レノボ ideapad Slim 150の実機レビュー

更新日:2020年4月14日
CPU AMD A4-9120E
メモリ 4GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 11.6インチ
液晶種類 HD TN 非光沢
質量 約1.2kg
バッテリー 約9.9時間
価格[税込] 3万円台~
2万円台の格安モバイルノートPC

ideapad Slim 150は、2万円台(税別)で購入できる、格安のモバイルノートPCです。

11.6型と小型で、約1.2kgと軽いので、外出するときに気軽に持ち出すことができます。

ただし、格安PCなので、性能はかなり控えめです。動作は全体的にもっさりしており、使用目的をかなり絞った方がいいように思います。

また、コストダウンのため、液晶の質も低めです。長時間の使用や、子どもの使用を考えている場合は、ご注意ください。

快適動作を求めず、価格重視で、ラフに扱えるモバイルノートPCを希望するのであれば、候補に入れてもいい機種だと思います。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

AMD A4-9120E、4GBメモリ、128GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「ideapad Slim 150の特徴」のみお読みください。

 

ideapad Slim 150の特徴

2万円台の格安PC

ideapad Slim 150は、2万円台(税別)で購入可能な格安ノートPCです。5月6日までフェアを行っており、以下のクーポンコードを使用することで、4,400円引きとなります。

クーポンコード

LVSPRING0506

詳細はこちら→「レノボ 春のPCご購入応援フェア

 

スペックが高くないため積極的におすすめできる製品ではありませんが、"ほとんど使用機会が無い"、"特定の用途でしか使わない"などの用途で、どうしても低予算でノートPCを購入したい方にはいいでしょう。

正面からの様子

 

小型でカバンに入れやすい

ideapad Slim 150は、ボディサイズが小さいため、カバンに入りやすく、収納もしやすいです。また、質量も約1.2kgと比較的かるいため、持ち運びに適していると思います。価格も安いため、万一壊れてしまっても精神的なダメージが少なく、故障を気にせずにいろいろな場所に持ち運んで使用することができると思います。

小型で比較的軽い

 

プロセッサー性能は低い

ideapad Slim 150のプロセッサーは、AMD A4-9120Eです。

AMDの価格を抑えたAシリーズのプロセッサーには、A4からA12まであり、基本的には数字が上がると性能も上がります。加えて、末尾にEが付くと、省電力仕様となり、無印の場合よりも低い処理性能となる傾向があります。これらを考慮すると、A4-9120Eは、AMD Aシリーズの中でも最低ランクのプロセッサーとなります。

実際に使ってみても、起動を含めて動作は重いです。ビジネス用途での使用はおすすめしません。また、インテルのCoreプロセッサー搭載のような快適に動くPCを使い慣れている方が使おうとすると、割とストレスなので、ご注意ください。

AMD A4-9120E搭載

 

HD液晶の質は低め

ideapad Slim 150は、TNパネルのHD液晶を搭載しています。

小さめの11.6型なので、解像度はHDでも問題ないと思いますが、TNパネルなので、視野角が狭いです。また、ギラつきがある液晶なので、長時間の使用だと目が疲れます。

価格やサイズ的には、小学生ぐらいの子どもの初めてのPCとしてもいいとは思うのですが、発達途上の子どもの目のことを考えると、この液晶だと正直なところあまりおすすめはできません。

液晶の視野角が悪い

 

ライバル機種との比較

2万円台~3万円台前半ぐらいの価格の格安ノートPCとの比較を行いました。比較対象は、HP 14s-dk0000と、デル Inspiron 11 3000 2-in-1で、最安構成のモデルで比較しています。

HP 14s-dk0000は、格安ノートですが、FHD IPS液晶を搭載しています。サイズが大きくなるものの、持ち運べなくもありません。この3機種の中では、最もおすすめです。

デル Inspiron 11 3000 2-in-1は、軽量で、2-in-1 PCなので、外でも使いやすいです。ただし、最安構成だとストレージが64GBしかありません。

ideapad Slim 150は、まずまず軽いのとバッテリー駆動時間の長さで分があります。CPU性能はどのPCも低めですが、その中でもideapad Slim 150が一番低い性能となるでしょう。

いずれにしても、これらの格安PCを選択するときは、過度な期待をしないようにしてください。

格安ノートPCの比較
  [本製品]
ideapad Slim 150
[ライバル機種]
HP 14s-dk0000
[ライバル機種]
デル Inspiron 11
3000 2-in-1
画像
CPU AMD A4-9120E AMD A4-9125 AMD A9-9420e
メモリ 4GB
ストレージ 128GB SSD 128GB SSD 64GB SSD
液晶サイズ 11.6型 14.0型 11.6型
液晶種類 HD TN 非光沢 FHD IPS 光沢 HD 光沢 タッチ
質量 約1.2kg 約1.53kg 約1.16kg~
バッテリー 約9.9時間 最大 約8.5時間 28Wh
価格[税別] 29,680円 29,000円 33,231円

 

各用途の快適度

ideapad Slim 150の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
動作全般において、もっさりした感じです。Web閲覧でも、もたつきを感じることがあるでしょう。
動画鑑賞 液晶にギラつきがあり、長時間見ると疲れます。また、YouTubeなどの読み込みに時間がかかり、CPU使用率も解像度によっては100%で推移します。ユーザーさんからのご意見では、YoutubeやNetFlixを再生するとカクついて見るに堪えない方もいるようなので、動画視聴用には止めておいたほうがいいと思います。
RAW現像
画像編集
× 液晶色域の狭さ以前に、PC自体のパフォーマンスが高くないため、画像を扱う作業には適していません。
動画編集 × 動画編集を想定した機種ではありません。
ゲーム × プロセッサー、グラフィックスともにかなり低めのスペックなため、ゲーム向きのPCではありません。

