レノボ ThinkPad T14 Gen 2(AMD)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen PRO 7 5850U
Ryzen PRO 5 5650U
Ryzen PRO 3 5450U
Ryzen 5 5600U
メモリ 最大48GB DDR4-3200
ストレージ PCIe NVMe SSD
液晶サイズ 14.0インチ
液晶種類 FHD IPS
FHD IPS タッチ
FHD IPS 72% NTSC
FHD IPS PG タッチ
4K UHD IPS HDR
※PG:Privacy Guard
質量 約1.47kg~
バッテリー 最大約16.9時間 (50Wh)
WWAN LTE 4G
価格[税込] 9万円台~
メインPCとして優秀で持ち出しもOK

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)は、メインPCとして使用し、ときどき外でも使用できる14型ノートPCです。

処理性能が高いRyzen 5000Uシリーズを搭載し、sRGB100%クラスの液晶や4K液晶を選択できます。

さらにタイピングがしやすく、ポート類も充実しているので、メインPCとして優秀な製品です。

ThinkPad X1 Carbonなどのようなモバイルに特化した製品よりは質量が重いですが、ThinkPad E14ほど重くはなく、たまにモバイルPCとしても使えます。LTEにも対応可能です。

しかも、ThinkPad X1 Carbonなどのように価格が高くなく、比較的低い予算で購入できます。

なお、第11世代インテルCPUを搭載したインテルモデルもあります。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen Pro 5 5650U、16GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「ThinkPad T14 Gen 2(AMD)の特徴」のみお読みください。

 

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)の特徴

キーボード&トラックポイントが使いやすい

ThinkPadシリーズの高い人気を支えている一つのポイントは、打ちやすいキーボードと、使いやすいトラックポイントです。ThinkPad T14 Gen 2(AMD)も操作しやすく、タイピングする機会が多い方に、おすすめです。

ThinkPadシリーズの上位モデルでは、やや浅めのキーストロークのキーボードに変化していますが、従来と変わらないキーボードを搭載しているのは、本製品のメリットだと思います。

また、ThinkPad特有のトラックポイントで、マウスポインターの操作を行うことができます。トラックポイントを使用すると、タイピングの途中でキーボードから手を離すことなく、マウスカーソルを移動することができて便利です。もちろん、タッチパッドでもマウスカーソルを動かせるので、好みで使い分けることもできます。

タッチパッドとトラックポイント

 

Zen 3のRyzenで快適動作

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)は、パフォーマンスの高さで人気のZen 3アーキテクチャーを採用した、Ryzen 5000Uシリーズを搭載しています。

現時点で選択できるのは、Ryzen 7 PRO 5850U、Ryzen 5 PRO 5650U、Ryzen 5 5600Uの3種類です。セキュリティ、管理性の高いPROプロセッサーも選択できるので、法人用のノートPCとしても採用しやすいです。

人気の高いRyzen 5000Uシリーズ搭載

 

用途に合わせて選べる液晶

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)では、以下の5種類の液晶から、搭載する液晶を選択することができます。

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)で選択できるディスプレイ

(1) FHD、IPS、300nit

(2) FHD、IPS、タッチ、300nit

(3) FHD、IPS、72% NTSC、400nit

(4) FHD、IPS、72% NTSC、Think Privacy Guard、タッチ、500nit

(5) UHD、IPS、HDR、90% DCI-P3、500nit

 

(1)は、オーソドックスな液晶です。今回チェックしましたが、視野角が広く、フリッカーも発生しておらず、普通に見やすい液晶でした。事務作業等であれば、こちらで十分かもしれません。(1)と同じような性能で、タッチ操作もしたい場合は、(2)の液晶を選択するといいでしょう。

おすすめは、(3)の液晶です。72% NTSC(≒100% sRGB)と色域が広く、より色鮮やかな表示が可能です。ちょっとした画像や動画の編集にも適しています。(4)の液晶は、Think Privacy Guard機能が付いています。視野角をあえて狭くすることで、覗き見を防ぐことができます。カフェなど、外での使用が多い方におすすめです。ただし、Think Privacy GuardをOFFにしても、画面の端のほうがやや暗めになってしまうという傾向があります。

