マイクロソフト Surface Pro X(2020年版)の実機レビュー

更新日:2020年10月23日
CPU Microsoft SQ2
メモリ 16GB
ストレージ SSD
液晶サイズ 13型
液晶種類 2880x1920 450nits
質量 約774g
バッテリー 最大約15時間
LTE 対応
価格[税込] 19万円台~
SQ2搭載の常時ネット接続が可能な2 in 1 PC

Surface Pro X(2020年版)は、マイクロソフトとQualcommが共同開発したMicrosoft SQ2という、ARM系プロセッサーを搭載した、他機種とは少し異なる 2 in 1 PCです。

従来モデルのSurface Pro Xから、プロセッサーがアップしたのみで、そのほかの特徴には変化がありません。

薄く、軽く、ロングバッテリーで、LTEにも対応しており、ネットへの常時接続が可能です。スマホライクに使用でき、外出先で頻繁にネットに接続する必要がある方に適した機種です。

スリムペン付きSurface Pro X Signatureキーボードまでセットで揃えると、21万円台(税別)~と高額なのがネックです。

なお、ここでは既存のSurface Pro Xと区別するため、Surface Pro X(2020年版)と表記します。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、日本マイクロソフトからの貸出機です。以下の構成でレビューをしています。また、マイクロソフトアフィリエイトプログラムを利用し収入を得ています。

レビュー機の構成

Microsoft SQ2、16GBメモリ、512GB PCIe SSD、LTE

 

目次

お忙しい方は、「Surface Pro X (2020年版)の特徴」のみお読みください。

 

Surface Pro X(2020年版)の特徴

既存モデルからのマイナーアップデート

2020年10月発売のSurface Pro X(2020年版)は、2019年発売の既存のSurface Pro Xからのマイナーアップデートバージョンとなります。主要な変化は、Microsoft SQ1プロセッサーから、Microsoft SQ2へのアップデートです。

液晶、ボディ形状、インターフェイスなどには変化がありませんが、ボディカラーに「プラチナ」も選択できるようになりました。また、Surface Pro X Signatureキーボードに新色も追加されました。

なお、Microsoft SQ1を搭載したSurface Pro Xも引き続き販売されているので、上位モデルが追加されたという感じです。

これらの変化した部分を中心に、最新のSurface Pro X(2020年版)の特徴を以下にご紹介します。なお、多くの特徴が共通しているSurface Pro X(2019年版)のレビューも併せてご確認ください。

 

Microsoft SQ2を搭載

Surface Pro X(2020年版)は、インテルでもAMDでもない、マイクロソフトがQualcommと共同開発したオリジナルのプロセッサーSQ2を搭載しています。このMicrosoft SQ2は、Snapdragonをベースに開発されたARM系のプロセッサーです。

Microsoft SQ2搭載

 

ARM系プロセッサーを搭載することで、ネットへの常時接続、ロングバッテリー、高速起動が可能となり、PCをスマホライクに使用することができます。

Microsoft SQ2の処理性能ですが、ARM64で実行した時のGeekbench 4の結果では、Core i3-8145Uよりはいいものの、Core i5-1035G1には及びません。「軽めの作業であれば、そこそこ快適に使用できる」といったレベルです。

また、Microsoft SQ1のスコアを超えているものの、そこまで大幅に性能がアップしている訳ではありません。もし、Microsoft SQ1を搭載したSuraface Pro X (2019年版)を持っておられたら、買い替えを検討するほどではないと思います。

CPU性能の目安 ~ Geekbench 4 ~
Core i5-1035G1 15303 (Windows x86 64-bit)
Microsoft SQ2 12370 (Windows AArch64)
Microsoft SQ1 11471 (Windows AArch64)
Core i3-8145U 8380 (Windows x86 64-bit)
Microsoft SQ2 7215 (Windows x86 32-bit)
Snapdragon 850 6930 (Windows AArch64)
Microsoft SQ1 6433 (Windows x86 32-bit)

 

64bitアプリは対応予定!ただし、まだ制約もあり

Surface Pro X(2020年版)は、ARM系プロセッサーを搭載しているため、使用できるアプリに制約があります。

まず、ハードウェア、ゲーム、アプリなどのドライバーは、Windows 10 ARMベースのPC用に設計されているもののみが動作します。ドライバーは、アンチウイルスなどのソフト、印刷やPDFのソフト、支援技術、CDやDVDのユーティリティ、仮想化ソフトなどに使用されることがありますが、ドライバーが動作しない場合、これらのアプリやハードウェアは動作しないことになります。

