レノボ ThinkPad X1 Nano Gen 2の実機レビュー

CPU | Core i5-1240P Core i5-1250P Core i7-1260P Core i7-1270P Core i7-1280P |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB LPDDR5 |
ストレージ | 最大1TB PCIe Gen4 SSD |
画面サイズ | 13.0型 16:10 |
画面種類 | 2K IPS 非光沢 ※タッチ対応選択可能 |
質量 | 約966.5g~ |
バッテリー | 最大約18.2時間 (49.6Wh) |
WWAN | 5G/LTE対応 |
価格[税込] | 24万円台~ |
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、人気のThinkPadシリーズの中で、軽さと持ち運びやすさを重視した13型モバイルノートPCです。
約966.5g~と軽いボディですが、第12世代Core (P)を搭載し、高い処理性能を備えています。また、画面比16:10で色域広めの2K液晶、LTE / 5G選択可能、使いやすいトラックポインタなど、外出先でも快適に作業ができる環境がそろっています。
インターフェイスは少ないものの、それ以外は、モバイルノートPCとして非常にバランスがよく、使いやすい機種だと思います。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-1240P、16GBメモリ、256GB SSD、2K IPS液晶、LTE
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目次
お忙しい方は、「ThinkPad X1 Nano Gen 2の特徴」のみお読みください。
ThinkPad X1 Nano Gen 2の特徴
1kgを切るThinkPadの軽量機種
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、質量が1kgを切るThinkPadシリーズの中でも軽さと持ち運びやすさを重視した機種です。

ThinkPadシリーズのフラグシップ機であるThinkPad X1 Carbonが、14型、約1.12kg~で、ボディサイズ:約 315.6x222.5x15.36mmなのに対して、ThinkPad X1 Nano Gen 2は、13型、約966.5g~、ボディサイズ:約 293.2x208x14.4mmと、コンパクトかつ、100g以上軽いため、非常に持ち運びがしやすいです。外で使用する機会が多く、持ち運びやすさと、使いやすさのバランスがいい機種を欲しい方におすすめです。

第12世代Core搭載で処理性能が大幅アップ
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、旧モデルとなる初代ThinkPad X1 Nanoからボディは大きく変化していませんが、第12世代Coreを搭載し、パフォーマンスは大きくアップしています。
というのも、初代ThinkPad X1 Nanoでは、消費電力が抑えられたUP4の第11世代Coreを搭載していたのに対して、新モデルのThinkPad X1 Nano Gen 2では、PBP(プロセッサー・ベース電力)が28Wの第12世代Core (P)搭載へと変化しています。
今回チェックしたのは、ThinkPad X1 Nano Gen 2の搭載する中で一番低い性能のCore i5-1240Pでしたが、Core i7-1160G7搭載の旧モデルとCPUのベンチマークスコアを比較すると、約1.9倍もスコアがアップしていました。
快適に使用できる高めの処理性能を備えたことで、1kgを切る軽量モバイルノートPCが一層使いやすくなりました。
LTE / 5G対応を選択できる
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、購入時のカスタマイズで、4G LTE、または5Gモジュール搭載を選択することができます。
カスタマイズにかかる費用にも特別割引が適用されるので、現時点では、4G LTEモジュールが約13,000円、5Gモジュールが約31,000円のプラスで追加できました。このぐらいの価格であれば、WWAN対応を選択しやすいです。

SIMサイズはnano SIMで、SIMスロットは背面に配置されています。

今回は4G LTEモジュールを搭載しています。IIJmioのSIMで使ってみたところ、下図のような速度が出ており(16:30頃)、問題なく使用できました。短時間しかテストできませんでしたが、その間は特にトラブルもありませんでした。
格安SIMなどを挿しておくと、外出先でも場所を問わず、簡単にネット接続が使用できるので、便利です。

