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5Gに対応し安い、ThinkPad P14s Gen 5 AMDのレビュー

CPU | Ryzen 5 PRO 8640HS Ryzen 7 PRO 8840HS |
---|---|
メモリ | 8GB ~ 96GB |
ストレージ | 256GB ~ 2TB |
液晶サイズ | 14.0型 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 1920x1200 タッチ 1920x1200 100%sRGB 2880x1800 OLED |
質量 | 約1.31kg~ |
バッテリー | 39.3Wh / 52.5Wh |
価格 | 12万円台~ |
ThinkPad P14s Gen 5 AMDは、WWAN(5G)モジュールをオプションで選択することができるノートPCです。
WWANモジュールを搭載すれば、SIMカードを挿すだけでどこでもインターネットに接続可能です。
しかも、5Gを搭載していても、価格が比較的安いです。
ディスプレイの選択肢が広く、大容量メモリ、大容量SSDを選択できるのも特徴です。
タイピングもしやすいので、資料作成などが多い方にもおすすめです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 PRO 8640HS、16GBメモリ、256GB SSD、1920x1200液晶
セール情報
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目次
お忙しい方は、「ThinkPad P14s Gen 5 AMDの特徴」のみお読みください。
ThinkPad P14s Gen 5 AMDの特徴
ディスプレイの選択肢が多い
ThinkPad P14s Gen 5 AMDは、ディスプレイの選択肢が多いです。事務作業で使うなら一番安いもので大丈夫ですが、色がややくすんで見えます。おすすめなのは100% sRGBのディスプレイで、オリジナルに近い色で画像などを表示できます。また、2.8K OLEDディスプレイも選択することが可能です。

WWANモジュールを追加可能
WWAN(5G)モジュールも選択可能です。SIMカードを挿入することで、どこにいてもインターネットに接続することができます。
Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSD、100% sRGB液晶、WWANありの構成にしてみたところ、18万円台だったので、5G対応ノートPCとしては安いと思います。

比較的軽い?
重さは「約 1.31kg~」です。モバイルノートPCとしては、とても軽いわけではありませんが、持ち運べる範囲の質量です。
ただ、後述しますが、実測では1.4kgを超えていました。今回のレビュー機は、39.3Whのバッテリーに1枚のメモリを搭載した構成ですが、もし、52.5Whバッテリー、2枚のメモリ、WWANを搭載すると、1.6kgくらいになるのではないかと思われます。

大容量メモリ&SSDを搭載可能
本製品は、最大96GBの大容量メモリ、最大2TBの大容量SSDを搭載できるのもメリットです。


タイピングしやすい
ThinkPad P14s Gen 5 AMDは、ThinkPadブランドだけに、キーボードが打ちやすいです。資料を作成することが多い場合におすすめです。

最も安いモデルは注意
最も安いモデル(下図の一番ひだりのモデル)は12万円台で販売されていますが、いくつか注意点があります。
1つ目は、バッテリーの容量が小さいことです。他のモデルは39.3Whと52.5Whの2種類から選べますが、最安モデルは39.3Whしか選べません。この容量だと、使い方にもよりますが、2~5時間程度しかバッテリーはもたないと思います。
2つ目は、キーボードバックライトが搭載されていない点です。こちらも他のモデル(下図の真ん中と右のモデル)なら、オプションで選ぶことができます。
また、CPU、メモリ、ディスプレイも固定されており、WWANも選ぶことができません。
なお、隣のモデルは219,802円と高く見えますが、これは初期構成で64GBメモリが選ばれているためで、容量を減らせばかなり価格が下がります。基本的にはこちらのモデルのほうがおすすめです。

各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 100% sRGB液晶もしくはOLEDディスプレイであれば、綺麗な映像で動画を楽しめます。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | こちらも、100% sRGB液晶もしくはOLEDディスプレイであれば、画像編集などの用途に使用することができます。なお、メモリは2枚挿しのものを選ぶようにしましょう。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡単な編集であれば出来ます。条件は上と同様です。 |
ゲーム | △~○ | ゲーム向きの製品ではありませんが、軽めのタイトルであれば、できるものもあります。なお、メモリは2枚挿しのものにしましょう。 |
ディスプレイのチェック
ThinkPad P14s Gen 5 AMDのディスプレイは以下の4種類です。
ディスプレイ
(1) 1920 x 1200 45%NTSC 非光沢液晶
(2) 1920 x 1200 100%sRGB 非光沢 省電力液晶
(3) 1920 x 1200 45%NTSC 非光沢 タッチ液晶
(4) 2880 x 1800 100%DCI-P3 低反射 有機EL
今回は(1)のディスプレイを搭載しており、品質は普通です。詳細は以下のタブをご覧下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの計測で、sRGBカバー率は58.4%と狭いです。色がややくすんで見えます。

ガンマ補正曲線は、それほどズレはありません。比較的自然な発色です。

視野角は広いです。

非光沢液晶なので映り込みは抑えられています。ギラつきは、ほとんど感じません。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)はありませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ThinkPad P14s Gen 5 AMDのキーボードは、比較的打ちやすいです。
Enterキーの左隣のキーがやや小さいのがデメリットですが、極端に小さいわけではありませんし、半角/全角やBackspaceキーは大きいので押しやすいです。
また、従来のThinkPadシリーズは、CtrlキーとFnキーが逆でしたが、このモデルは一般的な配列になっています。
トラックポイントも搭載しており、マウスが使えない場所でも、カーソルを操作しやすいです。

