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レノボ ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)の実機レビュー

更新日:
CPU Core Ultra 5 125U
Core Ultra 7 155U
Core Ultra 5 135U vPro
Core Ultra 7 165U vPro
Core Ultra 5 125H
Core Ultra 7 155H
メモリ 8GB / 16GB / 32GB
ストレージ 最大 1TB SSD
(デュアルSSD可)
液晶サイズ 14.0型 16:10
液晶種類 1920x1200 IPS
2240x1400 IPS など
質量 約1.44kg~
バッテリー 47Wh / 57Wh
価格[税込] 11万円台~
仕事用に最高の1台

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)は、タイピングしやすく、価格も安くて人気の高い14型ノートPCです。

ディスプレイは、100% sRGBの2.2K液晶を選択することが可能です。効率よく作業ができますし、写真や動画を色鮮やかな表示で見ることができます。

大容量メモリや、デュアルSSD構成にすることができるのもポイントです。

作業がしやすい製品で、価格も安く、後からパーツ増設も可能で、そこまで重くない質量で取り回しがしやすく、仕事用に最適な製品です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core Ultra 5 125H、16GBメモリ、512GB SSD、WUXGA IPS 非タッチ

 

セール情報

以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。

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目次

お忙しい方は、「ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra) の特徴」のみお読みください。

 

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)の特徴

2.2K液晶が選べる

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)には、下図のような3種類のディスプレイがあります。

どれも画面比16:10の14型液晶ですが、標準的な解像度のWUXGA液晶に加えて、少し解像度が高めの2.2K液晶を選ぶこともできます。

ディスプレイのカスタマイズ画面

 

おすすめは、2.2K液晶です。個人的には、14型であれば、2.2Kぐらいがベストではないかと思っています。100%スケールで表示すると、WUXGA液晶よりも1画面に表示することができる情報量が少し多くなるため、複数のウィンドウを表示して効率よく作業を行うことができるからです(ただし、文字は少し小さくなります)。また、WUXGA液晶は45%NTSC(≒72%sRGB)と、色域が狭いのに対して、2.2K液晶は100%sRGBと色域が広めなので、写真や動画をオリジナルに近い鮮やかな色で表示することができます。

なお、少し小さめの文字が苦手な方や、写真や動画の色にそれほどこだわる必要がない方は、WUXGA液晶でもいいと思います。こちらも、色域は狭いものの、比較的見やすく、長時間の作業にも使いやすい液晶でした。

2.2K液晶だと画面を少し広く使って作業ができる(旧モデルの画僧)

 

打ちやすさに定評があるキーボード

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)は、従来機種と同じく、打ちやすさに定評のあるキーボードを搭載しています。

アルファベットキーのサイズが揃っていますし、「半角/全角」キー、「Backspace」キー、「Enter」キーなど頻繁に使用するキーのサイズも大きめなので、押しやすいです。「Enter」キーの周りの一部のキーのサイズは少し小さいですが、手が大きい方でなければそれほど気にならないでしょう。また、キートップが大きくカーブしており、指のフィット感が良く、快適にタイピングを行うことができます。

レポートや、資料作成などでタイピングすることが多い方、例えば、大学生やビジネスパーソン、ライターなどにおすすめです。

打ちやすさに定評があるキーボード

 

トラックポイントでのカーソル操作がしやすい

本機器は、ThinkPadシリーズ特有のトラックポイントと、タッチバッド上部のクリックボタンを備えています。

タイピングしている手を大きく動かすことなく、人差し指でカーソル移動をし、親指でクリック操作をすることができます。タイピングメインの作業が特にしやすいですし、宅内の別の部屋に移動したり、ちょっと外に持ち出して作業をするような場合でも、外付けマウスがなくても作業がしやすいのはメリットです。

トラックポイント・クリックボタン

 

