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レノボ Legion 770i の実機レビュー
CPU | Core i7-12800HX Core i9-12900HX |
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GPU | GeForce RTX 3070 Ti GeForce RTX 3080 Ti |
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 最大2TB PCIe Gen4 SSD |
液晶サイズ | 16.0インチ |
液晶種類 | 2560x1600 165Hz |
質量 | 約 2.3kg |
バッテリー | 約 11.0時間 |
価格[税込] | 30万円台~ |
Legion 770iは、CPUに「Alder Lake-HX」という高性能プロセッサーを搭載したゲーミングノートです。
グラフィックスには、最大GeForce RTX 3080 Tiを搭載。ノートPCとしては最高クラスの性能です。
ディスプレイには、画面比16:10、165HzのWQXGA液晶を搭載し、精細かつ滑らかな映像でゲームをプレイできます。また、100% sRGBクラスと色域も広めの液晶なので、クリエイティブな作業にも使いやすいです。
この高い構成としては、価格もそこまで高くありません。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-12800HX、GeForce RTX 3070 Ti、16GBメモリ(8GBx2)
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「Legion 770iの特徴」のみお読みください。
Legion 770iの特徴
高性能CPU「Alder Lake-HX」を搭載
Legion 770iは、ノート向けのインテル第12世代Coreの中では最高性能となる「Alder Lake-HX」シリーズを搭載しています。選択できるのは、Core i7-12800HXまたはCore i9-12900HXです。これらのCPUは、8つのPコアと8つのEコアの合計16コアを搭載し、非常に高い処理性能を備えています。
今回はCore i7-12800HX搭載モデルをチェックしましたが、当サイトの計測では、デスクトップPC用のRyzen 7 5800Xを超えるスコアが出ていました。現役のミドルスペックのゲーミングデスクトップPCに搭載されるようなCPUと、同等の性能を備えています。
ゲームはもちろん、ゲームをしながらの配信や、クリエイター向けソフトでの作業もしやすいでしょう。
最大で「GeForce RTX 3080 Ti」を搭載
Legion 770iで選択できるグラフィックスは、GeForce RTX 3070 Tiと、ノートPC用グラフィックスとしては最高性能のGeForce RTX 3080 Tiです。
最大グラフィックスパワーは、GeForce RTX 3070 Tiが150W、GeForce RTX 3080 Tiが175Wとどちらも高い設定値となっています。
今回は、GeForce RTX 3070 Ti搭載モデルをチェックしましたが、下のグラフのようにゲーミングノートPCとしては高めのベンチマークスコアが出ていました。WQXGA表示でもフレームレートを計測してみましたが、軽め~中程度のゲームでは、100 fps以上出るゲームも多く、快適にプレイできました。
また、4K/8Kの動画編集や、3DCGの作成など、クリエイター向けソフトでの作業にも快適に使用できると思います。
16:10のWQXGA液晶を搭載
Legion 770iは、画面比16:10、WQXGA(2560x1600)解像度、165Hz駆動の16型液晶を搭載しています。
一般的なFHD(1920x1080)液晶よりも高い解像度で、ゲーム映像が一段と見やすいです。細かい部分が見やすいので、遠い敵が発見しやすくなります。
また、液晶は、当サイト計測でsRGBカバー率98.8%と色域も広めでした。そのため、写真や動画の編集や、3DCGの作成などクリエイティブな用途にも使いやすいです。
ゲーム時でもしっかり冷却
上記のとおり、Legion 770iはトップクラスのゲーミング性能を備え、現状最高峰のCore i9-12900HX + GeForce RTX 3080 Tiという構成も選択できるので、この高性能をしっかり引き出せる冷却性能を備えているのかが気になります。
Legion 770iは、底面だけでなくPC表面からも吸気を行い、少し出っ張った背面と側面の4か所から排気しています。また、一般的なヒートパイプよりも効率よく冷却できるベイパーチャンバーテクノロジーを採用するなど、しっかり冷却するための工夫がなされています。
実際に、ゲーム時のCPU・GPUの温度を確認してみましたが、どちらも心配のない温度に保たれており、高いパフォーマンスを長時間、安定して発揮することができました。ただし、ファンの音はそれなりにうるさかったです。
メモリ・ストレージの増設・換装もできそう
今回は貸出機なので、内部まで確認していませんが、仕様をチェックすると、メモリはスロットメモリで、2基のメモリスロットがあるようなので、メモリの換装はできそうです。