ARM64(64bit)、ARM32(32bit)は動作可能で、x86(32bit)アプリケーションもx86エミュレーションで動作可能ですが、x64(64bit)アプリは、"現状"では動作しません。ただ、64bitエミュレーションが間もなく登場する予定なので、64bitエミュレーションを使用すると、これまでは使用できなかったx64(64bit)アプリケーションも使用できるようになります。

その他、OpneGL 1.1以上を使用しているゲームなど、特定のゲームが動作しなかったり、幾つかのIMEやクラウドストレージアプリなどWindowsエクスペリエンスにカスタマイズを加えるアプリも動作に問題が生じる可能性があります。また、幾つかのサードパーティのセキュリティソフトや、Windows FAX Scanも使用できません。

Officeソフトの使用、メールやウェブ閲覧、Netflixの視聴など一般的な用途であれば問題ありませんが、使いたいと思っているソフトがちゃんと動作するかは、購入前にチェックしておいた方がいいと思います。

 

自由に角度の設定ができるキックスタンド

Surface Pro Xの本体はタブレット形状で、背面にキックスタンドを備えています。キックスタンドのヒンジは無段階調整が可能で、開角度は約165度です。画面を立てることもできますし、下の画像のように、ペンでの入力がしやすいように少しの傾斜をつけることもできます。

ペン入力もしやすい
無段階で調節可能なヒンジ

 

Surface Pro XキーボードとSurfaceスリムペンは必須アイテム

Surface Pro X(2020年版)は、本体のみでタブレットPCとしても使用できますが、Surface Pro Xキーボードと、Surfaceスリムペンと一緒に使用することをおすすめします。

Surface Pro Xキーボードは、キーボードとして使えるだけでなく、液晶面の保護カバーの役割も果たしますし、Surfaceスリムペンの収納と充電もしてくれます。Surfaceスリムペンは、4,096段階の筆圧感知性能を備えており、手書きでのメモやスケッチをとることができ、便利です。スリム ペン付き Surface Pro X Signature キーボードは別売りとなっていますが、Surface Pro Xを使用するのであれば、必須アイテムと言っても過言ではないです。

Surfaceスリムペン
Surfaceスリムペンを収納可能
キーボードの上部を畳むとペンが隠れる

 

このSurface Pro Xキーボードに新色が追加されました。下の画像にあるような、アイスブルー、ポピーレッド、プラチナ、それに既存のブラックです。なお、ブラックでは、日本語配列と、英語配列を選択できますが、それ以外は日本語配列のみとなっています。また、現時点では、アイスブルー、ポピーレッド、プラチナは、Surfaceスリムペンとのセットとなっている、スリムペン付きSurface Pro X Signatureキーボードという形でしか販売されていません。

アイスブルー
ポピーレッド
プラチナ
ブラック

 

新色ボディが追加

Surface Pro X(2020年版)では、ボディカラーとして新たに下の画像のような「プラチナ」が加わりました。従来のマットブラックも選択できます。

プラチナ [新色]
マットブラック [写真はSurface Pro X(2019年版)]

 

LTEに対応

常時ネット接続が可能という部分が売りなので、当たり前ではありますが、Surface Pro Xは、Qualcomm Snapdragon X24 LTEモデムを搭載しており、LTEに対応しております。

対応しているLTEバンドは、下表のとおりです。国内の4キャリアのバンドを網羅しており、問題なく使用できると思います。

また、nanoSIMだけでなく、eSIMにも対応しており、国内ではIIJmioのeSIM サービスなどを使用することができます。

ただ、最近では5G対応のPCも登場してきましたが、Surface Pro X(2020年版)は5Gには非対応です。

対応しているLTEバンド
1 2 3 4 5 6 7 8 11 12
13 14 18 19 20 21 25 26 28 29
30 38 39 40 41 42 46 66    
   
特に重要なバンドは次の通り
ドコモ回線の重要なバンド・・・バンド1、3、19
au回線の重要なバンド・・・バンド1、18(26)
ソフトバンク回線の重要なバンド・・・バンド1、3、8
楽天モバイル回線の重要なバンド・・・バンド3、18(au回線)

 

アスペクト比3:2の高解像度液晶搭載

Surface Pro Xは、アスペクト比3:2の高解像度液晶を搭載しています。一般的なフルHDのノートPCよりも縦方向の情報量が多いので、ブラウザやOfficeソフトなどが使いやすいです。下の画像のように2つのウインドウを並べても見やすく、資料を見ながらデータをまとめたり、メールを書くといった作業もしやすいです。

また、2880x1920と解像度が高く、写真の閲覧や動画の視聴などにも適しています。当サイト計測でsRGBカバー率96.7%と色域も広く、見やすい液晶だと思います。