「Core Ultra U」 / 「Core Ultra H」の選択が可能

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)では、インテルの「Core Ultra」シリーズプロセッサーを搭載しており、PBP(プロセッサーベース電力):15Wの「Core Ultra U」シリーズと、PBP:28Wの「Core Ultra H」シリーズを選ぶことができます。「Core Ultra H」シリーズの方が、処理性能、グラフィックス性能ともに上です。

今回は、Core Ultra 5 125Hを搭載するモデルをチェックしましたが、処理性能を測るベンチマークテストでは、Core Ultra 5 125Hを搭載する別機種で計測したスコアよりも低いマルチコアスコアでした。冷却性能があまり高くなく、抑えめのCPU電力で動作させているためです。それでも、一般用途には十分な処理性能です。

グラフィックス性能を測るベンチマークでも、Core Ultra 5 125Hを搭載する別機種で計測したスコアよりも低い数値でした。

これらの結果を踏まえて、本機器では、基本的に「Core Ultra U」シリーズのプロセッサーの方が合っていると思います。ただし、FHD動画の編集をするなど、グラフィックス性能が少しでも高い方が良ければ、「Core Ultra H」シリーズのプロセッサーを選ぶか、別のPCがいいでしょう。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core Ultra 7 155H 14073
Core Ultra 5 125H 12239 [別機種で計測]
Core Ultra 5 125H 9700 [本機器で計測]
Core Ultra 5 125U 9553
3DMark Night Raid(グラフィックススコア)
Core Ultra 7 155H 35888
Core Ultra 5 125H 35271 [別機種で計測]
Core Ultra 5 125H 27700 [本機器で計測]
Core Ultra 5 125U 21975

 

メモリの交換が可能

従来モデルのThinkPad E14 Gen 5は、オンボード + スロットメモリの構成でした。そのため、交換・増設ができるのはスロットメモリの方だけでした。また、スロットメモリに16GBメモリを取り付けても、オンボードメモリ(8GB)を超える部分はシングルチャネルで動作し、メモリ帯域が狭くなるというデメリットもありました。

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)では、スロットメモリ x2のメモリ構成になったため、両方のメモリを交換することができます。最大64GBメモリと上限もアップしていますし、メモリの全容量をデュアルチャネルで動作させることができるので、嬉しい変化です。ただし、メモリの交換は自己責任でお願いします。

スロットメモリ x2の構成

 

最初から大容量メモリを希望する方や、自分でメモリのカスタマイズを行うのが不安な方は、カスタマイズモデルで大容量メモリを選んでおくといいです。

なお、カスタマイズモデルでメモリ構成を選ぶ場合ですが、下図の青枠で囲ったメモリは、1枚挿し(もう一方が空きスロット)になっており、シングルチャネルで動作します。特に、グラフィックス性能が低くなるのでご注意ください。赤枠で囲っているメモリ構成の方がデュアルチャネルで動作するので、こちらの方がおすすめです。ただし、後からメモリを増設する予定の方は、青枠で囲っているメモリ構成を選んでもいいと思います。既存のメモリを取り外す必要がないので、無駄がありません。

メモリのカスタマイズ画面

 

デュアルSSD構成の選択が可能

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)のカスタマイズモデルでは、デュアルSSD構成を選択することができました。現時点で選ぶことができたのは、最大で、1stストレージ:512GB、2ndストレージ:1TBです。大容量のストレージが必要な方は、デュアルSSD構成を選んでもいいでしょう。

ただし、2ndストレージに1TB SSDを選ぶと、(約10万円から割引を適用して)約6万円ほどかかってしまいます。

デュアルSSD構成の選択が可能

 

なお、シングルSSD構成の場合でも、内部を確認するとM.2 SSD用の空きスロットがありました。

M.2 SSD用の空きスロット

 

この空きスロットに、手持ちのKIOXIAのPCIe Gen4 1TB SSDを増設してみたところ、問題なく認識されました。速度も非常に速かったです。ノートPCのパーツ交換ができる方は、自分でType 2280 M.2 SSDを増設してもいいと思います。好みの容量を選ぶことができますし、カスタマイズして購入するよりも安く済みます。ただし、増設時の破損やトラブルなどに対しては、自己責任となります。