また、ストレージに関しては、M.2スロットが2つあり、最大2ドライブ構成が可能と表示されていました。自己責任でのセルフカスタマイズとはなりますが、M.2 SSDを増設して、デュアルSSD構成にすることができそうです。なお、もしM.2スロットが2つ無くても責任は負えませんので、ご了承下さい。
派手めのライティングがかっこいい
Legion 770iは、光らせなければ割とクールなデザインのゲーミングノートPCですが、薄暗い場所ではライティングによって派手さのあるかっこいい姿になります。
キーボード、フロントのライティングバーに加えて、天板のLEGIONロゴ、背面や側面の排気口にもライティングを備えており、全方位どこから見てもかっこいいです。
ゲーミングノートPCらしい、派手さのある見た目を好む方にぴったりです。
このスペックにしては価格も安い
この高いスペックにしては、価格も比較的安いです。Alder Lake-HXのCore i9と、GeForce RTX 3080 Tiを搭載した他社のゲーミングノートPCと比較すると、完全に同じ構成ではありませんが、最も安い価格でした。
また、表には掲載していませんが、GeForce RTX 3070 Ti搭載モデルであれば、30万円台から購入することが可能です。
ハイエンド構成のゲーミングノートPCを、できるだけ安く購入したいなら、本製品はおすすめです。
レノボ Legion 770i |
MSI Titan GT77 12U |
GIGABYTE AORUS 17X |
ASUS ROG Strix SCAR 17 SE |
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画像 | ||||
CPU | Core i9-12900HX | Core i9-12950HX | ||
GPU | GeForce RTX 3080 Ti | |||
SSD | 32GB | 64GB | 32GB | 32GB |
SSD | 2TB | 2TB | 1TB | 4TB |
画面 | 16型 WQXGA 165Hz |
17.3型 4K 120Hz |
17.3型 FHD 360Hz |
17.3型 FHD 360Hz |
価格[税込] | 489,918円 | 649,800円 | 539,000円 | 549,800円 |
レビュー | ― | レビュー | ― | レビュー |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分過ぎるスペックです。画面も見やすく、快適に使用できます。 |
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動画鑑賞 | ◎ | 色鮮やかな表示のディスプレイと、音質の良いスピーカーにより、動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | スペックが非常に高く、RAW現像の速度も速いです。ディスプレイも100% sRGBクラスと色域が広めです。ただし、100% Adobe RGBクラスの色域ではないので、DTP用途で使う場合は、別途広色域の外部ディスプレイを使用したほうがいいです。 |
動画編集 | ◎ | ハイクラスのCPUとGPUと、100% sRGBクラスのWQXGA液晶を搭載し、動画編集も快適です。 |
ゲーム | ◎ | 高いゲーミング性能と、165HzのWQXGA液晶により、高精細で、滑らかな映像でゲームができます。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
動作モード
本製品は、「Lenovo Vantage」のサーマル・モード設定で、動作モードを変更することができます。ここでは「パフォーマンス・モード」に変更してゲームのフレームレートを計測しています。
また、NVIDIAコントロールパネルからは、ディスプレイモードを「自動選択」、「Optimus」、「NVIDIA GPUのみ」から選択できます。詳しい説明は省きますが、「Optimus」では状況においてCPU内蔵グラフィックスと外部グラフィックスを切り替えることで、外部グラフィックスを使わないときに消費電力が低くなるメリットがあります。「NVIDIA GPUのみ」では、外部グラフィックスから直接映像を出力するため、余分なオーバーヘッドが無くなりグラフィックス性能がやや上がるというメリットがあります。
デフォルトでは「自動選択」になっており、ゲームなどをするときは「NVIDIA GPUのみ」で動作し、ゲームをプレイしていないときは「Optimus」で動作します。ただし、ゲームベンチマークソフトによっては、「NVIDIA GPUのみ」に自動で切り替わらない場合もあったので、今回は、「NVIDIA GPUのみ」に設定して、ゲームのベンチマークを実施しています。
各ゲームの平均フレームレート
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。なお、いつもは他のPCで計測したフレームレートもグラフで掲載していますが、今回は画面比が16:10であるため掲載していません。
解像度を1920x1200にしたとき(フルスクリーン)であれば、多くのゲームが高いフレームレートが出ています。
解像度を2560x1600にしたときは、「サイバーパンク 2077」や「ウォッチドッグス レギオン」といった重いゲームは、グラフィック設定をかなり下げないと、十分なフレームレートは出ませんが、そこまで重くないゲームであれば、高めのフレームレートが出ています。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1200 | ウルトラ | 69 fps |