アスペクト比3:2の高解像度液晶

 

インターフェイスはUSB Type-C

Surface Pro Xのインターフェイスは、USB-Cを2ポートのみです。外出先での使用がメインとなるタイプのPCなので、インターフェイスの少なさはそれほど気にならないと思います。

なお、USB-Cポートは、Power DeliveryとDisplayPortに対応しており、本体への給電や、外部ディスプレイとの接続に使用できます。

また、Surfaceコネクトポートを備えており、Surface Dockを使用することで拡張性をアップすることも可能ではあります。

USB-Cを2ポート搭載

 

脱着可能なストレージ

Surface Pro Xのストレージは、M.2 SSDで、比較的簡単に脱着できます。

ただし、対応しているSSDは、Type 2230の短いタイプです。このタイプのSSDはあまり多くは売られていません。なお、自分で換装する場合は、自己責任での対応となるので、ご注意ください。

着脱可能なストレージ

 

Windows PCとしては高性能のカメラを搭載

Surface Pro Xは、フロントとリアにそれぞれカメラを搭載しています。

フロントのカメラは、5.0Mピクセルで、フルHDの動画を撮影でき、リアカメラは10.0Mピクセルで、フルHD、もしくは4K動画の撮影が可能です。一般的なノートPCなどに搭載されるウェブカメラより、高画質での撮影が可能です。

なお、フロントカメラはWindows Helloの顔認証にも対応しており、簡単にWindowsへのログインができます。ただし、外出先ではマスクをしていることも多いと思うコロナ禍では、顔認証が使用できないのが、やや残念です。

10.0MPのリアカメラ

 

Microsoft Office Home and Business 2019付属

Surface Pro Xには、Microsoft Office Home and Business 2019が付属します。Word、Excel、OneNote、Outlook、PowerPointが使用できます。

購入時には、Microsoft 365の選択画面も出ますが、こちらは1年更新のサブスプリクションサービスです。多くの場合、付属のMicrosoft Office Home and Business 2019で十分ですし、すでにMicrosoft 365のサービスを使用しておられるのであれば、重複して購入する必要はありません。

不要なのに間違って購入することがないように、ご注意ください。

Office Home & Business 2019が付属

 

入手可能なモデルの比較

Surface Pro Xでは、Microsoft SQ1を搭載した旧モデルも引き続き購入可能となっています。

そこで、Surface Pro Xで入手可能なモデルを下表で比較しています。

Microsoft SQ2を搭載したSurface Pro X(2020年版)は税込20万円台からとなっており、スリムペン付きSurface Pro X Signatureキーボードまでセットで購入すると、23万円台となります。気軽に手を出せる機種ではなさそうです。

一方、Microsoft SQ1搭載の16GBメモリモデルは、発売当初より3万円以上値下がりしています。処理性能にそこまで大きな差はないので、場合によっては旧モデルのSurface Pro X (2019年版)も検討してみるといいと思います。

入手可能なモデルの比較
  [本製品]
Surface Pro X 2020年版
[旧モデル]
Surface Pro X 2019年版
CPU Microsoft SQ2 Microsoft SQ1
メモリ 16GB 8GB 16GB
ストレージ 256GB 512GB 128GB 256GB 512GB
価格[税込] 204,380円 241,780円 142,780円 164,780円 173,7230円 205,513円

 

 

ディスプレイのチェック

Surface Pro X(2020年版)のディスプレイのチェックです。

上述のようにアスペクト比3:2の液晶なので、作業がしやすいです。最大輝度は、当サイトの計測では366cd/m2と普通です。輝度を下げるとフリッカーが検出されましたが、解像度が高く、色域は広めで、比較的見やすい液晶だと思います。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は96.7%、sRGB比は97.3%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、わずかに緑と赤の発色が強いことが分かりますが、気になるほどではありません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきは感じません。

画面拡大

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度が53%以下になると、フリッカーが検出されました。周波数は約203Hzでした。やや低めの周波数なので、体質や、使用状況(長時間の使用など)によっては、少し目が疲れやすいかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Surface Pro Xの専用タイプカバーのチェックです。

実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:18.5mmと十分です。キーストロークは約1.2mmとやや浅めですが、タイプカバーとしては普通だと思います。

Surfaceスリムペンを収納できる部分を折りたたむと、下の画像のようにキーボードの上部が持ち上がります。傾斜がついて打ちやすくなるのですが、剛性がそこまで高くないので、タイプする力によっては、ややたわみが気になるかもしれません。

キーボード全体図
キーボードに傾斜をつけることができる
キーの拡大図

 