M.2 SSDを増設してみた
増設したM.2 SSDの速度

 

AMD Ryzen搭載の兄弟機種もある

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)には、AMD Ryzenを搭載した兄弟機種もあります。搭載するCPU以外は、共通している部分が多いので、比較検討してみるといいです。

ここでは、この2機種の簡単な比較を行います。

選択することができる構成や、液晶の種類、バッテリー容量などはどちらも同じです。

大きな違いは、ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)が、AI処理用のNPUを内蔵したCPUを搭載しているのに対して、ThinkPad E14 Gen 6(AMD)の搭載するプロセッサーは、Ryzen AIは内蔵していません。

インテルCPUが好きな方や、生成AI機能を使いたい方は、本機器を選ぶといいかもしれません。ただし、現時点ではアプリ側の対応が追いついていないこともあり、NPUを使った処理はあまり多くはありません。

一方、ThinkPad E14 Gen 6(AMD)は8万円台から購入することができ、おすすめの似たような構成で比較しても価格が安いです。一般的な使い方であれば、こちらで十分というユーザーも多いでしょう。

ThinkPad E14 Gen 6(AMD)との比較
  [本機器]
ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)
[兄弟機種]
ThinkPad E14 Gen 6(AMD)
CPU Core Ultra 5 125U
Core Ultra 7 155U
Core Ultra 5 135U vPro
Core Ultra 7 165U vPro
Core Ultra 5 125H
Core Ultra 7 155H
Ryzen 3 7335U
Ryzen 5 7535U
Ryzen 7 7735U
Ryzen 5 7535HS
Ryzen 7 7735HS
メモリ 8GB / 16GB / 32GB
SSD 最大 1TB
(デュアルSSD可)
液晶 14型
1920x1200 45%NTSC
2240x1400 100% sRGB など
質量 約1.44kg~
バッテリー 47Wh / 57Wh
価格[税込] 11万円台~ 8万円台~
代表的な構成での価格比較
  [本機器]
ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)
[兄弟機種]
ThinkPad E14 Gen 6(AMD)
CPU Core Ultra 5 125U Ryzen 5 7535HS
メモリ 16GB
SSD 256GB
液晶 14型
2240x1400
価格[税込] 130,614円 106,700円
※2024年8月6日現在の価格

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
「Core Ultra」シリーズを搭載し、十分なスペックです。ディスプレイの質もよく、長い時間の作業にも適しています。
動画鑑賞 2.2K液晶であれば、色鮮やかな映像で動画を楽しむことができます。スピーカー音は普通です。
RAW現像
画像編集
この用途には、100% sRGBの2.2K液晶がおすすめです。
CPUの処理性能はやや控えめですが、数十枚のRAW現像などであれば、十分対応することができるでしょう。
動画編集 △~○ 搭載するCPUにもよりますが、内蔵グラフィックスとしてはやや高めの性能を備えています。おすすめは、Core Ultra HシリーズのCPUです。また、メモリがデュアルチャネル構成になっているかもチェックしましょう。なお、本格的に動画編集を行いたい方は、GeForce RTXシリーズなどの外部GPUを搭載した機種の方がおすすめです。
ゲーム 軽めのゲームであれば、画質を落とすことで遊ぶことができるタイトルもあるでしょう。ただし、本格的にゲームをしたいのであれば、ゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)では、以下のような3種類のディスプレイを選択することができます。

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)のディスプレイ

(1) WUXGA (1920x1200), IPS, 光沢なし, 非タッチ, 45%NTSC, 300nit, 60Hz

(2) WUXGA (1920x1200), IPS, 光沢なし, マルチタッチ, 45%sNTSC, 300nit, 60Hz

(3) 2.2K (2240x1400), IPS, 光沢なし, 非タッチ, 100%sRGB, 300nit, 60Hz

 

