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レノボ ThinkPad T530の実機レビュー

更新日:2012年7月15日

フルHD、HD+、HDを選べる

ThinkPad T530は、フルHD、HD+、HDの3種類の解像度から液晶ディスプレイを選択できる15.6型ノートパソコンです。液晶解像度は好みが大きく分かれるため、選択肢が多いというのは嬉しいです。

光学ドライブを取り外し、2nd ハードディスクを搭載することもできます。内蔵ディスクをSSDにすれば、SSD+HDDという構成も可能になります。

キーボードも打ちやすく、作業が快適です。4コアの第3世代インテルCPUに高速SSDを搭載可能で、パフォーマンスも高いです。

独立GPUは、NVIDIA NVS 5400Mとなっています。ゲーム向きのGPUではないため、ご注意ください。

メーカーサイト:レノボ 公式サイト

※レビュー機は当サイトでの購入製品です

目次

ThinkPad T530 の基本スペック

ThinkPad T530の基本スペックを下記に紹介します。※2012年7月11日現在の情報です。BTOという性質上、時期が経つと選択できるパーツは異なってきます。

CPU
第3世代インテルCPUのCore i3~i7まで選択可能です。本機はCore i5-3210Mです。
グラフィックカード
CPU内蔵またはNVIDIA NVS 5400Mを選択可能です。本機はNVIDIA NVS 5400Mです。
液晶ディスプレイ
15.6型ワイドの非光沢液晶です。解像度はHD、HD+、フルHDの中から選択可能です。本機はHD+(1600x900)です。
メモリ
容量は選択できます。本機は、4GBでしたが、別のメモリに換装し、8GB(デュアルチャネル)となっています。
ハードディスク
容量を選択できます。本機は320GB(7200rpm)です。またウルトラベイ・エンハンスドに500GBの2nd HDDも搭載しています。
SSD
容量を選択できます。本機は未搭載です。ただし、後日SSDへ換装し、2nd HDDと合わせて、SSD+HDD構成にしてみます。
光学ドライブ
DVDスーパーマルチドライブまたは、2nd HDDを選択可能です。本機は2nd HDDにしています。
バッテリ駆動時間
バッテリ駆動時間は、6セルと9セルを選択可能です。6セルバッテリ搭載時、バッテリ駆動時間はメーカー仕様で約7.2時間です。

特徴1 -フルHDまたはHD+の液晶を搭載可能

ThinkPad T530は、フルHD(1920x1080)、HD+(1600x900)、HD(1366x768)の3種類の液晶解像度を選択できます。選択肢が多く、特に15.6型で1600x900の解像度を選択できるのは珍しいです。

高解像度ほどデスクトップ領域を広く使えます。一方、低解像度ほど文字サイズが大きくなり見やすくなります。どの液晶が良いかは人それぞれです。ウィンドウをたくさん開いて、同時に2ウィンドウ見たい方などはフルHD(1920x1080)液晶が良いです。文字は大きいほうが良いという方や、近くの物が見えづらい方、複数ウィンドウを並べる必要性を感じない方などは、HD(1366x768)液晶でも良いでしょう。間を取るなら、HD+(1600x900)が良いです。


T530で選択できる解像度によるWebサイトの見え方

 

各解像度の文字の大きさを比較してみます。下図のように、フルHDの文字は、HDの文字よりもかなり小さくなります。ただし、下図の文字はぼやけていますが、実際の文字はぼやけておらず、もっと見やすいです。

※15.6型のHD(1366x768)液晶のPCで確認した場合、下の文字は実物と同じサイズで表示されますが、それ以外の液晶の場合は文字の大きさが異なるためご注意下さい。


解像度の違いによる文字の大きさの比較
フォントサイズ:12px(HTML)、フォント:メイリオ
ご覧の液晶ディスプレイによって文字の大きさは異なって見えます。相対的な違いのみ参考にしてください。
また、上の図は文字を画像として縮小しているためぼやけて見えますが、実際にはぼやけません。もっと見やすいです。

