レノボ ThinkBook 13s Gen 3 の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 5600U
Ryzen 7 5800U
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ PCIe NVMe SSD
液晶サイズ 13.3インチ
液晶種類 WUXGA(1920x1200) IPS
WQXGA(2560x1600) IPS 
質量 約1.26kg
バッテリー 最大 約16.1時間
価格[税込] 9万円台~
Zen 3のRyzen 5000シリーズを搭載

ThinkBook 13s Gen 3は、他機種に先駆けて、Zen 3のRyzen 5000シリーズを搭載し、高いパフォーマンスのモバイルノートPCです。

さらに、アスペクト比が16:10で、sRGB 100%クラスの液晶を搭載し画面も見やすいです。

長めのバッテリー駆動時間、質感のいいボディという構成ながら、9万円台からとコスパも高いです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 7 5800U、16GBメモリ、512GB SSD、1920x1200液晶

 

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目次

お忙しい方は、「ThinkBook 13s Gen 3の特徴」のみお読みください。

 

ThinkBook 13s Gen 3の特徴

Zen 3のRyzen 5000シリーズを搭載

ThinkBook 13s Gen 3は、Ryzen 5000シリーズを搭載しています。

Ryzen 5000シリーズには、Ryzen 4000シリーズと同じZen 2アーキテクチャーを採用したものと、再設計されたZen 3アーキテクチャーを採用したものとがあります。ThinkBook 13s Gen 3は、他の機種に先駆けて、新しいZen 3アーキテクチャーを採用したRyzen 7 5800UもしくはRyzen 5 5600Uを搭載しています。

下表では、Zen 2、Zen 3のRyzen 5000シリーズのプロセッサーの仕様を比較しています。Zen 3のRyzen 5000シリーズでは、アーキテクチャーの変更に加えて、基本クロック、最大ブーストクロック、L3キャッシュがアップしています。

Ryzen 5000シリーズのプロセッサーの比較
  Ryzen 7 5800U Ryzen 7 5700U Ryzen 5 5600U Ryzen 5 5500U
アーキテクチャ Zen 3 Zen 2 Zen 3 Zen 2
CPUコア数 8 6
スレッド数 16 12
基本クロック 1.9GHz 1.8GHz 2.3 GHz 2.1GHz
最大ブースト
クロック
4.4GHz 4.3GHz 4.2GHz 4.0GHz
L2キャッシュ 4MB 3MB
L3キャッシュ 16MB 8MB 16MB 8MB
TDP / cTDP 15W / 10-25W
メモリータイプ 最大DDR4-3200 / LPDDR4-4266
GPUコア数 8 7
グラフィックス
周波数 [MHz]
2000 1900 1800

 

実際に、本機器で計測したベンチマークの結果は以下の通りです。顕著なのは、シングルコアの性能がアップしていることです。全コアに負荷のかかる処理のみだけでなく、アプリの起動、ブラウザの使用といった、日常的な作業まで快適になっています。

CINEBENCH R23
マルチコア性能
Ryzen 7 5800U 8086 [本機器で計測]
Ryzen 7 5700U 7798
Ryzen 5 5500U 6577
シングルコア性能
Ryzen 7 5800U 1382 [本機器で計測]
Ryzen 7 5700U 1265
Ryzen 5 5500U 1177

 

多目的に使いやすい液晶を搭載

ThinkBook 13s Gen 3は、アスペクト比16:10の液晶を搭載しています。

一般的なノートPCが搭載するアスペクト比16:9の液晶よりも、縦方向の表示面積が少し増えており、Officeアプリや、ブラウザ等がより使いやすいです。

このアスペクト比16:10の液晶ですが、レノボのThinkPad Xシリーズなどの上級モデルに採用されることが増えています。9万円台から購入できるThinkBook 13s Gen 3でも、画面比16:10の液晶を搭載しているのは、嬉しいポイントです。

アスペクト比16:10の液晶

 

さらに、ThinkBook 13s Gen 3では、WUXGA(1920x1200)の液晶に加えて、少し解像度が高いQHDに対応するWQXGA(2560x1600)の液晶も選択できます。しかも、どちらも100% sRGBクラスと、色域が広めです。クリエイター向けアプリを使用して、ウェブ素材やSNS投稿用の画像や動画の編集を行うのにも適しています。