(1)は標準的な液晶です。指で画面にタッチしてスクロールなどの操作を行いたい場合は、(2)の液晶を選ぶといいでしょう。ただし、WUXGA(1920x1200ドット)の液晶は、45%NTSCと色域が狭いです。おすすめは、(3)の2.2K液晶です。画面を広く使ってマルチウィンドウで効率よく作業を行うことができますし、写真や動画を色鮮やかに表示することができます。

なお、(3)のディスプレイについては、以前レビューした旧モデルと同じパネルだと思うので、詳細は「ThinkPad E14 Gen 5のレビュー」をご覧下さい。

 

今回は、(1)の液晶を搭載したモデルをチェックしています。

色域は狭いですが、映り込みが少なく、フリッカーも発生しておらず、一般的な作業がしやすい液晶です。長時間の作業にも向いていると思います。詳細については、以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトでの計測では、sRGBカバー率62.0%でした。最大輝度は、当サイトの計測では322cd/m2と普通です。

ガモット図
※ i1 Display PlusでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、赤が少し強めに発色していましたが、気になるほどではありません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢ディスプレイなので、周囲の物や光の映り込みは抑えられています。ギラつきも感じません。

画面への映り込み

どの輝度でも、フリッカー(ちらつき)は検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)のキーボードのチェックです。

実測値で、キーピッチは横:約19mm、縦:約19mm、キーストロークは約1.5mmでした。キートップがカーブしており、指のフィット感がいいです。

主要なキーのサイズは揃っています。また、「半角/全角」キー、「Backspace」キー、「Enter」キーのような多用するキーも押しやすいサイズです。ただし、「Enter」キーに隣接するキーのいくつかはサイズがやや小さいので、手が大きい方だとこの辺りが少し窮屈に感じるかもしれません。総合的には、14型ノートPCのキーボードとしては比較的打ちやすいキーボードです。

今モデルから、「Copilot」キーも搭載されており、AIコンパニオンである「Copilot」を簡単に呼び出すことができます。なお、「Fn」キーと「Ctrl」キーは、一般的なキーボードとは逆の配置のままです。この並びが気になる場合は、「Lenovo Vantage」の設定で入れ替えるといいです。

ThinkPadシリーズ特有の、トラックポイントと、クリックボタンを搭載しており、手をホームポジションから大きく動かすことなく、カーソル移動や、クリック操作ができ、便利です。タッチパッドの使いやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

今回は、バックライト付きキーボードです。バックライト付きだと、薄暗い場所でもキーが見やすく、タイピングがしやすいです。バックライトなしのキーボードもありますが、バックライト付きの方がおすすめです。購入する場合は、チェックするようにしてください。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)のパフォーマンスをチェックします。

本機器では、Windowsの「設定」→「システム」→「電源」で電源モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「バランス」と、最も高いパフォーマンスが出る「最適なパフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを紹介します。

電源モード

 

CPU

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)は、NPUを搭載する最新のインテル「Core Ultraシリーズ」プロセッサーを搭載しています。

選択することができるのは、以下のような6種類のCPUです。(1)~(4)は、PBP(プロセッサーベース電力):15Wの「Core Ultra Uシリーズ」です。このうち、(3)、(4)は、vProに対応しており、管理がしやすいため企業など選ばれることが多いです。

(5)、(6)は、PBP:28Wの「Core Ultra Hシリーズ」で、(1)~(4)の「Core Ultra Uシリーズ」よりも高めの処理性能とグラフィックス性能を備えています。

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)で選択可能なCPU

(1) Core Ultra 5 125U

(2) Core Ultra 7 155U

(3) Core Ultra 5 135U vPro対応

(4) Core Ultra 7 165U vPro対応

(5) Core Ultra 5 125H

(6) Core Ultra 7 155H

 

今回は、(5)のCore Ultra 5 125Hを搭載するモデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下の通りです。

PBP:28Wのプロセッサーですが、やや低めのCPU電力で動作しており、同じCore Ultra 5 125Hを搭載する別機種で計測したスコアよりも低いマルチコアスコアでした。シングルコアのスコアは、順当な数値です。