ThinkPad T530に搭載されるフルHDとHD+の液晶パネルには、下の表の種類があります。

フルHD液晶の場合、色域が広く色鮮やかです。写真などを見る場合は非常に綺麗です。ただし、Webページを見る場合は、色が鮮やか過ぎて、普段見ていたWebページとは色が違いすぎて逆に見づらいと感じてしまうかもしれません。

HD+液晶の場合、一般的なノートPCに搭載されるような見た目の液晶です。やや青色が強く、色域もそれほど広くありません。

また、HD+のAUO B156RW01 V1のパネルの場合、ややギラつきを感じます。ギラつきは気にしない方も多いですが、気になる人は残念に思うでしょう。

ThinkPad T530で使用されるフルHDとHD+のLCDパネル(2012年7月12日現在)
  FRU PN Name 社名 型番 感想 レビュー記事
フルHD
(1920x1080)
04W1544 AUO 15.6FHD AUO B156HW01 V4 広色域 ThinkPad T520
04W3471 AUO 15.6"FHD AG AUO 同上 ※1 同上 ThinkPad W530
HD+
(1600x900)
04W3346 Samsung 15.6"HD+ AG Samsung
42T0743 LGD 15.6 HD+ LG LP156WD1-TLB2 普通 ThinkPad L520
42T0763 AUO 15.6 HD+ AUO B156RW01 V1 ギラつき あり 本機
※ThinkPad W530の液晶のFRUは04W3471であったが、FRU:04W1544と同じ型番であった
※間違いがある可能性もあります。間違いにお気づきの方はご連絡下さい。

 

なお、フルHD液晶を選択した場合、工場出荷時のデフォルト設定では、画面上の文字や図が、OSの設定で125%に拡大されています。この設定のまま使えば文字は大きくなり見やすいのですが、文字だけでなく画像も拡大され、Webページなどの画像がぼやけて見えてしまいます。

通常の倍率(100%)に設定変更したい場合は、「コントロールパネル」>「デスクトップのカスタマイズ」>「テキストやその他の項目の大きさの変更」から、文字の大きさを「小 - 100%」にします。この設定後、もし右クリック時のプロパティの文字が小さい場合、デスクトップのテーマを一度変更し、戻すと直ります。

IEの拡大画像
フルHD(1920x1080)の液晶の場合、工場出荷状態では画像が125%に拡大されています。
この状態では、画像がぼやけてしまいます。

特徴2 - ウルトラベイでSSD+HDDの構成も可能

ThinkPad T530は、ウルトラベイ・エンハンスド(着脱式)に対応しています。DVDスーパーマルチドライブ取り出し、2nd ハードディスクドライブを装着することが可能です。

内蔵ディスクをSSDにすれば、2ndハードディスクと合わせて、SSD+HDDという構成が可能になります。

なお、2012年夏に発売されたThinkPadのSSDは割と高速です。純正のSSDでも十分な速度が出るでしょう。

 参考:128GB SSD - ThinkPad T430s180GB SSD - ThinkPad X230

購入時に2nd ハードディスクドライブを選択すると、DVDスーパーマルチドライブは付属しません。もしDVDスーパーマルチドライブも別途欲しい場合は、型番:0A65625をご購入ください。

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

本機に搭載されていたパネルは、AUOのB156RW01 V1となります。ここでは、この液晶パネルのレビューをします。他のパネルについては、上で書いた表のリンク先をご覧ください。

このパネルの感想は、「ギラつきがやや気になる」です。


正面からの画像

 

詳細を見ていきます。

視野角は良くないです(普通のノートPC並み)。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

ガンマ補正曲線を確認すると、青色が低めに補正されています。そのため実際に見たときの画面は、全体的に青が強調された画質となっています。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域は、ノートPCとしては標準的な広さです。


 