レイトレ:ウルトラ | 52 fps | |
2560x1600 | 中 | 47 fps |
ウルトラ | 44 fps | |
レイトレ:ウルトラ | 41 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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解像度 | 品質 | レイトレ/DLSS | 平均fps |
1920x1200 | 最大 | オフ/オフ | 77 fps |
最大/高性能 | 73 fps | ||
2560x1600 | オフ/オフ | 60 fps | |
最大/高性能 | 57 fps |
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1200 | 最高 | 105 fps |
エクストリーム | 93 fps | |
2560x1600 | 最高 | 93 fps |
エクストリーム | 77 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 高品質 | 102 fps |
2560x1440 | 標準品質 | 104 fps |
高品質 | 77 fps |
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1200 | 高 | 136 fps |
ウルトラ | 120 fps | |
2560x1600 | ウルトラ | 89 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1200 | 最高 | オフ | 136 fps |
クオリティ | 155 fps | ||
2560x1600 | 最高 | オフ | 94 fps |
クオリティ | 120 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1200 | 最高品質 | 154 fps |
2560x1600 | 最高品質 | 115 fps |
中程度の重さのゲーム
フォートナイト
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | レンダリングモード | 平均fps |
1920x1200 | 最高設定 | DirectX11 | 136 fps |
2560x1600 | 最高設定 | DirectX11 | 91 fps |
― | パフォーマンス (ベータ) |
296 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1200 | 低設定 | 293 fps |
高設定 | 197 fps | |
2560x1600 | 低設定 | 221 fps |
高設定 | 138 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
2560x1600 | 高設定 | 324 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1200 | 中型 | 288 fps |
ウルトラ | 165 fps | |
2560x1600 | 中型 | 215 fps |
ウルトラ | 147 fps |
ディスプレイのチェック
Legion 770iのディスプレイのチェックです。パネルは、「CSOT T3 MNG007DA1-G」でした。
画面比16:10のWQXGA(2560x1600)液晶です。165Hz駆動に対応しており、残像感が少なく、色域も広めでした。色鮮やかな映像でゲームができますし、クリエイティブな作業にも使用できます。最大輝度は、当サイトの計測では462cd/m2と高いです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
遅延
キーボードの1つのキーを押してから、その文字が画面に表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約38msでした。一般的なノートPCは80ms前後が多かったので、本製品の表示遅延は少ないです。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを1/2000のシャッタースピードで撮影し、普通のノートPCの60Hzパネル(1秒間に60フレームを表示)と比較しました。普通のノートPCは2フレーム前くらいまで残像が表示されていたのに対し、本製品は165Hzパネル(1秒間に165フレームを表示)のディスプレイで、2フレーム前くらいまでしか表示されていなかったので、残像は少ないと思います。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.4mmです。
主要な文字キーのサイズは概ね揃っていますが、使用頻度の高い「Backspace」キーや、「Enter」キーのサイズが小さめなのがやや気になります。それ以外は、普通の打ちやすさのキーボードです。
標準的な4列テンキーもついており、数字入力がしやすいだけでなく、クリエイター向けソフトでのショートカットキーとしても使いやすいです。
タッチパッドの操作性は普通で、クリックボタンも普通の押しやすさです。