なお、割引適用後だと実質4,000円程の追加で、WQXGA液晶を選択することができます。

選べる2種類の液晶

 

バッテリーは大きめの56Wh

ThinkBook 13s Gen 3は、13型のノートPCとしては大きめの容量となる56Whのバッテリーを搭載しています。そのため、軽めの作業を想定したベンチマーク「PCMark 10 Modern Officeバッテリーライフと」では、14時間12分と長めのバッテリー駆動時間でした。

作業内容によって、バッテリー駆動時間は大きく変動するものの、高めの処理性能を備えつつ、長い時間しっかり使うことができるのは大きなメリットです。外回りのビジネスパーソン、ノマドワーカー、出張用など、外で使用する機会が多い方も、バッテリー残量を気にせず使用できます。

 

デュアルファンでしっかり冷却

ThinkBook 13s Gen 3は、13型のコンパクトなボディに、高性能プロセッサーを搭載しています。そのため、Zen 3のRyzen 5000シリーズプロセッサーの性能を十分引き出すためには、しっかりとした冷却性能が不可欠です。

内部を確認してみると、デュアルファン構成となっています。実際に、プロセッサーに高い負荷を連続してかけてみたところ、プロセッサーの温度は、ピーク値でも約74℃、少し時間が経過して安定した状態では、約57℃と低めの温度にコントロールされていました。

ライトなゲームや、動画の書き出しなど、負荷の高い作業を行う場合でも、安心して使用できます。

デュアルファンでCPUを冷却

 

9万円台からと高いコスパ

ThinkBook 13s Gen 3は、Ryzen 5 5600U、8GBメモリ、256GB SSDの構成なら、9万円台で購入することが出来ます。Zen 3のプロセッサーに、16:10の色域が広めの液晶を搭載して、この価格は、非常にコストパフォーマンスが高いと思います。

Ryzen 7 5800U、16GBメモリ、512GB SSDのモデルは、13万円台です。やや値は上がりますが、ThinkPad X1 Carbonなどの高級基と比べると安いです。

高いコストパフォーマンス

 

デザインや質感のいいボディ

ThinkBook 13s Gen 3は、格安機とは一線を画しており、ボディのデザインや質感もいいです。

下の画像のように、天板はデュアルトーンになっています。パームレスト部を含め、ボディ全体はアルミニウム製で、表面は陽極酸化サンドブラスト加工が施されており、手触りがよく、汚れも付きにくい感じです。また、エッジ部分やタッチパッドの周りには、ダイヤモンドカットのようなエッジ処理が施されています。

メタルボディなので、持ち出すときも頑丈さの面で安心ですし、質感も高いので外で使っても恥ずかしくありません。

デュアルトーンの天板
輝きのあるエッジ部分

 

ワイヤレスLANアダプターにはWi-Fi 6がおすすめ

ThinkBook 13s Gen 3では、ワイヤレスLANアダプターに、Wi-Fi 5、もしくはWi-Fi 6対応アダプターを選択できます。

Wi-Fi 6対応アダプターであれば、Wi-Fi 5対応よりも、混雑にも強く、より高速での通信が可能となります。確認した範囲では、デフォルトではWi-Fi 6対応アダプターが選択されていましたので、そのままWi-Fi 6対応アダプターを選択することをおすすめします。

ワイヤレスLANアダプターの選択画面

 

やや残念な部分

ThinkBook 13s Gen 3は、ライトな画像・動画編集も行えるスペックと液晶を備えていますが、SDカードリーダーを備えていません。SDカードリーダーがあれば、写真や動画の取り込みを簡単に行えるので、搭載していないのは少し残念です。

また、ストレージをカスタマイズしたときの価格が、やや高めです。256GB SSD→512GB SSDにすると+27,500円(割引適用後:17,000円前後)、256GB→1TB SSDにすると+84,700円(割引適用後:54,000円前後)となります。

大容量ストレージを必要とする場合は、少し価格が上がってしまいます。

ストレージのカスタマイズ画面

 