第12世代Core / 1kg未満 / LTE・5G対応の貴重な機種
下表では、1kg未満、LTE対応のノートPCをピックアップしてみました。この表を見ても、ここまで挙げたような特徴、1kg未満の軽さ、第12世代Core搭載による高めのパフォーマンス、LTE/5G選択可能という条件を兼ね備えた機種は、現状非常に少ないことが分かります。
持ち歩いて主に外で使い、快適に作業ができる機種として、貴重な選択肢です。
製品名 | 質量 | CPU 画面サイズ バッテリー |
|
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LAVIE Direct PM (標準バッテリー) | 約842g | 第11世代Core 約33Wh |
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LAVIE Direct PM (大容量バッテリー) | 約899g | 第11世代Core 約49Wh |
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VAIO SX12 | 約899g | 第12世代Core 53Wh |
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LIFEBOOK WU2/G2 [5Gモデル] | 約898g~ | 第12世代Core 64Wh |
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LAVIE Direct NEXTREME Carbon [5Gモデル] |
約953g | 第11世代Core 48Wh |
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ThinkPad X1 Nano Gen 2 | 約966.5g~ | 第12世代Core 49.6Wh |
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レッツノート QV | 約969g | 第11世代Core 約38Wh |
※第12世代Core搭載のLAVIE Direct PM(X)は執筆時点で質量不明
※第12世代Core搭載のレッツノートFV2は、LTEモデルが1kgオーバー
画面比16:10の2K液晶搭載
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、見やすい2K液晶(解像度:2160x1350)を搭載しています。

画面比16:10の液晶なので、一般的なFHD(1920x1080)液晶よりも縦の表示面積が少し広いです。また、わずかですが解像度が高いことも相まって、画面に一度に表示できる情報量が少し多いです。そのため、ブラウザなど縦スクロールするソフトが使いやすくなりますし、2つのウィンドウを開いての作業などもしやすいです。
100%スケールで表示すると、文字のサイズは13.3型FHD液晶の場合よりも小さくなります。もし、小さな文字が見えにくく感じる方は、125%ぐらいの表示にするといいと思います。ちなみに、筆者は現在、X1 Nanoの旧モデルをサブ機の1つとして使っていますが、125%で表示させて使っています。

さらに、ThinkPad X1 Nano Gen 2が搭載する液晶は、100% sRGBクラスと色域が広めで、色鮮やかな表示が可能なので、ウェブページや、ネット動画なども見やすいです。また、ウェブ素材用の写真・動画の簡単な編集などにも対応できます。

ThinkPad特有のトラックポイント付きキーボード
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、ThinkPad特有のトラックポイント付きキーボードを搭載しています。操作に慣れると、タイピング時の状態から手を大きく動かすことなく、マウスカーソルの移動やクリック、スクロールなどの操作ができます。タイピングすることが多い方には特に便利だと思います。


ただし、「Enter」キー周辺の一部のキーのサイズが少し小さいので、右手小指で押すキーはやや誤タイプしやすいです。また、キーストロークも約1.4mmと深くはありません。そのため、打ちやすさに定評のあるThinkPadシリーズのキーボードを期待すると、違和感を感じる可能性があります。それでも、打ちにくいわけではなく、比較的打ちやすい部類のキーボードではあるので、すぐに慣れると思います。

人感検知機能付きカメラがおすすめ
ThinkPad X1 Nano Gen 2では、下の画像にある2種類から、内蔵カメラを選ぶことができます。おすすめは、「IR&1080p FHDカメラ、MIPI(人感検知機能付)」です。

「IR&1080p FHDカメラ、MIPI(人感検知機能付)」のカメラであれば、IRカメラを備えているため、Windows Helloの顔認証を使用したログインが可能となります。さらに、人感検知機能と合わせて、パソコンの前を離れると自動的にロックし、パソコンの前に戻るとIRカメラで認証し、自動的にログインするという動作も可能です。

※画像をクリックすると拡大します
また、今回の新モデルでは、視線を画面からそらすだけで、画面を暗くすることができるようになりました。顔を横に向けると、数秒で画面輝度が下がるので、近くの人から覗き見られる可能性が少なくなります。

※画像をクリックすると拡大します
さらに、今回は時間がなく試していませんが、従来モデルと同様に、Glance by Mirametrixというスマート機能も使用できます。画面を覗き見しようとする人を検知し、画面を不鮮明にしたりアラートを出したりする機能です。詳細については、こちらをご覧下さい。

その他、デジタル機器を健康的に使用するためのサポートとして、Digital Wellnessという機能もあります。姿勢が悪くなると、次のような警告が表示されます。

32GBの大容量メモリ搭載モデルも
初代ThinkPad X1 Nanoでは、メモリが8GB / 16GBとなっていましたが、ThinkPad X1 Nano Gen 2では、16GB / 32GBメモリと最大のメモリ容量がアップしています。
32GBメモリを搭載するのは、Core i7-1280P選択時のみではありますが、性能の高いCPUと、大容量メモリを搭載することで、使用できる用途が広がっているのは嬉しいです。
インターフェイスはUSB4のみ
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、軽さと薄さにこだわった機種のためか、ポートはThunderbolt4対応のUSB4ポートが2つだけと、非常に限定的です。
宅内で使用するときは、ドック類を準備しておけばいいですが、外で使用する時に、フルサイズのUSBや、SDカードリーダーを使用したい場合は、別途アダプターなどを用意しないといけません。