RGBバックライトを搭載しており、任意のキーや、エリアのライティング設定が可能です。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
ここでは、デフォルトの「バランス・モード」と、最も高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス・モード」でベンチマークなどを計測しました。また、ディスプレイ モード(稼働GPUの切り替え)は、「NVIDIA GPUのみ」(ディスクリート)にしています。
CPU
Legion 770iは、第12世代Core HXシリーズを搭載しています。Core i7-12800HXと、Core i9-12900HXを選択できますが、今回はCore i7-12800HX搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は、以下の通りです。
マルチコアでは、Core i7-12700Hと、Core i9-12900Hの間に位置する高めのスコアが出ていました。シングルコアでは、思ったほどではありませんが、それでも比較的高めのスコアでした。
なお、動作モードを「パフォーマンス・モード」にすることによって、マルチコアスコアが大きくアップし、Core i7-12800HX本来のスコアとなっています。ネットや動画視聴のような一般的な用途は「バランス・モード」で十分ですが、ゲームやクリエイター向けソフトでの作業などを行う場合は、「パフォーマンス・モード」にした方がいいようです。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリは「DDR5-4800」で、メモリ帯域は広かったです。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスには、GeForce RTX 3070 TiまたはGeForce RTX 3080 Ti 16GBを搭載します。
今回は、GeForce RTX 3070 Ti搭載モデルをチェックしています。
GeForce RTX 3070 Tiの最大グラフィックスパワーは150Wと、高い設定値となっています。ちなみに、仕様表を確認すると、GeForce RTX 3080 Tiの場合は、最大グラフィックスパワー175Wとなっており、こちらも高く設定されています。
ベンチマークの結果は以下のとおりです。
GeForce RTX 3080(16GB)に迫るスコアが出ており、ゲーミングノートPCとしてもハイクラスの性能を備えています。
なお、動作モードを「パフォーマンス・モード」にすることで、グラフィックス性能が少しアップしています。ゲーム時は「パフォーマンス・モード」に切り替えると良さそうです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認した「GeForce RTX 3070 Ti Laptop」の情報は次の通りです。
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
クリエイターソフトの処理時間
以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、動作モードは「パフォーマンス・モード」、ディスプレイモードは「NVIDIA GPUのみ」で計測しています。
Lightroomの書き出し速度は速かったです。なお、GeForce RTX 3070 TiのようにVRAMが多いグラフィックスを搭載していると、デフォルトで「書き出しにGPUを使用」の設定がオンになっています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
動画の書き出しも非常に速いです。編集作業も非常に快適です。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は99.9Whと非常に大きいです。
大容量バッテリーを搭載していますが、高性能のCPUとGPUなので、バッテリー駆動による動画の連続再生時間は短いです。
なお、バッテリー駆動中にゲームをすると、フレームレートが制限されてしまいますし、駆動時間も短いので、ゲーム時はACアダプターに繋いだ方がいいです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約 11.0時間 |
(2) 動画再生時 | 3時間47分 |
(3) FF14ベンチ | ― |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
ウェブカメラには、電子式のプライバシーシャッターがついており、右側面のスイッチでカメラのON/OFFを切り替えることができます。
ウェブカメラは、FHD 1080pカメラです。解像度が高めなので、一般的なHDカメラの画像よりは細部もきれいに映ります。やや広角ですが、比較的自然な色味の画像でした。
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に2W x2のスピーカーが配置されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、MSHybridモードで計測しています。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度の推移を確認します。