オフィスワークなど、一般的な作業に使うのには十分な性能です。ただ、オフィスワーク中心なら、「Core Ultra Uシリーズ」のプロセッサーでも十分だと思います。

なお、動作モードによって、マルチコアスコアに大きな差があります。処理性能を重視する場合は、「最適なパフォーマンス」モードで使用するといいでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core Ultra 5 125H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i7-14700HX 21893
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Ryzen 7 8845HS 16387
Core i5-13500H 15302
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 8840HS 13668
Ryzen 7 8840U 12575
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core Ultra 5 125H 12239
9700 [最適なパフォーマンス]
7027 [バランス]
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 8540U 9378
Core 5 120U 9317
Core Ultra 7 155U 8578
Core Ultra 5 125U 8461
Core i5-1335U 8249
Ryzen 3 7330U 5141
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i7-14700HX 2113
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1879
Core i7-13700HX 1868
Core i7-1360P 1826
Core Ultra 7 155H 1810
Core i5-13500H 1785
Ryzen 7 7840HS 1764
Ryzen 7 8840U 1763
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Ryzen 5 8540U 1701
Core Ultra 5 125H 1712
1694 [バランス]
1688 [最適なパフォーマンス]
Ryzen 7 8840HS 1686
Ryzen 7 8845HS 1682
Core Ultra 7 155U 1634
Core Ultra 5 125U 1597
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

 

メモリ

メモリはDDR5-5600です。仕様からすると、広めの帯域幅です。なお、スロットメモリなので、メモリの増設・換装が可能です。

 

グラフィックス

グラフィックス性能のチェックです。

全てCPU内蔵のグラフィックスですが、選択するCPUによってグラフィックス性能には差があります。「Core Ultra Uシリーズ」のプロセッサーは、Intel Graphicsを内蔵しており、一般的なノートPCとしては普通のグラフィックス性能です。一方、「Core Ultra Hシリーズ」のプロセッサーでは、Intel Arc Graphicsを内蔵しており、内蔵グラフィクスとしては少し高めの性能を備えています。

今回は、Intel Arc Graphicsを内蔵するCore Ultra 5 125H搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下の通りです。

同じCore Ultra 5 125Hを搭載する別機種で計測したスコアよりも数値は低かったですが、それでも、Core Ultra 5 125Uの代表的なスコアよりも高い数値が出ていました。FHD動画の簡単な編集・書き出しぐらいであればある程度快適に行えるレベルだと思います。

なお、動作モードを「最適なパフォーマンス」にすることで、グラフィックス性能も少し高くなります。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Intel Arc GPU [Core Ultra 5 125H]
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 7 155H
Intel Arc(LPDDR5)
35888
Ryzen 7 8840HS
Radeon 780M(LPDDR5X)
35847
GeForce MX550 35717
Core Ultra 5 125H
Intel Arc(LPDDR5X)
35271
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M(LPDDR5X)
35241
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 8840U
Radeon 780M(DDR5)
29410
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M(LPDDR5)
28714
Core Ultra 5 125H
Intel Arc(DDR5)
27700 [最適なパフォーマンス]
25102 [バランス]
Core Ultra 5 125U
Intel Graphics(LPDDR5X)
21975
Core i7-1360P
Intel Iris Xe(LPDDR5)
21897
Ryzen 5 8540U
Radeon 740M(DDR5)
20053
Core 5 120U
Intel Graphics(LPDDR5X)
18333
Core i5-1340P
Intel Iris Xe(LPDDR5)
17774
Ryzen 7 7730U
Radeon Graphcis(LPDDR4X)
17524
Core i5-1335U
Intel Iris Xe(DDR4)
16835
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphcis(LPDDR4X)
16389
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
6140
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットはありません。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)は、USB Type-Cポートとして、USB4(Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPort 2.1に対応)と、USB Type-C 3.2 Gen2(Power Delivery、DisplayPort 1.4に対応)を備えています。