(5)の液晶は、4Kの高解像度液晶です。色域も広く、4K動画や、高精細な写真などをきれいに表示することができます。クリエイティブな作業を行う場合などに適しています。なお、この4K液晶は、追加メモリを選択した場合のみ、液晶の選択肢に登場していました。4K液晶を選択できない場合は、メモリ構成を変更して、試してみてください。

用途に合わせて選べる液晶

 

メインで使用し、時々持ち出せる

以上のようにタイピングしやすく、処理性能も高く、見やすい液晶も選べ、ThinkPad T14 Gen 2(AMD)はメインPCとして優秀な製品ですが、質量もそこまで重くないため、時々外に持ち出して使用するといった使い方もできます。テレワーク用のPCとして、オフィスと自宅の間を移動する、といった使い方にもおすすめです。

宅内でも、持ち出しても使える

 

LTEも選択可能

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)では、LTE 4G対応も選択できます。

モバイルPCとして使用するにはやや重めですが、LTE 4G対応であれば、ネット回線を引いていない場所でも簡単にネットに接続することが可能となります。車内や新幹線などでちょっとした作業を行う場合などにも便利です。

LTE 4G対応も選択可能
LTE 4Gモジュール用のスペース

 

それほど高くない

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)は、ThinkPad E14よりは若干高くなりますが、ThinkPad X1 Carbonといった高級機種よりは安くなっており、お求めやすいです。

ThinkPad E14では、ちょっと重いと感じる方や、PROシリーズのプロセッサーがいいという方は、本製品のほうがいいでしょう。

価格(時期によって変動します)

 

オンボード+スロットのメモリ構成

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)のメモリは、オンボード+スロットメモリとなっています。

モデルによっては、下図のようにオンボードメモリと、スロットメモリのどちらもカスタマイズが可能となっています。

おすすめは、オンボード+スロットメモリのデュアルチャネル構成です。両方搭載した方が、デュアルチャネルになるので、メモリ速度がアップし、グラフィックス性能も向上します。

ただし、オンボードメモリは増設できないので、オンボードメモリのほうは、できれば16GBを搭載しておいたほうがいいと思います。

スロットメモリは、購入後に自己責任での増設も可能です。自信がある方は、スロットメモリなしで購入しておき、後からスロットメモリを増設するということも可能ではあります。

メモリのカスタマイズ画面
メモリスロット

 

インテルCPU搭載の兄弟機種との比較

ThinkPad T14 Gen 2には、インテルの第11世代Coreを搭載した兄弟機種もあります。ここでは、兄弟機種との簡単な比較を行います。

ThinkPad T14 Gen 2(第11世代インテル)では、インテルCPUを搭載し、CPUにGeForce MX450も選択できるのが大きな違いです。画像や動画のライトな編集作業を行う方、例えば、Adobe Creative Cloudを使って作業をしたい方には、インテルモデルの方が適している場合があります。ただし、作業内容に合った液晶を選択する必要があります。インテルモデルとAMDモデルでは、カスタマイズ画面の表示が多少異なりますが、メーカーサポートに確認したところ、選択できる液晶は基本的に同じとのことでした。

一方、ThinkPad T14 Gen 2(AMD)は、インテルモデルよりも価格が安く、高い処理性能を入手することができます。バッテリー駆動時間もわずかですが長いです。Officeソフトの使用など、一般的な用途であれば、AMDモデルのほうがコスパが高くおすすめです。