さらに、LTE対応を選択できません。

最後に、多くの方にとって問題になるのが、納期だと思います。現時点で、納期が3か月以上となっています。レノボのPCは納期が3か月以上となっていても、1か月ぐらいで届くこともありますが、こればかりは分かりません。急いで入手したい方には、この納期の長さは残念な点です。逆に、チェックしてみて短納期で入手できるようになっていれば、購入するチャンスだと思います。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比16:10の液晶を搭載し、Web閲覧やOfficeの作業がしやすいです。
オンライン会議 問題なくできます。マイクの指向性を変更したり、AIベースのノイズキャンセリング機能も備えています。スピーカーは普通です。カメラは彩度がやや低めです。
動画鑑賞 100% sRGBクラスの液晶を搭載しており、精彩で色鮮やかな表示が可能です。スピーカー音も普通です。画面は大きくありませんが、快適に動画鑑賞できます。
RAW現像
画像編集
比較的色域が広い、100% sRGBクラスの液晶を搭載しています。なお、この用途に使用するのであれば、16GBメモリを選択しておくといいと思います。ただし、Ryzenプロセッサーなので、アプリによっては思ったほどの速度が出ない場合もありそうです。また、印刷用途には色域が不足しています。
動画編集 △~○ FHD動画の簡単な編集ならできます。ただし、使用頻度が高い場合や、4K動画の編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載したノートPCをおすすめします。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。

 

ディスプレイのチェック

前述しましたが、ThinkBook 13s Gen 3で選択できるディスプレイは次の通りです。

なお、メーカーサポートの回答と、海外のスペックシートによると、WQXGA液晶も「非光沢」のようです。

ThinkBook 13s Gen 3で選択できるディスプレイ

(1) WUXGA (1920x1200)、IPS、非光沢、300nit, 100% sRGB

(2) WQXGA (2560x1600)、IPS、300nit, 100% sRGB

 

WUXGA (1920x1200)

今回は、WUXGA (1920x1200) 液晶をチェックします。

搭載されていたパネルは「InfoVision M133NW4J R0」でした。なお、別のパネルが搭載される可能性もあります。

色域も広めで、ライトなクリエイティブ作業にも使用できそうです。フリッカーも発生しておらず、見やすく、作業がしやすい液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では359cd/m2とやや高めです。詳しい特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は広めです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は98.2%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ揃っており、1:1の直線に近く(補正されておらず)、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認しました。フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkBook 13s Gen 3のキーボードのチェックです。

キーピッチは実測で横:約19mm弱、縦:約18mm強、キーストロークは約1.2mmです。キートップはわずかにカーブしています。配置に目立ったクセはありませんが、EnterキーやBackspaceキーは、やや小さめです。

打ちやすさに定評があるThinkPadシリーズのようなキーボードではなく、IdeaPadシリーズと同じようなキーボードを搭載しており、打ちやすさは普通です。ただ、キーストロークが浅めで、タイプした時には底付きの衝撃をやや感じます。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

バックライトも付いています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkBook 13s Gen 3のパフォーマンスのチェックです。

以前の「インテリジェント・クーリング」機能は、画面右下の電源スライダーと統合されており、ここから電源モードを変更できます。ここでは、デフォルトの「高パフォーマンス」と、最もパフォーマンスが出る「最も高いパフォーマンス」でベンチマークを計測していきます。

電源モード

 

CPU

ThinkBook 13s Gen 3では、Ryzen 5000シリーズの中でも、Zen 3アーキテクチャーを採用したプロセッサーを搭載しています。

今回チェックするのは、Ryzen 7 5800Uですが、シングルコアの結果を見ると、Zen 2アーキテクチャーのRyzen 7 5700Uよりも高いスコアが出ており、シングルコアの性能が上がっていることが分かります。マルチコアでも高めの処理性能となっています。モバイルノートPCとしては、かなり高めの性能です。

なお、電源モードによるパフォーマンスの差は、ほとんどありませんでした。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 7 5800U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13380
Core i7-10875H 10369
Core i7-10870H 10139
Ryzen 7 5800U 8086 [最も高いパフォーマンス]
7989 [高パフォーマンス]
Ryzen 7 5700U 7798
Core i7-11370H 7123
Core i7-10750H 6839
Ryzen 5 5500U 6577
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-1185G7 6229
Core i5-1145G7 5180
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i7-1165G7 1447
Core i5-1145G7 1417
Ryzen 7 5800U 1382 [最も高いパフォーマンス]
1374 [高パフォーマンス]
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Ryzen 7 5700U 1265
Core i7-10870H 1245
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 7 4700U 1214
Ryzen 5 5500U 1177
Ryzen 5 4500U 1142
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