USB4(Thunderbolt 4対応)ポートの動作チェックの結果は下表の通りです。今回試した全ての機器を使用することができました。

PD充電器での給電に関しては、45W出力のものでも充電できます。ただし、付属しているACアダプターの出力は65Wです。充電速度を重視するならば、65Wぐらいの出力があるものを選ぶといいでしょう。

USB4(Thunderbolt 4対応)ポートの動作チェック
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
140W アドテック PD3.1充電器
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

4KモニターへHDMIで接続したときの詳細は下図の通りです。HDMI2.1に対応しており、4K、60Hz、8ビット、RGBで表示することができました。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)の質量は、仕様値で「約1.44kg~」となっています。実測値は以下の通りで、仕様値よりも少し重かったです。持ち運び用に設計されたモバイルノートPCほど軽くはありませんが、宅内では扱いやすい質量ですし、車での移動などがメインであれば、時々持ち出して使うといった用途にも対応することができると思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.517kg
ACアダプター+電源ケーブル 255g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、47Wh / 57Whの2種類があります。今回は、47Whバッテリーを搭載しています。14型のノートPCとしては普通の容量です。バッテリー駆動でできるだけ長く使用したい場合は、少し大きめの容量の57Whバッテリーを選ぶといいです。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。少し負荷がかかる作業を連続して行うと、(3)ぐらいのバッテリー駆動時間になると思います。バッテリー駆動時間の長さは普通です。57Whバッテリーであれば、もう少し長い時間のバッテリー駆動が可能になるでしょう。ただし、選択するCPUや、行う作業の内容によって、バッテリー駆動時間は変化します。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA3.0(アイドル時) 約17.0時間
(2) JEITA3.0(動画再生時) 約11.4時間
(3) 動画編集時のプレビュー再生時 4時間18分
(1)~(2) メーカー公表値
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき。画面輝度は約120cd/m2

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、「720p HDカメラ」、「1080P FHDカメラ」と、「IR&1080p FHDカメラ」の3種類があります。

今回は、「1080P FHDカメラ」を搭載しています。明るく、自然な色味で、映りは比較的よかったです。オンラインミーティングなどにも普通に使いやすいと思います。

なお、どのWebカメラを選んでも、プライバシーシャッターが付いています。また、今回は、IRカメラ非搭載でしたが、「IR&1080p FHDカメラ」であれば、Windows Helloの顔認証を使用することができます。

IR & 1080p FHDカメラ
Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
 

スピーカー

スピーカーは、底面の左右に2.0W x2のステレオスピーカーが配置されています。音は普通で、ノートPC基準で音質を採点すると、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「バランス」モードでは、ターボブースト後、CPU電力は13W~27Wぐらいの間で上下を繰り返しながら推移しています。PBP:28Wのプロセッサーとしては低めのCPU電力です。CPU電力の変動に伴って、CPU温度も64~74℃ぐらいで変動しており、低めの温度を保っています。

「最適なパフォーマンス」モードにすると、ターボブースト後は、PBPに近い約28WぐらいのCPU電力で動作しています。CPU電力が上がるため、CPU温度も上がりますが、83℃ぐらいをキープしており、こちらも心配のない温度です。

どちらのモードでもCPU温度を心配する必要はないでしょう。パフォーマンスを重視するのであれば、「最適なパフォーマンス」モードで使用するといいと思います。

  • バランス時
  • 最適なパフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。YouTube再生ぐらいの低負荷時は、ファンの音が断続的に聞こえますが、うるさくはありません。エンコードのような高い負荷がかかる場合でも、同じような構成の他の機種と比べてもやや低めの騒音値です。ファン音がそれほど気にならないので、作業に集中しやすいです。

騒音値
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時
[エンコード]
約20dB 約20~27dB 約27dB 約35dB
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
【PCの状態】
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

高い負荷がかかると、キーボード部の左上部を中心に温度が上がります。ただし、パームレスト部の温度にはほとんど変化がなく、タイピング時でも不快に感じることはありませんでした。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