兄弟機種との比較
  [本機器]
ThinkPad T14 Gen 2
(AMD)
[兄弟機種]
ThinkPad T14 Gen 2
(第11世代インテル)
CPU Ryzen PRO 7 5850U
Ryzen PRO 5 5650U
Ryzen PRO 3 5450U
Ryzen 5 5600U
Core i7-1185G7
Core i7-1165G7
Core i5-1145G7
Core i5-1135G7
GPU CPU内蔵 CPU内蔵 / MX450
メモリ 最大 48GB DDR4-3200
(オンボード+スロット)
ストレージ PCIe SSD
液晶種類 14.0型 FHD / 4K
インターフェイス USB3.2 x2
USB-C x2
(DisplayPort、PD)
HDMI
microSD
LAN
USB3.2
USB-C x2
(Thunderbolt 4)
HDMI
microSD
LAN
バッテリー 最大約16.9時間 最大約14.5時間
WWAN LTE
代表構成での価格比較
  [本機器]
ThinkPad T14 Gen 2
(AMD)
[兄弟機種]
ThinkPad T14 Gen 2
(第11世代インテル)
CPU Ryzen 5 5600U Core i5-1135G7
メモリ 16GB (オンボード8GB + スロット8GB)
ストレージ 256GB PCIe SSD
液晶種類  FHD IPS 300nit
その他 指紋センサー
バックライト付きキーボード
価格[税込] 108,801円 121,660円

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックで、快適に動きます。
オンライン会議 特にオンライン会議に特化した機能はありませんが、カメラ、マイク、スピーカーを備えており、問題なくオンライン会議に参加できます。
動画鑑賞 FHD 72% NTSC液晶や、4K HDR液晶を選択すると、色鮮やかな映像で動画を楽しめます。スピーカー音は普通です。
RAW現像
画像編集
△~○ FHD 72% NTSC液晶や、4K HDR液晶であれば色域が広めで、画像編集にも適しています。ただし、使用するアプリによってはインテルモデルのほうが処理時間が短い場合があります。
動画編集 △~○ メモリをデュアルチャネル構成にすれば、簡易的な動画編集ならできると思います。ただし、GeForce MX450を選択できるインテルモデルの方が、快適さは上かもしれません。
ゲーム ゲーム向きの機種ではありません。ただし、軽めのゲームならある程度はプレイできます。ゲームをプレイする場合は、メモリをデュアルチャネル構成にすることをおすすめします。

 

ディスプレイのチェック

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)のディスプレイのチェックです。

今回搭載しているのは、FHD、IPS、300nit、マルチタッチ非対応の液晶です。パネルは、「B140HAK03.2」でした。

色域は広くありませんが、視野角が広く、フリッカーも発生しておらず、比較的見やすい液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では292cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は60.8%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ともほぼ揃っており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきは、ほとんど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約19mmです。キーストロークは約1.9mmと深めです。主要なキーのサイズは全て揃っており、配置も標準的です。キートップは適度に湾曲していて、指にフィットします。全体的に、とても打ちやすいキーボードです。

ThinkPad特有の打ちやすいキーボードを好む方にとっては、従来通りで変化がないのが魅力的だと思います。

タッチパッド、トラックポイントも使いやすいです。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも選択できます。バックライト付きキーボードの方が、バックライトなしのキーボードよりも、キーの質感がいいので、おすすめです。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)のパフォーマンスのチェックです。

ThinkPadでは、インテリジェント・クーリングという温度やファン速度を制御する機能が、Windowsの電源モードに統合されています。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、最高のパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」でベンチマーク等を計測していきます。

電源スマート設定

 

CPU

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)では、Zen 3アーキテクチャーを採用した、Ryzen 5000Uシリーズを搭載しています。