LPDDR4X-4266のメモリを搭載していますが、このメモリにしては実際に計測した速度がやや遅いです。なお、オンボードなので換装することはできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GB(8GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
最大 約68.2GB/s (34.1GB/s x2)
27.22GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
最大 約51.2GB/s (25.6GB/s x2)
DDR4-2666
デュアルチャネル
最大 約42.6GB/s (21.3GB/s x2)
DDR4-3200
シングルチャネル
最大 約25.6GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

エントリークラスの外部グラフィックスであるGeForce MX330と同程度のスコアが出ています。プロセッサー内蔵のグラフィックスとしては、高めの性能です。ただし、LPDDR4X-4266を搭載した時のインテル第11世代Coreプロセッサーには及びませんでした。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 7 5800U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1185G7
メモリLPDDR4X-4266
22437
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
21056
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18756
Core i5-1145G7
メモリLPDDR4X-4266
18720
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020 [最も高いパフォーマンス]
16868 [高パフォーマンス]
GeForce MX330 16714
Ryzen 9 4900HS 16322
GeForce MX250 15406
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 7 4700U 13861
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
13797
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 4500U 12126
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11226
Core i7-1065G7 11084
Ryzen 3 4300U 9800
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、読み・書きともに十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe-NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
2672
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットはありません。

 

その他のベンチマーク

他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

思ったほど速くはありませんでしたが、普通に使えるレベルです。

Core i9-11900H
16GBメモリ
44秒
Core i9-11980HK
64GBメモリ
46秒
Core i7-11800H
16GBメモリ
53秒
Core i7-11370H
16GBメモリ
72秒
Core i7-1185G7
16GBメモリ
74秒
Ryzen 9 5900HX
32GBメモリ
76秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 5800H
16GBメモリ
93秒
Ryzen 7 5800U
16GBメモリ
95秒
Ryzen 5 5500U
16GBメモリ
97秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :Ryzen 7 5800Uのスコア
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

GeForce RTXシリーズなどの外部グラフィックスを搭載していないので、ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除)や、スーパー解像度といった処理には少し時間がかかりますが、一般的なエフェクト等は問題のない速度でした。一般的な画像編集作業であれば、快適に動作します。

  処理時間
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約1分51秒
ニューラルフィルター(スタイルの適用) 約7秒
スーパー解像度 約27秒
コンテンツに応じた塗りつぶし 約4秒
被写体を選択 約3秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画であれば、動画の書き出しもそこそこ速いです。簡単な編集であれば、問題なく作業できます。ただし、4K動画の編集や書き出しをするのであれば、外部グラフィックスを搭載した機種の方がいいと思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1165G7 4分6秒
Core i5-1135G7 4分41秒
Ryzen 7 5800U 4分50秒
Ryzen 7 4700U 5分05秒
Ryzen 7 5700U 5分18秒
Ryzen 5 5500U 5分36秒
Ryzen 5 4500U 5分57秒
Ryzen 3 4300U 6分44秒
Core i7-1065G7 7分41秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートは、Power Delivery、DisplayPort出力に対応しています。 Thunderboltには対応していません。

今回テストした機器は、Thunderbolt ドック以外、全て使用することができました。低出力のUSB-Cアダプターでも給電できましたが、警告画面が出ます。USB-Cアダプターを使用する場合は、45W以上の出力があるものの使用をおすすめします。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルとの警告が表示される

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、YCbCr444で出力できていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

ThinkBook 13s Gen 3の質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.26kg」とあります。レビュー機で計測した質量は以下の通りで、ほぼ仕様値と同じでした。13.3型のモバイルノートとしては普通~やや重めという感じです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.253kg
ACアダプター+電源ケーブル 346g

 

バッテリー駆動時間のチェック

ThinkBook 13s Gen 3のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は56Whです。13型のモバイルノートPCとしては、やや大きめの容量となります。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りで、長めの駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  Ryzen 7 5800U
WQXGA液晶
(1) JEITA2.0 約16.1時間
(2) PCMark 10 Modern Office 14時間12分
(3) 動画再生時
(4) PCMark 8 Work
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