各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 画面比16:10の2K液晶と、パフォーマンスがアップした第12世代Core (P)により、Web閲覧や文書ファイル作成を快適に行えます。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ◎ | 1080p FHDカメラ、360°のクアッドマイク、4スピーカーを搭載しており、オンライン会議が快適です。 |
動画鑑賞 | ◎ | 100% sRGBクラスの2K液晶を搭載し、鮮やかな画面で映像を表示できます。4スピーカーの音も比較的よく、快適な動画鑑賞が可能です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 100% sRGBクラスの液晶を搭載し、CPU性能もそこそこ高く、メモリも16GB搭載しており、RAW現像や画像編集も行えます。ただし、SDカードスロットがないのが残念です。また、Adobe RGBクラスの色域ではないので、印刷目的の編集向きではありません。 |
動画編集 | ○ | CPU内蔵グラフィックスの性能もそこそこ高く、メモリも16GB以上と大きめなので、FHD動画の簡単な編集なら、割と快適だと思います。ただし、動画編集が主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したPCのほうがおすすめです。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただ、軽いゲームなら、できないこともありません。 |
ディスプレイのチェック
ThinkPad X1 Nano Gen 2のディスプレイのチェックです。
今回は非タッチの液晶で、パネルは「P101ZFZ-BH2」でした。
画面比16:10の2K(2160x1350)液晶です。色域が比較的広めで、フリッカーも発生しておらず、見やすい液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では447cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は98.3%でした。

ガンマ補正曲線を確認すると、各色揃って1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ThinkPad X1 Nano Gen 2のキーボードをチェックします。
実測で、キーピッチは横:18mm、縦:18mm、キーストロークは約1.4mmです。14型のThinkPad X1 Carbonと比べると、キーピッチが少し短くなります。
「半角/全角」キーや、「Backspace」キーなどのサイズは、主要な他のキーと同じサイズですが、「Entar」キーの左側の「@」キーや、「:」キーなどはサイズが小さくなっています。
キートップは大きく湾曲していて、指あたりはいいです。実際にタイピングしてみると、比較的打ちやすいですが、人気の高い従来のThinkPadキーボードと比べると、底付きの衝撃をやや感じました。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
ThinkPad X1 Nano Gen 2のパフォーマンスをチェックします。
ThinkPad X1 Nano Gen 2では、画面右下にあるバッテリー・アイコンをクリックして電源モードを変更することで、パフォーマンスが変わります。 ここでは、デフォルトの「自動パフォーマンス・モード」と、最も高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス・モード」で計測したベンチマークスコアを紹介します。

CPU
ThinkPad X1 Nano Gen 2では、PBP(プロセッサー・ベース電力)が28Wの第12世代Core Pシリーズプロセッサーを搭載しています。
Core i5-1240P、Core i7-1260Pに加えて、vPro対応のCore i5-1250P、Core i7-1270P、Core i7-1280Pも選択できます。
今回は、Core i5-1240Pを搭載しており、ベンチマークの結果は以下の通りでした。
マルチコアのスコアを見ると、Core i5-1240Pとしては順当なパフォーマンスをしっかり発揮できていました。シングルコアのスコアも高めです。
ただ、ボディが薄いので、Core i7-1260PやCore i7-1280Pなどの性能の高いプロセッサーを搭載した場合、想定通りのパフォーマンスが出るかは分かりません。ThinkPad X1 Carbon Gen 10でも、他のノートPCより低めのスコアだったので、X1 Nano Gen 2も、上位のプロセッサーを搭載した場合、思ったほどパフォーマンスは出ないかもしれません。
~ CPU性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはLPDDR5-5200を搭載しており、メモリ帯域は広かったです。オンボードなので、メモリの増設・換装はできません。
なお、Core i7-1280Pを選択した場合は、32GBメモリを搭載しています。
~メモリ性能の評価 ~