今回は、Ryzen 5 RPO 5650Uを搭載しており、ベンチマークの結果は以下のとおりです。マルチコア、シングルコアともに、Zen 2のRyzen 5 5500Uよりも高いスコアが出ていました。多くの作業を快適に行える処理性能です。また、エクストリーム・パフォーマンスにすると、マルチコアのスコアが大きくアップしています。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 PRO 5650U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
Core i7-11800H 12501
Core i7-10875H 10579
Core i7-10870H 10139
Core i9-11980HK 10083
Ryzen 7 PRO 5850U 9143
Core i9-10885H 8637
Core i5-11400H 8514
Ryzen 7 5700U 8445
Ryzen 5 PRO 5650U 7407 [エクストリーム・パフォーマンス]
5995 [インテリジェント・クーリング]
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Core i5-10500H 6805
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 3 5300U 5469
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-11900H 1570
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1504
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i9-11980HK 1450
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 PRO 5850U 1415
Ryzen 5 PRO 5650U 1361 [エクストリーム・パフォーマンス]
1356 [インテリジェント・クーリング]
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Ryzen 7 5700U 1264
Core i3-1115G4 1217
Core i7-10870H 1212
Ryzen 5 5500U 1185
Core i9-10885H 1163
Core i5-10500H 1162
Ryzen 3 5300U 1130
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリの速度はご覧の通りです。DDR4-3200のデュアルチャネルだと、実測で30GB/sくらい出ることが多いですが、本製品は25.57GB/sとそこまで速くありませんでした。

なお、オンボードメモリのみだとさらに速度が遅くなるので、オンボード+スロットメモリのデュアルチャネルがおすすめです。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ(オンボード8GB+スロット8GB)
他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
最大 約68.2GB/s (34.1GB/s x2)
DDR4-3200
デュアルチャネル
最大 約51.2GB/s (25.6GB/s x2)
25.57GB/s
DDR4-2666
デュアルチャネル
最大 約42.6GB/s (21.3GB/s x2)
DDR4-3200
シングルチャネル
最大 約25.6GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

グラフィックスは、Ryzen 5 RPO 5650Uの内蔵グラフィックスです。

今回は、メモリがデュアルチャネル構成なので、内蔵グラフィックスとしては比較的高めのスコアが出ていました。一般用途には、十分のグラフィックス性能です。ただし、シングルチャネル構成だと、グラフィックス性能が低くなるので、ご注意ください。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 5 PRO 5650U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
GeForce MX330 16714
Ryzen 7 PRO 5850U
メモリDDR4-3200 デュアル
16338
Ryzen 9 4900HS 16322
GeForce MX250 15406
Ryzen 5 PRO 5650U
メモリDDR4-3200 デュアル
14869 [エクストリーム・パフォーマンス]
13174 [インテリジェント・クーリング]
Core i5-1145G7
メモリDDR4-3200 デュアル
14647
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200 デュアル
14247
Ryzen 7 4700U 13861
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200 デュアル
13316
Ryzen 5 4500U 12126
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Core i7-1065G7 11084
Ryzen 7 PRO 5850U
メモリDDR4-3200 シングル
10994
Ryzen 3 4300U 9800
Core i5-1145G7
メモリDDR4-3200 シングル
8460
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
3202
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は普通です。microSDカードを挿したときに、ほとんど出っ張りがないので、カードを挿したままでも移動できそうです。ただし、抜き差しするときは、爪で押す必要があるので、やり辛いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。

DisplayPort、Power Deliveryに対応したUSB-Cポートを2つ備えています。Thunderboltドック以外は、今回試した全ての機器が使用できました。ただし、本体への給電時、出力が低いという警告が表示されます。USB-Cアダプターを使用する場合は、45W以上の出力があるものを選ぶといいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 △※3
18W cheero充電器 △※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであると表示が出るが充電は出来る

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、YCbCr444での表示が出来ています。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)の質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.47kg~」とありました。当サイトの計測値は下表の通りで、仕様値よりやや重かったです。14型ノートPCとしては普通の重さです。持ち運べなくはありません。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.507kg
ACアダプター+電源ケーブル 283g

 

バッテリー駆動時間のチェック

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は51Whでした(メーカー仕様表では50Whと表記)。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。ノートPCとしては、やや長めの駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約12.5時間
(2) PCMark 10 Modern Office 10時間12分
(3) 動画再生時
(4) PCMark 8 Work 8時間50分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。今回は65W出力のUSB-Cアダプターが付属しており、充電速度も速かったです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
75%(約38Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いており、使用しないときはカメラをカバーすることができます。今回は、IRカメラは搭載していませんが、IR & 720p HDカメラを選択すると、Windows Helloの顔認証が使用できます。