タイプカバーですが、バックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

Surface Pro Xは、Microsoft SQ2というSoCを搭載しています。一般的なプロセッサーよりもやや処理性能は劣りますが、軽作業であれば遅さは感じません。

CPU性能の目安
~ Geekbench 4 ~
Geekbench 4の設定画面

Geekbench 4を起動すると、アーキテクチャに「AArch64」と「32-bit」が表示されます。ここでAArch64とは、AArch64プロセッサー向けにコンパイルされたバイナリのことで、ARM版Windowsのポテンシャルを最大限に計測することができます。32-bitはx86(32bit)としてエミュレーションで実行します。ここでは、「AArch64」と「32-bit」の両方について計測した結果を掲載します。

Geekbench 4の設定画面
ベンチマークスコア

AArch64を選択して実行すると、32-bitを選択して実行したときより、約1.7倍のベンチマークスコアが出ました。ARMネイティブアプリは、エミュレーションで動かすよりも、大分速いです。

AArch64を選択して実行
32-bitを選択して実行
他のCPUとの比較(Multi-Core Score)

他のCPUのベンチマークスコアと比較すると、AArch64で実行したときは、旧世代のCPUにはなりますが、Core i3-8145UとCore i5-8265Uの間くらいのスコアで、十分使える性能です。32-bitで実行すると大分スコアは落ちますが、CeleronN4100とCore i3-8145Uの間くらいのスコアなので、軽作業なら問題なさそうです。
また、Surface Pro X (2019年版)が搭載してる、Microsoft SQ1よりも処理性能が上がってはいるものの、その差はそこまで大きくはありません。

Core i5-8265U 15209 (Windows x86 64-bit)
Microsoft SQ2 12370 (Windows AArch64)
Microsoft SQ1 11471 (Windows AArch64)
Core i3-8145U 8380 (Windows x86 64-bit)
Microsoft SQ2 7215 (Windows x86 32-bit)
Snapdragon 850 6930 (Windows AArch64)
Microsoft SQ1 6433 (Windows x86 32-bit)
Celeron N4100 5577 (Windows x86 64-bit)
Snapdragon 850 3459 (Windows x86 32-bit)
Celeron N4000 3366 (Windows x86 64-bit)
 :Surface Pro Xで選択できるプロセッサー
 :Surface Pro X (2020年版)が搭載するプロセッサー
CPU性能の目安
~ Geekbench 5 ~
Geekbench 5の設定画面

Geekbench 5については「AArch64」しか選択できません。

Geekbench 5の設定画面
ベンチマークスコア

なお、デフォルトの電源モードは「推奨」になっていますが、「高パフォーマンス」および「最も高いパフォーマンス」にしてもスコアはほとんど変わりませんでした。

AArch64で実行
他のCPUとの比較(Multi-Core Score)

GeekBench 4のスコアと同様の傾向です。

Core i5-8265U 3546 (Windows x86 64-bit)
Microsoft SQ2 3005 (Windows AArch64)
Microsoft SQ1 2834 (Windows AArch64)
Core i3-8145U 1930 (Windows x86 64-bit)
Snapdragon 850 1897 (Windows AArch64)
 :Surface Pro Xで選択できるプロセッサー
 :Surface Pro X (2020年版)が搭載するプロセッサー
CPU性能の目安
~ PassMark Performance Test 9.0 ~

続いて、Passmarkのスコアです。こちらはARMネイティブアプリではないので、エミュレーションで実行されます。結果はGeekbench 4よりも差が開き、Core i5-8265Uの半分程度のスコアでした。

Microsoft SQ2
他のCPUとの比較(Multi-Core Score)
Core i5-1035G1 10385
Core i5-8265U 8750
Core i3-8145U 5823
Microsoft SQ2 4414
Microsoft SQ1 4280
Celeron N4100 2561
Snapdragon 850 1864
Celeron N4000 1549
 :Surface Pro Xで選択できるプロセッサー
 :Surface Pro X (2020年版)が搭載するプロセッサー

 

グラフィックス

Surface Pro X (2020年版)のグラフィックスには、Adreno 690 GPUを搭載しています。ドラクエXのベンチマークスコアを見ると、Surface Pro X (2019年版)が搭載するAdreno 685 GPUとの性能差はわずかで、Intel UHD 620の半分以下のスコアでした。低めのスコアですが、YouTubeやNETFLIXなどの動画鑑賞程度であれば、特に問題なさそうでした。