 

ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

液晶には、結構ギラつきがあり、フリッカーも発生しています。長時間の使用だと、目の疲れや、ストレスを感じる可能性が高いです。最大輝度は、当サイトの計測では232cd/m2と低めです。以下詳細を記載します。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は64.4%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、TNパネルに多い傾向ですが、青色が強い画面となっています。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は狭いです。

正面からみたとき
斜めからみたとき

画素形状です。気になるレベルのギラつきがあります。

画面拡大

非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。

画面への映り込み

輝度を少し下げるとフリッカーが確認されました。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

キーピッチは、横が約18.5mm、縦が約17.5mmと、11.6型のノートPCにしては十分です。ただし、エンターキーの左側の2列程はキーの横幅が短くなっています。キーストロークは、実測で約1.2mmなのでやや浅めです。バックライトは搭載していません。

キーの配置は概ね標準的ですが、電源ボタンが右上にあるため、Deleteキーが左にずれて配置されています。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

CINEBENCH R20では、予想以上に低いスコアとなりました。

CPU性能の目安
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
AMD A4-9120E
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 3552
Core i7-9750H 2640
Core i7-10710U 2211
Core i5-9300H 1880
Core i7-10510U 1459
Ryzen 5 3500U 1419
Core i5-10210U 1418
Core i7-8565U 1268
Core i5-8265U 1252
Core i3-10110U 922
Ryzen 3 3200U 675
Celeron 3867U 294
A4-9125 228
A4-9120E 109 [レビュー機で計測]
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

AMD A4-9120E内蔵のRadeon R3の性能も、かなり低めです。

グラフィックス性能の目安
~ 3DMark Night Raid - Graphics score ~
AMD Radeon R3
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce MX250 15406
Radeon RX Vega 10
(Ryzen 7 3750H)
11274
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
9530
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
7744
Radeon Vega 3
(Ryzen 3 3300U)
5951
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
5274
Radeon R3
(AMD A4-1925)
2118
Radeon R3
(AMD A4-9120E)
822 [レビュー機で計測]
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※いずれもノートPC用のグラフィックスです

 

ストレージ

ストレージは、PCIe-NVMe M.2 SSDを搭載していますが、読み書きの速度はSATA SSDレベルです。それでも、HDDよりも十分高速ではあります。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
128GB PCIe SSD
搭載されていたSSD
他のストレージとの比較(SEQ1M Q8T1 Read [MB/s] )
PCIe SSD 約1500~3000 [他のPCで計測]
447 [レビュー機で計測]
SATA SSD 525
HDD 140
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載していますが、読み込み、書き込みともに速度は遅めです。

SDカードスロット性能
~ CrystalDiskMark ~
最大275MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカー仕様値では約1.2kgです。当サイトによる計測では、1.144kgとなっていました。ACアダプターと合わせても約1.3kgなので比較的軽く、持ち運びしやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.144kg
ACアダプター 161g

 

バッテリー駆動時間のチェック

搭載するバッテリーは34Whです。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は普通だと思います。カジュアルに使うのであれば、十分でしょう。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 9.9時間
(2) PCMark 10 Modern Office
(3) 動画再生時 6時間44分
(4) PCMark 8 Work 6時間22分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

ファンレス構造なので、アイドル時でも、エンコード時でも音が発生せず、静かです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

エンコード時でも40℃台なので、低い温度です。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

低めの温度なので、快適に使えます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

かなりスペックが低いAMD A4-9120Eであるため、消費電力も低いです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

外観のチェックです。

今回レビューしたのは、プラチナグレーのボディです。キーボード面はそれほどチープ感はありませんが、液晶ベゼルは太く今どきのデザインではありません。

 

天板です。

 

スピーカーは下図の位置に配置されています。コンパクトなこともあり、音に迫力はありません。勝手に点数をつけると、10点満点で3~4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

液晶が傾く最大の角度です。

 

左サイドに、USB3.0、HDMI、microSDカードスロットが配置されています。ただし、USB Type-Cはありません。

 

底面です。

 

底面カバーを取り外したときの画像です。

 

プロセッサー周りを含め銅の放熱版で覆われており、ファンレス構造ですが、よく冷やすことができます。オンボードメモリなので、メモリの増設はできません。

 

搭載しているM.2 SSDは、短いType 2242ですが、換装はできそうです。また、ねじ穴が別に配置されているので、一般的なサイズのType 2280にも換装できるのではないかと思います。

 

ACアダプターはコンパクトで、ケーブルも太くないので、持ち運びがしやすいです。

 

外観は動画でも掲載しています。

 

まとめ

ideapad Slim 150は、レノボでも最安だと思われる、2万円台で購入可能な格安モバイルノートPCです。

小型で、約1.2kgの質量なので、気軽に持ち運ぶことができます。また、実測で6時間44分の動画再生ができました。一日中使用するようなタイプのPCではないので、十分なバッテリー駆動時間だと思います。ストレージも128GB SSDなので、使いやすいです。

一方、デメリットは、プロセッサーの性能がかなり低いため、動作が全体的にもっさりしていることと、液晶にギラつきがあり、長時間使うと疲れることなどが挙げられます。

価格は安いものの、コスパが高いかと言われると、そうではないと思います。

ネットやメールなど、かなり軽めの作業に絞って使用する方がいいでしょう。購入する場合は、とにかく、過度な期待をしないことが重要だと思います。

タイピングしやすい14型ノートPC

ideapad Slim 150

特徴

  • 2万円台で購入可能な格安ノート
  • 11.6型・約1.2kgで持ち運びしやすい
  • プロセッサーはかなり低性能

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