画素の拡大図です。ノングレア処理の表面を見ると、凹凸が激しいです。これにより、実際の画面はギラつきを感じます。


キーボードとタッチパッドのチェック

キーボードは非常に打ちやすいです。

7列から6列キーボードへ変わって、PgUpやHome、PrtScなどの位置が変わり、残念に思っている方もいると思いますが、他社キーボードと比べると打ちやすいキーであると思います。

キーボードは、ThinkPadシリーズで共通化されています。キーボードについてのレビューの詳細は、キーボード:ThinkPad T430sをご覧ください。


キーボード全体図


キーの拡大図


タッチパッド&クリックボタン

総合ベンチマーク

Core i5-3210MおよびNVIDIA NVS 5400M搭載時のThinkPad T530のベンチマークの結果です。メモリは8GB(2枚挿し)へ換装しています。

Windows エクスペリエンス インデックス

PassMark Performance Test 7.0

3DMark06(1.2.0 1901)


1280x720で実行

PCMARK7 v1.0.4

3DMark11(1.0.3)- Performance

SPECviewperf 11のベンチマーク

ThinkPad T530は、NVIDIA NVS 5400Mを選択可能です。

OpenGL定番ベンチマークソフト「SPECviewperf 11」を実行した結果を下記に掲載します。

動画のエンコード時間のチェック


ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5

TMPGEnc Video Mastering Works 5 による動画のエンコード時間のチェックです。

x264でエンコードしたときは31分43秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときは11分33秒でした。

Core i5-3210MのCPUでは、この程度の速度でしょう。エンコードをする方は、Core i7-3610QM以上のCPUを搭載することをおすすめします。

TMPGEnc Video Mastering Works 5 によるエンコード時間
エンコード方法 エンコード時間
x264でエンコード 31分43秒
クイック・シンク・ビデオでエンコード 11分33秒

ゲームベンチマークのチェック

NVIDIA NVS 5400Mを搭載した本機でのゲームベンチマーク結果を掲載します。

ゲーム向けグラフィックスではないため、それほど高いスコアではありません。

ゲームベンチマーク
製品名 ThinkPad T530
基本スペック Core i5-3210M
NVIDIA NVS 5400M
重めの
ゲーム
ロストプラネット 2(テストB) 1280*720 RANK D(14.0 fps)
ファイナルファンタジー XIV 1280*720 2186(やや重い)
中程度の
ゲーム
ファンタシースターオンライン2 1280*720 962(重い)
バイオハザード5(テストB) 1280*720 RANK A(62.2 fps)
モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐) 1280*720 4115
THE LAST REMNANT 1280*720 48.61 fps
軽めの
ゲーム
デビルメイクライ4 1280*720 RANK S
リアル彼女(ハイクオリティ) 1280*720 RANK A(25 REAL)

バッテリ駆動時間のチェック


バッテリ駆動時間の実測は4時間33分

ThinkPad T530のバッテリ駆動時間のチェックです。

動画(解像度:720x480)をリピート再生させ、バッテリ駆動状態にしてから、休止状態に入るまでの時間を計測しました。

結果は、4時間33分のバッテリ駆動時間でした。今年も地域によって計画停電がありますが、4時間以上駆動できる本機であれば、問題ないでしょう。

なお、ピークシフトや、深夜の充電も活用しましょう。詳細は「レノボPCのピークシフトの設定方法

起動時間のチェック

Lenovo Enhanced Experience 3 で高速起動/シャットダウン

ThinkPad T530は、Lenovo Enhanced Experience 3(EE3)に対応しており、PC起動が速いです。

PC起動時間の実測

Lenovo EE3には対応していますが、今回はSSDではなくハードディスクを搭載しているため、SSD搭載時の起動時間よりは遅くなっています。

実測した結果を表に掲載します。

PC起動時間など
テスト内容 時間
通常停止/起動 PC停止時間 約14秒
PC起動時間 約29秒
スリープ移行/復帰 スリープへの移行時間 約10秒
スリープからの復帰時間 約1.5秒
PC起動時間は、電源ボタンを押してからデスクトップ画面が表示されるまでの時間

 

 

 

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