当サイトで計測したアイドル状態での1時間あたりの充電容量は次の通りです。65WのACアダプターだと、充電速度も速いです。

1時間あたりの充電容量
65W ACアダプター
アイドル時
74%(約41Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「高パフォーマンス」モードでは、ピーク値で、CPU電力は約20W、CPU温度は約64℃です。5分ほど経過した後は、CPU電力が約14W、CPU温度が約56℃で推移しています。

「最も高いパフォーマンス」モードでは、ピーク値が、CPU電力は約30W、CPU温度は約74℃です。5分ほど経過した後は、CPU電力が約14W、CPU温度が60℃以下で推移しています。

Ryzen 7 5800UのcTDPは10-25Wなので、どちらのモードも、CPU電力はやや控え目かなと思います。その代り、CPU温度は低めです。

  • 高パフォーマンス時
  • 最も高いパフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

ThinkBook 13s Gen 3の動作音(静音性)のチェック結果です。いずれも「高パフォーマンス」モードで計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。高負荷時はやや高めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

CPU温度が低く抑えられているので、高負荷時でも表面温度は低めです。不快に感じることなく、使用できます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

cTDP:10-25Wのモバイル向けプロセッサーなので、消費電力はそれほど高くありません。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkBook 13s Gen 3の外観のチェックです。

ボディカラーは、ミネラルグレーです。カラーや使用中の見た目は、ThinkPadシリーズよりも、Yogaシリーズに近いです。

 

天板はデュアルトーンになっていて、かっこいいです。

 

閉じた時の画像はご覧の通りです。厚さは14.9mmと薄めです。

 

スピーカーは、底面と側面の間の斜めにカットされている部分に配置されています。音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

Webカメラは、HD 720pの標準的なカメラで、やや色が薄い感じがします。プライバシーシャッターが付いており、使用しないときはカメラを物理的に閉じておけるので、安心です。なお、IRカメラは搭載していないので、顔認証でのWindowsへのログインはできません。

 

指紋センサーが電源ボタンに統合されています。Windows Helloの指紋認証でのログインが可能です。外出先でマスクをした状態でも、簡単かつセキュアにログインできるので、便利です。

 

インターフェースは、USB3.2 x2、USB-C(DisplayPort、Power Delivery対応)、HDMIを備えています。SDカードリーダーはありません。

 

底面の画像です。

 

底面カバーを外すには、T5トルクスドライバーが必要です。ヒートパイプは1つですが、冷却ファンは2つ備えています。

 

ストレージには、Type 2242 M.2 SSDを搭載しています。

 

ACアダプターは65Wです。コンセントに挿す側のケーブルが太く、かさばります。

 

まとめ

以上がThinkBook 13s Gen 3のレビューです。

Zen 3アーキテクチャーを採用した、Ryzen 5000シリーズを搭載しています。処理性能が高く、PCを快適に動かすことができます。

もう一つの大きな特徴は、アスペクト比16:10の液晶を搭載していることです。ブラウザやビジネスソフトが使いやすいです。さらに、1920x1200ドットに加えて、2560x1600ドットの高解像度液晶も選択できます。どちらも100% sRGBクラスと色域も広めです。ウェブ素材の作成などのクリエイティブな作業にも使用できるレベルでした。

その他、長めのバッテリー駆動時間、パフォーマンスをしっかり引き出す冷却性能、外でも使いやすい高質感のボディといった特徴がありながら、9万円台からなので、価格もリーズナブルです。

LTEに非対応、SDカード非搭載、大容量ストレージがやや高め、納期が長い、といったやや残念な部分もありますが、これが気にならなければ、おすすめのモバイルノートPCです。

 

16:10液晶でも割と安いモバイルノートPC

ThinkBook 13s Gen 3

特徴

  • Zen 3のRyzen 5000シリーズを搭載
  • sRGB 100%クラス、画面比16:10の液晶を搭載
  • 56Wの大容量バッテリーを搭載し、駆動時間が長い

こんなあなたに

  • 高処理性能のモバイルノートPCを安く入手したい方
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