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レノボ ideapad Slim 150の実機レビュー

CPU | AMD A4-9120E |
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メモリ | 4GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 11.6インチ |
液晶種類 | HD TN 非光沢 |
質量 | 約1.2kg |
バッテリー | 約9.9時間 |
価格[税込] | 3万円台~ |
ideapad Slim 150は、2万円台(税別)で購入できる、格安のモバイルノートPCです。
11.6型と小型で、約1.2kgと軽いので、外出するときに気軽に持ち出すことができます。
ただし、格安PCなので、性能はかなり控えめです。動作は全体的にもっさりしており、使用目的をかなり絞った方がいいように思います。
また、コストダウンのため、液晶の質も低めです。長時間の使用や、子どもの使用を考えている場合は、ご注意ください。
快適動作を求めず、価格重視で、ラフに扱えるモバイルノートPCを希望するのであれば、候補に入れてもいい機種だと思います。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
AMD A4-9120E、4GBメモリ、128GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「ideapad Slim 150の特徴」のみお読みください。
ideapad Slim 150の特徴
2万円台の格安PC
ideapad Slim 150は、2万円台(税別)で購入可能な格安ノートPCです。5月6日までフェアを行っており、以下のクーポンコードを使用することで、4,400円引きとなります。
スペックが高くないため積極的におすすめできる製品ではありませんが、"ほとんど使用機会が無い"、"特定の用途でしか使わない"などの用途で、どうしても低予算でノートPCを購入したい方にはいいでしょう。

小型でカバンに入れやすい
ideapad Slim 150は、ボディサイズが小さいため、カバンに入りやすく、収納もしやすいです。また、質量も約1.2kgと比較的かるいため、持ち運びに適していると思います。価格も安いため、万一壊れてしまっても精神的なダメージが少なく、故障を気にせずにいろいろな場所に持ち運んで使用することができると思います。

プロセッサー性能は低い
ideapad Slim 150のプロセッサーは、AMD A4-9120Eです。
AMDの価格を抑えたAシリーズのプロセッサーには、A4からA12まであり、基本的には数字が上がると性能も上がります。加えて、末尾にEが付くと、省電力仕様となり、無印の場合よりも低い処理性能となる傾向があります。これらを考慮すると、A4-9120Eは、AMD Aシリーズの中でも最低ランクのプロセッサーとなります。
実際に使ってみても、起動を含めて動作は重いです。ビジネス用途での使用はおすすめしません。また、インテルのCoreプロセッサー搭載のような快適に動くPCを使い慣れている方が使おうとすると、割とストレスなので、ご注意ください。

HD液晶の質は低め
ideapad Slim 150は、TNパネルのHD液晶を搭載しています。
小さめの11.6型なので、解像度はHDでも問題ないと思いますが、TNパネルなので、視野角が狭いです。また、ギラつきがある液晶なので、長時間の使用だと目が疲れます。
価格やサイズ的には、小学生ぐらいの子どもの初めてのPCとしてもいいとは思うのですが、発達途上の子どもの目のことを考えると、この液晶だと正直なところあまりおすすめはできません。

ライバル機種との比較
2万円台~3万円台前半ぐらいの価格の格安ノートPCとの比較を行いました。比較対象は、HP 14s-dk0000と、デル Inspiron 11 3000 2-in-1で、最安構成のモデルで比較しています。
HP 14s-dk0000は、格安ノートですが、FHD IPS液晶を搭載しています。サイズが大きくなるものの、持ち運べなくもありません。この3機種の中では、最もおすすめです。
デル Inspiron 11 3000 2-in-1は、軽量で、2-in-1 PCなので、外でも使いやすいです。ただし、最安構成だとストレージが64GBしかありません。
ideapad Slim 150は、まずまず軽いのとバッテリー駆動時間の長さで分があります。CPU性能はどのPCも低めですが、その中でもideapad Slim 150が一番低い性能となるでしょう。
いずれにしても、これらの格安PCを選択するときは、過度な期待をしないようにしてください。
[本製品] ideapad Slim 150 |
[ライバル機種] HP 14s-dk0000 |
[ライバル機種] デル Inspiron 11 3000 2-in-1 |
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画像 | ![]() |
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CPU | AMD A4-9120E | AMD A4-9125 | AMD A9-9420e |
メモリ | 4GB | ||
ストレージ | 128GB SSD | 128GB SSD | 64GB SSD |
液晶サイズ | 11.6型 | 14.0型 | 11.6型 |
液晶種類 | HD TN 非光沢 | FHD IPS 光沢 | HD 光沢 タッチ |
質量 | 約1.2kg | 約1.53kg | 約1.16kg~ |
バッテリー | 約9.9時間 | 最大 約8.5時間 | 28Wh |
価格[税別] | 29,680円 | 29,000円 | 33,231円 |
各用途の快適度
ideapad Slim 150の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
△ | 動作全般において、もっさりした感じです。Web閲覧でも、もたつきを感じることがあるでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | △ | 液晶にギラつきがあり、長時間見ると疲れます。また、YouTubeなどの読み込みに時間がかかり、CPU使用率も解像度によっては100%で推移します。ユーザーさんからのご意見では、YoutubeやNetFlixを再生するとカクついて見るに堪えない方もいるようなので、動画視聴用には止めておいたほうがいいと思います。 |
RAW現像 画像編集 |
× | 液晶色域の狭さ以前に、PC自体のパフォーマンスが高くないため、画像を扱う作業には適していません。 |
動画編集 | × | 動画編集を想定した機種ではありません。 |
ゲーム | × | プロセッサー、グラフィックスともにかなり低めのスペックなため、ゲーム向きのPCではありません。 |
ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
液晶には、結構ギラつきがあり、フリッカーも発生しています。長時間の使用だと、目の疲れや、ストレスを感じる可能性が高いです。最大輝度は、当サイトの計測では232cd/m2と低めです。以下詳細を記載します。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は64.4%でした。