グラフィックス性能
~ ドラゴンクエスト X ~
Adreno 690 GPU (Microsoft SQ2)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce MX250
16169
Intel UHD 620 7449
Adreno 690 GPU
(Microsoft SQ2)
3156
Adreno 685 GPU
(Microsoft SQ1)
3043
Adreno 630 GPU
(Snapdragon 850)
2086
 :Surface Pro Xシリーズのグラフィックス
 :Surface Pro X (2020年版)が搭載するグラフィックス
※低品質、1920x1080、フルスクリーンで実行

 

ストレージ

ストレージは高速です。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
512GB SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 1500 ~ 3600
2377
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-Cの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。

5V充電器には対応していませんでしたが、18W以上のPD充電器は使用できました。

ただし、これらはちょっと試しただけなので、細かいチェックはしていません。長期間使ったりすると不具合があるかもしれません。また、純正品以外の充電器で充電し、故障しても当サイトでは責任をとれません。ご了承下さい。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
65W ZHOULX充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower充電器
18W cheero充電器
5V充電器 ※2 5V/2.4A ANKER充電器 ×
5V/2.4A AUKEY充電器 ×
モニター
※3
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

質量のチェック

Surface Pro X(2020年版)の質量のチェックです。

メーカー仕様値では、本体の質量が「774g」となっています。セットで使用することが多いと思われる、本体+タイプカバー+ペンだと、実測で1074gでした。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
本体 783g
本体+タイプカバー 1060g
本体+タイプカバー+ペン 1074g
ACアダプター+電源ケーブル 810g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Surface Pro X(2020年版)のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量をフリーソフトで確認すると、約38.2Whでした。それほど大きい容量ではありません。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。SoCが省電力なので、バッテリー容量の割にはそこそこの駆動時間でした。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) メーカー仕様値 最大約15時間
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時 8時間4分
(4) PCMark 8 Work
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) Webブラウジング、Office、アイドル状態のアプリを使用し、150nitでテスト
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

外観のチェック

外観のチェックです。

Surface Pro Xの本体だけでも、自立することができ、タブレットPCとしても使用しやすいです。

 

スピーカーは両サイドに配置されています。音質は比較的良く、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

顔認証カメラを搭載しており、パスワードなしでのログインが可能です。また、5.0MPのカメラなので、一般的なノートPCよりも、高画質です。

 

スタンドが開く最大の角度です。

 

前述の通り、インターフェースは少ないです。

 

タイプカバー装着時の画像です。

 

底面にある小さなカバーは、先のとがったものを丸い穴に入れて引っ掛けると外れます。

 

小さなカバーを外すと、SIMカードスロット(nano SIM対応)があります。

SSDも搭載されていますが、長さが短いType 2230のM.2 SSDが使用されています。自分で換装もできそうですが、注意書きでは、「ハードドライブは、ユーザー側で取り外すことはできません。ハードドライブの取り外しは、Microsoft が提供する指示に従って、熟練した技術者のみが行うことができます。 」と記されています。個人で対応する場合は、自己責任での対応となるでしょう。

 

ACアダプターの容量は65Wです。本体に対して、ACアダプターのサイズは大きめです。消費電力の低いPCなので、もう少し容量が小さくても、小型で持ち運びしやすいACアダプターだとよかったです。

 

まとめ

Surface Pro X(2020年版)は、マイクロソフトとQualcommが共同開発したMicrosoft SQ2というプロセッサーを搭載した、ちょっと変わり種となるSurface Pro Xシリーズの最新機種です。

既存機種からの主な変化は、プロセッサーの処理性能の向上ですが、大幅にアップしているという訳ではなく、軽作業に適したレベルのままでした。

軽く、薄く、バッテリー駆動時間も長めで、LTEに対応しており、eSIMも使用できます。ネットへの常時接続が可能な機種なので、外出先で、頻繁にネットを利用する方に適しています。

ただし、64bitアプリには対応する予定であるものの、使用できるアプリには制限があります。また、必須アイテムのスリムペン付きSurface Pro X Signatureキーボードまで合わせると、21万円台(税別)~と高くなってしまいます。

万人受けするタイプではなく、ユーザーが比較的限定される機種だと思います。

マイナーチェンジを遂げたARM系Soc搭載の常時接続可能なタブレットPC

Surface Pro X(2020年版)

特徴

  • Microsoft SQ2プロセッサーを搭載
  • LTE対応で、eSIMにも対応
  • ARM系プロセッサーなので、動作しないアプリも

こんなあなたに

  • 外出先で頻繁にネットに接続した作業を行う
  • 使用するアプリが決まっている方
  • 価格19万円台[税込]~
  • 一言ちょっと高い
公式サイトはこちら

 

関連ページ