「バランス・モード」では、ブースト時はCPU電力が約115Wぐらいまで上がりますが、短時間で60W前後まで下がり、そのまま推移しています。CPU温度は、一瞬だけ90℃近くまで上がりますが、すぐに下がって70℃前後と低めの温度をキープしており、心配のない温度です。
「パフォーマンス・モード」では、CPU電力が一瞬175W前後まで上がりますが、CPU温度が96℃ぐらいまで上がるので、すぐにCPU電力は115W前後まで下がり、そのまま推移しています。CPU温度はずっと96℃前後と高い温度のままです。
「パフォーマンス・モード」ではCPUの処理性能がアップしますが、その分、CPU温度は高いです。「パフォーマンス・モード」で、CPUに高い負荷のかかる作業を行う場合は、放熱しやすい環境で使用したほうがいいと思います。
- バランス・モード
- パフォーマンス・モード
ゲーム時のCPU、GPU温度の詳細
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマークを実行したときのCPU/GPU温度を計測した結果は下図の通りです。
「バランス・モード」では、CPU温度は概ね80℃台前半ぐらいに、GPU温度は70℃台後半に収まっています。
「パフォーマンス・モード」では、CPU温度は概ね70℃台、GPU温度は75℃前後と、「バランス・モード」時よりもやや低めに抑えられています。心配なく使用できる温度ですが、ファンの回転数が高くなるため、騒音値は高くなります。
「パフォーマンス・モード」の方が、CPU、GPUともにパフォーマンスが上がるので、高めの騒音値さえ気にならなければ、ゲーム時は、「パフォーマンス・モード」に切り替えるといいと思います。
- バランス・モード
- パフォーマンス・モード
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。こちらは、ディスプレイモードを「NVIDIA GPUのみ」にして計測しています。
アイドル時でもファンの音がします。「バランス・モード」でのゲーム時は、他のゲーミングノートPCと同程度の騒音値になります。「パフォーマンス・モード」だと、ゲーム時は高めの騒音値となり、ややうるさく感じます。ヘッドホンをしたほうがいいと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
どちらのモードでも、ゲーム時はキーボード面の温度が上がり、パームレスト部分の温度もやや高くなります。ただ、パームレストの左側はそれほど温度が上がっていないので、左手でキーボード、右手はマウスを持ってゲームをする場合は、それほど不快には感じないと思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。処理を開始して、10分経過後に確認できた最も高い数値を掲載しています。ただ、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
こちらも、ディスプレイモードを「NVIDIA GPUのみ」にして計測しているので、アイドル時でも消費電力が少し高いです。また、高性能パーツを搭載し、GeForce RTX 3070 Tiの最大グラフィックスパワーが150Wと高いこともあり、ゲーム時の消費電力は高いです。
外観のチェック
Legion 770iの外観のチェックです。
画面比16:10、狭額縁で、大きめの16.0型液晶が目を引く、存在感のあるゲーミングノートPCです。
ボディ素材にはアルミニウムを使用し、重厚感があります。
排気口が少し出っ張っており、排気しやすくなっています。
液晶を閉じた状態もクールな感じです。
インターフェイスは多彩ですが、右側面に、USB-C、カメラのプライバシーシャッタースイッチ、左側面には、Thunderbolt4 x2を備えています。また、背面に、USB3.2 x2、USB-C(Power Delivery、DisplayPort対応)、HDMI、LANポートがあります。
液晶はほぼ180度開きます。
底面には吸気口が広めに設けられています。
ACアダプターは、300Wです。大きめの出力なので、ACアダプターのサイズも大きく、重さもあります。持ち運びにはあまり適していません。
まとめ
以上が、Legion 770iのレビューです。
最大でCore i9-12900HX + GeForce RTX 3080 Tiという、ノートPCとしては最高クラスの構成が選択できるゲーミングノートPCです。今回は、Core i7-12800HX + RTX 3070 Tiの構成を試しましたが、CPU、GPUともにノートPCとしては高めの性能をしっかり発揮していました。
ディスプレイには、画面比16:10、WQXGA、165Hz駆動の16型液晶を搭載しています。高めの解像度で、ゲームも快適です。ゲーミング性能が高いので、WQXGAの高画質設定でも、高めのフレームレートでプレイできるゲームが多かったです。また、色域も広めなので、動画編集などのクリエイティブな作業にも使いやすいです。
このように高めの構成ですが、他社の同等構成のゲーミングノートPCと比べると、価格も比較的抑えられています。高い性能ゲーミングノートPCを、できるだけ安く買いたい方におすすめです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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