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスは、Core i5-1240Pの内蔵グラフィックスです。LPDDR5-5200を搭載している割りには、そこまでスコアは伸びませんでした。ただ、このくらいのスコアが出れば、モバイルノートとしては十分でしょう。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
今回メーカーからお借りしたサンプル機であるため、PCIe Gen3 のSSDが搭載されていましたが、実際の製品はPCIe Gen4のSSDが搭載されます。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェック結果は、下表の通りです。
ThinkPad X1 Nano Gen 2は、Thunderbolt4対応のUSB4ポートを2つ搭載しており、今回試した機器は全て使用できました。USB-Cアダプターによる給電においては、低出力でも給電はできていましたが、「低速ケーブル」の警告が表示されます。USB-Cアダプターを使用する場合は、45W以上の出力があるものを用意したらいいと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーの仕様表では、質量が「約966.5g~」となっています。
今回、LTEモジュールを搭載しており、やや重いはずですが、当サイトによる計測値では、それでも1kgを切っていました。軽くて、持ち運びがしやすいです。ACアダプターの質量は普通です。
質量 | |
PC本体 | 998.3g |
ACアダプター+電源ケーブル | 243g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は約49.6Whです。13インチクラスのノートPCとしては比較的大きめの容量です。

バッテリー駆動時間は下の通りです。連続動画再生時のバッテリー駆動時間は長めでした。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約18.2時間 |
(2) 動画再生時 | 14時間38分 |
(3) FF14ベンチ | ー |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。標準で付属している65WのACアダプターだと、充電速度は比較的速いです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、プライバシーシャッターが付いています。カメラを使用しないときは、シャッターを閉じることができ安心です。今回はIRカメラと、人感機能付きのカメラを搭載しており、顔認証や人感センサーを使用したプライバシー機能などを使用できます。
Webカメラは、1080p FHDカメラです。一般的なHDカメラよりも解像度が高いので、比較的精細でした。また、やや広角気味で、自然な色味の画像でした。



※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
スピーカー
スピーカーは、キーボード面の上部と、底面に、2W x2のウーファーと1W x2のツイーターを搭載しています。音質は比較的良く、ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。


パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
どちらのモードでも同じような傾向です。最初のブースト時は、30Wを超える高めのCPU電力で動作し、CPU温度も90℃台後半と高いです。その後、CPU電力は16~21W前後で推移し、CPU温度は70℃台~80℃前後ぐらいまでを維持しています。
どちらのモードでも、CPU温度を心配することなく使用できると思います。
- 自動パフォーマンス・モード
- パフォーマンス・モード


静音性のチェック
ThinkPad X1 Nano Gen 2の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかると騒音値があがりますが、他機種と比べてもやや低めの騒音値です。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷のかかる作業をすると、キーボード面の温度が上がります。エンコードのような高負荷作業の場合は、パームレスト部の温度も上がるので、手にはやや不快感があります。また、高負荷時は、底面は結構熱くなります。
ただし、そこまで負荷がかかっていない状態ではあれば、それほど気にはなりません。モバイルノートで行う一般的な用途(負荷が低めの作業)なら特に不快感なく作業ができるでしょう。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けのプロセッサー搭載なので、低めの消費電力です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
ThinkPad X1 Nano Gen 2 の外観のチェックです。
従来機種から変化しておらず、ThinkPadシリーズらしいデザインのボディです。

ボディ素材には、カーボンファイバーとマグネシウム合金が使用されています。

天板には、カーボンファイバーが使用されており、マットな質感です。

360°のクアッドアレイ遠距離マイクを搭載しています。

高さは14.4mmとなっており、薄型です。

側面には、 Thunderbolt4対応のUSB4ポートを2つ備えています。HDMIや、SDカードスロットはありません。


パームレスト部には、指紋センサーを搭載しています。外でマスクをしているような時でも、指紋認証が使えるので便利です。

ヒンジは180度開き、フラットになるので、対面する相手に画面を見せることもできます。

底面には、ファンの部分だけ小さめの吸気口が配置されています。

ACアダプターは65Wです。割と小型で、ケーブルも太くないので、持ち運びもしやすいです。


まとめ
以上が、ThinkPad X1 Nano Gen 2のレビューです。
1kgを切る質量で、ThinkPadシリーズの中でも特に軽さと持ち運びやすさを重視したモバイルノートPCです。
ボディは従来機種から大きく変わっていませんが、第12世代Core (P)を搭載するようになり、CPUのパフォーマンスが大きくアップしています。外出先でも、これまで以上に快適に使用することができるようになりました。
画面比16:10、100% sRGBクラスの2K液晶は、見やすく、作業がしやすいです。また、LTE / 5G通信モジュールも選択することができます。
質量、CPU、液晶、通信環境など、モバイルPCに求める条件をしっかり満たしており、持ち出しやすさと、外での使いやすさに優れた機種です。
ただ、キーボードは比較的打ちやすいものの、コンパクト化のため、キーボードキーの一部のサイズが小さくなり、タイピングのしやすさが少し犠牲になっています。また、ポート類もUSB4ポートしかありません。
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