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マウスコンピューター DAIV-NG5500の実機レビュー
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DAIV-NG5300の実機レビュー
CPU | Core i3-8100~ Core i7-8700 |
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GPU | GeForce GTX 1050 |
メモリ | 8~32GB |
ストレージ | SSD / HDD [同時搭載可能] |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 非光沢 広色域 |
質量 | 約2.3~2.4kg |
バッテリー | 約6時間 |
価格 | 9万円台~(税別) |
デスクトップ用CPUにAdobe RGB比98%の液晶を搭載し、RAW現像などにおすすめ
DAIV-NG5500は、デスクトップ用CPUを搭載した15.6型のクリエイター向けノートPCです。
CPU性能が抜群に良いため、CPUパワーを使うソフトを使う場合に、作業が快適です。例えば、RAW現像(書き出し)や、CPUを使ったエンコードなどが、他のノートPCよりも短時間で終わります。
さらに、GeForce GTX 1050を搭載することで、GPU支援に対応したソフトが快適に動きます。例えば、画像や動画編集中に、調整パネルのスライダーを動かすと即座に結果が描画されます。最終書き出しも高速です。
加えて、液晶はAdobe RGB比98%となっており、写真や動画の色が忠実に表現できます。
また、マウスコンピューターのPCは、サポートの内容もよく、初心者でも安心です。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-8700、16GBメモリ、GeForce GTX 1050 (4GB)、256GB SSD+1TB HDD
目次
お忙しい方は、「DAIV-NG5500の特徴」のみお読みください。
DAIV-NG5500の特徴
デスクトップ用CPU搭載で処理が高速
DAIV-NG5500は、ノートPCなのに、デスクトップ用CPUを搭載している点が大きな特徴です。クリエイティブな作業はCPUに負荷がかかる処理が多くありますが、そのようなケースでも処理が短時間で終わります。
例えば、RAW現像はCPUに負荷のかかる処理の1つですが、Core i7-8700を搭載することで、下のグラフのように処理が短時間で終わります。
※Core i7-8850Uのみ8GBメモリ、他は16GBメモリの構成
GeForce GTX 1050搭載でGPUアクセラレーションを利用可能
動画編集、画像編集などのクリエイティブ向けのソフトは、GPUに処理の一部を肩代わりさせるGPUアクセラレーションを利用することが可能です。DAIV-NG5500は、GeForce GTX 1050を搭載しており、このGPUアクセラレーションを利用することができます。さらにCPUも高速なので、CPUとGPUの両方を使う処理はかなり高速です。
例えば、Adobe Premiere Pro CCの書き出し処理は、CPUとGPUの両方を使いますが、本製品は、GeForce MX150搭載ノートPCと比べると約2倍高速です。また、より高性能なGeForce GTX 1050Tiを搭載したノートPCと比べても、CPUが高速であるため、書き出し時間は速くなっています。GeForce GTX 1060搭載ノートPCと比較しても、それほど変わりません。
Adobe RGB比98%の液晶で画像編集などに最適
画像編集などをする場合、液晶の色域(表現できる色の範囲)が広い方が、より忠実に色を表現することができます。DAIV-NG5500は、Adobe RGB比98%の広色域の液晶を搭載しており、一般的なノートPCでは表現できない色も表示することが可能です。
また、色域は製品個体によってバラつきがありますが、本製品は工場出荷時に色域を計測し、「色域データーシート」を同梱しており安心です。
当サイトによる色域の計測結果については「液晶ディスプレイのチェック」をご覧ください。
大容量SSDを搭載でき、しかもマルチストレージ構成も可能
クリエイティブな作業をする場合、大きなサイズのデータを読み込んだり、書き込んだりすることが多いため、高速かつ大容量のストレージを搭載すると便利です。ただ、他社PCだと、HDDのみであったり、SSDだとしても256GBしか積んでいなかったりします。一方、DAIV-NG5500は、最大1TBのM.2 SSD、最大2TBの2.5インチ SSDの大容量SSDを搭載することが可能で、しかもSSDの価格が安いです。
しかも、M.2 SSDと2.5インチストレージを両方搭載することが可能です。メーカーのカスタマイズ画面では1台ずつ選択できますが、M.2スロットは2つあるため、さらに自分でもう1つストレージを追加することも可能でしょう(ただし未検証)。
価格も結構安い!