Webカメラ

 

Webカメラは、720p HDカメラです。彩度がやや低い画質です。また細部の画像は粗いです。ノートパソコンに搭載されるWebカメラとしては、一般的な性能かと思います。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows 10標準のカメラアプリで撮影

 

1万円以上する外付けのLogicool StreamCam C980のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ

 

スピーカー

スピーカーはキーボード面の上部に配置されています。音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの温度およびCPU電力の推移を確認します。

「インテリジェント・クーリング」では、CPU電力が約15W前後で推移しており、CPU温度は60℃台前半と、低めをキープしています。

「エクストリーム・パフォーマンス」では、CPU温度が約24W前後までアップするため、CPU温度も80℃前後まで上がっています。それでも、それほど心配なく使用できる範囲に収まっています。

通常は、インテリジェント・クーリングモードで使用し、高負荷作業を行う場合は、エクストリーム・パフォーマンスモードに変更するといいと思います。

  • インテリジェント・クーリング時
  • エクストリーム・パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、やや低めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

全体的にやや低めの温度です。エンコードなどの高負荷時でも、パームレスト部の温度にはそれほど変化がないので、不快に感じることはなさそうです。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けのプロセッサー搭載なので、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)の外観のチェックです。

ThinkPadらしいデザインです。液晶の上下のベゼル幅はやや太めで、1世代前のモデルから変化はありません。

 

天板です。

 

指紋センサーです。購入時のカスタマイズ画面で、指紋センサーの有無を選択できます。

 

インターフェイスとしては、USB 3.2 x2、USB Type-C x2(DisplayPort、Power Delivery対応)、HDMI、microSDカードリーダー、LANを備えています。ドッキングコネクターを搭載しており、ドッキングステーションも使用できます。

 

液晶は180°開き、フラットになります。パソコン冷却台や、パソコンスタンドに置く場合も、画面が見にくくならず安心です。

 

底面です。

 

底面カバーは爪がやや固く外しにくいです。

ファンは1つですが、ヒートパイプが2本あり、冷却性を高めています。

 

メモリは、オンボードメモリ + スロットメモリです。スロットメモリは、増設や換装が可能です。

 

M.2 SSDも換装できそうです。

 

デフォルトだと、65WのUSB-Cアダプターが付属します。カスタマイズ画面で、45Wアダプターや、65WスリムACアダプターに変更することもできます。

 

まとめ

以上が、ThinkPad T14 Gen 2(AMD)のレビューです。

第11世代インテルCPUを搭載した兄弟機種は先行して販売されていたので、人気の高いRyzen 5000Uシリーズを搭載した本機器を待っていた方も多いことでしょう。

扱いやすい14型のサイズで、高級モバイルノートと違い質量はやや重めではあるものの、その分価格は安くなっています。

また、Zen 3のRyzen 5000Uシリーズを搭載し、高めの処理性能で、多くの作業に快適に使用できることです。CPU温度はそこまで上昇しないので、高い負荷がかかる作業でも安心して行うことができるでしょう。

また、ThinkPadらしいキーストロークが深めの打ちやすいキーボードを搭載しているので、ライター、テレワーク用、大学生など、タイピングする機会が多い方におすすめです。

さらに、5種類の液晶から、搭載する液晶を選択することができます。色域広めの液晶もあるので、色鮮やかな表示が可能で、用途にあった液晶を選択しやすいです。メモリやストレージの容量もカスタマイズ可能です。メモリに関しては、デュアルチャネル構成がおすすめです。

 

従来と変わらずタイピングしやすい

ThinkPad T14 Gen 2(AMD)

特徴

  • ThinkPad特有の打ちやすいキーボードを搭載
  • Zen 3のRyzen 5000Uシリーズを搭載
  • 色域広めの液晶も選択可能

こんなあなたに

    • タイピングしやすいノートPCが欲しい方
  • テレワーク用や、大学生用のノートPCとして
公式サイトはこちら

 

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