※画像をクリックすると拡大できます

今回は搭載していませんが、カスタマイズ画面から、キーボードバックライトを選択することもできます。
パフォーマンスのチェック
ThinkPad P14s Gen 5 AMDのパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUは、Ryzen 8040 HSシリーズでやや高めの性能のCPUです。デフォルトTDPは28Wです。
CINEBENCH 2024のスコアはご覧の通りです。今回、Ryzen 5 PRO 8640HSを搭載していますが、ビジネス向けCPUとしては、比較的高めのスコアです。Ryzen 7 PRO 8840HSであればもっと高いスコアが出ると思います。

※Ryzen 5 7535HSは、ThinkPad E16で計測したスコアなので、E14も近いスコアになると思われます
~ CPU性能の評価 ~

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
Ryzen 5 PRO 8640HSは、Radeon 760Mのグラフィックスを内蔵し、Ryzen 7 PRO 8840HSは、Radeon 780Mのグラフィックスを内蔵しています。
ただ、今回、メモリがシングルチャネル(1枚のみ搭載)であったため、グラフィック性能はそこまで高くありません。デュアルチャネル(2枚)であれば、30000位のスコアは出ていたと思います。
~ グラフィックス性能の評価 ~

※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットは搭載されていません。
質量のチェック
ThinkPad P14s Gen 5 AMDの質量のチェックです。
メーカーサイトには「約 1.31kg~」とあります。当サイトの計測値は下表の通りで、仕様の下限値よりやや重かったです。
質量 | |
PC本体 | 1.409kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 320g |
バッテリー駆動時間のチェック
ThinkPad P14s Gen 5 AMDのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は39.3Whと52.5Whがありますが、今回は前者です。小さい容量です。

バッテリー駆動時間は、ご覧の通りです。(3)のやや高めの負荷をかけたときのバッテリー駆動時間は、短めでした。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約21.62時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約10.2時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 2時間34分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
CPU電力は、32W前後で推移していました。今回搭載されているCPUのデフォルトTDPは28Wなので、やや高めのCPU電力が出ています。
CPU温度は、80℃台とやや高めですが、問題ない範囲です。


静音性のチェック
ThinkPad P14s Gen 5 AMDの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時や中負荷時は静かです。高い負荷をかけるとややうるさく感じてきます。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約21dB | 約21dB | 約25dB | 約41dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷をかけるとキーボード中央部分が熱くなってきますが、常時指が触れる部分ではないので、そこまで気になりません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
消費電力は低めです。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
6W | 9W | 20W | 37W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
ThinkPad P14s Gen 5 AMDの外観のチェックです。
海外の仕様を見ると、ボディはアルミニウム製のようで、質感はいいです。上部のベゼルはやや太いかなと思います。

天板には「ThinkPad」のロゴが入っています。

ボディの高さは17.7 mmで、比較的薄いです。


スピーカーは左右のパームレストの端にあります。音質はやや良く、ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

Webカメラは、500万画素と非常に高い解像度です。映りも良かったです。

電源ボタンに統合された指紋認証装置を搭載することも可能です。

側面のポート類はご覧の通りです。LANポートもあります。Thunderbolt4は2つあり、PowerDeliveryおよびDisplayProtに対応しています。HDMIは、HDMI2.1で、4K/60Hzをサポートしています。


ヒンジは約180度開きます。

底面はシンプルです。

内部はご覧のようになっています。冷却ファンは1つ、ヒートパイプも1本です。

メモリは交換可能です。

Type 2242のM.2 SSDが搭載されています。空いているM.2スロットはありません。

今回は搭載していませんが、WWANモジュールを搭載することも可能です。

ACアダプターは65Wです。オプションでスリムタイプのものも選ぶことができます。

まとめ
以上が、ThinkPad P14s Gen 5 AMDのレビューでした。
個人的には、WWAN(5G)対応のノートPCが安く購入できる点が大きな魅力かなと思います。Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSD、100% sRGB液晶、WWANありの構成で、18万円台です。
さらに、タイピングがしやすいのも特徴です。資料をよく作成する方にはいいと思います。
ただ、仕様では「約 1.31kg~」となっていますが、実測値では1.409kgもありました。39.3Whバッテリー、メモリ1枚の構成でも、この重さです。52.5Whバッテリー、メモリ2枚、さらにWWANモジュールも搭載すると、1.6kgにはなると思われます。この重さでも許容できるかは、よくご検討下さい。
CPU性能は高めですし、大容量メモリ、大容量SSDを搭載することができるのは嬉しいです。ディスプレイの選択肢も多く、自分好みにカスタマイズすることができます。
5Gにも対応し、パーツ構成も自由自在
ThinkPad P14s Gen 5 AMD

特徴
- WWAN(5G対応)モジュール選択可能
- 選べるディスプレイ
- 大容量メモリ・SSDを搭載可能
- タイピングしやすい
こんなあなたに
- 安くWWAN(5G)対応ノートPCが欲しい方
- パーツ構成にこだわりがある方
- 価格12万円台~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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