高性能なCPUに、外部グラフィックスを搭載しているDAIV-NG5500なので、結構高いと思われるかもしれませんが、価格は意外と安く、一番下のモデルなら、99,800円から購入可能です。
ただし、一番下のモデルはデスクトップ用CPUといってもCore i3-8100で、ノート用のグレードの高いCPUよりも性能が低くなってしまいます。本製品を購入するからには、Core i7-8700を搭載したいところですが、そうすると価格は139,800円からとなります。
安心の24時間365日電話サポートなど
最近は乃木坂46出演のCMなどで、知名度も上がってきましたが、マウスコンピューターのパソコンを使ったことがない方は、製品品質やサポート面で不安がある方もいると思います。
パソコンのパーツは、今やどのメーカーも大差無いですが、マウスコンピューターは、組み立てを国内で行っており、今まで取り付けミスをしたことがなく、製品の信頼性は高いです。また、標準で24時間365日対応の電話サポートが付いており、対応者も日本人で安心です。
さらに「安心パックサービス」という以下のサービスをオプションで追加することが可能です。初期不良時に新品と交換してくれるサービスが含まれており、1年保証ならわずか3,000円の追加料金であるため、是非加入しておくことをおすすめします。
安心パックサービス
最短で当日に修理返却・・・リペアセンター入荷後、最短当日に修理し返却
初期不良期間内の新品交換サービス・・・初期不良発生時に、通常修理交換のところ、新品と交換
安心パックサービス専用ダイヤル・・・加入者専用ダイヤルで専任スタッフがサポート対応
さらに、最近では「破損盗難補償サービス」も提供を開始しました。外出先へPCを持ち出す方は、加入をおすすめします。
ボディはやや厚みがある
デスクトップ用の発熱の高いパーツを搭載していることもあり、ボディはやや厚みがあります。 外出先へ持ち運ぶことを検討している方もいると思いますが、カバンに入れるとややかさばるかもしれません。
IPSパネルではない
Adobe RGB比98%の液晶ですが、IPSパネルではありません。そのため、斜めからみると色合いが変化します。ただ、正面から見る分にはほぼ気になりません。また、青色が強く出ているので写真などを扱う場合はキャリブレーションしたほうがいいです。詳しくは下の項目をご覧ください。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイの詳細なチェックです。
視野角はそれほど広くありません。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青色がかなり強めに出ています。写真や動画を扱う方は、キャリブレーションツールを購入し、色調整したほうがいいと思います。
色域は広いです。
Adobe RGBの色域と比較すると、Adobe RGBカバー率は88.5%、Adobe RGB比は公表値通り98.3%となっていました。
画素形状です。ギラつきは若干ありますが、それほど気になりません。
非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーピッチは横:約18mm、キーストロークは約1.8mmです。なお、縦方向のキーピッチは実測で約19mmです。可もなく不可も無いノーマルなキーボードです。普通に打てると思います。
タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
DAIV-NG5500は、デスクトップ用CPUを搭載しており、選択できる代表的なCPUは次のようになっています(灰色のバーは除く)。
Core i5-8600だと、ノートPC向けのCore i7-8750Hよりも劣るスコアになってしまい、本製品を買うメリットが薄れてしまいます。そのため、本製品を購入するなら、Core i7-8700の搭載をおすすめします。
グラフィックス
グラフィックスにはGeForce GTX 1050(4GB)を搭載しています。エントリー向けのグラフィックスではありますが、多くの用途に使えるGPUです。
ストレージ
ストレージは、多くの種類のパーツを選択可能です。
DAIV-NG5500計測したベンチマーク
以下、本製品で計測したベンチマーク結果を掲載します。今回、Core i7-8700を搭載していますが、他のCore i7-8700を搭載したデスクトップPCで計測したベンチマークより、ややスコアが低めに出ています。ただし、デスクトップPCによっては、このくらいのスコアのときもあるので、極端に低いわけではありません。
LightroomのRAW現像は、グラフィックスは使わず、CPUのみで処理するため、デスクトップ用CPUを搭載した本製品は非常に高速です。
[本製品] Core i7-8700 16GB メモリ |
[参考] Core i7-8750H 16GB メモリ |
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書き出し時間 | 1分20秒 | 1分36秒 |
Premiere Proの書き出しは、CPUとGPUの両方を使いますが、ノート用CPUのCore i7-8750HおよびGeForce GTX 1050Tiを搭載したノートPCよりも高速でした。
[本製品] Core i7-8700 GTX 1050 |
[参考] Core i7-8750H GTX 1050Ti |
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書き出し時間 | 1分45秒 | 1分54秒 |
CPUで処理するx265によるエンコードは高速です。ただ、Core i7-8700にしてはやや遅いかなと思いますが、差はわずかです。NVENCによるエンコードもGPUだけでなくCPUでも処理するので高速です。
[本製品] Core i7-8700 GTX 1050 |
[参考] Core i7-8750H GTX 1050Ti |
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x265でエンコード (※1) | 13分45秒 | 16分20秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分37秒 | 1分46秒 |
QSVでエンコード (※3) | ― | 3分39秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
x265エンコード時のCPUクロックです。CPUのクロックは、若干低めに推移しているかなと思います。
ゲームベンチマーク