PBP:28WクラスのCPUを搭載していましたが、実際のCPU電力がそれほど高くないこともあり、消費電力は低めです。

消費電力
アイドル時 低負荷時
[YouTube再生]
中負荷時
[動画編集]
高負荷時
[エンコード]
6W 14W 17W 32W
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)の外観をチェックします。

一目でThinkPadシリーズと分かるオーソドックスなデザインです。耐久性が高いため、ビジネスシーンで使用するユーザーも多いです。

 

アルミ素材を使用した天板には、「ThinkPad」の文字が入っています。

 

本体の高さは、約17.99mmと比較的薄いです。

 

側面のインターフェースはご覧の通りです。USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 3.2 Gen1 Type-A、USB4(Thunderbolt 4対応)、USB Type-C 3.2 Gen2、HDMI、LANポートを備えています。

LANポートがあるので、有線LANでインターネットにつなぐことができ、便利です。SDカードリーダーはありませんが、ポート類は揃っており、使いやすいです。

 

「指紋センサーあり」のモデルでは、電源ボタンに指紋センサーが統合されており、Windows Helloの指紋認証を使用することができます。

 

ディスプレイは約180度開き、ほぼフラットになります。

 

排気口は、液晶ヒンジに隠れる場所に配置されています。

 

底面です。

 

裏蓋を開けると、内部はこのようになっています。大きめのファン1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。PBP:28Wクラスのプロセッサーを搭載する機種としては、控えめな冷却機構だと思います。この製品は、PBP:15WのUシリーズのCore Ultraプロセッサーが合っていると思います。

 

メモリはスロットメモリなので、交換が可能です。

 

ストレージには、Type 2242 M.2 SSDを搭載していました。SSDの交換はできそうです。

 

裏蓋には、ストレージ用の放熱シートが貼られています。また、メモリの部分も放熱しやすい作りになっています。

 

また、Type 2280 M.2 SSD用の空きスロットがあります。実際に手持ちのM.2 SSDを増設してみましたが、問題なく認識され、デュアルSSD構成で使用することができました。

 

標準のACアダプターは65Wです。普通のサイズですが、ケーブルがややかさばります。外に持ち出す場合は、PD充電器の方が便利だと思います。

 

まとめ

以上が、ThinkPad E14 Gen 6(Intel Core Ultra)のレビューです。

名の通ったThinkPadシリーズの中でも人気の高いThinkPad E14シリーズの最新機種です。

モバイルノートPCほどの軽さではありませんが、扱いやすいサイズで、宅内での移動がしやすいですし、頑張れば時々外に持ち出して使うこともできます。ThinkPadシリーズらしく、堅牢性や、使いやすさのバランスもよく、しかも、ThinkPadシリーズの中では価格が安いため人気があります。

画面比16:10の14型液晶では、標準的なWUXGA(192-x1200ドット)液晶と、2.2K(2240x1400ドット)液晶があります。おすすめは、2.2K液晶です。1画面を広く使って効率よく作業をすることができますし、色域が広めなので、写真や動画を色鮮やかに表示することができます。

ThinkPadシリーズにふさわしく、ノートPCとしては比較的打ちやすいキーボードを搭載していますし、トラックポイントやクリックボタンにより、外付けマウスがなくてもカーソル操作がしやすいです。タイピングすることが多い方におすすめです。

内部を確認すると、スロットメモリ x2の構成だったので、メモリの交換ができるのも嬉しいです。また、購入時のカスタマイズや、購入後のセルフカスタマイズで、デュアルSSD構成にすることもできます。

CPUには、インテルの「Core Ultra」シリーズを搭載しています。今回は、28Wクラスの「Core Ultra H」シリーズを試しましたが、低めのCPU電力で動作しており、パフォーマンスは低めでした。一般ユーザーであれば、15Wクラスの「Core Ultra U」シリーズでいいと思います。

 

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特徴

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