや落ちますが、多くの作業には十分なパフォーマンスが出ていると思います。
:バッテリー駆動時のスコア
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
DAIV 5Pの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音ですが、高負荷時は高めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。
70℃台で推移しており、問題ない温度です。
なお、ここに掲載はしていませんが、Premiere Proで書き出し中のGPU温度は60℃台後半で推移しており、こちらも問題ありません。薄型のノートPCですが、温度は心配しなくてもよさそうです。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
高い負荷をかけるとキーボード中央部分がやや熱くなりますが、全体的に低めの温度です。薄型ノートですが、快適に使えると思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
一般的なノートPCよりは高い消費電力です。ただし、GeForce RTX 2060などを搭載するようなクリエイターノートPCと比べると消費電力は低めです。
以下は、エンコード時のCPUの電力です。約42W前後で推移しています。
外観のチェック
DAIV 5Pの外観のチェックです。
ボディには、マグネシウム合金が採用されています。軽く、堅牢性にも優れており、安心して持ち出すことができます。
天板もシルバーのカラーです。
スピーカー音は、ノートPC基準で採点すると、10点満点で5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
ウェブカメラは、Windows Helloの顔認証にも対応しており、セキュアで素早いログインが可能です。
GeForce GTX 1650を搭載している割には、非常に薄いボディです。
DAIV 5Pは、microSDカードリーダーを備えていますが、個人的には、LANポートを省いても、フルサイズSDカードリーダーを搭載した方がよかったです。
その他、インターフェイスとして、USB3.0 x2、USB2.0、USB-C、HDMI、LANを備えています。なお、USB-CポートはPower DeliveryおよびDisplayPortには対応していません。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
底面カバーは割と簡単に外せます。2つの冷却ファンで冷却しています。
メモリは換装できますが、スロットは1つのみです。
M.2 SSDです。隣にもう1つM.2スロットがあります。どちらもType 2280のSSDを装着できます。
ACアダプターは薄型です。
まとめ
DAIV 5Pは、クリエイター向けのスペックを備えた15.6型ノートPCでありながら、約1.53kgと驚くほどの軽さが特徴的な機種です。
Core i7-10750H、GeForce GTX 1650という高めのスペック構成で、動画編集などに適しています。このスペックと、軽いボディでありながら、約18.5時間のバッテリー駆動が可能な点も大きな特徴です。
ただし、メモリスロットが1つしかない点はデメリットです。Lightroom Classicの書き出しのように、処理がかなり遅くなるケースもあります。
それでも、非常にモビリティ性能が高く、外出先へ持ち出し、現場で作業するような用途に適したクリエイター向けのノートPCだと思います。
外に持ち出しやすいクリエイター向けノートPC
DAIV 5P
特徴
- Core i7-10750H、GTX 1650搭載
- このスペックで約1.53kgと軽量
- 約18.5時間のロングバッテリー
- メモリはシングルチャネル
こんなあなたに
- 外でもクリエイティブな作業を行いたい
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。