DAIV-NG5500の各ゲームのベンチマークスコア(平均フレームレート)は下表のようになっています。
フルHD解像度なら"中程度"のグラフィック品質で、多くのゲームが快適にプレイ可能でしょう。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 4382 (普通) 43 fps |
標準品質 | 3345 (普通) 33 fps | |
高品質 | 2308 (重い) 23 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
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1920x1080 | 標準(ノート) | 13375 (非常に快適) 91 fps |
高(ノート) | 9883 (非常に快適) 66 fps | |
最高品質 | 6325 (とても快適) 42 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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1920x1080 | 最高品質 | 18073(すごく快適) ※約5500で60fps |
GPU-Zで確認したGeForce GTX 1050の情報は次の通りです。GPU Clockやメモリ等、普通の仕様だと思います。
その他のゲームのフレームレートについては、下のページを参考にしてください。他のPCで計測した結果ではありますが、鉄拳7、バイオハザード7などのフレームレートについても掲載しています。
質量のチェック
DAIV-NG5500の質量は、約2.3~2.4kgとなっています。
15.6型で外部グラフィックスを搭載しているPCとしては、軽くはないですが、重くもないと思います。
質量 | |
PC本体 | 2.382kg |
ACアダプター | 591g |
バッテリー駆動時間のチェック
DAIV-NG5500のバッテリー駆動時間チェックです。
メーカーサイトには、JEITA2.0測定法で、約6時間と記載されています。
バッテリー容量は47Whと普通の容量です。当サイトで計測したバッテリー駆動時間は次のようになっています。高性能で消費電力も高いCPUを搭載していることもあり、バッテリー駆動時間は短めです。
駆動時間 | |
PCMark 8 Home テスト ※1 | 2時間21分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 2時間58分 |
動画再生時 ※3 | 3時間20分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
エンコード時はやや高めの騒音値ですが、それ以外は普通だと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
デスクトップ用CPUを搭載しているだけあって、エンコード時のCPU温度がやや高いです。
エンコード時の温度の詳細
下図は、エンコード時のCPU温度の詳細です。90℃前後で推移しており高い温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
本体が結構厚いためか、高性能なCPUを搭載しているのにも関わらず、思ったよりは熱くならなかったです。例えば、Premiere ProやLightroomで編集作業をしているときはほぼ気にならないです。
ゲームをしているときは、GPUも温度が高くなるので、やや気になります。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
アイドル時は、思ったよりも低めでした。それ以外のときはやや高めです。
外観のチェック
外観のチェックです。
ブラックの筐体で、シンプルな外観です。
天板はシルバーになっています。個人的にはブラックのほうが良かったかなと思います。
電源ボタンの形はかっこいいです。
側面のポートです。多くのポート類が搭載されており、困ることはないでしょう。ただし、光学ドライブは搭載されていないため、ご注意下さい。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
スピーカーは底面の正面側に配置されています。そこまでいい音ではありません。ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で4点の音質です(普通が5点で、筆者の独断の評価です)。
底面カバーを開けたときの画像です。CPU用のファンとGPU用のファンがそれぞれ1つずつ搭載されています。
CPUとGPUの間にヒートパイプがまたがっておらず、完全に分離されているため、CPUとGPUのどちらか一方のみに負荷がかかる場合、1つのファンが遊んでしまうのが勿体ないです。
CPU側はヒートパイプが太くなっています。
ファンは結構厚みがあります。
メモリスロットは2つです。自分で換装することもできるでしょう。
今回搭載されていたM.2 SSDです。もう1スロット空きがあります。
ACアダプターは大きめですが、薄型なのでカバンに入れやすいでしょう。
ACアダプターの詳細は以下の通りで、150Wです。
まとめ
以上が、DAIV-NG5500のレビューです。
第8世代のデスクトップ用CPUを搭載した高性能ノートPCです。CPUに負担のかかる処理をする方におすすめです。具体例としては、LightroomなどによるRAW現像や、TMPGEnc Video Mastering Works 6などによるx265エンコードなどです。
GeForce GTX 1050の外部グラフィックスも搭載しているので、GPU支援に対応したソフトは、処理が高速になります。動画編集ソフト、画像編集ソフトなど、様々なクリエイター向けソフトが快適に動くでしょう。
Adobe RGB比 98%の液晶なので、写真や動画など、忠実に色を表現できます。
ただし、液晶はIPSパネルではないので視野角はあまり良くありません。また工場出荷状態だと青みが強いので、キャリブレーションツールで色調整することをおすすめします。
また、デスクトップ用CPUを搭載していることもあり、本体が結構分厚いです。厚いのは背面側だけなので使っているときはあまり気になりませんが、カバンに入れて持ち運ぶような方は、少しかさばるかもしれません。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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