ガンマ補正曲線を確認すると、TNパネルに多い傾向ですが、青色が強い画面となっています。

視野角は狭いです。


画素形状です。気になるレベルのギラつきがあります。

非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。

輝度を少し下げるとフリッカーが確認されました。

※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーピッチは、横が約18.5mm、縦が約17.5mmと、11.6型のノートPCにしては十分です。ただし、エンターキーの左側の2列程はキーの横幅が短くなっています。キーストロークは、実測で約1.2mmなのでやや浅めです。バックライトは搭載していません。
キーの配置は概ね標準的ですが、電源ボタンが右上にあるため、Deleteキーが左にずれて配置されています。


パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CINEBENCH R20では、予想以上に低いスコアとなりました。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~

※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
AMD A4-9120E内蔵のRadeon R3の性能も、かなり低めです。
~ 3DMark Night Raid - Graphics score ~

※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※いずれもノートPC用のグラフィックスです
ストレージ
ストレージは、PCIe-NVMe M.2 SSDを搭載していますが、読み書きの速度はSATA SSDレベルです。それでも、HDDよりも十分高速ではあります。
~ CrystalDiskMark ~


※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載していますが、読み込み、書き込みともに速度は遅めです。
~ CrystalDiskMark ~

質量のチェック
質量のチェックです。
メーカー仕様値では約1.2kgです。当サイトによる計測では、1.144kgとなっていました。ACアダプターと合わせても約1.3kgなので比較的軽く、持ち運びしやすいです。
質量 | |
PC本体 | 1.144kg |
ACアダプター | 161g |
バッテリー駆動時間のチェック
搭載するバッテリーは34Whです。

バッテリー駆動時間は普通だと思います。カジュアルに使うのであれば、十分でしょう。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 9.9時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | 6時間44分 |
(4) PCMark 8 Work | 6時間22分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
ファンレス構造なので、アイドル時でも、エンコード時でも音が発生せず、静かです。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
エンコード時でも40℃台なので、低い温度です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
低めの温度なので、快適に使えます。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
かなりスペックが低いAMD A4-9120Eであるため、消費電力も低いです。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
今回レビューしたのは、プラチナグレーのボディです。キーボード面はそれほどチープ感はありませんが、液晶ベゼルは太く今どきのデザインではありません。

天板です。

スピーカーは下図の位置に配置されています。コンパクトなこともあり、音に迫力はありません。勝手に点数をつけると、10点満点で3~4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

液晶が傾く最大の角度です。

左サイドに、USB3.0、HDMI、microSDカードスロットが配置されています。ただし、USB Type-Cはありません。

底面です。

底面カバーを取り外したときの画像です。

プロセッサー周りを含め銅の放熱版で覆われており、ファンレス構造ですが、よく冷やすことができます。オンボードメモリなので、メモリの増設はできません。

搭載しているM.2 SSDは、短いType 2242ですが、換装はできそうです。また、ねじ穴が別に配置されているので、一般的なサイズのType 2280にも換装できるのではないかと思います。

ACアダプターはコンパクトで、ケーブルも太くないので、持ち運びがしやすいです。


外観は動画でも掲載しています。
まとめ
ideapad Slim 150は、レノボでも最安だと思われる、2万円台で購入可能な格安モバイルノートPCです。
小型で、約1.2kgの質量なので、気軽に持ち運ぶことができます。また、実測で6時間44分の動画再生ができました。一日中使用するようなタイプのPCではないので、十分なバッテリー駆動時間だと思います。ストレージも128GB SSDなので、使いやすいです。
一方、デメリットは、プロセッサーの性能がかなり低いため、動作が全体的にもっさりしていることと、液晶にギラつきがあり、長時間使うと疲れることなどが挙げられます。
価格は安いものの、コスパが高いかと言われると、そうではないと思います。
ネットやメールなど、かなり軽めの作業に絞って使用する方がいいでしょう。購入する場合は、とにかく、過度な期待をしないことが重要だと思います。
タイピングしやすい14型ノートPC
ideapad Slim 150

特徴
- 2万円台で購入可能な格安ノート
- 11.6型・約1.2kgで持ち運びしやすい
- プロセッサーはかなり低性能
こんなあなたに
- とにかく低価格なモバイルノートPCが欲しい
- 用途を絞って、工夫して使える玄人
- 価格3万円台[税込]~
- 一言過度な期待は禁物

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。